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 8月30日から1泊2日で栃木県の湯西川温泉に行ってきました。

 このところ会津西街道方面に出かける機会にはよく恵まれているのですが、この街道からわずかに西にそれたところにある湯西川温泉にはまだ行ったことがなく、一度は訪れて湯に浸かってみたいと思っていました。
 つれあいも同感のようで、暑い季節が過ぎて秋になったら行こうかと、湯西川温泉の宿を調べていたところ、超激安の宿を発見! その話は本当かと思わず耳を疑いましたが、どうやらガセネタではないようです。
 予約ページで調べたところ、直近では8月30日なら、一人1泊2食付き、アルコール1杯サービスで、一人5,500円でイケちゃうというので、四の五のなく(笑)、すぐに予約しました。

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(湯西川温泉の激安の宿、「桓武平氏ゆかりの宿揚羽~AGEHA~」)

 会津西街道は最近何度も通っている道なので、道すがらに改めて寄りたい観光地は格別ありません。となれば、ドライブ途中の昼食と、産直施設や道の駅などでの買い物ぐらいしかやることがなく、あとは温泉でゆっくり寛ぐのが主となります。とりたてての予定がないこのようなのんびり旅も、これからの人生の季節にはいいのかもしれないと思っています。

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(「桓武平氏ゆかりの宿揚羽~AGEHA~」のHPから)


 8月30日(金)、朝9時、出発。
 家を出てからは淡々と下道を走り、R121大峠道路を使って喜多方市街へ。

 昼メシは喜多方市南部の「喜多方ラーメン天高盛(てんこもり)」にて。
 らーめん600円。安い! チャーシューがたっぷりでビジュアル抜群なのですが、スープの出汁が淡泊でやや異質。味が薄いというよりも、ダシが薄い。加えてややぬるめで麺は茹でが強めだと感じます。
 この点について、某口コミを見ると、スープをぬるくしないとダシの味がわからなくなるからわざとそうしている様子。しかしそれはラーメンを提供する上では本末転倒であって、当方としては出汁の味わいが深く(味の濃さではなく)、スープが熱くキリリとしていて、麺は茹で上がり直後のプリッとしたものが好き。そういう意味では、ココよりは山形のラーメンのほうが、全てにおいて勝っていると感じます。

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(「喜多方ラーメン天高盛」のらーめん)

 帰路にお土産の調達のために寄る道の駅や産直施設を下調べしながら進み、「会津田島駅」で一休み。
 ここに来たのは今年になってから3回目。来月には東京から東武鉄道・野岩鉄道を乗り継いでまたこの駅にやってくる予定があり、ちょうど昼時間に到着するそのときには何を食べたらよいかの下調べのため、というのが、この日に立ち寄った理由でしょうか。
 会津田島駅の名物弁当「南会津おふくろ弁当」の実物とは? また、駅周辺にある「三保屋食堂」「蕎麦みやもり」「柏屋」などの食堂群のほかには何かないのか? などを調査します。

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(毎度どうもの「会津田島駅」)

 台風10号が西日本で迷走しているため、幸いにして会津地方はまだ晴れているので、「南会津町役場」付近を歩いて探索します。「福島県南会津合同庁舎」と「旧南会津郡役所」のあるあたりはすでに見ていますが、役場付近は初めてです。庁舎は、2017年開庁の新しい建物です。
 役場の敷地内には「田島陣屋跡」の碑が建っています。役場の立つ場所とは、たいていこのような由緒があるものです。

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(南会津町役場)

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(役場の敷地内の北西角に建っていた「田島陣屋跡」の碑)

 会津西街道から湯西川温泉へと入っていくT字路では、野岩鉄道会津鬼怒川線の「湯西川温泉駅」と、そこに併設されている「道の駅湯西川」に立ち寄ります。

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(足湯があった「道の駅湯西川(湯の郷湯西川観光センター)」(野岩鉄道HPから))

 少し早めに温泉街に着くことができたので、旅館に入る前に、湯西川に来たならここは見ておかなきゃという「平家の里」を訪れます。あいにくの小雨です。

 平家の落人たちの生活様式を再現した民俗村。入口の冠木門(かぶきもん)を入ると、敷地内に9棟の茅葺き屋根の民家が点在しています。
 展示館内には、入道になった平清盛や、一の谷に出陣する平敦盛の人形があり、思わず撮影。人形は石像・銅像などよりもちゃちいけれども、それなりの説得力は持っているということのようです。
 庭園にも風情があり、おやすみ処の前から調度営みどころの木造家屋を撮れば、なかなかいい感じに写ります。

