2024.11.01
東京散歩03 202409の11
リレー号では車中の混雑はなく、ようやくありつけたアルコール飲料を飲み、田舎の風景を楽しみながら過ごします。
近時のドライブで立ち寄っている会津下郷駅、塔のへつりの奇観、湯野上温泉駅の萱葺きの駅舎、猫駅長のいる芦ノ牧温泉駅などを眺めつつ、会津若松へと向かいます。
(湯野上温泉駅)
会津若松着14時07分。
ランチの店を探して駅舎内をウロウロしますが、芳しい店は見当たらず。駅前に立って東側を見渡すと、向こう側に古い駅前食堂を発見。創業120年だという「マルモ食堂」。おおっ、いかにもといった感じの、昭和のノスタルジーが漂う駅前食堂です。もうここしかないよなと、キャリーケースを引いて入店しました。
店内は予想どおり枯れた感じがあり、隣のテーブルではやはり観光と思われる3世代家族が静かに会食中。客はそれだけで、穏やかな時間が流れています。
(創業120年の「マルモ食堂」)
あまり腹が減っていないので軽くいこうと、なめこそば(冷)650円を注文。
うまいかと問われればまあそれなりですが、この安心感は何?といったこれまた穏やかなつくり。小どんぶりで量も少なめですが、旅の最中は食べ過ぎの傾向が続いていたので、これで結構。鰹節をしっかり効かせたつゆがやたらとおいしく、つるりとしたなめこの喉越しが大根おろしとよく合っていました。ここまで食べずに我慢してきてよかったです。
(なめこそば(冷))
会津若松駅前にあった「C57形蒸気機関車の動輪」。“貴婦人”と愛称されていたC57は、磐越西線などで活躍していたとのことです。
背景には蔵をイメージしたかのような玄関口と、「白虎隊士の像」が見えました。
(会津若松駅前にあった「C57形蒸気機関車の動輪」)
会津若松から郡山までは、会津若松15時30分発の快速にて。
当駅始発の列車ははじめのうちは余裕があり、飲酒と食事のためかウトウトし始めましたが、途中からは混雑し始め、二人で座っていたボックス席によくしゃべるおばちゃんが二人入ってきて、眠れる状態ではなくなります。中年過ぎのおばちゃんって、二人以上になるとどうして周囲の状況に頓着なく意味のないことをずっと声高にしゃべっているのでしょう。(笑)
16時半過ぎ、郡山着。
新幹線に乗るまで30分強あるので、いったん改札を出て駅前を眺めます。郡山駅っていつも素通りで、駅前を見たことはなかったかもしれません。
郡山駅では今年1月、新幹線の架線事故のため半日ほど新幹線の車内で停滞したことがあり、そのときにヒマに任せてうろついたコンコースの売店や食べた駅弁などを見て、当時のことを思い出しました。
(JR郡山駅)
17時18分発の山形新幹線に乗車。あとは帰るだけです。
18時43分、山形駅着。駅地下で買い物をして、タクシーで19時過ぎに帰着。
東京からほぼ1日かけて戻ってきたことになりますが、毎度ご乗車の新幹線にはない面白さがありました。
この日の歩数は7千歩。大部分は席に座っていたわけですからね。
(了)
近時のドライブで立ち寄っている会津下郷駅、塔のへつりの奇観、湯野上温泉駅の萱葺きの駅舎、猫駅長のいる芦ノ牧温泉駅などを眺めつつ、会津若松へと向かいます。
(湯野上温泉駅)
会津若松着14時07分。
ランチの店を探して駅舎内をウロウロしますが、芳しい店は見当たらず。駅前に立って東側を見渡すと、向こう側に古い駅前食堂を発見。創業120年だという「マルモ食堂」。おおっ、いかにもといった感じの、昭和のノスタルジーが漂う駅前食堂です。もうここしかないよなと、キャリーケースを引いて入店しました。
店内は予想どおり枯れた感じがあり、隣のテーブルではやはり観光と思われる3世代家族が静かに会食中。客はそれだけで、穏やかな時間が流れています。
(創業120年の「マルモ食堂」)
あまり腹が減っていないので軽くいこうと、なめこそば(冷)650円を注文。
うまいかと問われればまあそれなりですが、この安心感は何?といったこれまた穏やかなつくり。小どんぶりで量も少なめですが、旅の最中は食べ過ぎの傾向が続いていたので、これで結構。鰹節をしっかり効かせたつゆがやたらとおいしく、つるりとしたなめこの喉越しが大根おろしとよく合っていました。ここまで食べずに我慢してきてよかったです。
