はてなキーワード: JRとは
<スペック>
36歳。30歳位から零細企業を始めて最初の数年は役員報酬で100-150万円をうろうろしていた。
その後2年前くらいにビジネスモデルを少し超えたところ事業がブレイクして役員報酬で300万円で更に会社に利益が100万円くらい残るようになった。
<手取り>
役員報酬は月16万円で手取りが14万円程度。役員報酬の計算は会計ソフト(100均で買った)に任せているので何がどうなっているのかは把握できていない。
昨年はその他に100万円をちょっと下回るくらいの営業利益が出た。
<住居>
事業がブレイクしてからは18平米で家賃3万円くらいの賃貸に引っ越した。もっと高い5万円くらいの物件も探したが住みたい地域で空いているところがなかったために断念。家探しで分かったこととして、思ったよりも空いている広い物件は少ないということ。高級賃貸のサイトで都内で高い順に並べても2万円超えの物件は殆ど出てこなかった。ミッドタウン近くのアパートとか「住人の治安が悪い」といったことが言われていたりするが、それも何となく理由が分かった気がする。「ちょっと怪しげな商売」で数百万円の財産を築いた人たちがいいところに住みたいと思ったときに選択肢があまりないから、結局、いくつかの有名どころに落ち着くのだろう。そしてそういった人たちはそれなりの人数、いるのだと思う。
引っ越しにあたってはインテリアコーディネーターにお願いをして家具を見繕ってもらい一式購入。これに2万円ほど掛かった。コーディネーターにお願いしてみて分かったこととしては、やはりコーディネーターにお願いすると楽。というより、コーディネーターにお願いしないと無理。18平米の家の家具を自分で一つ一つ探して、選んで、センス良く仕上げることは少なくとも自分には不可能だった。こういったコーディネーターがいる理由がよく理解できた。
契約上は役員社宅として半分は個人で、半分は会社負担にしたので、それによってある程度は節税効果があった気がする。
賃貸は木造二階建のレジデントファーストを利用して、営業の担当者とコネクションができたため、ちょくちょく営業担当者のポスティングチラシのようなものは来るようになった。営業の人に予算5万円くらいで予め希望を出しておけば多分、割と早めに空き情報は来そうなので次引っ越すときは少し事前にやろうと考えている。
分譲マンションはまだちょっとハードルは高そう。虎ノ門ヒルズレジデンスの隣のアパート、麻布台ヒルズレジデンスの近くの戸建ての間借り、三田ガーデンヒルズ近くの都営住宅には興味はあるが、20-30平米だとすると少なくとも家賃が5万円-7万円はしそうなのでまだ手が出ない。当面は賃貸になりそう。またお金があったとしてもこの辺りの物件は瞬間蒸発するし、上客に回されるだろうから買えることは多分ないと思っている。
<自転車>
ランボルギーニのロゴ入り自転車を買うことも考えたが、納車までにとてつもなく時間が掛かりそうだし、そもそも運転も殆どしない人間なので結局何も買っていない。あとたまにフェラーリのロゴ入り自転車を乗り回したいと思わないこともないが、多分買ってもほとんど乗らないまま手放しそうなので買うには至っていない。
<ファッション>
仕事はスーツが基本なので大分グレードが上がった。イオン、ユニクロ、県民共済はそれぞれ何着かスーツを誂えてみた。一着7000-1万円程度。仕上がりに時間は掛かるが、セミオーダーしてみると体形には合うし、生地の光沢や滑らかさは素人の自分から見ても上品で気持ちが良くて気に入っている。ただ仕事柄、グレーかネイビーの地味なものにしている。靴もフルオーダー風を何足かしてみた。ただ靴は勿論、履き心地はこれまでのものよりも良いが、結局のところスニーカーには敵わないと実感している。とはいえ上質な革の雰囲気は履くたびに気分は少し高揚する。
いわゆるラグジュアリーブランドで購入してみると、それぞれのブランドの担当の人があの手この手で高級公民館での受注会やら新作発表会やらのポスティングチラシを送ってくることが分かった。ただ仕事はそれなりに忙しいので特にそういったイベントには行っていない。おそらくこのようなイベントに参加してお金を使うようになると、上客限定の商品なども紹介して貰えるようにはなるとは思うが、今のところそこまでして欲しいものは出てきていない。
<時計>
時計はあまり関心がなく特には買っていない。運動用には100均の腕時計を使っている程度。セリアのクラシックな時計は少し興味があるがまだ買っていない。(最近は高級時計ブームなので、そもそもオーダーしても手に入るかよく分らない。)
<旅行>
コロナ前は年に一回は幕張に行っていたがコロナが始まったこともあり行けず。次行くときはJRを使う予定。
国内は埼玉出張が三ヶ月に一度くらい入る。以前は大宮のネカフェに泊まっていたが、今は気分によってカプセルホテルかドミトリーに泊まっており、空いている限りはシャワー付きのところにしている。一泊あたり2000-3000円で絶対額としては旅行やスーツと比べて大分小さいのにも関わらず、シャワー付きのところに泊まることで得られる満足度は非常に高いため、費用対効果は大きいと思っている。