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(入口の「冠木門」が立派)

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(平清盛公像)

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(「平家の里」庭園)


 ホテルの隣にあった土産店「山島屋」で部屋飲み用の缶ビールなどを調達して、16時前にホテルにチェックイン。この日の走行距離は216kmでした。

 さて、激安旅館の「桓武平氏ゆかりの宿揚羽~AGEHA~」。
 HPによれば、1718年というから江戸期享保3年の創業で、桓武平氏の流れをくむ平姓38代の“秘境の老舗旅館”であるとのこと。さらに、「楽天トラベル」の売れ筋ランキングで栃木県第1位を10年連続受賞中の上に、楽天トラベルの「ゴールドアワード(最高賞)」と「日本の宿アワードTOP47」を2020年から3年連続でダブル受賞した実績があるようです。

 予約したのは、部屋お任せプラン。朝食・夕食込、夕食時アルコール1本付、風呂入り放題、税・サ込で、入湯税を加えても、二人1室で11,300円です。部屋風呂はありませんが、どうせ入らないので不要。ただ、トイレが部屋の外にあり、数室で共用という点だけがネックです。
 食事は、夕食・朝食とも古民家風の“囲炉裏ダイニング”でのバイキング。

 部屋に落ち着いて、まずは風呂。
 大浴場はそれほど大きくなく、湯がとても熱い。せっかくだからと内湯ではなく、それよりも少しだけ湯温が低めの露天風呂のほうにじっくり入ることにします。
 そろそろ上がろうかと思っていたタイミングで、新たに露天のほうにやってきた人から声をかけられ、つい長談義になってけっこうのぼせます。したがって、汗が落ち着くまでが大変で、入浴していた時間と同じぐらい長く冷水を浴び続けて、ようやく上がることができました。
 部屋に戻り、調達してきた缶ビールを飲んで、大休憩。

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(殿方大浴場の「御所の湯」)

 館内では、いたるところに力士像や天狗面、大福帳、時代箪笥・欄間・蔵戸等の骨董品を展示されています。そして、全体を薄暗い照明にして、明治か大正あたりの古民家や蔵を意識した佇まいにしているようです。
 そのため、建物内のどこを撮っても暗い画像になってしまい、このページに載せる画像もかなり加工しなければなりません。
 その上、廊下には妙なスロープがあるほか、我々の部屋がある別館には飛び石の上を雪駄で歩かなければ行けず、足元への注意が必要です。我々ぐらいの年齢までなら問題はありませんが、後期高齢者であれば健常であってもきつそうで、介助が必要な人にとっては泊まりにくいでしょう。

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(廊下はこんな感じ)

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(フロントでさえもこんな明るさ(ガンマを目いっぱい当てて補正しています))

 夕食は、後半組になってしまい、19時15分から。
 伝統的な“囲炉裏料理”や、かまどを用いた秘伝の「武家料理」などが並ぶ小鉢ブッフェ(バイキング)形式です。
 各自が大皿からセルフで盛り付けるふつうのバイキングとは違い、はじめから小皿に入っているので、欲張って多く取り過ぎないため(笑)、抑制の効いたバイキングになるのがヨロシイ。
 小さいながらも鮎の塩焼きが食べられ(一人1本まで)、小皿料理には鹿肉や鴨肉があり、ずらりと並んだかまどには数種類の汁物があり、どれも山のもので、海のものやエスニック系のもの、地場にないフルーツなどは潔く排除しているところには好感が持てます。
 満腹過ぎないレベルにどうにかとどめることができ、なかなか楽しい夕食となりました。

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(かまどや囲炉裏には、田舎料理と武家料理が並ぶ(揚羽のHPから))

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(光量の少ない環境で撮った、料理の一例)

 食事を終えて部屋に戻ると、すでに布団が敷かれていて、いつでもお休みくださいといった流れに。
 今回はパソコンも家に置いてきたし、家で録り溜めている録画番組も見ることができないため、台風のニュースをぼんやりとみるぐらいしかやることがありません。そうするうち、ドライブ疲れもあってか、21時過ぎには眠くなります。
 そのまま22時前には就寝のはこびに。

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(客室はこんな感じ(Googleマップから))


 5時前に覚醒し、6時前に起床。
 夜の間は断続的に軽い雨が降り続いていたようです。しかし、国内のあちこちで起きているような大雨にはなっていず、今日は災害による通行止めなどが起きないうちになんとか帰れそうです。