(なめこそば(冷))
会津若松駅前にあった「C57形蒸気機関車の動輪」。“貴婦人”と愛称されていたC57は、磐越西線などで活躍していたとのことです。
背景には蔵をイメージしたかのような玄関口と、「白虎隊士の像」が見えました。
(会津若松駅前にあった「C57形蒸気機関車の動輪」)
会津若松から郡山までは、会津若松15時30分発の快速にて。
当駅始発の列車ははじめのうちは余裕があり、飲酒と食事のためかウトウトし始めましたが、途中からは混雑し始め、二人で座っていたボックス席によくしゃべるおばちゃんが二人入ってきて、眠れる状態ではなくなります。中年過ぎのおばちゃんって、二人以上になるとどうして周囲の状況に頓着なく意味のないことをずっと声高にしゃべっているのでしょう。(笑)
16時半過ぎ、郡山着。
新幹線に乗るまで30分強あるので、いったん改札を出て駅前を眺めます。郡山駅っていつも素通りで、駅前を見たことはなかったかもしれません。
郡山駅では今年1月、新幹線の架線事故のため半日ほど新幹線の車内で停滞したことがあり、そのときにヒマに任せてうろついたコンコースの売店や食べた駅弁などを見て、当時のことを思い出しました。
(JR郡山駅)
17時18分発の山形新幹線に乗車。あとは帰るだけです。
18時43分、山形駅着。駅地下で買い物をして、タクシーで19時過ぎに帰着。
東京からほぼ1日かけて戻ってきたことになりますが、毎度ご乗車の新幹線にはない面白さがありました。
この日の歩数は7千歩。大部分は席に座っていたわけですからね。
(了)
2024.11.02
20241101 金
昨日は夕刻までに自宅に到着し、長崎のホテルでは連日シャワーで済ませていたので、今日は4日ぶりに自宅風呂に入る。待望していた長湯は極めて気持ちがいい。しかし、不摂生が体重に出て、ふだんよりも2kg近く多くなっている。
久しぶりに麻雀対局の録画番組を見ながら飲めば、疲労が出てたちまち眠くなるのだった。
今朝は6時10分起床。昨夜から毛布を布団に替えて眠り、暑くも寒くもなくよく眠れる。室温は低く、居間はエアコン、自室は電気ストーブでの暖をとり始める。
長崎から戻ってくれば、早いものでもう11月だ。
10月には本を10冊読んで、ここまで今年86冊を読了した。年間100冊まであと14冊。寒くなってきた11月のこの季節は家の中でしっかり読み、年末までにこれを達成することが当面のいちばんの目標となる。
それと、カキモノ。まずは昨日までの長崎旅のドキュメントを書き、次に溜まっている読了本のインプレを書かないといけない。それ以外にも書くべきことはさまざまあり、これからの冬の日々にきちんと進めていきたいと思っている。
(長崎・軍艦島クルーズにて 2024.10.29)
昨日までの10月1か月間の株式取引を総括しておくと、日経平均が+3.06%だったのに対し、資産額合計は+2.81%となった。株式投資に充当している額の6割強が株式での保有となっていることを考えれば、その6割分では日経平均を上回る利益が出せたことになり、善戦していると言っていいのではないか。
資産額合計は、今年3月末以来となる最高額に達し、一方で、売りユニットが買いユニット数を上回ったことから、買付余裕資金も増えてきた1か月となった。
今月もこの株価水準を上回るようであれば売り基調でいき、逆に大きめに下げるような場面があれば押し目買いを入れるというやり方でいいのではないか。いずれにしても、ここではひとつの買いで大きな利ザヤを稼ごうなどとは考えないほうがいいだろう。
昼食は、旅先から山形に戻ったときには必ず食べたくなる蕎麦がいい。おいしいし、量に不足がないし、他所のどこよりも山形は蕎麦がおいしい地域だ。
山形の名店「庄司屋」あたりであっさりともりそばを手繰るつもりだったが、天ぷらと卵が付いて価格が同程度ならやはりこっちになるよなぁとつれあいと話し、半年ぶりに荒楯の「そばのまるごまるご」へ。
(「そばのまるごまるご」のかけ天)
