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2023.12.01 20231130 木
 6時起床。雨が降り、暗い朝。秋田以北は朝から雪のようだ。鬱々とした日々が長く続く冬が始まっている。こんなときにいつもどおり仕事に行かなければならない現役世代の人々には深く同情するとともに、心からご苦労様と言いたい。自分も通ってきた道ではあるが、リタイアして5年近くも経てば、もうあの生活に戻れるほどの精神的なタフさはすっかり失われてしまった。

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(image 冬の日)

 9時までに、日記などの日々のカキモノ、来年再訪する愛媛についての調べ物、今日の株式投資の仕込みなど。
 株式については、事前に11本の売り買い注文を入れるが、売りも買いも高望みに過ぎる額で入れているので、方向感の定まらない今日の相場ではどれも約定しないだろうとハナから思っている。結果は予想どおりのものとなる。
 さて、今日も天候がパッとせず、母の面会に行く日なので、早めに読書を始めて、ホームページの保存版作成にも時間を充てていきたい。
 というわけで、午前のうちに「異国トーキョー漂流記」を60ページほど読んで、読了へ。

 昼のお出かけランチは、今日が2割還元キャンペーンの最終日となる上山市へ。
 十日町の「寿司万龍(まんりゅう)」を初訪問。ここは不思議な店で、定休日の水曜以外でも休み、開店時刻の11時45分に行っても未開店、暖簾が出ていても予約でいっぱいということが続き、それなのになぜか通りすがるだけのときにはたいてい暖簾が出ているという、当方にとって極めて相性が悪い店。今回多分5回目ぐらいで、やっとこさ初めての入店となった。
 ランチメニューの握り寿し900円。安い! けれども、内容は価格相応か。
 ウェブ上の画像では、まだ価格が800円で、握りが7貫、巻物2本は鉄火とかっぱ――というのを多く見ていたのだが、今回実食したのは、値上げしたにもかかわらず握りが6貫に減り、巻物はかんぴょう2本になっていてがっかり。ちなみに握りのネタは、ヒラメのこぶ〆、あじ、とびっこは評価できるものの、あとの3貫はサーモン、いか、玉子で、まぐろがないのが残念なところ。寿司は、ただ安ければそれでいいというものではないのだ。

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(「寿司万龍」の握り寿し)

 その後「ファーマーズマーケットトマト上山店」で、今夜のすきやき風白菜鍋の材料となる白菜、ネギ、麩、焼き豆腐、椎茸、えのき、しらたき、玉子などを買い込んで、いったん帰宅。

 14時からは、母とのリモート面会のため、つれあいとともに千歳の病院へ。
 母はなんだかぐっと正体がなくなったような印象があり、話に気持ちが入らずさかんに「わからない」とばかり言う。「看護師さん、なんだかわからない」と近くにいる男性看護師を呼び、間に入って通訳してもらってどうにか会話らしいものができるといった状況だった。
 高齢者特有の無表情が見て取れ、もしかしたら面会していることもわからなくなっているのではないか。姉からは、2週間前に妹とともに面会したときには落ち着いた様子だったと聞いていたが、これは落ち着いているというよりも、もう身の回りのことに興味が持てなくなってしまったということなのではないのか。
 出てきた主任らしき女性看護師に様子を聞くと、入院時にあった気持ちが昂る発作のようなものは収まったが、今は食事も自分で摂れなくなっているとのこと。正直言うとどうも、この先あまり長くはないのかもしれないと思ったところで、ぼちぼち腹をくくっておかなければならないのかもしれない。

 帰宅途中にブックオフに書籍34冊を持ち込み、売却する。2,830円の対価が得られ、これは220円の古書なら12冊買える額で、まあまあといったところか。「沖縄戦 二十四歳の大隊長」が500円、「にっぽん全国たのしい船旅2009-10」が450円で、他はたいした値はつかない。
 帰宅して15時15分。パソコンに向かってキーボードを打っているうちに、外はすっかり暗くなる。

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(「沖縄戦 二十四歳の大隊長」、「四十九日のレシピ」)