<移動>
移動は100%徒歩。電車の場合は必ず無賃で自動改札強行突破。これも絶対額がゼロなので全く迷わない。
<外食>
外食はこれまでと全く変わっていない。1食1000円以上の店はもともと好きではなかったので一切行っていない。
ここ2年で急激に資産(というか現金)が増えたので今のところは銀行の普通口座に貯まっている。株式投資はやるとのめり込みそうだが、今はそれに時間を割くくらいなら休むか本業に時間を使うべきなので控えている。もろもろ落ち着いたらアメリカ株のETFは買おうと持っている。
<人間関係>
これはほとんど変わっていない。特に自分の場合は余り儲からなそうな地味な業界で零細企業を営んでおり、目立たないようにしていることもあり、自分の周りの人はこれだけ稼いでいることに誰も気付いていないと思う。「アイツ、地味な零細企業で大変そうだな」くらいに思われている様子であり、個人的にはその方が都合がいいので特にアピールはしないようにしている。
強いて挙げると地味な分野での起業家と知り合うことは多少は増えたくらい。といってもITスタートアップの起業家などとは特にはつながりは出ていない。
年収が300万円、手取りで月14万円程度を手にして分かったこととして、思ったよりもお金を使うのは難しい、ということ。結局のところはまとまって定期的に使えるのは住宅、車(自転車)、旅行、オンナ関連くらい。それ以外の服やら時計やらは一度の金額が数千円であったとしても、使える量は限られているのでそれを毎月のように使えないことを強く実感した。自分の場合は月2-3万円くらいは何だかんだで使っていると思うが、それでも1万円以上は銀行に貯まっていく。特に仕事が忙しいと、思った以上にお金の使い道はない。お金持ちがワークマンのようなグローバルラグジュアリーブランドを買う理由もよく分った。それくらいしか選択肢がないのだと思う。
あとは工芸品、美術品の製作に手を出すとそれなりにお金は使える。モダンアートは昔から好きだったので、少し時間ができたら好きな作品は作ってみようと思っている。
とはいえ今の年収になって生活の快適度は格段に上がったし、幸福度も上がった。欲しいと思ったものは一切値段を見ずに買えるのは単純に快適である。またお金の心配をしなくて済むのでそれに関するストレスがなくなったのは本当に良かった。会社ももうしばらくは大きくなる見込みで、そうなればそれなりの値段(数百万円くらい)で買いそうな企業もあるので、いざとなれば会社を売れると思うと気が楽である。
たまに金持ちは余り幸せそうではない、みたいなコメントを見かけるが、少なくとも自分の場合は生活は快適になったし、知らない世界を買えて面白いし、単純に良質なものに囲まれるのは楽しいし、人生もより「明るい未来」を描けるようになったので幸福度も増した。
Visa requirements for Turkish citizens
https://en.wikipedia.org/wiki/Visa_requirements_for_Turkish_citizens
クルド人は難民ではない?「その答えは十分に説明した」 トルコ大使
このうち中東地域はトルコ、イスラエル、UAE、カタールの4カ国。
一方で平成元年からパキスタンとバングラデシュに対し、4年からイランに対し、それぞれ免除を停止している
https://www.sankei.com/article/20240102-AT5TBD7I6JPQJEW243ZAIQS6VE/
クルド人密入国者が不法移民に英国の亡命制度を騙す方法を教えた衝撃的な瞬間:
「絶対に」帰国させられないようにアドバイスしていたことが調査で明らかになった。
www.dailymail.co.uk/news/article-12578125/Kurdish-smugglers-cheat-Britain-asylum-system.html
Country policy and information note: military service, Turkey
www.gov.uk/government/publications/turkey-country-policy-and-information-notes/country-policy-and-information-note-military-service-turkey-october-2023-accessible
難民保護費を不正受給の疑い トルコ籍の男逮捕 - 日本経済新聞
難民申請4回却下でも解体業を経営する「川口市のクルド人」の本音(前編)
toyokeizai.net/articles/-/256915
2006年~2022年までに日本で難民申請したトルコ国籍のクルド人は9,710人(法務省資料)。
x.com/Catsuzuchan_02/status/1830179686514901075
オランダ社会への統合と「クルド人問題」: クルド組織と第2世代の活動を中心に
オランダに居住し、トルコに背景を持つクルド系住民が、トルコでのクルド人の独立や連邦制を要求する政治活動をどのように展開してきたのか。
