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2024.02.01 20240131 水
 早くも晦日となってしまった今年の1月。月日の経つのが速い。

 5時半に目が覚めてしまったので、そのまま寝床で「短篇ベストコレクション 現代の小説2012」を読むことから始め、午後までに80ページ読む。
 篠田節子の「トマトマジック」は、意図せずに摂取したナチュラルドラッグによって、中年女性たちの美意識が単なる物欲に過ぎなかったことを描いてみせる、一種ざわりとするような作品。
 谷村志穂の「ストーブ」は、北海道の港町にある、ある新聞記者の海辺の番小屋のような隠れ家での思い出がモチーフ。脇役として登場する弟がいい役回りをしている。
 筒井康隆の「つばくろ会からまいりました」は、妻が入院中の一人では身の回りのことができない男性のもとにやってきた派出婦をめぐる話。ショートショートの切れ味が光る。

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(「いさご食堂」のワンタンメン)

 ほぼ3年ぶりとなる泉町の「いさご食堂」でランチ。
 五目中華850円とどちらにする迷い、ワンタンメンの大盛り、800+100円にする。ここの中華そばを食べるのは14年ぶりで、どういう味だったかもう忘れていたが、食べてみてこの味こそいさご食堂だと思い出す。醤油だけでなく塩を調合しているのか、あるいは白醤油を使っているのか、色が薄く、醤油のかえしの力強さをあえて抑えている感じ。こういう味の出し方もあるのかもしれないが、個人的にはもっと醤油香のインパクトが欲しいところだ。
 麺の茹では強過ぎて腰砕けの感があり、喉越しはいいもののかなり柔らか。ただし麺量は、大盛りにすることでかなり増量されている。100円プラスでこの量なら立派。ワンタンは大ぶりのものが5つで、けっこうな食べ応えがある。
 かつては通常の中細麺とは別の「手打ち中華」があったものだが、今はそれがメニューに「手もみ中華(太麺)」と掲載されている。そう表記し直したということは、手打ちをやめて機械打ちにしたのかもしれない。

 午後は、1月の東京ショートトリップの記録を書き始め、旅のはじめの動機の部分をまとめる。まだ旅の本編に入らないほんのさわりのところだが、書き始めたということに自分なりの意義を見いだしたい。先は長いぞ。

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(「中岡慎太郎館」の前、郷里の山並みを背景に建つ「中岡慎太郎像」 2020.6.25)

 夜からは、「新装版 竜馬がゆく(2)」(司馬遼太郎著、文春文庫、1998)を手にして、40ページ読む。
 黒船の出現以来、猛然と湧き上がってきた勤王・攘夷の勢力と、巻き返しを図る幕府との抗争は次第に激化してきた。先進の薩摩、長州に遅れまいと、土佐藩でクーデターを起し、藩ぐるみ勤王化して天下へ押し出そうとする武市半平太のやり方に限界を感じた竜馬は、さらに大きな飛躍を求め、ついに脱藩を決意した。(カバー裏表紙から)
 という、維新回天の立役者坂本竜馬の生涯を描く歴史青春小説の第2巻。竜馬が24歳になったところから始まり、この時期の土佐のもう一人の雄である中岡慎太郎が登場し、クセのある態度で竜馬に対している。いよいよ盛り上がってきた感じだ。

 関脇琴ノ若が今日、大関に昇進し、伝達式の口上で「大関の名に恥じぬよう、感謝の気持ちを持って相撲道に精進して参ります」と決意を述べた。やったな、琴ノ若。去年名古屋場所の霧島、同秋場所の豊昇龍に続く、3場所ぶりの大関誕生となった。琴桜の襲名は春場所からではなく夏場所になるという。

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(元横綱琴桜の遺影の前で大関昇進の口上を述べる琴ノ若ら)

 21時半パソコンを閉じてしばらくニュースなどを見て、眠くなるまでベッドで本を読み、23時過ぎ、消灯・就寝。

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   集英社文庫  514円+税
   2005年2月25日 第1刷
   2010年6月6日 第5刷発行

