■ J3の第10節J3の第10節。1勝4敗4分けで17位の奈良クラブはホームのロートフィールド奈良で松本山雅と対戦した。松本山雅は2勝3敗3分けで14位。オフに大型補強を敢行した松本山雅は「有力な昇格候補の1つ」だったが大きく出遅れた。1つ前の8節の金沢戦(A)はまさかの1対6の大敗。ピッチ外でもbadニュースが続いており、クラブを取り巻く空気は最悪に近い。奈良も出遅れたのでともに浮上のきっかけを掴みたい。
ホームの奈良は「4-1-2-3」。GKマルク・ヴィト。DF生駒稀、鈴木大、澤田雄、下川陽。MF堀内颯、中島賢、國武。FW嫁阪、百田、西田恵。関西大出身で大卒ルーキーのFW百田は9試合で4ゴール。オフにエースストライカーのFW浅川が抜けた穴をしっかりと埋めて奈良の新しい得点源になっている。タイ出身で193cmの大型キーパーのGKキアッドティフォーン・ウドムは2試合連続でベンチ入りを果たした。
対するアウェイの松本山雅は「4-2-3-1」。GK大内。DF馬渡、野々村、橋内、山本龍。MF安永、山本康、佐相、菊井悠、山口一。FW安藤翼。3月27日(水)にJ2の長崎から育成型期限付き移籍で加入した195cmのFWジョップ・セリンサリウは7節と8節はスタメン出場したがこの日はベンチスタートになった。オフに奈良から松本山雅に完全移籍したFW浅川は怪我のため離脱中。これで4試合連続でベンチ外となった。
■ 17位の奈良クラブ vs 14位の松本山雅どちらも2連敗中。苦しいスタートを切った両クラブの対戦はいきなり動いた。開始早々の前半4分にホームの奈良が中央で4人の選手が連動してチャンスを作ると最後は左ウイングで先発起用されたFW西田恵が右足で決めて幸先よく成功する。FW西田恵は今シーズン初ゴールとなった。前半30分にはストライカーのFW百田がヘディングシュートを放ったが松本山雅のキーパーのGK大内が好セーブを見せた。
前半は1対0で折り返した。迎えた後半開始から奈良はFW嫁阪を下げてFW岡田優を投入。すると直後の後半1分に右SBのDF生駒稀のグラウンダーのクロスから投入されたばかりのFW岡田優が右足で合わせて大きな追加点を奪った。新加入のFW岡田優は今シーズン2ゴール目。8節の宮崎戦(A)以来のゴールとなった。2点を追う松本山雅は後半30分にベテランのMF山本康の強烈なシュートが決まって1点差に迫った。
さらに後半34分にはMF菊井悠のCKからニアサイドに入ってきたDF野々村が豪快なヘディングシュートを突き刺して2対2の同点に追いついた。CBのDF野々村は今シーズン2ゴール目。2節のFC琉球戦(A)以来のゴールとなった。試合は2対2のままで終了。ともに勝ち点「1」を獲得した。2点リードを守ることが出来なかった奈良はこれで5試合勝ちなしと苦しんでいる。松本山雅も同じく4試合勝ちなしとなった。
■ DF野々村鷹人は今シーズン4ゴール目!8節の金沢戦(A)で1対6と大敗した松本山雅は危機的な状況になっている。霜田監督が解任されても全く不思議はない状況になりつつある中、何とか追いついて勝ち点「1」を獲得した。一時は0対2になったことを考えると「負けなくて良かった。」と言える。後半30分にMF山本康のミドルシュートが決まって1点差に追い上げたがゴラッソだった。GKマルク・ヴィトはほとんど動けず。反応することすら出来なかった。
後半34分にはCKからDF野々村のヘディングシュートが決まって2対2の同点に追いついた。DF野々村はルヴァン杯の1回戦の山口戦(H)でも2ゴールを挙げている。これで早くも今シーズン4ゴール目。高い身体能力を生かしてセットプレーのときはターゲット役になっている。金沢戦(A)で大量6失点した影響なのか、DF常田はベンチスタート、DF高橋祥はベンチ外。CBのポジション争いは熾烈になってきた。
古巣対決になるのでFW浅川がいたら彼に注目が集まったと思うが残念ながら欠場中。ここ2試合は新戦力のFWジョップ・セリンサリウを先発で起用したがこの日はFW安藤翼の1トップを採用した。高さではなくて機動力で勝負することになったがFW安藤翼の動きは非常に良かった。持ち味である動き出しからチャンスを作った。ただ、決定機を生かせず。特に前半36分に大チャンスは「決めないといけないシーン」だった。
キーパーもこれまではずっと松本山雅U-18出身のGK神田が先発で起用されていたが初めて欠場。ベンチ外だった。2節以降はずっとベンチスタートだったGK大内にチャンスが回ってきたが何度か好セーブを見せてチームを作った。キーパーは実績のあるGK村山とGKビクトルもいるので顔ぶれはJ3屈指である。GK大内はまだ23歳なので若手の部類に入るが経験値は豊富。J3では通算63試合目の出場だった。
■ ウイングのFW西田恵が先制ゴールをゲット!奈良は一時は2対0とリードを奪ったが追いつかれてドロー。痛恨のドローと言える。こちらも5試合勝ちなし。10節を終えた時点で1勝4敗5分けとなった。昨シーズンは昇格1年目ながら5位と大健闘して今シーズンはさらなる躍進が期待されたが「2年目のジンクス」にはまりつつある。昇格1年目に躍進したクラブが研究をされて2年目のシーズンに苦労するケースはJリーグやサッカー界に限らず、非常に多い。
今シーズンも「ボール支配率」はJ3で4位。ボールは回っている。10試合で12得点というのはまずまずと言えるが10試合で16失点というのは少し多い。昨シーズンは38試合でわずか32失点。J3屈指の堅守を誇ったが守備の部分で苦戦している。この日の2失点はゴラッソミドルとセットプレーなので仕方がない部分はあるがここ4試合で計9失点。4試合連続で複数失点となると勝利をつかむのはかなり難しい。
一方の攻撃陣はそれなりに活発と言える。この日は前半は左ウイング、後半は右ウイングでプレーしたFW西田恵が目立った。持ち味である運動量やスピードを生かして攻守両面でチームに貢献。絶大な存在感を発揮した。前半4分にはいいタイミングで中央に入ってきて先制ゴールをゲット。この場面はたくさんの選手が連動して生まれた。素晴らしいゴールだった。2点目のFW岡田優のゴールにも絡んだ。
新戦力のFW岡田優は今シーズン2ゴール目。投入された直後に貴重な追加点のゴールを決めた。サイドからのクロスにうまく合わせたが終了間際の後半49分にもビッグチャンスが到来。得意のエリアからフリーに近い状態でシュートを放ったので決まっていても何ら不思議はないシーンだった。注目が集まるFW百田はこの日は無得点に終わったが動き自体はまずまず良かった。いいポジションにいることが多い。
※ 投稿日:2024年2月14日(水) : 総再生数:10,783回
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