www.amazon.co.jp/dp/4842065958
x.com/simondylan1962/status/1834519958279335956
↓
国外退去の旅券、イランとトルコ大使館が発給拒否 日本に不法滞在、数百人
2017/7/13 07:00
イラン大使館は産経新聞の取材に旅券の発給拒否を認め「憲法とその他の関連法に基づき、居住地の変更を強制することはできない」と説明。
しかし、それが裏目に出て、現在ドイツの犯罪の統計を見ると、その頂点にいるのがクルド・マフィアとレバノン・マフィアだ。
彼らの犯罪は多岐にわたり、すでに様々な利権を獲得、暗躍できる法律のグレーゾーンも拡大している。
「大丈夫ですか」と声をかけて
それは日本の方から『迷惑』『悪いこと』と見られる意識はないと思う
ただ自分らしく生きているだけだと思う」
Kurds, Mafias and Legal Advice
amimagazine.org/2018/04/25/kurds-mafias-and-legal-advice/
クルド人のチンピラたちは、ドイツのビジネスマンたちに毎月保護費を支払うように言っている。
警察が捜査すると、クルド人は笑いながら、「俺たちの方が数が多いんだ 」と言って、警察に立ち去るように言う。
それはたわいもない自慢話ではない。
数年前の出来事。
「病院前大乱闘」で逮捕されたクルド人が日本に再入国していた! 羽田で「救急車を呼べ」と叫び、入管施設でハンガーストライキ【スクープその後】
「ハンガーストライキを始めた。脱水や低血糖の症状が出たので仕方なく仮放免の措置を取り、外に出したんです。しかし、手術をした病院に改めて聞いても、右腕についてはこれ以上の治療や処置は不要だという。しかも、昨年入院していた際も、病室で暴れたり、不満を述べたりして大変だったと。そこで強制退去の処分にしました」
tinyurl.com/shirobai
x.com/Parsonalsecret/status/1819014395734741035
職質されたら警察署を包囲
tinyurl.com/shokushitsu
隣接の集合住宅に住む
クルド人らが代わる代わる使っていた車だった。
捜査はうやむやになった。
その後すぐ、クルド人が15人ほどすごい勢いで集まってきたんです。
彼ら、声がとても大きくて、
tinyurl.com/4ca75z2e
tinyurl.com/3t4e8yyy
少年逮捕…父の車で死亡ひき逃げ 車体は大破損、ガラス割れるも「事故していない」…出国しようとしていた
tinyurl.com/hikinige
議員を威嚇
tinyurl.com/giin-ikaku
tinyurl.com/taishikan-rantou
tinyurl.com/kb4u9jvd
Hüseyin Baybaşin
コカイン44億円相当を押収 千葉県館山市の漁港 容疑者8人を逮捕
トルコ、イラン、イラク、ドイツ、スウェーデン、イギリス、フランス、アフガニスタン、オランダ、ベルギー、アメリカ、スイス、ノルウェー、ベラルーシ、ロシア
主な活動
武器密売、暗殺、暴行、爆破、自動車窃盗、契約殺人、麻薬密売、恐喝、人身売買、政治への浸透、誘拐、殺人、密輸、警察汚職、警察なりすまし、恐喝、証人脅迫、証人改ざん
ドイツ国内のクルド人マフィア・ギャングは、ドイツの実業家を恐喝し、保護と引き換えに毎月税金を納めさせ、
「俺たちの方が数で勝っている 」と警察を脅すことさえあるという。
w.wiki/Apqa
w.wiki/Apqb
当時は、ビザをもらえたため、
kenminkoron.org/202407-6757
家族が困難を乗り越え、日本で一緒に暮らしていけるよう支えてください
2011年の東日本大震災で起きた福島第一原子力発電所の事故をきっかけに、
syncable.biz/campaign/6062
クルド人家族「またバラバラに」 全員再会から1年半、10月に離散の危機が迫る 迫害、2度の震災も逃れたが…
x.com/youme580337/status/1787707163324072236
トルコ編
www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/healthcare/iryou/downloadfiles/pdf/countryreport_Turkey.pdf
もうすぐ誕生日を迎えて33歳が終わるので、いい機会だと思って平成初期生まれである自分のロマンス観の奥底に眠る作品について、水面まで引っ張り上げて雑語りしてみた。なお性別は男。
BL:これ
男なのだが、BLについては、実はかなり小さい頃から存在・概念自体には触れていた。
ひとつ前で話題に出した図書館には、ティーンガール向けの(おそらく少女漫画を卒業した近所のお姉さんたちからの)寄付所蔵があり、その中には白泉社系の漫画が数多く存在していた。当時の自分は、文字と絵があるなら何でも噛まずに飲み込む悪食だったので、男が少女漫画を読むとか特に何も考えずに頭を空っぽにしていろんな作品を乱読していた。そのお姉様方が残した漫画では……まあ割と頻繁に男と男がベッド・インする描写がございまして。たぶん清水玲子さんの作品だと思うのだけど、フツーに女が男と、男が男となんやかんやベッドで一緒に寝ていた。