 「私」には様々な国籍のユニークな外国人の友だちがいる。日本に「自分探し」に来たフランス人。大連からやってきた回転寿司好きの中国人。故国を追われたイラク人etc.……。
 彼らと彷徨う著者の眼に映る東京は、とてつもなく面白く、途方もなく寂しく、限りなく新鮮なガイコクだ。愉快でカルチャー・ショックに満ち、少しせつない8つの友情物語。(カバー裏表紙から)
 ――という、文庫書下ろし。

 内容については面白く、文章表現も高野チックで楽しく、多くの人に読んでほしいものになっているので、ここでは特に記しません。
 当書の「あとがき」に、この作品のヒントが記されています。
 外国に旅に出ると、いろいろとユニークな人間に出会うことが多く、そういう外国人は現地だけではなく、著者が住んでいる東京にも多くいて、彼らは東京を「トーキョー」に感じさせると述べています。
 そして著者は気づきます。彼は、これまで書いてきた外国の旅行記や滞在記と同じスタンスで「東京を旅して出会った変な外国人の話」を書いているつもりだったのに、その「変な外国人」というもはもしかしたら、トーキョーに来た彼らが著者に対して抱いた感想ではなかったのかと。私は旅していたのではなくて、旅されていたのではなかったか?――と。

 高野作品は、「ワセダ三畳青春記」に次ぐ2冊目で、すでに手元にもう1冊、「アジア新聞屋台村」を用意しています。

(2023.11.30 読)

2024.02.02 20240201 木
 6時20分起床。少し早く起きるだけなのに、灯りを点けないと1階に下りる階段が暗くてよく見えないほどだ。

 今日の東証市場は下がっているが、決算発表で運輸、電力など一部の保有株が値を飛ばしているので、それらをよい値で5ユニット売る。保有株式はどんどん減っていく。今後の収益機会を逸しているとも言えるが、損益リスクを着実に減らしていると考えることもできる。

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(関係ないケド、73歳になった近時の天龍源一郎。いい貌をしている。)

 2024年1月分の株式投資の概況について整理しておく。
 日経平均はこの1か月で8.43%の大きな上昇を示し、月末締めベースとしては統計を取り始めた2022年12月以降の最高額、20数年前のバブル期並みの高さとなっている。
 一方、当方の資産は、株式投資に充てている総額のおよそ4割が株式保有の形になっていて(残りの6割は余裕資金として証券会社の預かり金となっている)、総額対比で3.24%の増となった。全体の4割の投資額の部分の伸び率ということでみれば、3.24×10÷4で8%程度となることから、日経平均とほぼ同程度だったと言えよう。
 また1月は、取引ユニット(高い株式なら100株などの最低単位、安い株式なら数百株まとめて数十万円程度)ベースで買いが3だったのに対して売りが27と、大きな売り越しとなった。想定以上に相場が上がっているわけだから、自ずとそうなる。ひと月の利益確定額(買った株式を売ったときの差額)も一定程度得られることができ、この数か月間を均せば現役時代の手取り相当額程度を安定的に確保することができている。
 市況がこれほど過熱していれば、今後の展開としては下げ方向に向かう確率の方が高いと思われ、そうなったときにはいつでも値ごろ感が出たものを買いに走ることができる十分な余裕資金を手元に置いている。仮にもっと相場が上がったならば、現在も保有している株式を適切にリリースして利益を出していけばよい。こちとらどうせ素人なわけだから、誰よりも多く利潤を上げようなどとはけっして思わないし、そのように行動することが大切だ。

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(自宅でかき揚げ天ぷらそば)

