フランス市場の頃
- 2015/11/29 23:34
- Category: bologna生活・習慣
素晴らしい快晴。昨朝冷たい空気の中に突っ立っていたのが良くなかったらしく、生憎、体調は今ひとつだ。冷え。冷えって簡単に言うけれど、体をいったん冷やすと連鎖的に様々な不調は出現する。失敗したなあ。と思いながら、今朝は遅くまでベッドの中でぐずぐずした。そんなことが許される環境を幸運に思う。相棒の家族と一緒に暮らしていたらば、そうはいかないに違いないから。
旧市街のクリスマス・フランス市場が始まったのは何時頃だっただろうか。当時は駅の近くの小さな広場で開いていたが、あそこでは場所が足らないと思ったのか、それとも街の中心が良いと思ったのか、中央郵便局前の広場に開くようになった。そもそもヨーロッパでは、駅前とは列車を利用する人、若しくは駅前のバスターミナルを利用する人くらいしか行かない場所である。誰もかれもがり足を向ける場所ではないし、賑わいの中心でもない。フィレンツェに仕事を持っていた頃は、それはもう毎日足繁く駅に通ったけれど、それを止めてボローニャに仕事を持つようになれば一年に数回行けばよいくらいの場所になってしまった。それに駅周辺と言うのはあまり治安の良い場所ではなく、少なくとも人の少ない夜遅くや早朝にはなるべく行きたくない、そんな場所なのである。フランス市場もそんなことが絡んでいるのかもしれない。もっと多くの人に足を運んでもらうには、街の中心に開かなくては、と。ところで、毎年この市場を楽しみにしていると言う割には、私は其処で何を購入したこともない。シャンパンの立ち飲みもしなければ、生牡蠣の立ち食いもしない。山のようなビスケットを購入することも無ければ、バゲットを買うでもなかった。ただ、覗いてみるだけ。どうやら私は見るのが好きなだけで、買い物をする気はさらさらないようだ。もし、フランスの美味しいバターやチーズがあるならば、と思うけど。
長年遠くから眺めているだけだったパリにこの秋足を運んでみたら、パリがとても身近な存在になった。思い立ったらすぐにでも行ける距離と言うのが良い。ただ、今は少し待たねばならないだろう。自分自身は良いとしても、家族を心配させるのはよくないだろう、と言うのが理由である。パリは逃げないから。と最近知人に言われたけれど、全くその通りだと思った。春まで待ってみようと思う。春のすずらんの頃まで待ってみよう、と。
昨年の今日、猫が家にやって来た。人間を怖がって、食べ物を入れた小皿を部屋の隅っこに置いたけれど、寄り付きさえしなかった。そして次の日も。心を開いたのは3日目の早朝。にゃっと小さな声が聞こえた。ソファの下に居るらしかった。そのうち猫は幾度も鳴いて、どうやら何かに挟まって出られないで困っていることが分かった。まだ眠っている相棒を起こして、重いソファをふたりで持ち上げると猫はあっという間にいつもの家具の下に入り込んで再び姿を隠してしまった。でも。その少し後、猫は決心したかのように姿を見せた。置いてあったクッションの上に丸くなって、もしかしたら良い人間なのかもしれないと言った感じで、私達を観察していた。あの日。あの小さな猫は数倍の大きさになり、私達が愛情を注いだ分だけ私達を好いてくれるようになった。それにしたって一年。一年はあっという間なのだ。
つばめ
ねこちゃん、一年おめでとう。
公園でみんな帽子かぶって、寒いんでしょうね。おもしろい構図の写真。
フランスのバターはどんな味ですか。
パリはそんなにもうれしくなる場所なんですね。