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 鶴岡市役所近くまで戻り、「鶴岡商工会議所会館」内にある土産店「HOUSE清川屋」で名産品を眺めて、次は、「荘銀タクト鶴岡(鶴岡市文化会館)」隣の「庄内藩校致道館」へ。ここにも初めて入る。

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(鶴岡商工会議所会館)

 「庄内藩校致道館」は、庄内藩の士風の刷新と、優れた人材の育成を目的に、1805年、酒井家9代目・忠徳公が創設した藩校。徂徠学を教学とし、自主性を重んじた教育方針で、各自の天性に応じ長所を伸ばすことに主眼がおかれ、質実剛健な教育文化の風土を育む土壌となった。
 現在は、表御門、聖廟、講堂、御入間などが残っており、国指定史跡として無料で一般公開されている。なお、この藩校建築は、現存するものとしては東北地方唯一のもので、歴史的、文化的にも価値が高いものだという。

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(「庄内藩校致道館」の表御門)

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(同 講堂には立派な額があった)

 「鶴岡公園」付近を西へ5分ほど歩いて、「致道博物館」へと向かう。
 なお、「鶴岡公園」は、庄内藩・酒井家歴代藩主の居城として栄えた「鶴ヶ岡城」跡に広がる城址公園で。当時の城は、三重に堀と土盛りをめぐらした平城で、1875年に城は取り壊され、本丸と二の丸が今のような公園になった。県内随一の桜の名所として春には大勢の花見客でにぎわう。
 酒井の殿様が庄内に来る前、この地は山形の最上義光の領地で、その頃の城は「大宝寺城(だいほうじじょう)」とよばれていた。ある日、酒田の海岸に大きな亀がうち上げられ、これはめでたいと考えた義光公は酒田の城名を「亀ヶ崎城」とした。このとき「鶴は千年、亀は万年」ということわざにちなみ、大宝寺城も鶴ヶ岡城と改められたといわれている。ふふん、庄内地方ではもうその頃から鶴岡と酒田は何かと比較され、競争し、張り合って発展してきたというわけか。

 「致道博物館」すらも、2年間の単身赴任中には観たことがなく、今回が初入城となる。入館料800円。
 鶴岡公園の西隣にある、鶴岡の歴史や文化を知ることができる施設。元々は庄内藩主酒井家の御用屋敷だったものを博物館として公開したもので、国指定重要文化財の「旧西田川郡役所」や、多層民家、「旧鶴岡警察署庁舎」などの歴史的建築物が移築されている。郡役所は6月初めから内部改修中で入れず。また、警察署は逆光のためいい写真が撮れず。
 江戸中屋敷の一部を移築した「旧庄内藩主御隠殿」の奥座敷では、足が疲れたので胡坐をかいて一休み。そこからは東北地方では珍しい書院造の「酒井氏庭園」を眺めることができた。

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(「致道博物館」内の旧鶴岡警察署)

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(同 西田川郡役所)

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(同 旧庄内藩主御隠殿)

 これにて市内中心部の見て歩きは終了。駐車場に戻って15時50分。あれまあ、ずいぶん長い間観ていたものだ。楽しいと時間が経つのが早い。
 そろそろ戻り始めないと帰宅が夜になってしまうが、もう1か所見ておきたい場所がある。それは、鶴岡市の高坂集落にある「藤沢周平生誕の地碑」だ。藤沢周平の生家跡地に建つもので、その場に立って藤沢周平を偲びたいと思ったので。
 正確な住所や位置はわからないが、集落に行けば看板ぐらいはあるだろうと考えて、行ってみる。すると、集落のメインストリートと思しき一本の細道に標識があり、車がやっと通れるような横道に無理やり入って進んでいったら、容易に見つけられた。本当に一軒分ほどの長方形の空き地があり、その一角に碑が建っていたのだった。
 生誕の地碑はチェックしたが、市立湯田川小学校の敷地内に、中学校教師時代の教え子たちが建立したという「藤沢周平先生記念碑」もあったことを、戻ってから思い出した。そちらも見ておくのだったなあ。

