レノファ山口→ FC大阪を躍進させた志垣監督を招聘した山口は2024年のJ2でサプライズを起こした。昨シーズンまでとは見違えるような堅守を武器に上位争いに参加した。28節を終えた時点では14勝9敗5分けで勝ち点「47」。4位とプレーオフ圏内だった。28節は長崎との直接対決だったがアウェイで逆転勝利。3位の長崎との差が「5」まで縮まった。初昇格の期待が高まったがここが今シーズンの山口のピークだった。
29節からまさかの6連敗。プレーオフ争いから脱落した。J2は残り4節となったが5位の岡山ならびに6位の仙台との差は「8」と広がった。プレーオフ出場は絶望的となった。28節の長崎戦を皮切りに岡山→徳島→清水→千葉→仙台→山形と上位との直接対決が続いた。「勝負の7連戦」だったがまさかの1勝6敗に終わった。失点が少なくてここまで安定していた山口の秋以降の急降下は驚きというしかない。
ターニングポイントになったのは28節の長崎戦(A)の後半48分のDFヘナンのレッドカードだった。山口が1点リードした後半のアディショナルタイムに右サイドを駆け上がった選手をハードなタックルで倒して一発レッド。「著しい反則行為」としてDFヘナンは2試合の出場停止となった。29節は岡山戦(H)、30節は徳島戦(H)だったがいずれも出場停止。守備の要を欠いた山口はここから連敗が止まらなくなった。
28節の長崎戦(A)は逃げ切りに成功したが歯車が狂った。29節からの4試合で計12失点。リズムを失った。気が付くと14勝15敗5分けで勝ち点「47」。ついに借金生活に突入した。山口のJ2での過去最高成績は霜田体制だった2018年の8位。J2で1桁順位だったのはこのシーズンのみ。8位のいわきFCとの差は「4」なのでまだ射程圏内になる。「クラブ史上最高順位に並ぶ。」というのが目下の目標になる。