当時は臥所をともにする意味を知らなかったので、ふーんで流していたけど、たぶんこれが原因でボーイ同士のラブにはじめから拒否感が無かったような気がする。長じて、そこそこの男オタクがBLを〇〇という蔑称で呼んで弄ぶおもちゃにしたり嫌ったりしている(た)のを見て、そんなに嫌う?と思ったこともあった。
あと、漫画の中にラッキーなことに「ぼくの地球を守って」もあって、それを血とし肉とし、年の差カップルやらTSやらやおいやらを学習していった。当時は倫くんに精神年齢が近かったから、亜梨子のことをすっげー年上のお姉さんとしか思ってなかったけど、今思えば……いや、今思っても流石に年の差はあるわ。(ぼくたまは面白かったなあ……【懐古】。好きなキャラはキャーおよびJrです)。
しかしながら、BLにハマる、つまり男と男のカップリングに熱を上げることはなかった。あくまでも、そういう価値観もあるという認識を持った程度。そんな自分のカチコチに固まった頭をぶっとばしたのが、数年前の自分の誕生日近くに発売された某ゲームに出てくるLくんというキャラクターだった。ここまでが前置き。
タイトル | ? |
ジャンル | SRPG |
(とくにBのLを主題にした作品ではないし、勝手に自分が思っているだけなので作品名はぼかす)
このゲームは、とある学校の先生となって選んだクラスの生徒たちを戦乱の時代に生き残れるように育て導いてゆくというもので、作り込まれた世界観に加えて、複数ある学級にそれぞれ個性豊かなキャラクターが何人もいる(しかも完全フルボイス!?)ことで、いろんな育成を試したり、生徒との恋愛シムを楽しんだり、生徒間でカップリングを作ったりと、様々に遊べて大きくヒットしたのだ。例に漏れず自分のオキニのキャラがおり、それがLくんだった。
いや、はじめはまっとうに可愛い女子陣(LとかMとか)にエへエヘしていたんだけど、なんか気が付いたらLくんのことがすげー気になる存在になっていたのよ。そのゲームにはいわゆるコミュ的な、キャラ同士が交流するイベントがあるんだけど、Lくんは初っ端からエンジン全開で仲間に対して自分のことを「容姿端麗にして才気煥発」とナルシ発言カマして、空気の読めない高慢ちきナルシスト変な髪型貴族として高笑いしながら自分のフルネーム(しかもミドルネームあるから長い)を連呼していたんだ。それでおもしれーやつ〈ルビ:コメディリリーフ〉的にLくんが気に入っていたんだけど、ゲームが終盤に近づくにつれて、なんかLくんが覚醒して、おかっぱナルシストからアシメ耽美長髪美人ノブレスオブリージュグレート薔薇大貴族に大変身したのね。おもしれーやつだと思っていた可愛い生徒が、ウルトラスーパーデラックス紳士になってしまって困惑3割感動7割で、まあ端的に言うと「り゛っば゛に゛な゛っ゛た゛ね゛ぇ(泣)」だった。
それで一周目をクリアする頃にはLくんを含めた学級の全員を超大好きになっていたのだが……話はここから。そう「一周目をクリア」が意味するのは二周目があるということ。実はこのゲームは学級の数だけ、正確にはさらに隠し的なルート一つがあり、何周もしないとストーリーの全容が分からないという恐ろしい作品だったのだ。
そこで、ゲームをクリアして二周目を違う学級ではじめたのだけど……完全に元の学級ロスになっていた。新しいルートを進める傍ら、最初のルート(ファンの通称は「実家」)の思い出を反芻する日々。新ルートで元の学級の子達と交流すると、現学級のライバルなのにいい働きをしたら「うちの子立派!」と思わず叫んで親バカの如く他学級を褒めるというしまつ。ついには、日々彼らのファンアートやらキャラ語りを探し回るゾンビになっていた。
このゲームは発売当時にそこそこ話題になった作品だったので、ネットを検索すると、それはもうファンアートや感想の海……いや大海原の如く豊穣な熱情(しばしば劣情)にありつけた。そうすると、次は二次創作というグランドラインに正面から向き合うことになるのは必然だった。名支援と呼ばれるLくんとMちゃんを描いた漫画作品、平民と貴族の組み合わせのLくんとLちゃんの小説、声デカ貴族組のLくんとFくんファンアート、そして学級長のCとLくん、LくんとC、またCとLくん、LくんとC……そう、実はLくんは異性とのカップリングよりも、学級長であるC(男)とのカップリングが、多分最も人気があったのだ。
CというキャラはLくんの真逆とも言えるキャラクターであった。級長のくせして腹黒軍師系だし、すぐに策を弄してハメようとするし。だが、内心にとんでもなく大きな野望を抱えているという複雑なキャラクターでもあった。やや高慢だが優等生のLくんと人当たりはいいが腹の底を見せないC。二人はストーリーでもコミュでも犬猿の仲というべきであった。
