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長岡アジア映画祭実行委員会!ブログ

新潟県長岡市で活動します長岡アジア映画祭実行委員会!です。

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3/29 “戦後80年を問う” 池谷薫監督特集 『蟻の兵隊』『先祖になる』

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©蓮ユニバース

“戦後80年を問う” 池谷薫監督特集 『蟻の兵隊』『先祖になる』

日時 3月29日(土) 会場 アオーレ長岡市民交流ホールA

第一部 『蟻の兵隊』

オープニングアクト うたのおじいさん

12時30分~ 第27代高校生平和大使新潟県代表・西脇あかりさん 講演
演題 「“わたし“の平和」

12時55分~14時40分 『蟻の兵隊』上映

14時40分~15時30分(予定) 池谷薫監督講演

入替

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©蓮ユニバース

第二部 『先祖になる』

16時10~16時30分 ウィズコーションライブ

16時30分~16時55分    曽根俊太郎さん講演
                   「僕と福島3分の1」 

16時55分~18時55分    『先祖になる』上映

18時55分~19時45分(予定) 池谷薫監督講演

*入場料 1作品
前売 1200円、 
当日 1500円 障害者手帳、療育手帳をお持ちの方、高校生以下(学生証を提示願います) 500円

プレイガイド アオーレ長岡西棟3階ながおか市民協働センター(平日のみ発売)/ら・なぷぅ/キャラメルママ/西時計眼鏡店/ハーブ談話室(長岡市)みずすまし(三条市)シネ・ウインド(新潟市)
*前売券がお買い求めづらい方はご連絡ください。

*実行委員(ボランティアスタッフ)随時募集中。

主催 長岡アジア映画祭実行委員会!
問 電話09045204222 e-mail [email protected]
Blog http://nagaokatsukurukai.blog.fc2.com/
後援 長岡市

*『蟻の兵隊』

 今も体内に残る無数の砲弾の破片。それは“戦後も戦った日本兵”という苦い記憶を 奥村 和一 ( おくむら・ わいち ) (80)に突き付ける。
  かつて奥村が所属した部隊は、第2次世界大戦後も中国に残留し、中国の内戦を戦った。しかし、長い抑留生活を経て帰国した彼らを待っていたのは逃亡兵の扱いだった。世界の戦争史上類を見ないこの“売軍行為”を、日本政府は兵士たちが志願して勝手に戦争をつづけたと見なし黙殺したのだ。
  「自分たちは、なぜ残留させられたのか?」真実を明らかにするために中国に向かった奥村に、心の中に閉じ込めてきたもう一つの記憶がよみがえる。終戦間近の昭和20年、奥村は“初年兵教育”の名の下に罪のない中国人を刺殺するよう命じられていた。やがて奥村の執念が戦後60年を過ぎて驚くべき残留の真相と戦争の実態を暴いていく。
  これは、自身戦争の被害者でもあり加害者でもある奥村が、“日本軍山西省残留問題”の真相を解明しようと孤軍奮闘する姿を追った世界初のドキュメンタリーである。

監督:池谷薫
2005年/日本/カラー/101分/配給:蓮ユニバース

HP https://renuniverse.com/ari
予告編 https://www.youtube.com/watch?v=a2pYLwCLHIQ&t=2s

*『先祖になる』

男の名は佐藤直志。岩手県陸前高田市で農林業を営み、仲間から“親分”と慕われている。彼の家は1000年に1度の大津波で壊され、消防団員の長男は波にのまれた。生きがいを失った男に何ができるのか? 直志はひとつの決断をくだす。元の場所に家を建て直そうというのだ。自分はきこりだ。山に入って木を伐ればいい。友人から田んぼを借り、田植えもしよう。仮設住宅には何があってもいかない――。
土地に根ざし、土地に生きる人々の行く末をおもう彼の強さと優しさは、少しずつ周囲を動かし、生きることの本質を問いかけていく。忍び寄る病魔、耐えがたい腰の痛み、遅々として進まない市の復興計画……。数々の障壁を乗り越えて、77歳の彼は夢をかなえることができるのか――。