 昼食は自宅にて。生蕎麦があるというので、では今日は「かけ」にして、立ち食いそばで供されるような衣たっぷりのかき揚げを添えてほしいとリクエストする。つれあいはこちらの思いがよくわかっていて、箸で持つと重たいようなぽってりしたかき揚げをつくってくれた。薄味のそばつゆに生卵、ワカメ、ネギ。作り手側の腹具合が重視され、2.5人分の蕎麦を1弱対1.5強ほどに盛り付けているようで、当方の食する量はかなり多いのだが、おいしいのでぺろりと食べてしまった。

 午後は、5週間ぶりに母の面会のためC病院へと赴く。会うたびに着実に老化が進んでいることがわかり、リモートの画面越しに話していても、耳は聴こえるけれども眼がほとんど見えず、あらぬ方向を向いている。普段はベッドで横になっているためか、わずか15分間の面会でも疲れる様子が伝わってくる。具体的な会話もあまりできなくなっている。
 看護師によれば、ふつうの給食が食べられなくなり、チューブ入りの栄養補助食のようなものを口から摂取していて、まだ点滴などは使っていないという。また、レクリエーション時には車椅子で参加するが、疲れるので早めにベッドに戻っているということだった。
 点滴に頼らざるを得なくなる日もそう遠いことではないように思われ、そうなれば来るべき時が来るのは早いのかもしれない。

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 この日の読書は、「新装版 竜馬がゆく(2)」から始めて120ページ。今日読んだところでは、なぜ剣客修行一辺倒の竜馬が尊王運動の志士となっていったのかの一端が記されている。

 飲んだあとの夜は、本を「短篇ベストコレクション 現代の小説2012」に持ち替えて、就寝まで60ページ。
 中島京子の「妻が椎茸だったころ」は、定年退職の2日後に妻が急逝し、その妻が生前申し込んでいた料理教室に出向くことになった男の話。表題に、奇妙に惹かれる。
 ねじめ正一の「ケーキ屋のおばさん」は、恋心を抱いているお姉さんから、主人公の中学生の母が自殺未遂を起こした過去を聞かされる。揺れ動く少年の心が中学生の言葉で語られるのだが、その結末の描き方がよくわからない。

2024.02.03 20240202 金
 6時20分起床。この時間でもまだほんのり明るさが出てきた程度の暗さだ。連日真冬とは思えない気温の日が続いていたが今朝は少し寒くなっていて、外の水溜りがかっきりと凍っているのが見える。最低気温は-3.8℃とのことだが、本当の山形の冬はまだまだこんなものではない。

 午前のうちは株式市況のウォッチとその合い間の読書で過ぎていく。昨日売った空運株が下げ戻したところを100株だけ買い拾っておく。少し上げたらすぐに売ろう。そしてもしまた下げたなら買えばいい。下げずに上げ続けたなら、まだ残っている手元の株を切り売りしていけばいいだけのことだ。

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(okinawa-image)

 病院の定期検診に出かけるつれあいが、昼までには戻るので、昼食は途中で何か買ってこようかと提案してくれた。それではと所望したのは、「銀の海苔弁」。このところ量の多いものばかり食べていたのでフツーに食べられる量のものが欲しかったのと、文庫本の栞代わりにしていた紙が以前もらった銀の海苔弁のサービス券で、その画像がおいしそうに思えたからというのが、その理由かな。なにせ弁当は安いんだよナ。
 ということで「銀の海苔弁山形南深町店」の、アジフライ海苔弁の明太子トッピング、タルタルソースを添えて、370+30円。アジフライも食べたかったんだ。豆腐とわかめの味噌汁とみかん1個も添えて。
 肉が食べたい若い人ならいざ知らず、我々のような年頃の者にとってはこういうおかず類のほうがうれしい。海苔の下に敷かれた明太子、添えられたきんぴらごぼう、漬物、タルタルの量なども、ケチったような形跡がどこにも感じられないおかずたっぷり感がステキだ。今ではこのぐらいの飯量が適量で、食後に重苦しさを感じなくて済むアッパーだと思う。
 しっかり食べて満足し、胃がもたれず。いいぞいいぞ、銀の海苔弁。(笑)