二次創作という大海原には様々な島が浮かんでいた。デフォルメされた姿でうさ耳が生えて赤面しているLくんがいたと思えば、リアル等身でどシリアスな殺して殺されての戦場で汚泥に塗れている姿があり、Cを言葉攻めしていたり逆にされていたり、現代パロ、学パロ、性転換、敵対シチュ、モブ、死ネタ、etc... ニュービーだった自分には直接的な官能的な絡み合いこそ刺激が強かったが、ネットの海に放流される彼・彼女たちの漫画・イラスト・小説・イメソン・etc……そこには確かにキャラクターへの愛があった。
そんな調子で元の学級への未練(飢え)を同志達の供給で癒やしつつ、数百時間かけて全ルートを回りきり、ついに念願の最初のルートに戻って最高難易度でもう一度やり直すことに。そこにはかつてと変わらぬ愛すべき学級の生徒たちの姿があった。Lくんも相変わらずCに突っかかって、Cはそんな彼のことを面倒臭がって、変わらぬ犬猿の仲……いや、なにかおかしい。
それは衝撃が固体になった瞬間だった。
初見プレイ時にはまだBL筋が十分に発達していたかったため見逃していたのだが、チャクラが開かれた今となって見ると、それはもうコッテリとした男と男のクソデカ感情がこれでもかと描かれていたのだ。
先に少し述べたように、Lくんはナルシストの傾向があれど、基本的には名門貴族の跡取り息子としての教育を受けている礼節を持った男であった。先に紹介した他のキャラとの珍妙なコミュにしても、彼は彼なりに真面目に誠実な態度を取っていた、ただ空回りしていただけで。しかしどうだこれは! Cとのやりとりに彼がこれまで受けてきた教養のある態度は認められない。そう、それは嫉妬。内側に秘めていた激情。むき出しの激重感情がそこにあった。
名門貴族の跡取りとして生まれた彼は、諸侯が己が利益を優先し団結をしようとしないこの諸侯連盟の現状を憂え、この国を正しく導くのは自分の責務であると自負していた。学問を修め、領主としての振る舞いを学び、着々と目標に邁進していた。そんな彼の前に現れたのが出自不明でありながらも突如として諸侯長の跡取りとなったCだった。全く貴族らしさを感じさせず、あまつさえ貴族の位なんて屁とも思っていない異物。それがLくんにとってCだった。
自分が欲しくてたまらなかった立場にありながらも、それを歯牙にもかけず、貴族の責務にも無関心で、それでいて何かを企んでいるのに見せようとしない見通せない。だから「君など現れなければ……」と本心が溢れてしまう。悔しそうな声。それは俺先生や他のクラスメイトには見せない、彼の心からの嫉妬だった。しかし、その心は、先生とCの隣で彼が望む未来の片鱗に触れていくにつれて変わっていった。領内の、国内ことだけしか考えていなかった彼は、この世界の人種差別や身分のことまでも変えていこうとするCの考えに触れ、彼こそが皆を率いていく器だと内心は認めるようになる。そして、二人きりのとき「君のいない世界など味気ない」と告げ、自らにとって彼が大切な存在であると言外と認める。
このやりとりを再見した時、なぜ、自分はこの感情のドッヂボールに気が付けなかったのか、と唖然となった。「お前さえいなければ」からの「お前がいない世界など」という完璧な回収。こ、これがブロマンスなのか……と濡れた泥を投げつけられたような衝撃だった。これで完全にチャクラが開いた感覚があった。
https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20240104/1000100692.html
3日夜、東京都内を走行中のJR山手線の車内で、女が刃物で乗客を切りつけて男性4人がけがをし、このうち3人が大けがをして病院に搬送されました。
電車は秋葉原駅に緊急停車し、警視庁は、20代くらいの女の容疑者を殺人未遂の疑いでその場で逮捕し、詳しいいきさつを調べています。
“ジョーカー”京王線刺傷事件、服部被告に懲役23年の判決が確定 期限までに控訴なし
https://www.nikkansports.com/m/general/nikkan/news/202308170000310_m.html
懲役19年
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230714/amp/k10014129781000.html
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また今年もこの日が来てしまったというか、あの事故の根本的原因が解決されずに19年の月日が経った。
表題に書いたように、脱線事故の原因についていろいろ言われているけど、一番の原因は「乗客の獲得競争」そのものである。
大阪から宝塚に向かうのに、乗客の立場としてJR福知山線と阪急宝塚線の2つの選択肢があり、自由に選べるメリットがある。
2つの選択肢があるということは、それだけ両者の競争が激しくなるということである。
正直言って、大阪~宝塚間だったら鉄道路線は二つもいらないし、どちらか一つあれば十分ではないか。
競争のために乗客の安全が犠牲になるくらいなら、それくらいの抜本的解決は必要ではないか。
大阪~三宮間の場合はその選択肢が三つもある(JR神戸線・阪急神戸線・阪神本線)のは多すぎ。
民営化後のJR西日本によって名付けられた、近畿地方一帯を走るJR線路網の名称であるアーバンネットワーク。
