■ 破竹の開幕7連勝2014年のJ2は初降格のジュビロ磐田が大本命と言われたが、開幕7連勝の湘南ベルマーレが首位を突っ走っている。磐田は4勝2敗1分けで勝ち点「13」。2013年にJ2を制覇したG大阪の1試合平均の勝ち点は「2.07」だったので、7試合で勝ち点「13」というのは「いいペース」とは言えないが、特別、悪いペースでもない。シーズンの序盤であること考慮すると「まずまず」と言えるが、湘南は勝ち点「21」なので、早くも勝ち点「8」の差が付いている。「独走体勢に入りつつある。」と表現することもできる。
湘南は7試合で21得点を挙げているが、「どこからでも点が獲れるところ」が脅威である。1トップで起用されているエースのFWウェリントンがチーム最多の5ゴールを挙げており、左WBのMF菊池大が3ゴールを挙げているが、MF大槻とMF武富とMF永木とMF宇佐美とDF遠藤航の5人が2得点を挙げており、DF丸山とMF菊地俊とDF三竿の3人も1ゴールを挙げている。したがって、キーパーのGK秋元を除くレギュラー10人全員がゴールを決めており、しかも、「1点だけ。」という選手が少数派になるほどである。
3バックの中央のDF丸山が流れの中でゴール前に上がってくるシーンはそこまで多くないが、右ストッパーのDF遠藤航と左ストッパーのDF三竿は頻繁に攻撃に参加してくる。両ストッパーが積極的攻撃に参加する分、ボランチの2人は攻撃参加を自重しているかというと、そういうこともない。むしろ、MF永木とMF菊地俊の攻撃参加も大きな武器となっている。経験豊富なMF永木がバランスを気にしながらプレーしているのは間違いないが、前掛かりになり過ぎてバランスが崩れたシーンはほとんど記憶にない。
湘南は2012年にJ2で2位となってJ1昇格を果たしたが、J1では6勝21敗7分けで勝ち点「25」。残留圏で15位の甲府は勝ち点「37」だったので、大きな差があった。2013年のJ1は湘南と磐田と大分の3チームの降格があっさりと決まってしまったが、「J1で結果を出せなかった悔しさ」が今の湘南のエネルギーになっている。J1に復帰するだけでなく、J1でも戦えるチームを作っている最中で、曺貴裁監督の見ているところは高いところにある。「2015年にJ1で旋風を巻き起こすこと。」が目標の1つになっている。
開幕7連勝となったが、簡単には止まらないだろう。7節はアウェーで千葉に6対0で圧勝したが、試合後のインタビューで曺貴裁監督は笑顔を見せることは無かった。「もっと質を上げていかなければならない。」と語っていたが、モチベーションや意識が極めて高いチームなので、今後、より良いチームになることはあっても、大きく崩れることは考えにくい。むしろ、試合ごとに他チームよりも多くのものを吸収して、他チーム以上にチーム力を増していく可能性の方がはるかに高いと感じられる。
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◆ まとめ #760 快進撃を続ける湘南の大卒ルーキーコンビ (2014/4/19)
・破竹の開幕7連勝
・ボランチのレギュラーを勝ち取ったMF菊地俊介
・キーマンである大卒ルーキーのDF三竿雄斗
→ 今シーズンのJ2の序盤戦は湘南が主役と言えます。クラブ新となる開幕7連勝を達成しましたが、成績もさることながら、内容も見事で、圧倒的な強さを見せています。フクアリで千葉に6対0で勝利した試合はインパクト大でしたが、快進撃の要因はいくつもあります。MF菊池大のコンバート成功のその1つですが、大卒ルーキーコンビの活躍も好調の要因で、スカウティング能力の高さも強さを支えています。
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