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(「銀の海苔弁山形南深町店」のアジフライ海苔弁)

 食事を家で摂ったことで、この日も外出することなく、本を読んで過ごす。
 読みかけの「新装版 竜馬がゆく(2)」で、竜馬は26歳になった。その年、江戸では桜田門外の変が発生し、尊王攘夷派を大弾圧していた大老の井伊直弼が、水戸藩、薩摩藩の藩士らによって暗殺される。土佐に戻っていた竜馬は、この事件を喜び江戸へ立つ武市半平太の不在中、武市塾に集う郷士・浪人たちの一党のまとめ役となる。武市のねらいは、江戸に集まっている薩摩、長州、水戸の若い攘夷派たちの動静を探り、場合によっては薩長土の西国3藩連合を形成し、京都の天皇を擁護して幕府を制圧することだった。
 薩長土の3藩はいずれも300年前の関ヶ原の合戦の敗戦国で、幕府に恨みがあった。このうち土佐藩の場合は、敗戦者は旧長曾我部家の遺臣の子孫である軽格連中であって、藩主の山内家やその家来たち支配階級はあとからやってきた戦勝者の佐幕主義者だという内部事情があったわけだが。
 おもしろく読んで、160ページ。

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(桜田門外の変)

 1月の旅の記録を書かなければならないが、それは明日以降にまわし、23時半に消灯・就寝。

2024.02.04 20240203 土
 6時45分起床。巡ってきた週末、投資方面に時間を割く必要がないので、今日こそは1月の東京トリップの記録を書こうと思いながら活動し始める。

 まずはある程度本を読んで本日のページ数を稼いでからだ。「新装版 竜馬がゆく(2)」。
 竜馬は剣術詮議と称して、諸国遊説と長州藩視察のため土佐を出て、丸亀、松山を経由して長州萩の久坂玄瑞と会っている。久坂は長州藩における尊王攘夷派の中心人物だ。その久坂については、5尺8寸、腰囲これに適う大男で、顔は童顔だが眉がはねあがり、眼の切れが長く、皮膚は婦人のように白い、気ぜわしい男と表現されている。
 その後竜馬が土佐藩を脱藩したところで第2巻目が終わる。午後の昼寝を挟みながら入浴前まで読み続け、120ページ余り読んで読了する。

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(1861年、丸亀での剣術修行の際に撮られたとされる、27歳の坂本龍馬(左))

 “昼メシのもんだい”について朝から考え、この日はコンビニで売っているものよりクオリティが一枚上のサンドイッチが食べたいと思い至る。そんなサンドイッチをどこに買いに行けばいいのかワカラナイので、「イオンモール山形南に」行ってサンドを探し、いいのが見つからなかったらまあ、どこかのテナントの飲食店で食べるなり、最悪総菜弁当で買うなりしてもいいかということで、出かける。
 スーパーに入っているベーカリーでは思い描いていたようないいものが見つからず、サンドイッチは残念ながら断念。その足でスーパーでの買い物を先にしてしまったため、テナントで食べるという選択肢も遠のき、結局総菜コーナーへと向かう。
 この日は節分で、寿司コーナーはほぼ恵方巻ばかり。その恵方巻はどれも4桁価格なのに、いつも買うよう握り寿司ほどにはおいしそうに見えず、魅力を感じない。迷ったつれあいは思いあぐねて、わずかだけ売っていた握り寿し842円を選んでいた。当方も迷いながら、中華弁当のコーナーから鶏肉の甘ピリ辛味弁当561円をチョイス。決め手は、ごはんの部分が炒飯だったことだ。

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(「イオン山形南店」の鶏肉の甘ピリ辛味弁当)

 帰宅して、いつものようにたっぷりなめこの味噌汁を添えていただく。名前のとおり鶏肉が甘くピリ辛でおいしい。2日連続の弁当昼食。前日に食べた「銀の海苔弁山形南深町店」のアジフライ海苔弁タルタルソース添え400円と比較すると、価格が高く、量が少なく、味わい的にもそこそこといった印象で、圧倒的に銀の海苔弁が上のように思えた。でもまあ、この程度の量であれば胃への負担が軽くて済み、食後も快適に過ごせて結構だというメリットがあるというものだ。

