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2010年6月16日 (水)

WikiLeaksに干渉するな!!

2010年6月14日

イラクでアメリカ軍が行った虐殺を写した、政治上不利なビデオが公開されたのがきっかけとなって始めた取り締まり強化の中で、ペンタゴン当局は、ブラッドリー・マニング陸軍一等兵の拘留と、WikiLeaksウェブ・サイトの創始者ジュリアン・アサンジの居場所を見つけ出すための取り組みを強化することを発表した。

6月7日、国防省当局は、“軍事機密を漏らしたとされている”かどで、マニングがクウェートで監禁状態にあることを発表した。三日後、ペンタゴン捜査官は、マニング捜査に関連して、アサンジを探していると、ウェブ・サイトのデイリー・ビーストに語った。オーストラリア生まれのWikiLeak創始者は、先週ニューヨーク市とラスベガスで講演会出演を予定していたが、“警備上の配慮”を理由にキャンセルした。

世界中から、政府や企業の犯罪行為の情報漏洩を求め、そうした情報をインターネットで世界中の人々に公開しているWikiLeaksが、今年四月、暗号を解読し、編集したビデオを“巻き添え殺人”と名付けた特別ウェブ・サイトで公開した。オリジナルのビデオは、2007年に、ロイター社のジャーナリスト二名を含め、およそ15人が殺害された、東部バグダッドでのヘリコプター攻撃中にアメリカ軍が撮影したものだ。

ビデオと、イラク人をせん滅しながら、米兵たちが話しているジョークが入った無線通信の音声は、広範な国際的憤激と、アメリカ軍/諜報機関の強烈な反撃をひき起こした。ロバート・ゲーツ国防長官は、ビデオはアメリカ軍が撮影したものであり、改ざんはされていないことは認めたものの、ビデオ公開を非難した。

マスコミ報道によれば、マニングは、オンラインで知り合ったベテラン・ハッカーのエイドリアン・ラモを信用して秘密を打ち明けるというヘマをした後、5月26日に拘留された。バグダッド東部のハマー前進作戦基地で、陸軍の軍事諜報アナリストとして働く間に、それを基に“巻き添え殺人”が製作されたオリジナルのビデオを含め、軍内部や国務省の文書や通信の膨大なデータを取得することができたと、マニングはラモに語っていた。ラモはマニングを軍とFBIに密告した。

伝えられるところによれば、マニングはクウェートにある軍施設に留置されている。彼から没収された数台のハード・ディスクが木曜日ワシントンに届いており、どのような文書をマニングがダウンロードし、彼がそれで何をしたのかを判断するため、政府のコンピューター専門家たちが現在分析中である。

マニングは、2007年に陸軍に入隊し、極秘/特別隔離情報(TS-SCI)の取り扱い許可資格を持っていた。軍と政府ネットワークを一年以上調べてきたが、“ワシントンDCの薄暗い部屋におかれたサーバーに格納されているのではなく、公のものとなっている、信じがたい物事、とんでもないこと”を発見したと、彼はラモに話したと報じられている。

“巻き添え殺人”として有名になったビデオ以外にも、多数の子供を含め100人以上の人々が殺害された、2009年5月のアフガニスタン、ガラニ村近傍での米軍空襲を撮影した二本目のビデオもWikiLeaksに渡したとマニングは言っている。

“ほとんど犯罪的な政治裏取引”を示していると彼が表現したという、およそ260,000通のダウンロードした秘密外交電報とマニングが主張するものが、軍/FBI捜査の焦点だ。ラモに送った電子メールで“ヒラリー・クリントンや、世界中に駐在している何千人もの外交官が、朝目を覚ますと、機密外交政策の宝庫が丸ごと、検索可能なフォーマットで一般人が入手できることに気がついて、心臓麻痺になるぞ。”とマニングは書いていた。

WikiLeaksは、260,000通の秘密電報は所有していないとしている。アサンジは、マニングの法的防御への財政的支援を申し出たと報じられている。

民主的な権利を擁護するあらゆる人々は、マニングの拘留とアサンジの追跡に反対するべきだ。アメリカ人、そして世界中の人々には、アメリカ大統領の命令のもと、アメリカ軍/諜報機関によって犯された犯罪を知る権利があるのだ。