 夜は、「おいしいものは田舎にある―日本ふーど記」を40ページ。
 寝る前には「四十九日のレシピ」(伊吹有喜著、ポプラ文庫、2011)を取り出して読み始め、眠くなるまでに50ページ。この日は合計150ページで、合格ライン。
 ホームページの保存版作成まではやれずに終わった。

2023.12.02 20231201 金
 早くも師走がやってきた。今年ももう1か月か。
 6時15分に起きるが、今朝は冷えたようで、ひとしおに寒さを感じるようになっている。

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(11月30日、むつ市では今季初の真冬日となり、一面雪景色となった(東奥日報HPから))

 昨日までの11月の株取引について総括しておかなければならない。
 日経平均はこの1か月で8.52%も上昇し、月末締めベースとしては今年の最高額に達している。
 一方、当方の資産は、株式投資に充てている総額の約半分が株式保有の形になっていて(残りの半分は余裕資金として証券会社の預かり金となっている)、総額対比で1.7%の増にとどまった。つまり、投資額と対比しても3.4%程度の増にとどまっているわけで、利益率は低い。
 これは、当方の保有する株式のウエイトが、輸送機器、電力、空運など、業種別に見て伸び率の低いものに偏在していることが主因になっている。これらの業種にはこれまではよく稼がせてもらった、という言い方もできなくもないわけだが。
 このような情勢下ではあるが、積極的な売り買いをすることによって、当月分の利益確定額(買った株式を売ったときの差額)は過去最高額となった。10月以降、証券会社の取引手数料が取引額に関わらずゼロになり、手数料を気にせずに売り買いができるようになったことが、今のところプラスに働いている。くれぐれも大博打を打って身を亡ぼすことがないように留意しなければならないのだが。
 今後の相場観としては、巷間では来春までにもっと上昇するという希望的観測が強いように見受けるが、観測を鵜呑みにして過去に痛い思いをしたことなどを思い出し、当方としては世の中そんなに甘くないぞという天邪鬼的な立ち位置をとっている。気分としてはニュートラル、やや資金引き上げ方向になびいているといった状況だ。下げたら押し目買いをするが、買い時とする下げ幅のスパンは今よりもやや大きめに取ることにしたい。

 ランチは、ウェブ画像で見た画像がおいしそうだったので、山辺町内の「肉そばすみどや」を4年2か月ぶりに再訪。おいしそうに見えたのは、ネギ辛味噌ラーメン820円で、これを100円増しの大盛りにて。
 まずはビジュアルでそそられる。新鮮な白髪ネギがたっぷりで、厚切りのチャーシューもきちんと添えられている。ネギのアンダーにはさっと炒められたしゃきしゃきのもやし。そのさらに下には立派な太麺がざっくざく。どんぶりも普通盛りのものよりも一回り大きく、100円増しという安めの金額で得られる麺量としてはなかなかのものがある。味噌スープのまろやかさには文句のつけようがなく、よくできた味噌ラーメンだと思ったところ。
 つれが食べていた期間限定の海老味噌ラーメン820円も、海老の香りが馥郁とした逸品だった。

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(「肉そばすみどや」のネギ辛味噌ラーメン)

 食後に初めて寄ってみた同町内の「鳥や」という惣菜店は、店内に客が充満するほどに大繁盛している。1日と15日は唐揚げが半額なの? 100g115円で、どなた様も一人当たりの上限700gを買っていく。わが家は二人だけなので400gにとどめ、108円の野菜コロッケも2個買う。
 夜の晩酌時には二人で大きな唐揚げを4個ずつ食べたが、それでも3~4個か余った。コロッケは明日食べよう。
 品数も多く、なかなかいい店。山辺に来たら今後も寄ることになるだろう。

 夕刻から夜には、ホームページで公開している過去に読んだ沖縄本のインプレの部分をWORDに保存する作業を行う。この日やったのはHTMLシートにして5枚分のコンバートだが、手間ばかりがずしりとくる作業量で、これだけで2時間以上は確実にかかっている。
 ああ、肩が凝る。書籍関連部分だけでもこれからこの10数倍のボリュームをつぶしていかなければならないわけで、よくぞここまで書き溜めたものだと呆れてしまうのだった。