いつもはもり天だが、気候が寒くなってきた今日はつゆものがいいだろうと、かけ天900円にする。下膨れのどんぶりで量がたんまりなところに、まずはホレボレする。一味唐辛子を多めにあしらい卵を割り入れて啜れば、これこれといった塩梅でグッド。食べてもなかなか減らないゲソ天に、思わず笑いがこみ上げてくる。ゲソ自体はかつてよりも細く、その分歯応えも増したように感じるが、まるごファンはこの噛み応えにも強い魅力を感じているはずだ。
満腹、満足。いつ来ても、何度食べても、至福の愉悦が得られるとてもいい店だと思う。
午後は、旅で撮り集めてきた画像をパソコンに取り込んで、ブログに使うための加工作業を始める。そればかりをやっていると「読む」ほうが一向に進まないので、適当なところで切り上げて読書に入る。
しかしまあ、意図と現実は大きく異なり、横になって読もうとするだけでオートマチックに眠気がやってきて、1時間ほど眠ってしまうのだった。また、合間合間にパソコンゲームを挟んだりするから、読書スピードはちっとも上がらない。
22時前には店仕舞いしてベッドに移動。今日の読書は「翔ぶが如く(6)」40ページだけとなった。
久しぶりに麻雀対局の録画番組を見ながら飲めば、疲労が出てたちまち眠くなるのだった。
今朝は6時10分起床。昨夜から毛布を布団に替えて眠り、暑くも寒くもなくよく眠れる。室温は低く、居間はエアコン、自室は電気ストーブでの暖をとり始める。
長崎から戻ってくれば、早いものでもう11月だ。
10月には本を10冊読んで、ここまで今年86冊を読了した。年間100冊まであと14冊。寒くなってきた11月のこの季節は家の中でしっかり読み、年末までにこれを達成することが当面のいちばんの目標となる。
それと、カキモノ。まずは昨日までの長崎旅のドキュメントを書き、次に溜まっている読了本のインプレを書かないといけない。それ以外にも書くべきことはさまざまあり、これからの冬の日々にきちんと進めていきたいと思っている。
(長崎・軍艦島クルーズにて 2024.10.29)
昨日までの10月1か月間の株式取引を総括しておくと、日経平均が+3.06%だったのに対し、資産額合計は+2.81%となった。株式投資に充当している額の6割強が株式での保有となっていることを考えれば、その6割分では日経平均を上回る利益が出せたことになり、善戦していると言っていいのではないか。
資産額合計は、今年3月末以来となる最高額に達し、一方で、売りユニットが買いユニット数を上回ったことから、買付余裕資金も増えてきた1か月となった。
今月もこの株価水準を上回るようであれば売り基調でいき、逆に大きめに下げるような場面があれば押し目買いを入れるというやり方でいいのではないか。いずれにしても、ここではひとつの買いで大きな利ザヤを稼ごうなどとは考えないほうがいいだろう。
昼食は、旅先から山形に戻ったときには必ず食べたくなる蕎麦がいい。おいしいし、量に不足がないし、他所のどこよりも山形は蕎麦がおいしい地域だ。
山形の名店「庄司屋」あたりであっさりともりそばを手繰るつもりだったが、天ぷらと卵が付いて価格が同程度ならやはりこっちになるよなぁとつれあいと話し、半年ぶりに荒楯の「そばのまるごまるご」へ。
(「そばのまるごまるご」のかけ天)
いつもはもり天だが、気候が寒くなってきた今日はつゆものがいいだろうと、かけ天900円にする。下膨れのどんぶりで量がたんまりなところに、まずはホレボレする。一味唐辛子を多めにあしらい卵を割り入れて啜れば、これこれといった塩梅でグッド。食べてもなかなか減らないゲソ天に、思わず笑いがこみ上げてくる。ゲソ自体はかつてよりも細く、その分歯応えも増したように感じるが、まるごファンはこの噛み応えにも強い魅力を感じているはずだ。
満腹、満足。いつ来ても、何度食べても、至福の愉悦が得られるとてもいい店だと思う。
午後は、旅で撮り集めてきた画像をパソコンに取り込んで、ブログに使うための加工作業を始める。そればかりをやっていると「読む」ほうが一向に進まないので、適当なところで切り上げて読書に入る。