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(藤沢周平生誕の地碑)

 本日の行動はここまでか。鶴岡市三千刈(旧櫛引町)にあるという「横綱柏戸記念館」にも行きたかったが、これからでは閉館時間直前になってしまうので、またの機会に。

 コロナのため県境を越えての観光がしづらい環境の中、県内の移動ならば多少は許されるのではないかと思いほんの気まぐれで訪れたのだが、結構楽しめたのだった。(了)

2021.07.01 20210630 水
 比較的涼しい夜だったので窓を閉めて寝たところ、静かに眠れて5時覚醒。昨晩寝入ったのが22時だったから目覚めるのも早い。しばらく本を読み、6時起床。今日はいい天気だ。
 ケチャマヨトーストとグレープフルーツジュースの軽食をとって、すぐに鶴岡プチ旅のドキュメント作業に入る。文章を整え、15枚の画像をつくって、完成。10時頃までにはなんとかアップロードして記事を公開にまわすことができた。

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(okinawa-image)

 10時半過ぎに外出して、施設へ洗い物を届けに。玄関口まで出てきた母には、3日後には一時帰宅だからねと言い、機嫌のいいうちに退散する。

 その足で昼食へ。前日に続き、おいしい白飯が食べたい。おいしいごはんと言ったら真っ先に思い出すのが、花楯の「居酒屋銀次郎」だ。いったん思い浮かべたらもうここしかなく、7か月ぶりにGo!
 平日限定30食のわがままランチ800円。なんとゴージャスではないか。揚げ立てのチキンカツと新鮮な鰹の刺身がこの日の2枚看板。ほかに、つみれの甘酢あん、ほうれん草ともやしの和え物、キュウリの浅漬け。そしてごはんは、白飯とアサリごはんがあるとのことなので、1杯目はアサリごはんを所望。それもうまいが、おかわり自由の2杯目は真打ち、炊きたてで透明感を湛えたつや姫を。この店の場合、このごはんがすでに一つのご馳走と言っていいぐらいにうまい。惚れるなぁ。きちんと2膳もらって大満足、大満腹。大ぶりカットの大根の甘みが特徴の具だくさんの豚汁も秀逸。これもおかわり自由なのでしっかり2杯いただいた。
 これでたったの800円。いい定食屋が少しずつ姿を消している山形だが、自分の中では今や銀次郎が定食店として屈指の店になっている。

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(「居酒屋銀次郎」のわがままランチ)

 午後は、このところペースダウンしている読書を進める。暑いとは言ってもまだ我慢できる範囲だが、これから盛夏になると日中は横になって本を読むことすらできなくなってくる。だから今のうちにということもある。しかしながら、読み始めると眠くなるのは涼しいときでも同じこと。襲ってくる眠気には逆らわず、そのまま身を委ねる。誰にも迷惑をかけず、生活に支障のない範囲ならば、身を委ねるのが正しい。

 17時台に入る風呂では、しっかり汗をかいて減量。
 録画視聴は、「麺鉄」の初夏の九州・長崎本線&大村線&松浦鉄道編と「バナナマンのせっかくグルメ」のホタテ料理などが出てくる青森編。前者では、旅で見てきた鳥栖、小城、長崎思案橋なども登場。駅の立ち食いそばにもそそられるものがある。後者では、日村がおいしそうに食べていたホタテを自分も食べたくなり、数日間ホタテを食べながら青森市を中心に見てまわるというのもいいのではないかと思ったりする。

 その後は、午後に失速した読書をもう少し。この日の成果は、「街道をゆく1 湖西のみち、甲州街道、長州路ほか」を100ページ。八王子から先あたりの甲州街道と、奈良盆地西側の金剛山系の麓を南北に走る葛城みちの部分。旅情をそそるいい本だ。