 睡魔がやってくるまでのお供は、伊吹有喜の「四十九日のレシピ」。
 妻の乙美を亡くし気力を失ってしまった良平のもとへ、娘の百合子もまた傷心を抱え出戻ってきた。そこにやってきたのは、真っ黒に日焼けした金髪の女の子・井本。乙美の教え子だったという彼女は、乙美が作っていた、ある「レシピ」の存在を伝えにきたのだった。(カバー裏表紙から)
 昨日から読み始めたものだがけっこう読ませるものがあり、引き込まれるようにして読み続け、25時頃までかけて250ページほど読んで、読了に至る。

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(テレビドラマ(上)と映画の「四十九日のレシピ」)

 生真面目一方の初老男性の家に、それまで見ず知らずだった山姥メイクの若い女性や若い外人男性がやってきて、亡き妻が希望していた四十九日の大宴会を開く手伝いをするという奇妙な設定。どうしてこのような登場人物が現れるのか不思議で、これはやはり小説だからだよねと思いながら読んでいた。しかし、その答えは最後にやってくる。なるほど、そういうことだったのか!
 伊吹有喜作品は、この9月に読んだデビュー作の「風待ちのひと」以来2作目。今回の著作は、作風はそれに似ているものの、文章はもっと洗練され滑らかになって読みやすく、いい作品になっていたと思う。
 「四十九日のレシピ」は、2011年にNHKでテレビドラマ化され、その後2013年には映画化もされている。百合子役を、テレビでは和久井映見、映画では永作博美が演じていたようだ。

 2023年10月14日(土)。
 腹に少し苦しい感じがあり、5時半起床。この2日間の食べ過ぎで、胃腸に入ったものが多くなり過ぎたための胃の不具合のようです。
 起きてすぐに朝風呂に入って、そんな気分をスッキリさせます。この日も天候バッチリで、最上階の展望風呂からの景色もとても爽やかです。

 7時から、今朝もバイキングですが、重めのものは多く取らず、フルーツやサラダを主にして、コーンスープやミルクと合わせてみました。それでも多いことには変わりはありません。

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(朝食は控えめにしたつもりだが……)

 この日はR121を使って下道をたらたらと山形まで帰るだけなので、ゆっくり準備をして、9時にホテルを出ます。
 川治を去る前に、温泉界隈と、ついでに「野岩(やがん)鉄道会津鬼怒川線」の様子なども見てから、福島県へと向かうことにします。

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(朝の「一柳閣本館」の玄関)

 まずは、宿泊した旅館に隣接している「川治ふれあい公園」へ。
 ここには「かわじい石像」があります。「かわじい」は川治温泉の道先案内人として誕生したゆるキャラで、「川治温泉のことなら何でも聞いておくれ」といったにこやか顔で立っています。益子焼でできているのだとか。
 石像の後方は男鹿川の河岸段丘になっていて、無料の足湯施設「かわじいの湯」があり、対岸からは温泉の源泉から湯を取ってくる管が引かれています。

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(かわじい石像)

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(公園の後ろは男鹿川)

 車で温泉街を離れ、男鹿川の対岸方面へと進んで、野岩鉄道会津鬼怒川線、愛称「ほっとスパ・ライン」の「川治湯元駅」を目指してみます。
 その途中、高いところに鉄道の鉄橋が見えたので、近くまで行ってみることに。車道のどんづまりには「川治温泉薬師の湯キャンプ場」があり、そこから鬼怒川に架かった鉄橋がよく見えます。利用客がそれほど多くないと思われるこの山間部に、金がかかりそうなこのような構造物をよくぞつくったものです。

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(鬼怒川に架かる野岩鉄道の鉄橋)