しかしまあ、意図と現実は大きく異なり、横になって読もうとするだけでオートマチックに眠気がやってきて、1時間ほど眠ってしまうのだった。また、合間合間にパソコンゲームを挟んだりするから、読書スピードはちっとも上がらない。
22時前には店仕舞いしてベッドに移動。今日の読書は「翔ぶが如く(6)」40ページだけとなった。
2024.11.03
20241102 土
体の熱さを感じて3時に覚醒し、窓を開け汗を拭いてクールダウン。それからはずっと眠れず、困ったなと5時に本を読んだところすぐに眠れ(笑)、寝坊をして6時50分の起床となる。外はしとしとの雨。一昨日までいた長崎県の北部では線状降水帯が発生して大雨となっているようだ。
この雨では外出する気にもなれず、今日は終日家にいようと決めてしまう。
(本場の五島うどんで地獄だきを愉しむ)
自宅ランチは、浦上天主堂近くのスーパーで入手した、ますだ製麺(新上五島町)製の「長崎五島名産手延べ五島うどん地獄だき・あごだしスープ付」を、地元定番の食べ方の「地獄炊き」で食べる。 乾麺を鉄鍋でぐつぐつと茹で、それをトビウオ使用のアゴだしにつけて。
島の特産の椿油を塗布して仕上げる、腰が強くのびにくい麺。山形のひっぱりうどんもいいが、こちらもおいしかったな。500g(5束・約5食分)入って900円台の価格だったと思うが、贈答用のものよりもずっと安価で食べることができた。これで讃岐・稲庭・五島のニッポン三大うどんを制覇したことになる。
大阪伊丹空港の「551蓬莱」から買ってきた焼売も、大きくジューシーでおいしい。
(「翔ぶが如く(6)」と、前原一誠)
読書が順調にいけば、夜には長崎旅行の画像処理に取りかかれるのではないかと思っていたが、うまく進まない。結局、午後以降は遅れている読書に専念する形となり、画像処理は明日以降に繰り延べる。
22時過ぎにパソコンを閉じて「翔ぶが如く(6)」を読むのだが、萩の乱に至るまでの前原一誠に関わる人物評などに関する記述が長く、このあたりの記述には司馬も書くのに苦労していたのではないかと察する。読むほうにとってもなかなか集中して内容に浸潤していくことができず、読むのに苦労する。これをなんとか50ページ。
寝る前には、本を「活動寫眞の女」(浅田次郎著、集英社文庫、2003)に持ち替えて、はじめの30ページ。
昭和44年、京都。大学の新入生で、大の日本映画ファンの「僕」は友人の清家忠昭の紹介で、古き良き映画の都・太秦の撮影所でアルバイトをすることになった。そんなある日、清家は撮影現場で絶世の美女と出会い、激しい恋に落ちる。しかし、彼女は30年も前に死んだ大部屋女優だった――。若さゆえの不安や切なさ、不器用な恋。失われた時代への郷愁に満ちた瑞々しい青春恋愛小説の傑作。(カバー裏表紙から)
浅田次郎の描く小説では概ねいつも、霧がかかったようなフィルターを通して昭和の風景が霞んで見えてくる。このあたりが彼の作品の魅力だ。
事件など起きない、穏やかな一日。楽しくはなくても悲しんだり悩んだりする必要のないこういう日が続いてほしいと願う。
この雨では外出する気にもなれず、今日は終日家にいようと決めてしまう。
(本場の五島うどんで地獄だきを愉しむ)
自宅ランチは、浦上天主堂近くのスーパーで入手した、ますだ製麺(新上五島町)製の「長崎五島名産手延べ五島うどん地獄だき・あごだしスープ付」を、地元定番の食べ方の「地獄炊き」で食べる。 乾麺を鉄鍋でぐつぐつと茹で、それをトビウオ使用のアゴだしにつけて。
島の特産の椿油を塗布して仕上げる、腰が強くのびにくい麺。山形のひっぱりうどんもいいが、こちらもおいしかったな。500g(5束・約5食分)入って900円台の価格だったと思うが、贈答用のものよりもずっと安価で食べることができた。これで讃岐・稲庭・五島のニッポン三大うどんを制覇したことになる。
大阪伊丹空港の「551蓬莱」から買ってきた焼売も、大きくジューシーでおいしい。
(「翔ぶが如く(6)」と、前原一誠)
読書が順調にいけば、夜には長崎旅行の画像処理に取りかかれるのではないかと思っていたが、うまく進まない。結局、午後以降は遅れている読書に専念する形となり、画像処理は明日以降に繰り延べる。
