長岡・山古志ロケ映画 『冬のアルパカ』RETURNS
「地道に働け! バカヤロー」
長岡駅前地下道で借金返済のために悪戦苦闘するヒロインに向けて、
宇野祥平さん扮する得体の知れない男が言い放つ言葉なんですが、
今回の上映に向けて久しぶりに『冬のアルパカ』を見返したら、
この言葉が突き刺ささってしまいました。
担当者が上映会活動をしている中で一番、楽しく思ったのが
この『冬のアルパカ』を撮影した一週間でありました。
原田裕司監督から届いた脚本からロケ地の交渉やエキストラの募集をツテを頼って募ったりと、映画つくりのゼロから関わっただけに、この映画が愛しく思ったものの、
ちょうどこの映画が完成した頃から人間不信の極みをたくさん経験し、
映画のヒロインがどんどんツキから見放されて落ちていく様は、自分のことのように深く共感を覚えた次第です。
さまざまな事情を経て、地味に働いてようやく自力で活動できることになり、
この『冬のアルパカ』の上映の許可をもらいに原田監督に電話したところ、
喜んでという感じで快諾をいただいたときには本当に涙を流しておりました。
ついでに今回の上映を撮影にお借りしたラブホテルのプレトマト支配人さまに伝えようとホテルに電話をしたら昨年退職したとのこと。
振り返ればラブホテルを撮影に貸していただけないかとお願いした中で、何件か断られた中でこの支配人は快諾。
撮影チームの駐車場まで手配してくださり、正直名のあるスターが出てるわけでもない、どこの馬の骨かわからない撮影隊にこれだけよくしてくれる人が長岡にいるんだ、ということに感激した次第でしたが、携帯の番号を知っていたのでかけたら、なかなか楽しそうな雰囲気の場所にいるようで、悠々自適の生活なんだなぁと思った次第でした。
撮影からもう7年になるのか、この間にクライマックスのライブハウス音楽食堂は火事となり今は場所を移転。よって貴重なありし日のライブハウスの姿が映画に残ってますが、
他にも夜間の撮影で底冷えとなり、撮影がうまくいかず原田監督の怒声が飛んだパチンコ店パーラーいちごは現在は車屋さんに。
居酒屋の前でヒロインと警備するシーンで使われた山屋さんはその後、すぐさま長岡駅前に移転、かつてのお店は今は更地に、そしてこのシーンで看板が見える、長岡のおなじみのコーヒーショップだった郭公も閉店と凄い勢いで長岡は変貌しているのが、この30分の映画だけでも、見直して感じたりできましたが、一方の撮影地である山古志の要所要所は今も変わらずにあることを思うと、この二つの地域の対比も感じることができました。
そもそも住みます芸人のバックスクリーンのお二人も解散し別々の道を。
さらにいえば取立て屋のボスを演じた当時の毎日新聞長岡支局長はやはり素人芸を超えた怪演でありましたが
美松のシュークリームを食べてるシーンが今は亡き市民映画館をつくる会事務所なんで登場したらやはり冷静でいられませんでした。
見所を尋ねられたら客観的にいられないので、すべてと答えますが、今回見直して正直いえば暗い映画なだけに、余計にアルパカの可愛さを感じることができました。
撮影地の冬にアルパカが収められてるシーンは貴重な場面でもあり、さらに言えば冒頭でヒロインと一頭のアルパカがお散歩しているシーンの雪壁もスクリーンで見てこそ、圧倒されるものを感じるかと思います。
今回の上映も二つ返事で快諾してくれた原田監督は電話の中で今秋から長岡造形大学の講師となるそうで、
できたらまた長岡でお会いし、山古志の樺沢さんの蕎麦を食べたいものです。
担当者が上映会を続ける限り、なんらかの機会があればこれからも上映し続けたい『冬のアルパカ』
やはり個人的にさまざまな感情がぶり返します。
『冬のアルパカ』(2012年、30分)監督・脚本・編集 原田裕司
出演 仁後亜由美、伊藤公一、大迫一平、岡村昌彦、バックスクリーン、宇野祥平 他
*郁子は雪深い山郷のアルパカ牧場で働いているが、冬の間は豪雪のためにお客は誰も来ない。
借金を抱える郁子は、それでもひとりで働き続けていくのだが……。
真冬の山古志で俳優、スタッフが一週間に渡って合宿しながら撮影を敢行した全編長岡ロケ映画。
冬季のアルパカ牧場や音楽食堂での迫力あるライブシーンなど見どころ満載。
ゆうばりファンタスティック国際映画祭・北海道知事賞受賞。
『冬のアルパカ』予告 Trailer "Winter Alpaca"
https://www.youtube.com/watch?v=5b6l8w5U5SE
主演の伊藤公一さんのプチョン国際映画祭上映レポート。
http://nagaokatsukurukai.blog.fc2.com/blog-entry-102.html
『冬のアルパカ』撮影日誌
http://fuyunoalpaca.web.fc2.com/shootingjournal.html
===================================
★ながおか市民活動フェスタ‘18 参加企画
トーク&上映会
*長岡監督特集上映第4弾
日時 9月8日(土)
会場 アオーレ長岡シアター
入場無料 (よろしければカンパをお願いします)
入替制
*10時より各上映作の整理券を会場にて発行します。
10時10分~
原田裕司監督・脚本 『冬のアルパカ』(30分)長岡・山古志ロケ映画
出演 仁後亜由美、伊藤公一、大迫一平、宇野祥平 他
11時00分~
小林茂監督・撮影・ナレーション 『雪合戦』(58分)
上映前 須藤伸彦氏 (「小林茂の仕事」Oタスケ隊トーク)
13時~
五藤利弘監督・脚本 『モノクロームの少女』(99分)栃尾ロケ映画
出演 寺島咲、入野自由、川村亮介、大杉漣、加藤武
上映後 五藤利弘監督トーク
*予告なく変更になる場合があります。予めご了承願います。
主催 長岡アジア映画祭実行委員会!
問 電話 09045204222
e-mail [email protected]
HP http://nagaokatsukurukai.blog.fc2.com/
20180908長岡監督上映会
https://www.youtube.com/watch?v=RqGTrxIOHtU
| 未分類 | 21:26 | comments(-) | trackbacks:0 | TOP↑