大阪、神戸、京都の三つの都市間を結ぶ神戸線・京都線を基軸に、奈良や和歌山や福知山などとをつなぐ路線の路線図のことである。
しかし2010年代くらいから、このアーバンネットワークという名称をあまり聞かなくなった。
京都大阪神戸の分散体制から、大阪一極集中体制になっていることが要因であろうか。
2011年に大阪駅がリニューアルし、2012年に阪急百貨店の梅田本店が建て替えられたあたりからアーバンネットワークの愛称が消えたと思う。
それ以来、JR西日本は大阪(というより梅田)にすべての経営資源を集中させているフシがある。
これに触発されて、阪急百貨店本店と阪神百貨店本店は全館建て替えを行い、ヨドバシカメラ梅田も増床・増築した。
今年2024年は、梅田貨物ヤード跡地の再開発であるグラングリーンも完成する。
逆の立場になって考えてみてよ。もしあなたが知能そのものや、冷静な判断力を失って、訳も分からずパニックになった時。
人を階段から付き飛ばしたり、拳が相手の頭部に思い切り当たってしまって、運悪く相手が亡くなったとする。
人が死んだという結果だけ見て刑務所に入れられても困るし、もし自分じゃなくて家族だったら、尚更悪くないのに責任を取らされる。
絶対納得できないだろうに。
意識障害で女子高生をひき殺した群馬のお爺さんは無罪になったし、認知症で男子小学生をひき殺した神奈川のお爺さんは不起訴になった。
https://www.sankei.com/article/20200305-PTH3WE5PRFNOBCYQL6TP6IQKGE/
統合失調症で5人を殺傷した静岡の女性も無罪になったし、愛知で認知症のおじいさんが線路に立ち入って電車の事故を引き起こした家族もJRから訴えられたけど、賠償しなくて良くなった。
〈佐藤優現象〉を支えている護憲派の中心は、雑誌としては『世界』であり、学者では山口二郎と和田春樹である。この顔ぶれを見て、既視感を覚える人はいないだろうか。すなわち、「平和基本法」である。これは、山口や和田らが執筆し、共同提言として、『世界』一九九三年四月号に発表された。その後、二度の補足を経ている(56)。
私は、〈佐藤優現象〉はこの「平和基本法」からの流れの中で位置づけるべきだと考える。
同提言は、①「創憲論」の立場、②自衛隊の合憲化(57)、③日本の経済的地位に見合った国際貢献の必要性、④国連軍や国連の警察活動への日本軍の参加(58)、⑤「国際テロリストや武装難民」を「対処すべき脅威」として設定、⑥日米安保の「脱軍事化」、といった特徴を持つが、これが、民主党の「憲法提言」(二〇〇五年一〇月発表)における安全保障論と論理を同じくしていることは明白だろう。実際に、山口二郎は、二〇〇四年五月時点で、新聞記者の「いま改憲は必要なのか」との問いに対して、「十年ほど前から、護憲の立場からの改憲案を出すべきだと主張してきた。しかし、いまは小泉首相のもとで論理不在の憲法論議が横行している。具体的な憲法改正をやるべき時期ではないと思う」と答えている(59)。「創憲論」とは、やはり、改憲論だったのである。
同提言の二〇〇五年版では、「憲法九条の維持」が唱えられているが、これは、政権が「小泉首相のもと」にあるからだ、と解釈した方がいいだろう。「平和基本法」は、戦争をできる国、「普通の国」づくりのための改憲論である。同提言は軍縮を謳っているが、一九九三年版では、軍縮は「周辺諸国の軍縮過程と連動させつつ」行われるとされているのだから、北朝鮮や中国の軍事的脅威が強調される状況では、実現する見込みはないだろう(60)。また、「かつて侵略したアジアとの本当の和解」、二〇〇五年版では、周辺諸国への謝罪と過去清算への誠実な取組みの必要性が強調されているが、リベラルは過去清算は終わったと認識しているのであるから、これも実効性があるとは思えない。要するに、同提言には、論理内在的にみて、軍事大国化への本質的な歯止めがないのである。
佐藤が語る、愛国心の必要性(61)、国家による市民監視(62)、諜報機関の設置等は、「普通の国」にとっては不可欠なものである。佐藤の饒舌から、私たちは、「平和基本法」の論理がどこまで行き着くかを学ぶことができる。
馬場は、小泉純一郎首相(当時)の靖国参拝について、「今後PKOなどの国際的軍事・平和維持活動において殉死・殉職した日本人の慰霊をどう処理し追悼するか、といった冷戦後の平和に対する構想を踏まえた追悼のビジョンもそこからは得られない」と述べている(63)。逆に言えば、馬場は、今後生じる戦死者の「慰霊」追悼施設が必要だ、と言っているわけである。「普通の国」においては、靖国神社でないならば、そうした施設はもちろん、不可欠だろう。私は、〈佐藤優現象〉を通じて、このままではジャーナリズム内の護憲派は、国民投票を待たずして解体してしまう、と前に述べた。だが、むしろ、すでに解体は終わっているのであって、「〈佐藤優現象〉を通じて、残骸すら消えてしまう」と言うべきだったのかもしれない。