22時過ぎにパソコンを閉じて「翔ぶが如く(6)」を読むのだが、萩の乱に至るまでの前原一誠に関わる人物評などに関する記述が長く、このあたりの記述には司馬も書くのに苦労していたのではないかと察する。読むほうにとってもなかなか集中して内容に浸潤していくことができず、読むのに苦労する。これをなんとか50ページ。
寝る前には、本を「活動寫眞の女」(浅田次郎著、集英社文庫、2003)に持ち替えて、はじめの30ページ。
昭和44年、京都。大学の新入生で、大の日本映画ファンの「僕」は友人の清家忠昭の紹介で、古き良き映画の都・太秦の撮影所でアルバイトをすることになった。そんなある日、清家は撮影現場で絶世の美女と出会い、激しい恋に落ちる。しかし、彼女は30年も前に死んだ大部屋女優だった――。若さゆえの不安や切なさ、不器用な恋。失われた時代への郷愁に満ちた瑞々しい青春恋愛小説の傑作。(カバー裏表紙から)
浅田次郎の描く小説では概ねいつも、霧がかかったようなフィルターを通して昭和の風景が霞んで見えてくる。このあたりが彼の作品の魅力だ。
事件など起きない、穏やかな一日。楽しくはなくても悲しんだり悩んだりする必要のないこういう日が続いてほしいと願う。
2024.11.03
寿司問答 江戸前の真髄 嵐山光三郎
ちくま文庫 740円+税
2005年10月10日 第1刷発行
江戸前寿司は前衛であり、アートである。その奇跡とも言える寿司の逸品! 値段と内容を吟味して選び抜いたこれぞ一流店の江戸前寿司を、食の殉教者・嵐山光三郎が垂涎の読者になりかわり、なぜウマイか、いかに凄いか、その裏側と職人の心意気を明らかにし、食通諸兄に伝達する。
諸兄。超一流の寿司を知りたまえよ!(カバー裏表紙から)
――という、涎を流しながら読むことになった1冊。食べ物の本を読むのは愉しく、それが寿司ともなれば気分はいや増します。
雑誌「dancyu」に3年間にわたって連載されたものが、2002年に「江戸前寿司一(ピン)の一の店を行く」として単行化され、それを2005年に改題して文庫化されたものです。
目次は、次のとおり。
・銀座・寿司幸本店 ―白木の上の極上のディナー
・日本橋・吉野鮨本店 ―まっとうな江戸前寿司の総本山
・銀座・小笹寿し ―風に吹かれりゃアナゴが恋し
・西大島・すし與兵衛 ―下町に「アユも握る」の職人芸
・恵比寿・松栄 ―「メインディッシュが寿司」という趣向
・六本木・奈可久 ―江戸前は割烹を抱きつつ進化する
・浅草・松波 ―場所も江戸前、握りも一
・築地場内・大和寿司 ―夜明けを待って寿司職人も来る
・八重洲・おけい寿司 ―桧づくりのネタ箱は海の宝石箱
・銀座・鮨青木 ―まず深紅のマグロを主柱とす〔ほか〕
当方はいつも回転寿司ばかりで、上記のような一流店で寿司を食べることはたぶんこれからもないと思いますが、読むだけでも味わい深い、果報な本です。
某一流店の主人は、煮切り醤油が店の味つけの命と考え、少なくとも7種の醤油ダレを用意しているという話が紹介されています。様々なネタが登場してどのページも垂涎モノですが、とりわけ煮ハマグリ、タコの桜煮、キスやマコガレイの昆布じめといったあたりに唾液腺がジュワリときました。
寿司を賛美する嵐山光三郎の文章も、洒脱でおもしろいです。その著者は「あとがき」で、江戸前寿司は一貫が完成された料理だといい、「寿司は食べるモダンアートであり、前衛であってつねに新工夫が求められる」と書き、今後残るのは一流店と、一段と上質のネタを仕込むようになった回転寿司だけで、その中間にあるいっさいの駄寿司屋は絶滅するであろうと記しています。おそらくそのとおりになるのでしょう。
また、多くの一流店に同行してたくさんの寿司を食べた、坂崎重盛という人が解説を書いています。彼は1942年東京生まれのエッセイストで、THE ALFEEの坂崎幸之助の叔父(実父の末弟)。幸之助にとっては一回りほど歳上の粋人ということもあり、憧れの叔父だったそうです。
写真を見れば、ああこの人だったかとわかりました。BSジャパンで2014年に放映されていた「酒とつまみと男と女」に、不良隠居役で出ていた人物でした。
(2024.7.15 読)
2024.11.04
