あなたの「れいわ一揆」を!

すっかり原一男監督に当てられたので、昨日の続きを。
『れいわ一揆』の成り立ちは女装でなく女性装で過ごす東大教授の安富歩氏と原監督がネット番組で対談した際、
ユニークな選挙活動を知った原監督が次はぜひ映画に撮りたいとラブコールをしたところ、
今回出馬することになった安富氏が原監督に連絡して実現できたもの。
ニューヨークで『ゆきゆきて、神軍』が上映された際、
兼ねてからこの映画を高く評価してたマイケル・ムーア監督と原監督の対談が実現し、
それが日本の新聞でも記事となり、それを読んだ安富氏が
マイケル・ムーアが一目置く監督なのかと知って映画の依頼をしたもの。
この時点で安富氏は原監督の映画を1本も観てないとのこと。
そんな安富氏をトークで原監督は撮影中に食べ物の恨みを持ってしまい
その恨みからか「奥崎謙三には及ばない」と評してましたが、
もちろん冗談とはいえ、それ以前に奥崎健三の真似は誰もできないだろうと。
大人げなさにもビックリしました。
その安富氏が掲げる政策「子どもを守る、子どもの夢を叶える」
これはマイケル・ジャクソンの哲学からきてるそうで、
意外なとこでマイケルが出てきて、
選挙活動中に銀座の歩行者天国で「スリラー」のフラッシュモブを敢行、
もちろん撮影し完成版に使おうとしたところ、
マイケルの曲を映画に使うには莫大な著作権料が派生することがわかり、
止む無く断念し、別のアプローチで仕上げてましたが、
ド派手に「スリラー」が流れるよりも、こちらの方が本作に相応しい気が。
ただ安富氏の演説中にピアニカでマイケルの「ヒール・ザ・ワールド」が確かにバックに流れてるのは大丈夫だろうか。
確かにれいわ新選組、というより安富氏の目指す世界は「ヒール・ザ・ワールド」の歌詞そのものなんだろうと納得できました。
あと安富氏の言葉で印象に残るのは「日本は立場社会」ということ。
選挙日当日、れいわ新撰組のもとに多数の報道各局、各社が押しかけ動きがあるたびに
テレビのスタジオから山本太郎代表がコメントを求められましたが、
当時、担当者も思っていたのは、そんなに今になってコメントが欲しいなら、
なぜ選挙期間中にれいわを取り上げられないのかと。
ご存知のように報道各局はほとんどれいわを無視して、
今となっては大ウソつきのパフォーマンスばかり取り上げてた印象を持ち、
それに異を感じた面々がネットでれいわの活動を知ってた支持を広げたハズ、
もっとテレビや新聞がれいわを取り上げてれば別の展開になっていたものを。
映画では開票日、押しかけた記者達に向かって支持者が
「あなたたちは報道記者になろうとした志を持ってたハズ」と問いかけると、
安富氏が代弁して、
「立場が今の彼らを作っている、問題は組織であって彼らは悪くない」
という旨で擁護しながらも痛烈な批判を。
既存のマスメディアは政権の都合ばかり忖度するこの状態だと生き残れるハズはないと
論破してたのは胸のすく思いが。
それで原監督のトーク後、サイン会もあるというのでパンフレットを買おうとしたら、
今回は作らずにいて代わって画像の「れいわ一揆 製作ノート」が映画1本分のお値段で販売。
少々、出費がと思いながらもサインをいただける機会ならばと奮発、
この本は映画の採録と山本代表を除く候補者のインタビューを中心に書かれており、
サインを書いてもらう際、原監督に気になったことを尋ねてみました。
この本も映画も、山本代表にもオファーしたものの、
時間が取れずインタビューが実現できなかったそうで、
その件を尋ねてみましたが、返答を書くのも野暮かと思い割愛、
ただしつこいようですが奥崎謙三という本物の狂人を相手に共犯関係を持ち修羅場を体験した原監督にとって、
山本太郎という寵児でさえも咀嚼したと受けとり、
温和なお爺さんの、その本性の凄みに少しでも触れたように思いました。
今年は奥崎謙三生誕100年という記念すべき(?)年。
奇しくもコロナ禍で世界中が身動き取れなかったことと奥崎謙三100年は何か繋がってもおかしくないような気が。
『ゆきゆきて、神軍』は毎年東京でリバイバル上映され、
初めて観る若者たちでいつもごった返すようで、
観たもの全てがたぶん生涯にわたってトラウマのように記憶されるのではないかと。
明日のシネ・ウインドでの上映は担当者は残念ながら行けませんが、
観る機会がある人はぜひとお勧めいたします。
それと昨日の記事に少し触れた原監督の奥様、小林佐智子プロデューサー。
大変小柄な方で『ゆきゆきて、神軍』も手掛け、
よくこんな小柄な方が、あんな猛獣のような狂人と渡り合ったものだと思い返したりします。
原監督のサインには
あなたの「れいわ一揆」を!
と突き付けられた一言を寄せてありましたが、
これは監督からの問いかけとし、
いづれにしても大きな刺激となりました。
奥崎謙三もはや別次元の住人なのであえて敬称略で。
奥崎謙三生誕100周年記念 夏の神軍祭り『ゆきゆきて、神軍』特別予告編
https://www.youtube.com/watch?v=mfgi2fXzwK0
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