 夜は飲み、21時過ぎからは、今夜行われたサッカーAFCアジアカップカタール大会の準々決勝、日本代表対イランのゲームを、録画ディレイのセレモニー、スタジオ解説、CM飛ばしで観戦する。優勝候補との呼び声の高いイランが相手でも、世界ランクは日本が上。しかし、後半は押されっぱなしで、ロスタイムでPKを取られてあえなく敗戦となり、がっかり。
 そんなわけで結局、旅の記録作成はさらに明日以降に順延するはこびとなった。ダメだねぇ。ものを書くという作業はいったん始めれば面白いのだが、始めるまでのエイヤッ!というところにけっこうなエネルギーを要するものではあるのだけどね。

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(試合終了間際、イランに決勝PKを決められた日本)

 寝入るまでの間は、「短篇ベストコレクション 現代の小説2012」を40ページ読む。
 間瀬純子の「揚羽蝶の島」は、未来社会のある島で不思議な儀式が行われている様子を描いているのだが、グロテスクで趣味のよくない内容。こんな文章を読んで何らかのカタルシスを感じている読者がいるのだろうか。というか、なぜ万人受けしないこの1編がベストコレクションに収録されるのか、謎だ。
 三崎亜記の「私」は、「模範とされる市民対応」で5年連続して庁内表彰されている公務員が主人公。個人データの二重登録をめぐって話は進んでいく。

 枕灯を消したのは24時前頃だったろうか。

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   ポプラ文庫  600円+税
   2011年11月5日 第1刷発行

 妻の乙美を亡くし気力を失ってしまった良平のもとへ、娘の百合子もまた傷心を抱え出戻ってきた。そこにやってきたのは、真っ黒に日焼けした金髪の女の子・井本。乙美の教え子だったという彼女は、乙美が作っていた、ある「レシピ」の存在を伝えにきたのだった。(カバー裏表紙から)

 けっこう読ませるものがあり、引き込まれるようにして読み続け、あっという間に読了に至りました。

 生真面目一方の初老男性の家に、それまで見ず知らずだった山姥メイクの若い女性や若い外人男性がやってきて、亡き妻が希望していた四十九日の大宴会を開く手伝いをするという、いささか奇妙な設定です。どうしてこのような登場人物が現れるのか不思議で、これはやはり小説だからだよねと思いながら読んでいました。しかし、その答えは最後にやってきます。ナルホド、そういうことだったのか!
 これから読む人のためにこれ以上詳しくは書きませんが、なかなかファンタジックでほっこりするようなエンディングでした。

 伊吹有喜作品は、この9月に読んだデビュー作の「風待ちのひと」以来、当方にとっては2作目。今回の著作は、作風はそれに似ているものの、文章はより洗練され、滑らかになっていて読みやすく、いい作品になっていたと思います。

 「四十九日のレシピ」は、2011年にNHKでテレビドラマ化され、その後2013年には映画化もされています。百合子役を、テレビでは和久井映見、映画では永作博美が演じていたようです。

(2023.12.1 読)

2024.02.05 20240204 日
 6時40分起床。今朝も寒いが、積雪はない。今冬はまだ本格的な雪かきは一度もやっていない。このまま春が来るんじゃないか?! むしろ、そうなればいいと願っているのだが。

 本を読み始めると、昨日までのようにカキモノが進まなくなるため、今日は朝のルーチン作業が終わった段階から1月の東京トリップのドキュメントから始める。この2月には四国松山に行く予定があり、その下調べもしなくてはならず、そろそろ前月のドキュメントを済ませておかないとにっちもさっちもいかなくなるという事情もある。
 携行していたメモや撮ってきた画像、ウェブ情報などを参照しながら、3日間のうちの初日分、新幹線の架線トラブルですべてフイになってしまった一日のところを書き、午後までになんとかまとめ上げる。残る2日分は明日以降でいいだろう。