20241103 日
今朝まではわりとぐっすり眠れたほうで、外が明るくなってきた頃合いの6時25分に起床する。
午前中、「イエローハット山形中央店」へと赴き、タイヤ交換とエンジンオイル交換をする。
タイヤ交換は、繁忙期に入らない今日までなら半額クーポンが使える。まだ冬タイヤを履くほどの季節ではないが、来年あたりには車を買い替えるつもりで、そうなれば現在の夏・冬のタイヤは使わなくなるので、いつ交換してもいい。また、エンジンオイルは、1年近く換えていないので、これが最後だと思い、交換しておくことにした。
(「ラーメンギョーザ蔵王」の醤油つけめん)
帰宅途中のランチは、ここのつけ麺を食べてみようという気になり、飯田の「ラーメンギョーザ蔵王」を5年9か月ぶりに再訪。
5年前と変わらず、一人客と見るや有無を言わせず日の当たらないカウンターに導かれ、チャーハンがあるぞ、餃子を付けないかとあれこれ勧められるのだが、今回はつけ麺と決めているので、正直言ってウザい。こういうことはもうやめたほうがいいと思う。
醤油つけめん890円。つけ汁は酸味が際立ち、辛味まで入って、これで「醤油」。麺は中太でおいしく、量的にも不足はなく、これはマル。価格もバカ高いとは言えず、マル。しかしどうも、この店の雰囲気にはしっくり来ず、静かに退店。従業員のおばさんに何かと細かい指示を出している神経質でクセの強そうな店主に原因があるのではないかと勘ぐるのだが、どうだろう。
100円ショップで買い物をして家に戻ってからは、旅で履いていたデッキシューズを洗濯する。衣類は頻繁に洗うのに、靴は滅多に洗わない。歩くとただでさえ足に汗をかくのに、構造上靴を洗うのは難しい。本当はまめに洗いたいのだが、このジレンマを解決できるうまい方法はないものだろうか。
(洗い終えたデッキシューズ)
本は、「活動寫眞の女」を170ページ。さすがに浅田次郎は読ませてくれるが、こういうエンタメものならかつては読み始めた日に読み終えていたものだ。
長崎旅のドキュメント作業までには届かず、明日以降に再延長。23時前には就寝。
午前中、「イエローハット山形中央店」へと赴き、タイヤ交換とエンジンオイル交換をする。
タイヤ交換は、繁忙期に入らない今日までなら半額クーポンが使える。まだ冬タイヤを履くほどの季節ではないが、来年あたりには車を買い替えるつもりで、そうなれば現在の夏・冬のタイヤは使わなくなるので、いつ交換してもいい。また、エンジンオイルは、1年近く換えていないので、これが最後だと思い、交換しておくことにした。
(「ラーメンギョーザ蔵王」の醤油つけめん)
帰宅途中のランチは、ここのつけ麺を食べてみようという気になり、飯田の「ラーメンギョーザ蔵王」を5年9か月ぶりに再訪。
5年前と変わらず、一人客と見るや有無を言わせず日の当たらないカウンターに導かれ、チャーハンがあるぞ、餃子を付けないかとあれこれ勧められるのだが、今回はつけ麺と決めているので、正直言ってウザい。こういうことはもうやめたほうがいいと思う。
醤油つけめん890円。つけ汁は酸味が際立ち、辛味まで入って、これで「醤油」。麺は中太でおいしく、量的にも不足はなく、これはマル。価格もバカ高いとは言えず、マル。しかしどうも、この店の雰囲気にはしっくり来ず、静かに退店。従業員のおばさんに何かと細かい指示を出している神経質でクセの強そうな店主に原因があるのではないかと勘ぐるのだが、どうだろう。
100円ショップで買い物をして家に戻ってからは、旅で履いていたデッキシューズを洗濯する。衣類は頻繁に洗うのに、靴は滅多に洗わない。歩くとただでさえ足に汗をかくのに、構造上靴を洗うのは難しい。本当はまめに洗いたいのだが、このジレンマを解決できるうまい方法はないものだろうか。
(洗い終えたデッキシューズ)
本は、「活動寫眞の女」を170ページ。さすがに浅田次郎は読ませてくれるが、こういうエンタメものならかつては読み始めた日に読み終えていたものだ。
長崎旅のドキュメント作業までには届かず、明日以降に再延長。23時前には就寝。
2024.11.05
20241104 月