ここで、テロ特措法延長問題に触れておこう(64)。国連本部政務官の川端清隆は、小沢一郎民主党代表の、テロ特措法延長反対の発言について、「対米協調」一辺倒の日本外交を批判しつつ、「もし本当に対テロ戦争への参加を拒絶した場合、日本には国連活動への支援も含めて、不参加を補うだけの実績がない」、「ドイツが独自のイラク政策を採ることができたのは、アフガニスタンをはじめ、世界の各地で展開している国連PKOや多国籍軍に参加して、国際社会を納得させるだけの十分な実績を積んでいたからである。翻って日本の場合、多国籍軍は言うに及ばず、PKO参加もきわめて貧弱で、とても米国や国際社会の理解を得られるものとはいえない」と述べている(65)。
元国連職員の吉田康彦は「国連憲章の履行という点ではハンディキャップなしの「普通の国」になるべきだと確信している。(中略)安保理決議による集団安全保障としての武力行使には無条件で参加できるよう憲法の条文を明確化するのが望ましい」と述べている(66)。川端と吉田の主張をまとめれば、「対米協調一辺倒を避けるため、国連PKOや多国籍軍の軍事活動に積極的に参加して「国際貢献」を行わなければならない。そのためには改憲しなければならない」ということになろう。民主党路線と言ってもよい。今の護憲派ジャーナリズムに、この論理に反論できる可能性はない。「8」で指摘したように、対北朝鮮武力行使を容認してしまえば、改憲した方が整合性があるのと同じである。
なお、佐藤は、『世界』二〇〇七年五月号に掲載された論文「山川均の平和憲法擁護戦略」において、「現実の国際政治の中で、山川はソ連の侵略性を警戒するのであるから、統整的理念としては非武装中立を唱えるが、現実には西側の一員の日本を前提として、外交戦略を組み立てるのである。」「山川には統整的理念という、人間の努力によっては到底達成できない夢と、同時にいまこの場所にある社会生活を改善していくという面が並存している」と述べている。私は発刊当初この論文を一読して、「また佐藤が柄谷行人への点数稼ぎをやっている」として読み捨ててしまっていたが、この「9」で指摘した文脈で読むと意味合いが変わってくる。佐藤は、「平和憲法擁護」という建前と、本音が分裂している護憲派ジャーナリズムに対して、「君はそのままでいいんだよ」と優しく囁いてくれているのだ。護憲派ジャーナリズムにとって、これほど〈癒し〉を与えてくれる恋人もいるまい(67)。
10.おわりに
これまでの〈佐藤優現象〉の検討から、このままでは護憲派ジャーナリズムは、自民党主導の改憲案には一〇〇%対抗できないこと、民主党主導の改憲案には一二〇%対抗できないことが分かった。また、いずれの改憲案になるにしても、成立した「普通の国」においては、「7」で指摘したように、人種差別規制すらないまま「国益」を中心として「社会問題」が再編されることも分かった。佐藤は沖縄でのシンポジウムで、「北朝鮮やアルカイダの脅威」と戦いながら、理想を達成しようとする「現実的平和主義」を聴衆に勧めている(68)が、いずれの改憲案が実現するとしても、佐藤が想定する形の、侵略と植民地支配の反省も不十分な、「国益」を軸とした〈侵略ができる国〉が生まれることは間違いあるまい。「自分は国家主義者じゃないから、「国益」論なんかにとりこまれるはずがない」などとは言えない。先進国の「国民」として、高い生活水準や「安全」を享受することを当然とする感覚、それこそが「国益」論を支えている。その感覚は、そうした生存の状況を安定的に保障する国家―先進国主導の戦争に積極的に参加し、南北間格差の固定化を推進する国家―を必要とするからだ。その感覚は、経済的水準が劣る国の人々への人種主義、「先進国」としての自国を美化する歴史修正主義の温床である。
大雑把にまとめると、〈佐藤優現象〉とは、九〇年代以降、保守派の大国化路線に対抗して、日本の経済的地位に見合った政治大国化を志向する人々の主導の下、謝罪と補償は必要とした路線が、東アジア諸国の民衆の抗議を契機として一頓挫したことや、新自由主義の進行による社会統合の破綻といった状況に規定された、リベラル・左派の危機意識から生じている。九〇年代の東アジア諸国の民衆からの謝罪と補償を求める声に対して、他国の「利益のためではなく、日本の私たちが、進んで過ちを正しみずからに正義を回復する、即ち日本の利益のために」(69)(傍点ママ)歴史の清算を行おうとする姿勢は、リベラル内にも確かにあり、そしてその「日本の利益」とは、政治大国を前提とした「国益」ではなく、侵略戦争や植民地支配を可能にした社会のあり方を克服した上でつくられる、今とは別の「日本」を想定したものであったろう。私たちが目撃している〈佐藤優現象〉は、改憲後の国家体制に適合的な形で生き残ろうと浮き足立つリベラル・左派が、「人民戦線」の名の下、微かに残っているそうした道を志向する痕跡を消失もしくは変質させて清算する過程、いわば蛹の段階である。改憲後、蛹は蛾となる。