 7時過ぎ、昨晩の夕食と同じ会場で、バイキングの朝食。朝なら明るい画像が撮れるだろうとカメラ持参で向かいましたが、あいにく奥のずっと奥の席が割り当てられて暗く、撮影は断念します。
 朝食も、パン、スープなどの洋モノはなく、ジュース・ミルクもなく、コーヒーは別会場に用意されるなど、徹底した山のものばかり。でも、生野菜とポテサラはあったのでそれはもらい、油揚げがたっぷり入ったけんちんうどんもおいしくいただきました。

 8時45分には宿をチェックアウトして、復路の運転を始めます。
 この日はまっすぐ戻るイメージを持ち、どこかで昼食をとり、道の駅や産直施設で買い物をして帰ります。

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(小雨の中、宿を出発)

 はじめの寄り道は「道の駅たじま」。
 建物前のテントブースで産直品が売られています。ここでは、昨日のうちから目をつけていたなめこ。南会津町「尾瀬きのこ園」産の菌床なめこで、この量で税込み300円。翌日自宅でなめこ汁にして食べたところ、きのこの味と香りが強く、最近食べたなめこの中ではナンバーワンでした。
 つれあいは、アスパラガスが異常に安いと言いながら、うれしそうにそれも買います。

 ここでは箱ものの生ラーメンを買おうとしたのですが、お目当ての佐野ラーメンがなく、喜多方ラーメンばかりが目についたので、いったんスルーすることにします。
 つれあいは「牛乳屋食堂」のミルクみそラーメンの小袋を見つけて欲しそうにしていましたが、佐野ラーメンを買う時に一緒に買おうと、これもスルーします。
 しかし残念ながら、牛乳屋食堂のラーメンはこれより先の立ち寄り店では見つけられずに終わったのでした。
 また、混んでいなければ芦ノ牧温泉駅近くにある「牛乳屋食堂」に寄って、ホンモノを食べてもいいという考えもあったのですが、予想していたとおり11時前の段階ですでに行列ができていたので、断念します。

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(南会津町のなめこが売られていた)

 次は、「下郷町物産館(まちの駅下郷)」。
 ここでは、佐野ラーメンが置いてあったので、あれこれ悩んだ挙句、結局「とら食堂」の3食入りを購入します。しかしこれ、他のブランドラーメンと同様に香川の丸亀でつくられているもの。なので、長男宅へのお土産は郡山市でつくられている「やたべ」の箱入り4食のほうを購入しました。

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(下郷町物産館(まちの駅下郷))

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(あらい屋製麺所(郡山市)製の「やたべ系白河ラーメン」)

 帰り足のランチも、ラーメンです。
 会津若松で昼前の時間になったので、グーグルマップで検索して、会津若松市中心部の「きむらや」で食べることにします。会津で最強のラーメン屋との噂に違わぬ旨さだと、口コミに書いてあったので。
 ラーメン800円。かえしの醤油香、煮干しの効いたダシの深み、太さがあり存在感バッチリの麺、柔らかく煮込まれた厚切りチャーシューなどが特徴の、おいしい一杯です。前日に食べたラーメンよりも数段上で、思わずニンマリ。

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(会津若松「きむらや」のラーメン)

 会津若松では、「農産物直売所まんまーじゃ」に立ち寄ります。
 JA会津よつば本店に併設された直売所。2007年の開店以来売り上げを伸ばし、2016年には来場者300万人を突破。1日の客数千人超の、会津管内屈指の人気店とのことです。
 ここでは、つれあいが最も購買意欲を示していた福島の桃をゲット。ついでに梨も。さらには枝豆やトウモロコシなども買っていました。
 なお、「まんまーじゃ」とは、おいしい米や野菜をそのまま食べる「まんま」にJAのローマ字読みをくっつけたということのようです。

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(農産物直売所まんまーじゃ)

 いろいろ買い、ある程度は満足していただけたようなので、あとは帰るつもりでしたが、最後に喜多方市の「道の駅喜多の郷」でダメ押しです。
 孫への土産がなかったので、つれあいはあちこちの道の駅で見かけたかわいい器に入った金平糖を買い、自分へのご褒美なのか、昭和村を代表する商品だという奥会津昭和村振興公社製のえごまのドレッシング「じゅうねんドレッシング」も調達していました。

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(道の駅喜多の郷)

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(えごまの「じゅうねんドレッシング」)

 15時10分に、自宅到着。
 この日のドライブは208kmで、2日間のトータルは424kmでした。お疲れ様でした~♪

(了)