監督:池谷薫
2012年/日本/カラー/118分/配給:蓮ユニバース

HP https://senzoninaru.com/
予告編 https://www.youtube.com/watch?v=SJH0o_HW5DE

池谷写真
『蟻の兵隊』『先祖になる』 池谷薫監督

池谷薫プロフィール
映画監督 / 甲南女子大学教授
1958年、東京生まれ。同志社大学卒業後、12本のNHKスペシャルを含む数多くのテレビ・ドキュメンタリーを演出する。劇場デビュー作となった『延安の娘』(02年)は文化大革命に翻弄された父娘の再会を描き、カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭最優秀ドキュメンタリー映画賞ほか多数受賞。2作目の『蟻の兵隊』(06年)は「日本軍山西省残留問題」の真相に迫り記録的なロングランヒットとなる。3作目の『先祖になる』は東日本大震災で息子を亡くした木こりの老人が自宅を再建するまでを追い、ベルリン国際映画祭エキュメニカル賞特別賞、文化庁映画賞大賞を受賞。4作目の『ルンタ』(15年) は非暴力の闘いに込められたチベット人の心を描く。2008年から13年まで立教大学映像身体学科の特任教授を務め、卒業制作としてプロデュースした『ちづる』は全国規模の劇場公開を果たす。著書に『蟻の兵隊 日本兵2600人山西省残留の真相』(07年・新潮社)、『人間を撮る ドキュメンタリーがうまれる瞬間(とき)』(08年・平凡社・日本エッセイスト・クラブ賞)ほか

【映画監督作品】
2015年 『ルンタ』
     ダラムサラ国際映画祭正式招待作品
2012年 『先祖になる』
ベルリン国際映画祭 エキュメニカル賞特別賞
香港国際映画祭 ファイアーバード賞(グランプリ)
文化庁映画賞(文化記録映画部門)大賞
日本カトリック映画賞
2005年 『蟻の兵隊』
香港国際映画祭 人道に関する優秀映画賞
フルフレーム映画祭 CDS製作者連盟賞
平和・協同ジャーナリスト基金賞奨励賞
日本映画復興賞
2002年 『延安の娘』
ベルリン国際映画祭正式招待作品
カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭 最優秀ドキュメンタリー映画賞
ペンシルベニア映画祭 グランプリ
シカゴ国際映画祭 シルバーヒューゴ賞
ワン・ワールド国際人権映画祭 ヴァーツラフ・ハベル特別賞

【おもなテレビ演出作品】
2000年 『再会 ~文革に翻弄された父と娘~』(NHKスペシャル)
1999年 『中国・巨大市場へのうねり』(NHKスペシャル「世紀を越えて」)
1997年 『浪花節と日本人』(ETV特集)
1996年 『神々への回帰』(NHKスペシャル「21世紀への奔流」)
1995年 『福建発ニューヨーク行き』(NHKスペシャル「中国・12億人の改革開放」)
1995年 『広州青春グラフィティ』(NHKスペシャル「中国・12億人の改革開放」)
1994年 『黄土の民はいま ~中国革命の聖地・延安~』(NHKスペシャル)
モンテカルロ国際テレビ祭 ゴールデン・ニンフ賞
アジア映像祭 最優秀ドキュメンタリー賞/ギャラクシー賞
1993年 『西方に黄金夢あり ~中国脱出・モスクワ新華僑~』(NHKスペシャル)
       ギャラクシー賞
1992年 『客家円楼 ~中国・巨大円形集合住宅の一族~』(NHKスペシャル)
1991年 『灼熱の海にクジラを追う』(NHKスペシャル「人間は何を食べてきたか」)
       ギャラクシー賞
1991年 『インパール巡礼 ~検証・日本の戦争~』(TBS報道特集)
1991年 『独生子女(ひとりっこ)~中国・人口抑制政策をみる~』(NHKスペシャル)
1991年 『チャイナタウン ~激増・新移民~』(NHKスペシャル)
1990年 『告白・迷路者 ~上海労働教養所~』(NHKスペシャル)
1989年 『ダライ・ラマは語る 亡命チベットの30年』(TBS報道特集)