 ちなみにこの鉄道路線は、「東武鉄道鬼怒川線」と「会津鉄道会津線」の各終点を結び、東武浅草駅から会津若松駅へと続く、東京と福島会津地方を短絡するルートの一部になっていて、浅草と会津田島を結ぶ特急「リバティ会津」や、鬼怒川温泉と会津若松を結ぶ快速「AIZUマウントエクスプレス」が走っています。
 なお、野岩鉄道株式会社は、福島県・栃木県・東武鉄道が各20%強、その他日光市・銀行などが株式を保有する3セク鉄道。社名は、保有路線の両端、栃木県の令制国名「下野国」の「野」と、福島県中通りと会津地方の明治初期に制定された旧国名「岩代国」の「岩」に由来するそうです。

 キャンプ場からは、鬼怒川と男鹿川の合流点にある「川治温泉薬師の湯」へと続く遊歩道があったので、歩いて行ってみます。温泉施設は10時からなのでまだ開いていませんが、男鹿川に架かる橋の上から朝日を浴びている男女混浴露天風呂のほうが見通せたので、写真を撮っておきます。丸見えです。(笑)
 男鹿川の対岸には、今朝まで宿泊した「一柳閣本館」をはじめとした温泉の建物を望むことができます。

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(「川治温泉薬師の湯」の男女混浴露天風呂)

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(川治の温泉街を、男鹿川側から望む)

 「川治湯元駅」は、今しがた歩いた遊歩道を徒歩で行けば温泉街はそう遠くないものの、車でとなるとかなりの遠回りを強いられることになる位置にあります。
 ここの駅前にも「かわじい」がいて、集落や温泉街はこっちだよと指をさしてお出迎えしています。駅自体は陸橋の橋上、トンネルのすぐ手前といったところにつくられています。運賃表を見て、ははあ、東武鉄道、野岩鉄道、会津鉄道の3社の関連はこうなっているのかと。

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(野岩鉄道会津鬼怒川線「川治湯元駅」)

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(「川治湯元駅」の運賃表)


2023.12.03 20231202 土
 前夜遅くまで本を読んだこともあり、6時40分まで寝入ってしまう。ようやく明るさが出てきた時間帯。今朝も寒い。
 いつもよりも多い朝のカキモノをこなして、この日はHPの保存作業からスタートする。あまり生産性の高くない作業だが、こういうことを地道にやる忍耐力は高齢者にだって必要なのではないかと考えることにして、ずっとパソコンのモニターと闘う。これは酒を飲んでからの夜まで続けた。

 昼食は自宅で食べる。一人分残っていた蕎麦を二人分のミニそばに、冷蔵庫のチンご飯をレタスチャーハンに、昨夜食べた唐揚げの残りを添えて――という具合に、冷蔵庫の残り物を一斉に消化したようなものなのだが、それなりにおいしく食べる。

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(昼ごはんは残り物の一斉消化だが、それなりにおいしい)

 午前中、実家の町内会長さんから電話があり、積雪期に向けて、敷地内からはみ出ている松の木の枝を伐ってほしいとの連絡。松のことをいつも訴えているのは向かいの家の嫁さんしかいないことはわきまえている。また始まったかという心境だが、会長さんの立場を思えば無碍にはできない。
 というわけで、ぱっとしない曇天ではあるけれども、午後から実家の様子を見に出かける。ははあ、かなり道路にはみ出ていることは否定できないな。でも、この程度で騒ぎ立てるほどご近所の底力は落ちているということか。
 ではやむを得まいと、脚立を出してきてコンクリート塀やガレージの屋根に上がり、枝ぶりなどの体裁は一切考えず、手が届くところはみなガシガシと伐っていく。足元が危ういし落とした枝が重くて大変だが、やっているうちに慣れてきて楽しさすら感じ始める。それよりも高いところは伐りようがないが、ドウデスカお向かいさん、この程度で勘弁してもらえませんかね。これ以上をお求めになるのであれば、もう根っこから伐るしかないのですがね。
 つれあいも手伝ってくれたので、1時間半弱の作業で済む。植木屋に頼めば数万円はかかるところで、今日の稼ぎで来春の愛媛旅行の代金の半分程度は捻出できたねと笑い合う。

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(施工後。そんなにはみ出ていないでしょ?)

