2020年を振り返る S東京特派員
担当者が知っている中で、最も映画をよく観ているS東京特派員に2020年を振り返ってもらいました。
慌ただしい中、ありがとうございます。

2020年今年の振り返りというお題をいただいたのでちょっと考えてみました。
そこで今年の映画界をいくつかのキーワードで振り返ってみたいと思います。それではどうぞ。
「新型コロナで映画館営業自粛」
3月25日に東京都からの自粛要請を受けて関東圏で映画館の週末上映休止がはじまり実質映画が見れなくなったあとに4月7日の緊急事態宣言により映画館は完全に休業。当初は5月7日から再開の予定が延長され結局再開されたのは6月でした。
地方はその前から徐々に再開されたものの東京の映画館が閉じたままだったため新作が公開されず地方は2月3月に公開された映画を延々と上映し続けたというのは地方の映画館にとっては打撃だったのではないかと思います。
「映画館の代わりに配信で映画を観客に届ける」
映画制作会社や配給会社は映画館で映画を見てもらうことで収入を得ているわけですから映画館が閉まっていては収入がなくなってしまう。そこで注目されたのが配信でした。
いろんなスタイルの配信があったのですがその中でも新作を劇場入場料と同じ金額で配信、上映予定だったミニシアターに分配する「仮設の映画館」は画期的な試みだったと今でも思ってます。
ミニシアターの存続のためにもこのやり方はずっと続けてもいいんじゃないかと思うんですがどうでしょうか?
「映画祭のオンライン上映」
3月以降の映画祭は延期されたりオンライン上映に切り換えて開催されたり対応が別れました。映画館やホールを使って実際に上映した映画祭もゲストが来日できず映画の上映だけになったりと例年とはかなり異なる開催に。その後の秋の映画祭シーズンのころにはオンラインで海外ゲストと会場の観客との交流が試みられたりと新型コロナに対応した形が定着しつつあるように感じました。オンライン上映は東京フィルメックスがやった「リアル上映終了後、期間を置いてからオンライン上映」が映画祭で見逃した映画を後から追いかけてみることができて見る機会を増やせてよかったと思います。
コロナが過ぎても映画祭のオンライン上映は続けてもいいんじゃないでしょうか。
「ディズニー、ワーナーが映画から配信に方針転換」
アメリカの感染が一向に終息せず映画館に観客が来ないからという切実な事情はわからなくもないのですがディズニーなどはアメリカだけでなく世界中の映画館の収入に影響を持つ映画会社。それが新作を映画館にまわすことをやめて自社の配信サービスのみでの公開に切り換えたのは本当にがっかりしました。映画館は映画制作会社が収入を得るための重要はパートナーだったはず。それをあっさりと切り捨てたことは倫理的にも問題じゃないかと思います。
まあディズニーならそういうことを考えるかなと諦めていたんですがワーナーがそれに追随するかのように自社の新しい配信サービス、しかもサブスクリプション型の配信で新作を提供との決定。なんかどんどんアメリカのメジャーが配信に移行していくようで本当にがっかりしました。
「『鬼滅の刃』興行記録を塗り替える大ヒット」
今年の明るいニュースはやはりこれでしょう。今週末からはアトラクション型の4D上映もはじまるのでたぶん『千と千尋の神隠し』を抜き歴代興行成績第1位になるのほぼ確実。
コロナ禍にあっても観客は見たい映画があれば映画館に来るということが証明された、といえるのではないでしょうか(もちろん万全の感染予防策をとっているからこそですが)。これは映画制作者や映画会社、映画館にとって大変心強い励ましになったんじゃないかと思います。
コロナによる社会変動はまだまだ続きそうで映画館の置かれた状況はいまだに流動的です。
でもこれまでの状況の変化から今はわりと映画館の将来について私は楽観的になっています。ディズニーが映画界から去りマーベル映画が映画館で見れなくなるのは映画館にとってはたしかに損失かも。でもそれに代わるものを映画制作に踏みとどまった映画会社がきっと生み出していくはず。 そんな風に思っています。