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*演題 「僕と福島3分の1」
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曽根俊太郎 ソネシュンタロウ

新潟県立六日町高校卒業
京都産業大学在学

2004年6月4日生まれ(満20歳)
福島県生まれ
2011年東日本大震災による原発事故で新潟県へ家族で自主避難
第24代高校生平和大使新潟県代表選出

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ウィズコーション
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The Twilight World



『蟻の兵隊』の終盤のクライマックスは戦後60年の靖国神社の8月15日。
その場で対峙する奥村和一氏と小野田寛郎氏の戦争をめぐっての解釈の応酬、
火花散る二人の姿に池谷監督は「戦争を総括しなかったばかりに二人の爺さんを対立させてる」という旨で語ってた記憶が。

小野田寛郎氏のルソン島での行動、たとえご当人はまだ戦時中であってもかなりのものに思うのですが、
当然、奥村氏は存じておるだろうに、それだけに靖国神社で拍手に包まれる小野田氏と、
それを見ていた国家に捨てられた奥村氏の対比はどちらも残留兵士だけに余計に残酷に観えたりしました。

ところでフランス映画『onoda 一万夜を越えて』に続いて、
あのニュージャーマンシネマの鬼才ヴェルナー・ヘルツォーク監督が小野田氏の生涯を自身が小説化
それをアニメで映画化した『The Twilight World』が完成したのか。
『onoda 一万夜を越えて』は未見ですが、しっかりと罪と言える場面も描いてるよう、
それとともに予告編を見ると津田寛治が若き日の小野田氏が降臨したかのような熱演で魅せるようです。

ヴェルナー・ヘルツォーク監督は実際に日本で小野田氏に会ってたようで、
いづれにしても続けてヨーロッパの映画作家がなぜ小野田氏を映画化するほど情熱を注ぐのか、
併せて日本人も含め『蟻の兵隊』奥村和一氏を知ってほしいと思ったりします。

3/29 “戦後80年を問う” 池谷薫監督特集 『蟻の兵隊』『先祖になる』
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PLAN75

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『土を喰らう十二ヵ月』で参加した今期の「ながおかライフ&セミナー」の参加団体が顔をそろえた反省会が開かれました。
担当者はお仕事を終えて遅れて参加、着いた早々に開催報告を述べて、とのことで

ジュリーのファンだっただけに上映の機会をいただいたお礼を述べて、
老いをテーマにした映画との要望で本作を推薦、
さらに撮影した松根広隆カメラマンが小林茂監督『風の波紋』、橋本信一監督『掘るまいか』と、
長岡に縁のある撮影監督で知ってほしかったことを述べ、
観た方の映画の感想として大崩のご主人が言ってた“死生観に共感”をお伝え、
もちろん3月29日の“池谷薫監督特集”の宣伝もしました。

その後の懇親会では映画を観た方が直接感想を教えてもらい、
皆さん、良かったと話していた中で「ジュリー、精進料理を自炊し食べてた割には太ってた」との感想は、
リアクションに困りましたが。

ちなみにお隣に座った女性も全盛期のジュリーを知ってる方で、
観る前はジュリー、どうしてこうなったと思いながらも、
観たらこれはこれで今の姿も艶があって良かったと。

そんな形でザ・タイガースからファンだった方は、
今もカラオケで「君だけに愛を」や「花の首飾り」を歌うこと、
こちらは『太陽を盗んだ男』という凄い映画があることを熱く語ってしまい、
ジュリー談義に花が咲きました。