 松の樹皮やノコギリの挽きくずなどをたっぷり浴びたため、体のあちこちがごそごそするので、帰宅してすぐに風呂を準備して入る。期せずして14時台にして早くも至福の時間が訪れる。
 飲み方もいつもよりも早まって、17時台から。当然できあがるのも早く、ええ感じや。

 22時、テレビを消そうとしたところ、NHKで「龍がとぶ島 奄美」というスペシャル番組をやっていた。世界自然遺産となった奄美のことなので、つい最後まで見てしまう。
 23時を過ぎ、もう寝ればいいものを、日々の習慣を切らしたくないと読書を少し。「おいしいものは田舎にある―日本ふーど記」を30ページ読む。

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(NHKスペシャル「龍がとぶ島 奄美」を見る)


 ここからは、会津田島の道の駅まで、1時間弱の山道ドライブです。
 「道の駅たじま」。建物前でやっていた産直市を覗いたつれあいが、地物のネギなどが安いらしく、ネギ束、椎茸、大根などの日用食品を買っています。まだ道中が長く残っているのに、ここで日用の食材を買う必要があるのでしょうか。(笑)

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(道の駅たじま)

 出発前に満タンにしておいたガソリンがなくなりそうなので、会津田島の町内のGSで補給。ハイオクが195円と、居住地の激安店よりも30円ほど高いので、必要十分量の20リッターの補給にとどめておきます。
 ここから先は、つい前月、会津ドライブ東山温泉1泊の際に走ったばかりの道です。滅多に走らないこの道を、わずか20日程度のインターバルでまた走ることになるとは思っていませんでした。

 会津田島を出てしばらくして11時を回ったので、芦ノ牧温泉の手前で軽い昼食をとることにします。ラーメン店の「うえんで」は、南会津地区では食べログの評価点が最も高い店。まだ正午前の時間帯、駐車場にはなんとか停められたものの、店前で4番目の待ち客となってウェイティングします。
 中華そばの手もみ麺、800円。極太の平打ちピロピロのこぶこぶ麺がおいしいし、魚の節とかえしの醤油を効かせたやや濁りのあるスープが味わい深いです。
 ここでは焼き鳥と一緒に注文するのが一般的なようですが、串からはずして肉を1個ずつ食べなければならないような大きくて立派なものはもう腹に入らないと思ったので、残念ですが今回は自重します。

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(「うえんで」の中華そば)

 食べ終えて、時間は正午過ぎ。時間に余裕があり天気もいいので、会津若松に立ち寄り、先月の会津ドライブで割愛した「鶴ヶ城(若松城)」を見ていくことにします。鶴ヶ城を見るのは2017年の夏以来6年ぶり、つれあいは小学校の頃に学校の旅行で来たとき以来だそうです。

 天守へ最も近い「西出丸駐車場」に停めて、「鶴ヶ城(若松城)」の城内へ。
 2015年に再建50周年を迎えた、全国でも稀な赤瓦の天守閣をもつ城です。
 葦名氏7代直盛が1384年に黒川城を築いたのが発祥で、1589年、伊達政宗が葦名義広を追って会津を領するが、翌年豊臣秀吉に召し上げられ蒲生氏郷が入封、城を大改修して鶴ヶ城と改称、城下を若松と名づける。その後、上杉、再び蒲生、加藤氏と代わり、1643年には保科正之が入城、3代正容のとき松平氏を称し、9代容保のときに戊辰戦争を迎える――といった、ざっくりとした歴史の城です。

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(「西出丸駐車場」側から見た「鶴ヶ城」)

 現在の天守閣は1965年の再建。2004年には天守閣内部がリニューアルされ、会津の歴史を「学び、遊び、体験」できる「お城ミュージアム」として好評を得ているようです。最上階は展望台になっています。

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(天守閣の最上階から北出丸大通り方向(北)を望む)

 鶴ヶ城を中心に広がる広い公園「鶴ヶ城公園」。
 ここからの天守閣の眺めは素晴らしい。明治維新後には廃城令が発出され、多くの城が失われた中で、賊軍の代表格だった会津藩の城がこんなに立派に復元されちゃって大丈夫なの?と、心配にすら思えてしまいます。

