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2013年3月24日 (日)

米国防長官のアフガニスタン訪問大失敗

Bill Van Auken

2013年3月12日

バラク・オバマ大統領が新たに任命した、チャック・ヘーゲル国防長官は、週末のアフガニスタン訪問中に、自爆攻撃と、“インサイダー”攻撃と、アメリカが支持する傀儡、ハミド・カルザイ大統領から痛烈な批判とに見舞われた。

訪問の目玉として計画されていた、大統領官邸でのカルザイとの共同記者会見は、日曜、アメリカ当局者が治安上の脅威を理由にして中止になった。アフガニスタン側は、そのような脅威はなかったと否定している。

アメリカ国防長官がカーブルで最も厳重に警備されている建物の中は安全ではないと思った為であれ、それともワシントンが、ほぼ12年間、権力の地位に置き続けた人物と、共に演壇に立つことは不可能だと感じた為であれ、行事のキャンセルは、明らかに、アフガニスタンでの、より小規模恒久軍事駐留に向けたオバマ政権の移行作業の根本的な危機を示している。

ヘーゲルがアフガニスタンに到着して数時間のうちに、二件の自爆攻撃で約20人のアフガニスタン人が殺害された。一件はカーブルの国防省のすぐ外で10人が亡くなった。

ワシントンに不意打ちを食らわせた対応として、カルザイは、女性の日記念の呼びかけという名目でテレビ放送演説を利用して、アメリカを激しく非難し、自爆攻撃は、タリバン攻勢の前に、アメリカが率いる占領軍兵士の駐留継続無しには、アフガニスタン政府が無力なことを見せるための大きな陰謀の一環だと示唆した。

“実際は、昨日タリバンの名で爆発した爆弾は、外国人に役立っているのです”とカルザイは述べた。

“カーブルやホストで起きた自爆は、アメリカに対する力の誇示ではありません”彼は続けた。“事件はアメリカに役立っています。もし彼等[アメリカ軍]がいなくなれば、タリバンがやってくると、我々に警告する、2014年のスローガンに役立っています。実際、昨日、外国人をアフガニスタンに長くい続けさせる為、タリバンの名で爆発した爆弾はアメリカ人に役立っているのです。”

2001年にアメリカ占領で据えられたアフガニスタン大統領は、アメリカ当局者が、タリバン代表と“毎日”カタールで会っているとまで非難した。

この発言は、アフガニスタン駐留の最高アメリカ軍司令官ジョセフ・ダンフォード大将の強烈な反応を招いた。“暴力や不安定が我々の為になると考えるには、我々は過去12年間余りに激しく戦い、過去12年間りに多くの血を流した。”と彼は述べた。

ヘーゲルは、もう少し社交辞令調だった。“私は、大統領に、それは本当ではないと言った”新しいペンタゴンのトップはマスコミにこう言った。“あらゆる和平の見通しも、政治的解決も、アフガニスタン人が主導すべきなのだ。”カルザイの発言が、アフガニスタンの有権者に向けられたものであることを示唆して、ヘーゲルは補足した。“私はかつて政治家だったので、(彼が直面している)圧力は理解できる。”

カルザイが直面している“圧力”は実に強力だ。彼も周囲の腐敗した仲間連中も、100,000人以上から、66,000人にまで人数が減った、アメリカ軍兵士削減後の、自分たちの、政治的、物理的な生存能力について、益々不安になりつつある。

この軍隊は、来年までには半減し、2014年末までには更に削減されると想定されており、アメリカは、残った軍隊を、アフガニスタンに恒久的に配備し続けたいのだ。先週、ペンタゴン中央軍司令官のジェームズ・マティス大将は、アメリカ合衆国上院軍事委員会の聴聞会で、この部隊には、20,000人の兵士がおり、その内、13,600人がアメリカ人で、残りは他のNATO加盟諸国兵士だと述べた。