そんな中で今回、「ながおかライフ&セミナー」側からは『PLAN75』の上映要望があったものの、
諸事情で上映できなかったことを述べながら、本作をお勧めしました。
安楽死をテーマにした近未来の姥捨て山なものの、
いちいちその設定がリアルに感じるのはSFの設定ながらも主人公が、
これ以上ない庶民派の倍賞千恵子さんだからか、
政権が導入をあきらめてないらしい”高額療養費の自己負担引き上げ”って突き詰めると、
この映画になるんじゃないかと背筋が凍る映画でもありました。

大ヒット公開中|映画『PLAN 75』予告編
https://www.youtube.com/watch?v=lqHXV52C9gI

今を時めく河合優実と千恵子さんの共演は後々、貴重に映るような。
改めてありがとうございました。

3/29 “戦後80年を問う” 池谷薫監督特集 『蟻の兵隊』『先祖になる』
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試写



3月29日に上映する『蟻の兵隊』『先祖になる』の上映素材ブルーレイが届いたので、
同じ会場のアオーレ長岡市民交流ホールAを借りることができて試写をしてみました。

最低限、映るかどうかの確認だったものの、ある問題が表面化したので、
この時期に知れて試写してよかったですと前向きに。

しかし『先祖になる』、これ主人公・佐藤直志さんの生きざまに観賞者は大いに勇気づけられるだろうなぁ、
ぜひ佐藤さんのこれ以上ないと言えるラストシーンの笑顔を眼にし明日の糧にしていただきたいと思いました。

http://nagaokatsukurukai.blog.fc2.com/blog-entry-4425.html
↑あとこちらで書いた孫娘。
以前にも書きましたがおじいちゃんが佐藤さんの右腕として存在感を発揮しながらも、
改めておじいちゃんでなくお父さんに見える若々しさでした。
ぜひこちらもご注目ください。

3/29 “戦後80年を問う” 池谷薫監督特集 『蟻の兵隊』『先祖になる』
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あじさいの恋



男はつらいよ (1)
寅次郎相合傘 (15)
寅次郎夕焼け小焼け (17)
寅次郎あじさいの恋 (29) 
知床慕情 (38)

寅さん全50作の中から個人的ベスト5を挙げるとなると、
あれもこれもと涙ながらに削って、この5本は最後まで残るように思います。

そしていしだあゆみさんの訃報を知って、やはり思い浮かんだのは第29作『男はつらいよ 寅次郎あじさいの恋』
マドンナのいしださん演じるかがりさんがシリーズを通して異色なのが寅さんに猛アタックをして、
最後にフラれてしまうといつもの逆パターンとなったこと。
昨年末に週刊文春で自分とは正反対の湿っぽい役だったことで、
やり辛かった苦労話を話してたばかりなこと、
昨年は『室井慎次』二部作で久しぶりに目にしながら、
随分と勿体ない役だなぁ、と思ってただけに余計に残念に思ったりします。

画像の寅さんの恰好がいつも通りとはいえ、互いの真剣なまなざしを見ると、
やはりあの作品は大人のメロドラマと言っても過言でないハズ。

ついでに『男はつらいよ』シリーズは『女もつらいよ』説があり、
歴代のマドンナはその時代の社会状況の中で何かしら抑圧されてる中で、
目の前に寅さんが表れて一服の清涼剤のように救われるものの、
かがりさんは夫に死なれ娘と離れて住み込み先でも男にフラれてと、
薄幸を絵にかいたような存在だっただけに寅さんに真剣な想いを抱く、
しかし残念ながら粘着っぽいのが寅さんのタイプじゃなかったんだろうなぁ、
寅さん、カラッとしてるのがタイプのようだし。