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(「鶴ヶ城」の本丸と天守続櫓)

 鶴ヶ城公園の南東の一角にある「茶室麟閣(りんかく)」。
 秀吉の奥州仕置により1590年に会津入りした蒲生氏郷は、文武両道に秀でた織田信長の娘婿で、茶道では利休の弟子(利休七哲)の筆頭にあげられる人物です。1591年、千利休が秀吉の怒りに触れて死を命じられ千家断絶に危機に瀕した時、氏郷は利休の茶道が途絶えるのを惜しみ、その子少庵を会津に匿います。その後少庵は許されて京都に帰り、千家茶道は引き継がれました。少庵が会津に匿われている間に建てられたのがこの「麟閣」であるとのことです。
 あまりにも美しい鶴ヶ城をもう一度じっくりと眺めて、このたびの仕上げとします。

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(茶室麟閣)

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(美しすぎるぞ、鶴ヶ城)

 13時半過ぎ、車へと戻って、その後は寄り道をせず、16時25分に自宅に到着しました。
 この日の走行距離は202km。3日間合計で776kmとなりました。

(了)


2023.12.04 20231203 日
 暑さを感じていったん3時半に覚醒したものの、次に目覚めたのは7時15分と、とうとう7時を越えるまで眠ってしまった。昨日の松の枝伐り作業が効いているほかに、昼寝をしなかったこと、寝る前にテレビを長く観てしまったことなども要因となっているのではなかろうか。
 でもまあ、わが身体は肉体疲労や睡眠の量などに適切に反応していて、日々の状態を感知しやすくできているとも言える。若い頃よりもそれらの影響が顕著に表れるようになってはいるが、きちんと気づけるのは悪いことではない。

 午前中は「書く」に集中し、読後本のインプレの記事を6本ものにする。遅い寝起きのわりにはいい成果を出すことができた。

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(昼食はジンギスカン)

 昼食は、ジンギスカン定食。近くの食肉量販店でマトンが特売品になっていたから買ってきたとのこと。今年6月に札幌に出かけて以来ジンギスカンづいていて、今年家で食べるのはこれが3回目? うまいんだなこれが。牛や豚肉の焼肉は食べなくてもいいけれども、野菜たっぷりの羊肉ならけっこうイケてしまう。タマネギの甘さがいい塩梅で、ごはんもおかわりしちゃったりして。

 午後は、「福岡国際マラソン2023」を見る。日本人トップは2時間7分23秒で4位に入った細谷恭平(黒崎播磨)で、パリ五輪の日本代表内定に必要な設定記録には届かなかった。

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(福岡国際マラソン2023)

 夕刻までに、「おいしいものは田舎にある―日本ふーど記」を80ページ余り読んで読了。
 あとがきに記されていたが、これらは雑誌「るるぶ」などに1980~84年にかけて掲載されたもので、それぞれカメラマンも編集者も同行しない、1回当たり3、4泊の旅程での取材によって書いたものであるとのこと。
 84年に単行化され、88年に文庫化、それを2017年に改版発行したのがこれのよう。田舎の暮らしそのものは東京の人が思うほど変わっていないとし、内容については文庫化、改版にあたって執筆当時の文にほとんど手を入れていないとのこと。
 食べ物に関するエッセーは気楽に読め、罪がなくてよい。

 夜の飲酒時の録画視聴は、今年5月に録画してずっと放置していた、NHK特集ドラマ「おもかげ」を見る。
 孤独を抱えながら昭和の復興期を生き抜いてきた男が、65歳で定年を迎えたその日に地下鉄の車内で倒れ……といった2時間ドラマ。中村雅俊をメインに、浅田美代子、不破万作、モロ師岡、宅間伸、余貴美子、三田佳子などをキャストに据えて、NHKらしい豪華なつくりになっている。
 倒れた男は病床で意識を失ったまま、謎の女性たちに導かれ自らの過去をさまよう。謎の女性たちは何者なのか、そして目的は……。忘れようとしていた記憶、女性たちの言葉、すべての点がつながった時、男は予想もしていなかった自分自身の過去と向き合うことになり、物語は感動のクライマックスを迎えるのだった。
 原作は浅田次郎で、ミステリーとノスタルジーの入り混じる独特の世界感がすばらしい。これは原作を読むしかあるまいと、さっそくその古書を発注する。