6時15分起床。文化の日の振替休日のため、世の中は今日も大きく動かない。天気がよさそうだが、それも今日までだろうか。
秋が深まって気温もずいぶん低くなり、自室では電気ストーブを点けていることが多くなったし、ショートソックスでは脛が寒く感じるようになった。
先月11日に不動産売却の仲介契約をしたR社からのレスポンスがこれまでまったくないので、その後どうなっているのか、担当のY氏にメールする。
「10月11日に契約して以来1か月近くが経とうとしていますが、その後はどうなっていますでしょうか? 現在の状況と、今後の進め方について、お知らせくださるようお願いします。」
一週間以内にレインズに登載され、2週間後ぐらいにはSUUMOなどの不動産サイトへの掲載が始まると言っていたのに、ぴたりと止まったまま。こちらはすっかりあてにしているというのに、困ったものだ。
このことについては夜になってから返信があり、レインズへの登録は10月20日に済んでいるが、現地写真などの準備が遅れていてSUUMOなどでの表示はまだであるとのこと。せめてそのような情報でもいいから経過説明として提供してほしいと思うのは、依頼する側の常なのではないか。がんばれY氏。
(楽天市場の「ハンコヤストア」で3人の孫の実印を設える)
3人の孫の実印をつくってあげることにしていたので、楽天市場で調べてみる。はるき君の印鑑は印相体の16.5mm、まおみおの二人のは篆書体の15mmにして、いずれも黒水牛・ケース入り、それぞれ印鑑側面に千円で名入れの彫刻を施してつくってもらっても、3本送料込みで6,978円しかしない。今どき印鑑ってずいぶん安くつくれるのだな。楽天ポイントと楽天キャッシュで払い、手出しなしだものな。
(自宅でちゃんぽん)
自宅ランチは長崎ちゃんぽん。長崎で買った東洋軒(諫早市)製の「平戸あごちゃんぽん」を使った、つれあいのチャレンジメニューだ。
うまくつくれるかどうかやや心配だったが、出来栄えは想定を超えるすばらしさ。麺がちゃんぽんらしい独特のものだし、スープのあごだし豚骨がすごく美味。野菜や練り物たっぷりにシーフードミックスを加えた具材もバッチリ。これならリンガーハットもびっくりだろう。添えた餃子は幸楽苑からの調達した冷凍モノ。いずれもおいしかった。
(東洋軒の「平戸あごちゃんぽん」)
午後からは読書。「活動寫眞の女」を120ページ余り読んで、夕刻までに読了。
辻のおっちゃんの話す京都弁が続くため、読んでいてどっぷりと京都に滞在しているような気分になれる。そして、なるほどそういう幕切れか。夢のようではないか。
終日いい天気で、なんだかこの日がこの秋最後の好天日のように思えたが、外出せずに終わってしまう。
夜は、いつもの缶チューハイロング缶に、レギュラー缶1本を追加して、いい酔いとなる。飲めば飲めるんだゾということと、いつもぐらいにとどめておくべきだよナという反省と。肝臓のことを心配しなくていいのであれば、毎日でもこの程度は酔いたいものだと思う。
こうなると、旅の画像処理などのパソコン作業はもう無理。そうであればと、読書を進める。
「翔ぶが如く(6)」の、熊本・神風連に関するくだりを40ページ。さらに寝るまでに、「やっぱり北海道だべさ!!スペシャル版」(千石涼太郎著、双葉文庫、2004)を読み、はじめの30ページ。今日はよく読んだ部類だろう。
秋が深まって気温もずいぶん低くなり、自室では電気ストーブを点けていることが多くなったし、ショートソックスでは脛が寒く感じるようになった。
先月11日に不動産売却の仲介契約をしたR社からのレスポンスがこれまでまったくないので、その後どうなっているのか、担当のY氏にメールする。
「10月11日に契約して以来1か月近くが経とうとしていますが、その後はどうなっていますでしょうか? 現在の状況と、今後の進め方について、お知らせくださるようお願いします。」
一週間以内にレインズに登載され、2週間後ぐらいにはSUUMOなどの不動産サイトへの掲載が始まると言っていたのに、ぴたりと止まったまま。こちらはすっかりあてにしているというのに、困ったものだ。