慌ただしい中、ありがとうございます。

2020年今年の振り返りというお題をいただいたのでちょっと考えてみました。
そこで今年の映画界をいくつかのキーワードで振り返ってみたいと思います。それではどうぞ。
「新型コロナで映画館営業自粛」
3月25日に東京都からの自粛要請を受けて関東圏で映画館の週末上映休止がはじまり実質映画が見れなくなったあとに4月7日の緊急事態宣言により映画館は完全に休業。当初は5月7日から再開の予定が延長され結局再開されたのは6月でした。
地方はその前から徐々に再開されたものの東京の映画館が閉じたままだったため新作が公開されず地方は2月3月に公開された映画を延々と上映し続けたというのは地方の映画館にとっては打撃だったのではないかと思います。
「映画館の代わりに配信で映画を観客に届ける」
映画制作会社や配給会社は映画館で映画を見てもらうことで収入を得ているわけですから映画館が閉まっていては収入がなくなってしまう。そこで注目されたのが配信でした。
いろんなスタイルの配信があったのですがその中でも新作を劇場入場料と同じ金額で配信、上映予定だったミニシアターに分配する「仮設の映画館」は画期的な試みだったと今でも思ってます。
ミニシアターの存続のためにもこのやり方はずっと続けてもいいんじゃないかと思うんですがどうでしょうか?
「映画祭のオンライン上映」
3月以降の映画祭は延期されたりオンライン上映に切り換えて開催されたり対応が別れました。映画館やホールを使って実際に上映した映画祭もゲストが来日できず映画の上映だけになったりと例年とはかなり異なる開催に。その後の秋の映画祭シーズンのころにはオンラインで海外ゲストと会場の観客との交流が試みられたりと新型コロナに対応した形が定着しつつあるように感じました。オンライン上映は東京フィルメックスがやった「リアル上映終了後、期間を置いてからオンライン上映」が映画祭で見逃した映画を後から追いかけてみることができて見る機会を増やせてよかったと思います。
コロナが過ぎても映画祭のオンライン上映は続けてもいいんじゃないでしょうか。
「ディズニー、ワーナーが映画から配信に方針転換」
アメリカの感染が一向に終息せず映画館に観客が来ないからという切実な事情はわからなくもないのですがディズニーなどはアメリカだけでなく世界中の映画館の収入に影響を持つ映画会社。それが新作を映画館にまわすことをやめて自社の配信サービスのみでの公開に切り換えたのは本当にがっかりしました。映画館は映画制作会社が収入を得るための重要はパートナーだったはず。それをあっさりと切り捨てたことは倫理的にも問題じゃないかと思います。
まあディズニーならそういうことを考えるかなと諦めていたんですがワーナーがそれに追随するかのように自社の新しい配信サービス、しかもサブスクリプション型の配信で新作を提供との決定。なんかどんどんアメリカのメジャーが配信に移行していくようで本当にがっかりしました。
「『鬼滅の刃』興行記録を塗り替える大ヒット」
今年の明るいニュースはやはりこれでしょう。今週末からはアトラクション型の4D上映もはじまるのでたぶん『千と千尋の神隠し』を抜き歴代興行成績第1位になるのほぼ確実。
コロナ禍にあっても観客は見たい映画があれば映画館に来るということが証明された、といえるのではないでしょうか(もちろん万全の感染予防策をとっているからこそですが)。これは映画制作者や映画会社、映画館にとって大変心強い励ましになったんじゃないかと思います。
コロナによる社会変動はまだまだ続きそうで映画館の置かれた状況はいまだに流動的です。
でもこれまでの状況の変化から今はわりと映画館の将来について私は楽観的になっています。ディズニーが映画界から去りマーベル映画が映画館で見れなくなるのは映画館にとってはたしかに損失かも。でもそれに代わるものを映画制作に踏みとどまった映画会社がきっと生み出していくはず。 そんな風に思っています。
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