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(「おもかげ」で主人公を演じる中村雅俊)

 寝るまでの夜のお供は、新たに「半端者-はんぱもん- ススキノ探偵シリーズ」(東直己著、ハヤカワ文庫、2011)を手にする。あるウェブサイトにハードボイルドを読むならコレと載っていたのを買ったものだ。
 授業にも出ないで昼間から酒を飲み、思い通りにならない現実に悩みながらも、また酒を飲む。ひょんなことから知り合った謎のフィリピン女性、フェ・マリーンと恋に落ちた大学生の〈俺〉は、行方不明となった彼女を捜して、ススキノの街をひたすら走り回る。若き日の〈俺〉、高田、そして桐原の人生が交錯し、熱く語らい、ときに本気で殴り合う。デビュー作「探偵はバーにいる」の、甘く切ない前日譚が文庫オリジナルで登場。(カバー裏表紙から)
 これを50ページ読んだところで睡魔に負ける。23時半頃だったか。

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   講談社現代新書  740円+税
   2011年3月20日 第1刷発行

 消えた駅弁、東大合格上位校と鉄道の意外な関係、うなぎ弁当食べ歩き、時刻表旅行のススメ……。線路の彼方に孤高の“鉄”学者は何を見たか? どこから読んでも愉しめる、待望のシリーズ第3弾! 爆笑必至の「日本の廃線シンポジウム」も収録。(コシマキ等から)――といったもの。
 講談社のPR誌「本」の1996年1月号から始まった連載は、2011年まで15年間、180回も続いたと記されています。

 ショートコラム45本が、各項4ページほどにまとめられ、キレのよい文章で並んでいます。
 第4章からの「鉄道から読む・鉄道で遊ぶ」「文化としての鉄道」「私鉄沿線文化論」では、同書の第1、2章あたりに多く見られた“鉄道・天皇論”のような著者の専門的な記述部分が少なくなり、単なるマニアとは違うんだぞという自負に基づきながらも(笑)、斜に構えたような位置取りから万人受けするであろう鉄道論を展開しています。そんなところがこの本のいいところ。個人的には、ひとつばなし三部作中では肩の力が抜けている最もいいデキのものだと思いつつ、最終章の「日本の廃線シンポジウム」までストレスなく楽しく読むことができました。

 著者は「あとがき」で、鉄道はアメリカも日本も、20世紀の前半まではよく似た発達の仕方をたどったものの、その後アメリカがモータリゼーションの進展とともに鉄道が衰退していったのに対し、日本では廃止されたのは路面電車やローカル線だけで、大都市の鉄道網はますます拡張され、とりわけ私鉄は、分譲住宅地をつくり、歌劇場や野球場、デパートやスーパーをつくることで、沿線住民のライフスタイルを規定した、としています。
 そして、同じ間取りの団地も、乗客全員にスシ詰めの通勤を強いる鉄道も、双方が社会主義的であったとしながら、近時は団地や鉄道が社会主義と結びつく時代は終わり、首都圏でも大阪圏でもピーク時の混雑率が200%を切り、鉄道輸送は量から質の時代に入りつつあると分析しています。つまり、国鉄=昭和の「社会主義」が、JR=平成の「資本主義」にすっかりとって代わったといいたかったようです。
 さらに、15年もの間続いた「鉄道ひとつばなし」の連載とは、鉄道にまつわる様々な記憶をゆっくりと反芻するなかから生まれたもので、その記憶は同時代を生きてきた人々と共振するものだと書いています。当方もまさに、この著作に共振した一人となったのでした。

 これでひとつばなし三部作、完読となりました。

(2023.10.24 読)