アメリカ・マスコミは、カルザイの発言を、いつも“とっぴな”もの、彼の“常軌を逸した”性格の一例、として扱うが、彼が示した見解は、アフガニスタンでは、決して格別変わったものとは言えない。実際、日曜、カルザイ演説と同じ日に発表された社説で、アフガニスタン日刊紙サルナウェシは、アメリカが率いる占領軍の行動は“反政府勢力を弱体化させなかったのみならず、実際は反政府勢力を強化した”と非難した。記事は更に、アメリカは“アフガニスタン政府の決定への違反を繰り返し、アフガニスタンを占領国として扱っている”と書いている。社説は言う。その結果、アフガニスタン政権を弱体化させ、アフガニスタン人に、政権は“傀儡奴隷政権”で、反政府勢力が正統なのだと見なすようにさせている。

同紙は、カルザイ政権のアフガニスタン主権尊重の要求を、完全に無視している二つの主な例をあげている。一つは、アメリカが運営する悪名高いバグラム監獄の完全支配権の、ずっと伸び伸びにされてきた引き渡しだ。

ヘーゲル訪問と同時期、土曜に、アメリカ軍司令官ダンフォード大将は、被拘留者の釈放を拒否する権利と、被拘留者に対する無制限のアクセスの継続を、アメリカ軍に認めることを、カルザイ政権が拒否しているので、権限を移譲しないと発表した。

カルザイは、罪を告発されていない、あらゆる囚人を釈放すると誓った。アメリカ軍は何百人ものそうした囚人を、反政府勢力を支持しているという嫌疑で、告発も、まして裁判もせずに、長年拘留している。

もう一つの問題は、カルザイ政権が、彼等は“無辜の人々の拷問と、殺害にまで”関与し、民間人の強制的失踪にも関わっていたと非難している、アメリカ特殊作戦部隊がワルダク州から撤退させるというカルザイの要求だ。

月曜のいわゆる“現地兵士の外国兵士攻撃”つまり“インサイダー”攻撃で、ワルダク州ジャルレズの特殊作戦基地で、アフガニスタン兵士が建前上の同盟者に機関銃を向け、少なくとも、アメリカ軍兵士二人、アフガニスタン兵士三人が死亡した事件で、明らかになったように、二週間後にも、特殊部隊の兵士は現地にいた。

カルザイ政権は、アメリカの手先として機能しており、アフガニスタンでの恒久駐留を維持し、中央アジアの石油の豊富な地域に対する覇権を確保し、隣国中国に対する前線作戦基地を維持するためなら、ワシントンは進んで捨て去るだろう。カルザイは、アメリカはその目的でパキスタン軍とタリバンを操っていることを知っている。

更に過去十年の戦争と、アルカイダや、彼等の同盟とされているタリバン等をを打ち負かすという名目で行なわれ続けている“グローバル対テロ戦争”からして、アメリカが率いる政権転覆の為のリビアとシリアでの介入で、イスラム戦士達が代理部隊として機能させているように、アメリカ帝国主義は、こうした部隊を利用する用意ができていることは極めて明白だ。

一方、12年以上の占領に対する大衆の憎悪を増大させてきた手法を象徴する別の事件で、アメリカ軍兵士達が、車列に近づいたトラックの二人の民間人を射撃し、殺害した。一人が負傷した。犠牲者は警察車両の修理と保守を行なっている会社の社員のようだ。

アメリカ占領軍広報担当官は、車がアメリカ軍車列に余りに接近し、運転手が支持を守らなかったので、兵士達が“自分達を守る為の適切な措置”をとったと述べた。

記事原文のurl:www.wsws.org/en/articles/2013/03/12/afgh-m12.html

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属国である実情をますます露骨に表しつつあるこの国の傀儡与党政治家とくらべれば、カルザイさえ、あるいは、イラクのマリキさえも、まともに見えてくる悲しさ!

    • TPPは、宗主国の命令全て丸飲みし、農産物補償で手仕舞?保険や調達は?
    • 沖縄では、辺野古埋め立て申請
    • 軍事予算増大
    • 集団自衛権
    • 憲法96条改変から始まる、9条廃棄-軍隊の侵略傭兵・鉄砲玉化

自民や、公明や、みんなや、維新を進んで支持する方々、何が嬉しいのだろう?

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