このことについては夜になってから返信があり、レインズへの登録は10月20日に済んでいるが、現地写真などの準備が遅れていてSUUMOなどでの表示はまだであるとのこと。せめてそのような情報でもいいから経過説明として提供してほしいと思うのは、依頼する側の常なのではないか。がんばれY氏。
(楽天市場の「ハンコヤストア」で3人の孫の実印を設える)
3人の孫の実印をつくってあげることにしていたので、楽天市場で調べてみる。はるき君の印鑑は印相体の16.5mm、まおみおの二人のは篆書体の15mmにして、いずれも黒水牛・ケース入り、それぞれ印鑑側面に千円で名入れの彫刻を施してつくってもらっても、3本送料込みで6,978円しかしない。今どき印鑑ってずいぶん安くつくれるのだな。楽天ポイントと楽天キャッシュで払い、手出しなしだものな。
(自宅でちゃんぽん)
自宅ランチは長崎ちゃんぽん。長崎で買った東洋軒(諫早市)製の「平戸あごちゃんぽん」を使った、つれあいのチャレンジメニューだ。
うまくつくれるかどうかやや心配だったが、出来栄えは想定を超えるすばらしさ。麺がちゃんぽんらしい独特のものだし、スープのあごだし豚骨がすごく美味。野菜や練り物たっぷりにシーフードミックスを加えた具材もバッチリ。これならリンガーハットもびっくりだろう。添えた餃子は幸楽苑からの調達した冷凍モノ。いずれもおいしかった。
(東洋軒の「平戸あごちゃんぽん」)
午後からは読書。「活動寫眞の女」を120ページ余り読んで、夕刻までに読了。
辻のおっちゃんの話す京都弁が続くため、読んでいてどっぷりと京都に滞在しているような気分になれる。そして、なるほどそういう幕切れか。夢のようではないか。
終日いい天気で、なんだかこの日がこの秋最後の好天日のように思えたが、外出せずに終わってしまう。
夜は、いつもの缶チューハイロング缶に、レギュラー缶1本を追加して、いい酔いとなる。飲めば飲めるんだゾということと、いつもぐらいにとどめておくべきだよナという反省と。肝臓のことを心配しなくていいのであれば、毎日でもこの程度は酔いたいものだと思う。
こうなると、旅の画像処理などのパソコン作業はもう無理。そうであればと、読書を進める。
「翔ぶが如く(6)」の、熊本・神風連に関するくだりを40ページ。さらに寝るまでに、「やっぱり北海道だべさ!!スペシャル版」(千石涼太郎著、双葉文庫、2004)を読み、はじめの30ページ。今日はよく読んだ部類だろう。
2024.11.05
すばらしい暗闇世界 椎名誠
新潮文庫 630円+税
2023年1月1日 第1刷発行
〈真っ暗闇〉は不気味で怖ろしい。だからこそ、つい近づいてしまうのだ――。子ども時代にひそかに覗いた屋根裏と防空壕、絶体絶命の窮地に陥ったグレートバリアリーフのダイビング、無人島で味わった「ナニモノカ」が現れそうな闇夜……。稀代の探検作家でありながら実は閉所恐怖症で不眠症のシーナが、地球の神秘を豪快に書き尽くす驚異のエッセイ! 「すばらしい黄金の暗闇世界」改題。(カバー裏表紙から)
メンタリックな暗闇世界の話が続くのであればやや鬱陶しいのかなかと思って読み始めましたが、それははじめの2~3編のこと。
その後には、人はそこらにあるもので家をつくる話、意図的に寄生虫を身体に宿して肥満になるのを防ぐ話、人間は最長どのぐらい眠らないでいられるかの話、人類は紀元前から格闘技が好きだったという話、海水やし尿などを飲み水にするプラントの話……などが続きます。
つまり表題は、内容全体を表しているのではなく、こういう項もありますよという趣旨のもので、世界を旅し、読書家でもあるシーナはいつものとおり、少しだけ科学的なテーマを取り上げていわば雑文として書いているのでした。
怪しい探検隊の仲間の一人である斎藤海仁の企画によりウェブ上で発表されたエッセイ「椎名誠の奇鬼驚嘆痛快話」の11話分と、「SFマガジン」に連載された7話、そして書下ろしの1話をまとめて、2016年に日経ナショナルジオグラフィック社から「すばらしい黄金の暗闇世界」として刊行されたものの文庫化版。
なおタイトルは、斎藤の企画案では「肥満という名の快楽」としていたのを、シーナが鶴の一声で上記のように変更したとのことです。
(2024.7.18 読)