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長岡アジア映画祭実行委員会!ブログ

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柏崎刈羽原発のベントで放出される放射能量

原子力防災を考える長岡市民の会・金子貞男さんによる二回目のコラムです。
画像は6号機原子力圧力容器です。

第一回 ダイアナが示す被ばく予測
http://nagaokatsukurukai.blog.fc2.com/blog-entry-336.html

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柏崎刈羽原発のベントで放出される放射能量

79年に公開された「チャイナ・シンドロームは」、取材中に原発事故に遭遇し真実を伝えようとする女性テレビリポーターと、ずさんな管理に気づき事故拡大を防ごうとする運転管理者、事故を隠蔽し運転を優先する経営者との対立をサスペンス風に描いた映画でした。脚本は、発電所職員カレン・シルクウッドの不慮の交通事故死から着想を得ています。主役ジャック・レモンの渋い演技がとても印象的な映画です。

公開から12日後にスリーマイル島原発で炉心溶融事故が発生したので、映画と現実との関わりについて強い衝撃を受けた覚えがあります。受け取る側に考えることを強いる「出会い」の映画で、それは求めて出会う意志的なものではなくて、偶然の出会でしたが、ハリウッドでは稀有なネオ・リアリズム的映画でしょう。

柏崎刈羽原発は世界最大の出力を誇る原発です。言い換えれば、世界最大の放射能量を持ち、世界最大の潜在的なリスクが内在しているとも言えます。ウラン燃料が核分裂すると熱とともに新たな核分裂生成物が生まれます。特にガス状のものは核燃料を覆う被覆管が破損すると全量が圧力容器の冷却水に溶け出します。過酷事故では圧力容器を減圧する目的で沸騰する蒸気を格納容器に逃がすため、放射能を含んだ蒸気とともに格納容器の圧力が上昇し、圧力抑制室の水に溶けた放射性物質は強い放射線で分解されて気体状になります。

格納容器の破損を防ぐ目的で放射能を環境に出すことを「ベント」と言います。では6号機の場合どれくらいの放射能を放出するのでしょうか。1個の放射性核種が1秒間に1回崩壊して放射線を出すことを「1ベクレル」と言います。炉心が溶融すると、キセノンやクリプトンと呼ばれるガス状の放射性物質が4,800万兆ベクレル、700万兆ベクレルのよう素で格納容器は汚染されます。ベントでは100パーセントの希ガスを、1パーセント程度の気体状のよう素を環境へ放出することになります。3月12日の福島1号機のベントでは希ガスの放出量は4,000兆ベクレルでしたが、柏崎刈羽はさらに天文学的量となり、被ばくリスクが増すことを意味します。

◎柏崎刈羽原発のソースターム
http://www.cnic.jp/5036
(佐藤 暁さん資料)

金子貞男(原子力防災を考える長岡市民の会)

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