ちなみに関西の芸人さんで寅さんファンを公言しているのは、あんまりいないそうですが
あの明石家さんま師匠は公言、そして『寅次郎あじさいの恋』を好きな作品に挙げてました。
今年に入ってラジオで憧れの山田洋次監督と出会ったと話したものの、
どうもそれはフライングのようで前後の話からすると、
山田監督の新作、倍賞千恵子、木村拓哉主演の『東京タクシー』にさんま師匠が出演したんじゃないかと思ってます。
まだほかのキャストは発表されてませんが、もしそうならさんま師匠、久しぶりの映画出演になるので期待しております。

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『延安の娘』



http://nagaokatsukurukai.blog.fc2.com/blog-entry-4452.html
↑こちらで書いた池谷薫監督の「人間を撮る」の終章を飾るのは初の劇場公開作『延安の娘』
確かに『独生子女(ひとりっこ)』『黄土の民はいま』と中国辺境の地を這うように生きる人々を記録した後の集大成に相応しい傑作だと改めて。

中国革命の聖地・延安と言えば聞こえがいいものの、
黄土高原が延々と広がる辺境の地の中で産まれてすぐに捨てられてしまった女性・海霞(ハイシア)が大都会・北京に住む父親に会いに行く物語。
しかし彼女の両親は文化大革命の折に延安へ下放された紅衛兵。
恋愛が禁じられた不条理な時代の中、出産がバレてしまったら“反革命罪”となる両親にとってやむを得ない選択、
農家へ養子に出した後に両親は北京へ戻る。
そして延安でハイシアの親探しに奮闘するかつての紅衛兵は“反革命罪”として当時、相手の女性を中絶させてしまう苦い過去が。

ハイシアという厳しい農作業に明け暮れた延安の娘を軸にその父親、協力者とかつて紅衛兵として希望に燃えて革命を謳歌しながら、
下放という人間の尊厳を踏みにじられるような辛酸を味わった者たちが過去と向き合い「青春のおとしまえ」を付けようとする物語。
先の『西方に黄金夢あり』は膨らませてフィクションの映画化を希望しましたが、
こちらは軟なフィクションを遥かに凌駕する人間ドラマが描かれたドキュメンタリー映画の傑作。

凄いのは文化大革命の当事者であるかつての紅衛兵にカメラを向けて古傷を語らせてること。
今もだと思いますが撮影当時もなおのこと文化大革命は中国人にとってタブーなハズ、
そこへ日本人が乗り込んでカメラを向けて、
すでに中国社会でも忘れられた存在となってる彼ら紅衛兵の苦い過去に耳を傾け羅針盤を探るように撮影、
結果的にハイシアにカメラを向けたことを発端として、かつての紅衛兵の人生が変貌、
これはある意味、池谷監督が人々の人生を変えたと言っても過言でないような、
いわばドキュメンタリーの影響についても思いを馳せることもできる傑作に思います。

しかしかつての紅衛兵はこの時、50代と思われ今は70代となってるハズで、
老境に達してる彼らの現在は、もちろん延安の娘・海霞は子どもとともにどんな生活をこの後、送ったのか。
気になるのは辺境の延安から大都会・北京を目にしたら、
もう戻れないことを示唆しているような気が読み終えて思いました。

そして同じく「青春のおとしまえ」という点では『蟻の兵隊』の主人公・奥村和一さんは20歳で戦争に動員、
いわば国家によって青春を凌辱されてしまったようなもの。
それだけに『延安の娘』の次に『蟻の兵隊』にとりかかるのは当然のよう、
続いて『先祖になる』に繋がるのも必然に思いました。

『延安の娘』プロモーション映像
https://www.youtube.com/watch?v=pK9EUq1LmOg&t=9s

3/29 “戦後80年を問う” 池谷薫監督特集 『蟻の兵隊』『先祖になる』
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柴田昌平監督新作 『未来にタネをまく(仮題)百姓の百の声 Ⅱ』来年公開予定