WikiLeaksとその協力者に対する攻撃は、オバマ政権による、より広範な取り締まり強化の一部だ。ニューヨーク・タイムズが今週報じている通り、ホワイト・ハウスは、バルチモア・サン紙の記者に情報を提供して、NSAにおける財務不正を暴露しようとした国家安全保障局の内部告発者トーマス・ドレーク訴追を進めることを決定した。

タイムズ記事によると、“ドレーク氏訴追は、無許可情報漏洩の処罰を狙うという点で、オバマ政権が、ブッシュ政権よりも、遥かに攻撃的であることを証明する最新の証拠だ。就任以来17カ月で、オバマ大統領は、情報漏洩に対する訴追遂行という点で、これまでのあらゆる大統領を既にしのいでいる。”

情報漏洩に対するこの取り締まり強化は、CIAで働く医師たちが囚人への拷問を行った尋問者に協力していたことに関する、人権のための医師団(PHR)による報告書発行と同じ週に起きた。尋問や拷問を更に継続できるようにすべく、決して囚人が死なないよう、また利用する手法を、更に辛く、効果的なものに洗練すべく、医師たちが拷問を観察していたのだ。報告書の題名が雄弁に物語っている。“拷問における実験: ‘強化’尋問プログラムにおける被験者研究と実験の証拠。

オバマ政権が情報漏洩を防止しようと躍起になっているのは、彼等が常習的に主張している、アメリカ兵士の生命が危機にさらされるなどと言う懸念からではなく、ブッシュ政権を突き動かしていたのと同じ理由からなのだ。ペンタゴン、CIA、NSA、そしてホワイト・ハウス自身の政府首脳たちが、そうした暴露によってもたらされた証拠に基づき、アメリカ合州国国内なり、国際戦争犯罪法廷なりで、戦争犯罪の嫌疑を受けかねないからだ。

イラクにおける武装ヘリコプター攻撃で殺害された人々の肉親たちは、マニング拘留を批判している。ロイター社社員の一人として兄弟のナミールを攻撃で殺害された、ナビル・ヌール-エルディーンは報道陣にこう語った。“人類に対するこの犯罪を暴くという、この米兵の行為こそが正義だ。アメリカ軍は彼を逮捕するのではなく、褒賞すべきだ。”

マニングは犯罪人ではなく、疑いようもなく“彼”が務める軍と“彼”の政府が犯した犯罪に対する嫌悪感に動機づけられた立派な人物だ。World Socialist Web Siteは、いかなる告訴もなしに、マニングを釈放することを要求している全ての人々と共にある。我々は更に、ジュリアン・アサンジや他のWikiLeaks活動家たちの活動を捜査し、弾圧するあらゆる取り組みの中止を要求する。

Patrick Martin

著者お勧めの記事:

流出ビデオ、アメリカ軍による二人のイラク人ジャーナリスト殺害を明らかに

英語原文

[2010年4月7日]

イラクでの米軍による虐殺暴露を受け、ニューヨーク・タイムズ、WikiLeaksを指弾(拙訳)

英語原文

[2010年4月8日]

WikiLeaks虐殺ビデオに映っていた米兵: “毎日これを思い出している”

英語原文

[2010年4月28日]

記事原文のurl:www.wsws.org/articles/2010/jun2010/pers-j14.shtml

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全く別の記事Daniel Ellsberg Fears a US Hit on Wikileaks Founder Julian Assangeでは、かつてベトナム戦争を止めさせようとして、秘密文書ペンタゴン・ペーパーズをマスコミに暴露したダニエル・エルズバーク氏が、この件に深い憂慮を示している。

彼に協力し、政権の意思に反抗して記事を掲載してくれた当時の新聞と、Wikileaks、同じような立場にあるという。しかも現政権、「テロと通じている国民を国は暗殺する権利がある」と考えているだけ、始末におえない。