 大きな変化はないが、落ち着いたいい1日だった。22時半、就寝。

2021.07.02 20210701 木
 2021年という年ももう半分が過ぎて、7月入り。今月は23日に、丸1年遅れて東京五輪が開幕する。東京の感染確認者数がまたもや増えてきていて、このままだと各会場では無観客で競技が行われることになるのではないかと危惧する。
 6時前に起床し、カキモノやブログ記事公開などの朝のルーチン作業を7時過ぎまでには終える。早起きすることで、時間を得したような気になれる。

 大人しく読書中の9時過ぎ、施設から電話が入る。母が、全身が痒いので市立病院に連れて行けと言っている、6月5日にもらってきた塗り薬が切れているので、再度医師から処方してもらってほしいとのこと。どんな症状であっても母は市立病院に行きたがるが、先に外来受診したのは近くの個人病院だ。確認すると、本人を連れて行かなくても処方箋を出してくれるそうなので、午前のうちにもらいに行くことにする。

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(okinawa-image(石垣島玉取崎展望台))

 9時45分、自宅発。出かけるついでにいろいろやっておこう。
 郵便局にて、現段階では唯一の定期収入である株式の期末配当の受け取り ~ ドラッグストアで、もう使い果たしたという母の目薬の購入 ~ 百均にて自分用の夏用メッシュクッションの購入 ~いったん 施設に寄って母の保険証、診察券等を借りて ~ 皮膚科にて処方箋を出してもらい ~ 調剤薬局で薬類を受け取り ~ 施設に戻って保険証等、皮膚科の薬、目薬を渡して ~ 銀行に寄って小遣い用の現金を引き出して、ようやく用務終了。ここまでで8か所。

 そして、お楽しみのランチ。この日は冷やしラーメンなのだ。そうと決めて、およそ2年ぶりに旅篭町の「み登り屋」へ。
 冷しラーメンの大盛り、750+150円。かなり濃いスープ。昆布だしと醤油、そしてみりんのような甘さのついた、ぐっと和風のそばつゆにも似たつくりで、脂の浮きはほとんどない。これ、おいしい。温かいラーメンはもっとオイリーだったと記憶しているが、それとはつくりが別モノだ。ブラックペッパーを振ったが、この味であればあまりかけないほうがよかったかもしれない。独特の味わいといい噛み応えのある2枚の牛チャーシューもひときわ美味。メンマも太めがざくざく。
 他店ではまず味わえない、独特の1杯。このような唯一無二の味が発見できて、素朴にうれしい。こういうことがあるから、食べ歩きはおもしろい。

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(「み登り屋」の冷しラーメン)

 午後は、アマゾンプライムで無料の映画鑑賞をする。本日は、「沖縄を変えた男」(2017年)だ。
 沖縄水産高校野球部で監督を務め、夏の甲子園大会で1990、91年の2年連続準優勝へと導いた栽弘義の実話をベースに映画化したもの。琉球水産高校に赴任し、野球部監督を務めることになった栽は、グラウンドも荒れ廃部寸前だった野球部を甲子園優勝へ導くため、部員たちに過酷なトレーニングと苛烈な指導で容赦ない試練を与えていく。主人公の栽監督役はガレッジセールのゴリ。ライバルの校首里学園の監督は相棒の川田が演じている。若い女先生役の川満彩杏(あい)がしっかりとした沖縄の顔をしていてかわいい。一方、監督の部員に対する暴力シーンが非常に多いのが、観ている側にとっては難点だった。
 県立辺士名高校、塩屋湾を一望できる六田原展望台、海辺の辺士名バス停などがロケ地として使われていた。
 原作の「沖縄を変えた男 栽弘義―高校野球に捧げた生涯」(松永多佳倫著、集英社文庫、2016)は、2017年1月に読んでいる。

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(映画「沖縄を変えた男」)

 飲み終えた後には、鶴岡を歩いてむくむくと旅心が湧いてきて、しばらく行っていない青森についてじっくり見たら楽しかろうと、その見どころを調べ始める。
 まだ始めたばかりだが、22時までで切り上げて、この夜も減速態勢に入る。