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(四国松山では、鯛めしを食べたいと思っている)

 作業を挟んで食べた昼食は、自宅でのひっぱりうどん。全体量を少なくするよう事前に要請し、うどんの麺量をかなり抑えてもらった。そうしたところ、食べている間はもっと入るのだがなぁと思うものの、食後になってみれば満足感はしっかりあり、むしろ膨満感がなくていい調子なのだった。
 いい年齢なのだから、食べる量は意識して減らしても何ら問題はなさそうだ。どうしても足りないということであれば、日頃は全くとらない間食を入れてもいいのだろうが、その必要性も今のところ感じない。
 それにしても、寒いこの季節に食べるひっぱりうどんはなかなかオツなものだ。もっと大勢で食べたならなお旨かろう。

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(わが家のこの日のひっぱりうどんセット)

 カキモノから離れていったんテレビに目をやり、別府大分毎日マラソンの中継をいつものように録画ディレイ早送りで観る。
 午後からとなった読書は、まず「短篇ベストコレクション 現代の小説2012」を90ページ余り読んで読了する。
 三島浩司の「ミレニアム・パヴェ」は、その表題が、人々が未練という“慰霊(アニマ)”を預ける“未練の石畳”のことをいうらしい。ならば横文字など使わずにそう書けばいいのに。主語も述語も思い付きの横文字を無理矢理に当ててそれを読み手にきちんと説明しようとしないこういうSFものは、ただの作者の自己満足でしかないように思えて、ほとほと好きになれない。
 その点、次の森絵都の「竜宮」は、短篇はこうあるべきという見事な読後感がある。重要なのは、録音テープを聞き返して知る、最後の2行が示す言葉の意味なのだった。
 森浩美の「車輪の空気」は、娘が大学に出て二人暮らしとなり、短気が目立ってきた50代夫婦。双方のちょっとした気づきがもたらす小さな幸福感が、でき過ぎではあるけれども心に気持ちよく読めた。
 厚めの文庫本を読み終えて、またもやデスク上の読後本の山がうず高くなり始めてきた。これらも早くインプレを書かないといけない。

 次に手にしたのは、「いつも食べたい!」(林望著、ちくま文庫、2013)。
 塩の味、あのコロッケ、骨まで愛すべし、蕎麦のお噂、シュリーマンと日本の家庭、もうひとつのサトウの面影、私の長寿食、庭焼き豚、鯉に恋する、茄子の美味……食と食べ物について考えだすと止まらない著者が、食とその背景の文化を縦横無尽につづった文庫オリジナル・エッセイ集。(カバー裏表紙から)
 ――というもので、目次によれば、味噌蔵(甘食の出自、寿司の不思議ほか)、骨まで愛すべし(蕎麦のお噂、野菜中の野菜ほか)、私の食養生(イカ狂の弁、天与のかぼちゃほか)、忘れ得ぬ味(庭焼き豚、今川焼ほか)などについて記されている模様。「味覚春秋」という月刊雑誌などに、2008~12年にかけて掲載されたショートコラムを文庫オリジナルとしてまとめた1冊となっている。
 著者の林望(はやしのぞむ)は、リンボウ先生という愛称でイギリスなどに関する随筆を書いているというイメージがあり、過去に何かしら読んだことがあるように記憶しているが、もはや覚えていない。1949年東京生まれ、慶応大学大学院博士課程修了の作家・国文学者で、歴史学者の林健太郎は伯父に当たるのだそうだ。
 これを寝入るまでに60ページ。

itsumotabetai_202309041421012cb.jpg  hayashi nozomu 202010
(「いつも食べたい!」と林望)

 21時45分にパソコンを閉じ、ベッドで読んで、眠くなったところで消灯。
 今日一日も、いろいろな物事を読み、調べ、書き、見た。