60/70年安保のころより、厳しく締めつけられている日本は、その第一の子分。

1960年6月15日の「安保闘争」、安保改定阻止国民会議の呼びかけにより、全国で580万人が参加したストが行われ、11万人が国会周辺につめかけた。

夜全学連主流派学生が国会構内に突入、警官隊と衝突、東大生の樺美智子が死亡した。

「普天間基地問題を5月末までに決着させる」といって、ぎりぎり最後までひっぱって投げ出し、幹事長と共に辞任。三流雑誌のごとく、表紙だけ取り替えた。

基地問題、安保問題を、従米度がひどかった自民党・公明党政権時代より、更に悪化させておいて、「表紙を変えて、けじめをつけた」というインチキに、手も無くだまされる人など本当にいるのだろうか?政治家・官僚・財界・マスコミ連合、昔の縁日の香具師さんより、はるかに上手。

国会で何の議論もせず、御祝儀相場の支持率で選挙に逃げ込む、これ以上絶妙な選挙タイミングはありえない。

小泉911郵政破壊選挙も上回る巧みな日程・舞台設定。

微調整はあったにせよ、こうした粗筋は始めから全て決まっていたのだろう。

しかも、実に好都合なことに、マスコミは、

    • 口蹄疫
    • 小惑星探査機「はやぶさ」、そして
    • FIFAサッカー
    • 大相撲・野球賭博

報道一辺倒。すべて、Red Herring・争点のすりかえ。目くらまし。

本土マスコミ脳内には、安保条約・普天間基地などこの世に存在しないがごとし。

宗主国・属国支配層の為の広報紙、貧乏人の「声なき声」など聞く耳は持たない。

宗主国・属国支配層の為の広報紙、宗主国・属国支配層の声を伝えるのが仕事。

森田実の時代を斬るの2010/6/14記事 森田実の言わねばならぬ【527】に、全くごもっともな意見があった。

私の友人は、「朝日新聞とテレビ朝日は菅政権の広報部であり政権の用心棒的存在になっているような気がする。朝日新聞には気をつけた方がよい。最近、菅政権擁護が露骨になっている」と言う。調べてみなければならぬ。朝日は戦前も軍部の手先になった。

戦前どころか、今や「永久対テロ戦中」。永久に、金も血も吸い取られる。

今日の同紙、「天声人語」でこそ「安保闘争」に触れているものの、論説では、アメリカ支配層と親しい主筆氏が様々な外国人の意見を駆使して、同盟深化をうたっている。

ねじれた論説、意味がわからなかった貧しい一読者は属国深化と読み変えた。別のページにあった基地問題放置を批判する大江健三郎氏の文章は、すっと頭に入った。

主筆氏のような文章、いまでも大学入試に使われるのだろうか?そういう入試を受けずにすんだことだけは幸に思う。

2010/8/15追記:

WikiLeaksについて、根本的疑問を呈する意見があり、それを翻訳しておられるブログがある。為清勝彦氏のBeyond 5 Senses。

題して 怪しい臭いがするウィキリークスのジュリアン・アサンジ

むしろ、こちらの意見の方が納得して読める。ならずもの帝国の情報攪乱工作、実に巧妙。

英文原題は下記の通り。

Hidden Intelligence Operation Behind the Wikileaks Release of "Secret" Documents?
The real story of Wikileaks has clearly not yet been told.

by F. William Engdahl

http://www.globalresearch.ca/index.php?context=va&aid=20580 他に、原文あり。

2010/11/4追記:NHK、7:30『クローズアップ現代』でWikileaksについて報道。BSでも放送するようだ。

政治家マスコミ連合を、「政治家・官僚・財界・マスコミ連合」とした。

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コメント

イラクでの米ヘリコプターによるカメラマン殺害のリークの後Julian Assangeは“コルベアー リポート”と言う人気番組(satirical comedy program フォックスニュースの番組を風刺している) のインタヴューに出演していました。興味がありましたら下記で

http://www.colbertnation.com/the-colbert-report-videos/260785/april-12-2010/exclusives---julian-assange-unedited-interview

この様な番組の放送は日本ではチョト難しいのではないでしょうか?

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