 この日の読書は、「ドイツ史」を20ページ。神聖ローマ帝国の聖職叙任権闘争の部分。
 「街道をゆく1 湖西のみち、甲州街道、長州路ほか」を70ページ。最後の章の「長州路」。読み切ろうとしたが、眠さに負けてわずかに残る。

2021.07.03 20210702 金
 6時過ぎに起床。曇り空だが、しばらくすれば晴れ間も出てきそうだ。
 本日の株式は、朝から順調。特に自動車が好調で、結果的には持ち株のすべての銘柄が上昇して終わる。したがって、日経平均よりも所有株式評価額のほうの上昇率が高かった。約定銘柄はない。

 服用している薬がそろそろなくなりそうなので、2か月に一度の内科診療を受けに行く。受診と言っても、医師と二言三言話して血圧を測るだけなのだが。1日1回飲む尿酸値を抑える薬と血中コレステロール値を下げる薬の2種を60日分。
 健康診断の予定を訊かれ、ないと答えると、それでは2か月後には血液検査のほかに胸部レントゲンと心電図をやりましょうとのこと。前回、大動脈瘤がないかエコー検査をしてもらっているし、今の自分の良好な健康状態を考えれば、その程度の検査をすれば十分なのではないかと思う。

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 今日の昼は蕎麦だ。どこがいいかと考えて、しばらく行っていないオレンジ色の暖簾が印象的なあかねケ丘の「きらく」へ。3年7か月ぶり、2回目の訪問となる。
 きらく板そばの大盛り、850+150円。ここは夜の居酒屋がメイン。蕎麦は製麺所から取り寄せているのだろうが、つなぎに山芋が入っているのか舌触りがよくておいしい。このとろりとした感じは、市内南栄町の「つる福」や天童市一日町の「そば処一庵」の蕎麦とよく似ている。1.5人前なので、ボリュームに不足感はない。
 猪口で啜るそばつゆのほかに、冷たい肉そばのスープが付いているところがこのセットのひとつのポイント。ときにはこっちにも蕎麦を浸して啜れば、板そばと肉そばを同時に食べている気になれる。天ぷらもきちんとした量があり、ゲソ2のほかに舞茸、ナス、そして珍しい、これはキュウリの天ぷら?
 という具合に、ユニークな点がいくつか。蕎麦湯もとろりとしていておいしかった。紙幣1枚ぽっきりで蕎麦を存分に楽しむことができる、いい店だ。

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(「きらく」のきらく板そば)

 午後は、3月にNHK-BSプレミアムでやっていたのを録画していたドラマ「蝉しぐれ」を観る。
 2005年に制作された映画のほうは以前見ているが、ドラマは初めて。ともに黒土三男の脚本。2003年にNHK「金曜時代劇」として7回にわたって放送されたもので、主人公の牧文四郎に内野聖陽、その幼馴染みのお福に水野真紀を配しているほか、勝野洋、竹下景子、村上弘明、鈴木杏樹、石橋蓮司、柄本明、平幹二朗などが出演している。
 全部で4時間半近くある長尺物なので、この日ははじめの1時間半ほどにとどめる。やはり最もぐっとくるのは、文四郎が一人、切腹させられた父の亡骸を荷車に載せて矢場の坂を上るシーンだ。疲れ果て、蝉しぐれの下で朦朧としているところへお福がやってきて、彼を手伝う。映画もそうだったが心を揺すられる。
 ストーリーこそ同じだが、テレビドラマはいかにも芝居がかっているし、撮影もスタジオだったりして、テレビは映画とはベツモノなのだなと改めて思ったところ。

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 夜は、いくつかのことを少しずつ。つまりは、物事に集中できていないということでもある。
 つれあいから、8月初旬に人間ドックに入るが、家族はそれまで間県外に出たり夜の外食をしたりしてはいけないので我慢してねと言われる。うーむ、あと1か月も大人しくしていろと。オリンピック開会前に近間を旅してこようかと考えていたので、けっこうぐさりとくる一言ではあった。
 青森ステイあたりを狙っていたのだけどな。では、これは夏休みが終わる8月末から9月初め頃にやれるように、きちんと準備をしておこう。