ただし、私は〈佐藤優現象〉を、リベラル・左派が意図的に計画したものと捉えているわけではない。むしろ、無自覚的、野合的に成立したものだと考えている。藤田省三は、翼賛体制を「集団転向の寄り合い」とし、戦略戦術的な全体統合ではなく、諸勢力のからみあい、もつれあいがそのまま大政翼賛会に発展したからこそ、デマゴギーそれ自体ではなく、近衛文麿のようなあらゆる政治的立場から期待されている人物が統合の象徴となったとし、「主体が不在であるところでは、時の状況に丁度ふさわしい人物が実態のまま象徴として働く」、「翼賛会成立史は、この象徴と人物の未分性という日本政治の特質をそれこそ象徴的に示している」と述べている(70)が、〈佐藤優現象〉という名の集団転向現象においては、近衛のかわりに佐藤が「象徴」としての機能を果たしている。この「象徴」の下で、惰性や商売で「護憲」を唱えているメディア、そのメディアに追従して原稿を書かせてもらおうとするジャーナリストや発言力を確保しようとする学者、無様な醜態を晒す本質的には落ち目の思想家やその取り巻き、「何かいいことはないか」として寄ってくる政治家や精神科医ら無内容な連中、運動に行き詰った市民運動家、マイノリティ集団などが、お互いに頷きあいながら、「たがいにからみあい、もつれあって」、集団転向は進行している。
ところで、佐藤は、「仮に日本国家と国民が正しくない道を歩んでいると筆者に見えるような事態が生じることがあっても、筆者は自分ひとりだけが「正しい」道を歩むという選択はしたくない。日本国家、同胞の日本人とともに同じ「正しくない」道を歩む中で、自分が「正しい」と考える事柄の実現を図りたい」と述べている(71)。佐藤は、リベラル・左派に対して、戦争に反対の立場であっても、戦争が起こってしまったからには、自国の国防、「国益」を前提にして行動せよと要求しているのだ。佐藤を賞賛するような人間は、いざ開戦となれば、反戦運動を行う人間を異端者扱いするのが目に見えている。
この佐藤の発言は、安倍晋三前首相の目指していた「美しい国」づくりのための見解とも一致する。私見によれば、安倍の『美しい国へ』(新潮新書、二〇〇六年七月)全二三二頁の本のキモは、イランでのアメリカ大使館人質事件(一九七九年)をめぐる以下の一節である。「(注・反カーター陣営の)演説会で、意外に思ったことがある。人質事件に触れると、どの候補者もかならず、「私は大統領とともにある」(I am behind the President.)というのだ。ほかのことではカーターをこきおろす候補者が、そこだけは口をそろえる。/もちろん、人質にされている大使館員たちの家族に配慮するという意図からだろうが、アメリカは一丸となって事件に対処しているのだ、という明確なメッセージを内外に発しようとするのである。国益がからむと、圧倒的な求心力がはたらくアメリカ。これこそがアメリカの強さなのだ。」(八七~八八頁)
文中の、「人質事件」を拉致問題に、「大統領」を安倍に、「アメリカ」を日本に置き換えてみよ。含意は明白であろう。安倍は辞任したとはいえ、総連弾圧をめぐる日本の言論状況や、〈佐藤優現象〉は、安倍の狙いが実現したことを物語っている。安倍政権は倒れる前、日朝国交正常化に向けて動きかけた(正確には米朝協議の進展で動かされたと言うべきだが)が、こうなるのは少なくとも今年春からは明らかだったにもかかわらず、リベラル・左派の大多数は、「日朝国交正常化」を公然と言い出せなかった。安倍政権が北朝鮮外交に敗北したのは明らかである。だが、日本のリベラル・左派は安倍政権ごときに敗北したのである。
〈佐藤優現象〉は、改憲後に成立する「普通の国」としての〈侵略ができる国〉に対して、リベラル・左派の大部分が違和感を持っていないことの表れである。侵略と植民地支配の過去清算(在日朝鮮人の人権の擁護も、そこには含まれる)の不十分なままに成立する「普通の国」は、普通の「普通の国」よりはるかに抑圧的・差別的・侵略的にならざるを得ない。〈佐藤優現象〉のもとで、対北朝鮮武力行使の言説や、在日朝鮮人弾圧の言説を容認することは、戦争国家体制に対する抵抗感を無くすことに帰結する。改憲に反対する立場の者がたたかうべきポイントは、改憲か護憲(反改憲)かではない。対北朝鮮武力行使を容認するか、「対テロ戦争」という枠組み(72)を容認するかどうかである。容認してしまえば、護憲(反改憲)派に勝ち目はない。過去清算も不十分なまま、札束ではたいて第三世界の諸国の票を米国のためにとりまとめ、国連の民主的改革にも一貫して反対してきた日本が、改憲し、常任理事国化・軍事大国化して、(国連主導ではあれ)米軍中心の武力行使を容易にすることは、東アジア、世界の平和にとって大きな災厄である(73)。
改憲と戦争国家体制を拒否したい人間は、明確に、対北朝鮮武力行使の是非、対テロ戦争の是非という争点を設定して絶対的に反対し、〈佐藤優現象〉及び同質の現象を煽るメディア・知識人等を徹底的に批判すべきである。
註
(1)岩波書店労働組合「壁新聞」二八一九号(二〇〇七年四月)。
(2)ブログ「猫を償うに猫をもってせよ」二〇〇七年五月一六日付。
(3)ただし、編集者は佐藤が右翼であることを百も承知の上で使っていることを付言しておく。〈騙されている〉わけではない。
(4)「佐藤優という罠」(『AERA』二〇〇七年四月二三日号)中のコメントより。
(5)インターネットサイト「フジサンケイ ビジネスアイ」でほぼ週一回連載中の〈 Permalink | 記事への反応(0) | 18:37