 昨日読み残してしまった「街道をゆく1 湖西のみち、甲州街道、長州路ほか」の最後の10ページ余りを読んで読了。
 ほかには「ドイツ史」を20ページと、「殉国 陸軍二等兵比嘉真一」を50ページ。

 22時半、消灯。

2021.07.04 20210703 土
 6時半に起き出して、いつものような朝。朝日が射していたのに、すぐに曇りとなる。
 今日は母が約3か月半ぶりに施設から一時帰宅する日だ。朝のパソコンルーチンを終えた段階で、母の居住域となっている自宅1階の掃除を始める。つれあいは専ら掃除機を使うが、たまに帰ってくるときぐらいはきれいにしておこうと、当方は雑巾1本を手にして拭き掃除をする。家具などの上面の細かい埃や床に付いている食べこぼしの痕などは掃除機では落としきれまい。
 この作業をしばらくしているうちに、頭部から滴り落ちる汗が新たなシミを残してしまいそうになる。1時間近くみっちりと働いて汗をかいたので、早くもシャワーで一度汗を流してサッパリする。

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 10時に施設に迎えに行く。ところが、今日15時施設戻りとしているところ、当人は1泊2日なのだと勝手に思い込んでいて、着替えや日用品などたっぷりと用意して待っているではないか。違います、今日15時までです。さらに、戻る途中には市立病院の眼科に寄って行くのだったよねと言う。そんな話は誰もしていないし、今日、市立病院は休みです。
 そういうことばかりを一度ならず何度も訴えるので、それに見合った準備をしていないこちらとしては訴えの回数がかさむにしたがってだんだんイラついてくる。すでに往路の車内の段階でよくない雰囲気が漂う。仮に体が言うことをきいて施設を退所することが可能だとしても、毎日こういう妄想的なことを言われるようでは、受け入れる側としてはかなり厳しいというか、率直に言えば無理なのではないか。

 家では、口を突いて出ることが苦情、悪口、不満などネガティブなことばかりで、会話がつまらない。あまり何度も1泊2日を繰り返すので、自分の思い込みで周囲を惑わさないでほしいと求めると、やっぱり私のことは邪魔者としか思っていないのだねえといきなり話が飛躍する。それもまた勝手な思い込みであって、誰もそんなふうには思っていない。自分の思い込み次第で人間とはかくも卑小なものになってしまうものなのか。

 まもなく92歳になんなんとしているのに油物を欲し、昼食の所望品は天ぷらだ。加えてつれあいはダメ押しにうなぎのちらし寿司を準備した。それを食べている間にもまたもや1泊2日の話をするので、そうなれば最も負担をかぶることとなるつれあいはキレそうになっている。
 帰宅したときには探したいと言っていた、古写真の束の一番上にあるはずの幼馴染みの男性の写真は、結局は眼が疲れたと言ってすぐに諦め、見つけられず。あんなに執着していたようだったのに、その程度のことだったか。戻ったらぜひとも聴きたいと言っていた愛用のCDも、聴こうとする素振りはない。
 また、持ってきてほしいと言っていた夏掛けのタオルケットはどれを指すのか尋ねると、それもわからないとのこと。自分がわからないものを家族に探させ、持ってこさせようとしていたわけで、何が何やらこちらまでわからなくなる。

 午後からは、長男夫婦が孫のはるき君を連れてきてくれた。母にとって初めての曽孫で、この日が初顔合わせとなる。
 はるき君は生まれてから3か月余りが経ち、5月15日に会って以来となる彼は動きや表情がよりしっかりしてきた感じだ。体重は出生時の倍になったとのこと。抱かせてもらえばずっしりと重い。母も喜んでいたが、まあお愛想半分というところで、曽孫にはそれほど強い関心を持てていないようだった。

 施設に戻る車の中でもお願いなり言い含めることなりを話すのだが、言ってしまえば何も聞いていない。そのことは、あちらの主張が寸分も変わっていないことからもよくわかる。
 ほぼ6時間、長い時間を費やしての対応だったが、喜んでくれるでもなく、会話は成立せず、得られたものはほぼ何もなく、徒労感と喪失感ばかりが募った時間だった。これが1泊2日続くとしたら、そう易々と耐えられるものではない。

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(hiyamugi-image)

 送り届けて、16時過ぎ戻り。疲れたので、ただちに缶ビールを1本やっつけて一息つく。そして少し早いけれども入浴。もう今日は終わりだろう。

 風呂から上がってからも缶チューハイを1本飲んで、飲み終えてからは今年初のひやむぎを食べた。昼の残りの天ぷらをつまみつつずるずると。うまいねぇ。夏はこれでいいんだよね。これからさらに暑くなればもっとおいしくなるぞ。

 つれあいの人間ドックに伴う県外訪問禁止期間について改めて確認すると、ドック入りの2週間前からとなるとのことで、逆算してみると7月21日以降がアウトとなる。だったらその前の青森めぐりなら可能なのではないか。それでは、大至急作戦を練り、訪問先を調べ上げて、その日の前までに戻ってくればいい。日数的には一週間ほどあれば十分だろう。
 ということで、今夜のうちにスバヤク青森のホテルを予約してしまう。連泊割のある某ホテルでの、7月11日からの4泊5日。それ以上かかるようであれば、多少割高になるが延泊してもよし、場所を変えて泊まるもよし。

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(青森だ。青森だ。)

 今日は気分的に多少重たい日となった。こういう日は早く寝て、ゆっくり休むに限る。
 22時半過ぎにベッドで横になる。そう行動することで、ほぼオートマチックに眠りに落ちることができるだろう。
 この日の読書は、「殉国 陸軍二等兵比嘉真一」を20ページだけ。

2021.07.05 20210704 日
 5時過ぎに目覚めてしまったので、枕元灯を点けて文庫本を読む。6時15分起床。
 食パン1枚の軽い食事のあとは、昨夜のうちに投宿先を決めてしまった青森行の情報収集を始める。出発する11日までにはある程度取りまとめたいので、この作業を優先的に進めるつもりだ。まずは「じゃらん」のHPで青森市と下北半島の観光ポイントから調べる。

 やるべきことがあるので、この日の昼メシはあまり策を弄さず、遠くには行かずに済ませたい。今日はごはんものだな。炒飯がいい。手身近な中華料理店でちゃちゃっとチャーギョウにしようか。
 ということで、7か月ぶりに富の中の「大阪王将山形南店」へと赴き、五目炒飯と元祖焼餃子、500+265-JAF割(5%)39=726円。
 炒飯、餃子ともに王道ど真ん中を進んでいるようなスタンダードな味わい。炒飯はパラパラだし、餃子は焼き具合がいい具合。片栗粉で強めのとろみが付いた卵スープもおいしい。
 これを当たり前すぎてつまらないと評する向きがあるかもしれない。はじめは自分がそうだった。しかし、食べ進めていくにしたがって、この安定感に身を委ねてさえおけば間違いないという気になっていくことになるのだった。この組み合わせとしては価格もそこそこだし、納得だ。

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(「大阪王将山形南店」の五目炒飯+元祖焼餃子)

 昼頃からは小雨。鬱陶しいが、気温があまり上がらず、しのぎやすい。
 午後も、みっちりと青森情報収集をする。楽しいことをやり始めると止まらなくなるのが自分のいいところでもあり悪いところでもある。「じゃらん」を使った観光情報の収集は夕方までに概ね半分ぐらいまでは進んだだろうか。

 16時半の段階でいったん作業を休止し、風呂の準備を整えて、今日から始まった大相撲名古屋場所の中継を見始める。地方開催の本場所は、昨年3月の大阪春場所以来で、1年4か月ぶりとのことだ。
 風呂は20分かからずに沸くので、入浴を優先させる。気温が低い日なので、いつもと同じ時間湯に浸かっても出る汗の量は少ない。したがって、風呂による減量幅は少ない。
 相撲は録画しておき、風呂から上がってから仕切りの時間をある程度飛ばして観る。今場所は6場所連続休場中で春場所(途中休場)以来の土俵となる横綱白鳳の動向に注目だ。いかに不世出の横綱とはいえ、6場所も土俵から離れているうちに若手たちは着実に力をつけている。寂しいことだが、老兵は去り、老兵なりの新たなステージで新しい闘いをするべきではないか。初日は、小結明生から薄氷の勝利を拾ったが、力負けしていたようにも感じる。このまますんなりと15日間続くかどうかは未知数だ。

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(白鳳、進退を懸ける場所の初日は辛勝)

 夜は飲みながら、録画していた中京テレビ制作の「ヒューマングルメンタリー オモウマい店 2時間SP」を観る。仰天の盛りつけ方で破格の店が続々登場。その一つには青森県八戸市の「お食事処さん屋」の日替り300円定食も取り上げられていた。食べログで調べてみるとあまり人気はない模様で、画像も口コミもなし。青森旅の際には寄れたら寄ろう。

 読書が進んでいないので、22時にパソコンを閉じ、文庫本を手にする。起きたまましばらく読み、眠くなったらこのまま横になろう。涼しい夜なので、今夜は部屋の窓を閉めて眠ることにする。
 結果、「殉国 陸軍二等兵比嘉真一」をこの日60ページ。
 23時には就寝の運びとなる。

2021.07.06 20210705 月
 6時に起床して、現地ではデーゲームの大リーグのライブ中継を観ながら朝ルーチンの処理。オータニサンはこの日も31号を放って、このところ7戦7発。まだオールスターゲーム前だというのに、松井秀喜の持つ日本選手シーズン最多本塁打記録に並んだ。現段階で大谷が両リーグのトップに立っている。
 ルーチンが済んだら、旅の情報収集と週明けの株式市況のチェック。市場は様子見ムードで、下げている。約定もなし。

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(大谷翔平が早くも31号HR!)

 昼食は、冷やしラーメンの未食店の中から嶋北の「蕎麦処伊右ェ門」を選び、2年6か月ぶりに入店。
 冷やしラーメンの大盛り、650+100円。透明感を湛えた細打ち縮れ麺は、しなやかな口当たりがよく、反面しっかりした弾力感があって、とてもいい出来。こういう麺こそ冷やしにはジャストマッチだ。スープよりも一回り濃い口に味付けされたチャーシューとメンマが、いいアクセントになっていた。またもやいい冷やしラーメンに回り逢えた。

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(「蕎麦処伊右ェ門」の冷やしラーメン)

 午後も旅の情報収集。昼寝もせずにほぼこれオンリーでパソコンと格闘し続け、夕刻近くなった頃に「じゃらん」を活用した見どころチェックをやっと一巡し終える。次は、それらをグーグル地図のマイマップに落とし込んで旅のルーティングをモックアップしながら、地図で見つけたほかの見どころも拾いこんでいく。こういう前段のプロセスも旅の楽しさのひとつだ。
 途中、1時間余りの入浴と、大相撲の今日の取組の録画早送りでのチェック、居酒屋番組を観ながらの飲酒などをはさみながら、22時過ぎまで資料づくりを続ける。

 今日はほとんどこればっかりで時間が過ぎてしまった。幸いにして母からの電話もなかったので、わりと集中できた形だ。
 1日当たり少なくとも100ページ程度という目標を定めている読書が、このところ連日達成できていない。本日も100ページは無理でも、停滞することなく少しでも前進することを心掛けたい。残すところ60ページ余りとなった「殉国 陸軍二等兵比嘉真一」を手にして最後までいきたいと思い読み始めたが、うまくはいかず、30ページほどであえなく睡魔のお誘いに屈する。23時頃だっただろうか。