ドキュメンタリー映画『百姓の百の声』 は、農家の人たちが集積してきた叡智を取材しました。 いわば農業界のレジェンドとも呼ぶべき人たちでした。
 その続編である本作『未来にタネをまく』は、若い農家の取り組みを見つめます。先人たちをリスペクトしながら、最新の科学や、問題意識を総動員して、未来へ持続する農の取り組みを模索している 20代、30代、40代の百姓たちです。

 地域をつなぎ、地球環境に配慮し、食料自給を確たるものとしようとしたとき、100年後の大地を私たちはどうイメージしていけば良いのでしょうか?
 この映画制作にご賛同いただき、共に考えていっていただけますよう、心よりお願い申し上げます。

https://www.100sho.info/2.html


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一昨年の秋に柴田昌平監督をお招きして長岡上映会を開催した『百姓の百の声』。
その続編『未来にタネをまく(仮題)百姓の百の声 Ⅱ』を来年の公開に向けて製作中、
併せて市民プロデューサー、ご協賛団体を募集しているそうです。
詳細は先のHPを開いてください。

それに併せて長めの予告編がアップされました。

ドキュメンタリー映画『百姓の百の声2 未来にタネをまく』予告編 ―― 2026年度 完成・公開予定
https://www.youtube.com/watch?v=3bhoH7sNJqQ

日本の農家の平均年齢は68歳
そのうち未来を担う世代49歳以下ははわずか1割(10.8%)
日本の人口の0.1%
僕らは“絶滅危惧種”なんですよ”
飢餓みたいなものもこの日本で絶対起きるはずで

予告編のテロップが深刻に読めたりするのはご存じのように、
一昨年の秋には考えられなかったコメの高騰が大変身近な問題となってる今、
柴田監督なりに現場の声を聞いて、どのように切り込んだ作品になるのか期待したいと思います。

あと予告編の中のお祭りの場面でみんなで演奏する「日曜日よりの使者」はぜひ本編でも流してほしいなんてことを思ったりしました。

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『西方に黄金夢あり』

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昨日の続きで池谷薫監督の著作『人間を撮る: ドキュメンタリーがうまれる瞬間』で紹介している自作、
担当者はNHKスペシャルで放映された『独生子女(ひとりっこ)』『黄土の民はいま』『西方に黄金夢あり』は未見。
だけどもこれらを読むとぜひ本編が見たくなるほど秀逸な筆運びでグイグイと引き込まれていきました。

中でも『西方に黄金夢あり』はエッセイや撮影日誌とも逸脱した洒脱ながらも苦味の効いた短編小説の趣も。
というのも魅力的な取材対象の女性と出会い、
日々取材として接していくうちに惹かれていくのを自覚した池谷監督の心の揺れも収められてるから。

90年代初頭、北京発モスクワ行きのシベリア鉄道に乗り、
一攫千金をロシア国内で狙う中国の「担ぎ屋」と呼ばれる行商人たちを取材した本作。
社会主義の崩壊で品不足などで混乱しているロシア人相手に、
社会主義ながら市場経済が許された中国人が安く購入した衣料品や雑貨品を駅に到着する度に売りさばき大金を手にする、
大金を手にしたいという欲望に正直な人々の姿を興奮しながら池谷監督は取材。
中には片道の商売だけで普段の収入の1年分も荒稼ぎする猛者もいたそう。

さらにモスクワに着いたら中国人専門の旅館を拠点に市内各地で商売をする担ぎ屋をも取材。
ここまで来ると担ぎ屋も危ない橋を渡っていく中で、
担ぎ屋として成功しさらに同胞のためにと手広く商売する宿の経営者、担ぎ屋の元締めで過酷な文化大革命を生き抜いた盲目のエリート、明日をも知れない4人組の密航者と手配するスネークヘッドとキャラが立った濃い登場人物、取材対象者の中にバツイチながら北京に残した二人の娘のために異国で奮闘する魅力的な女性の担ぎ屋に惹かれてしまう。
彼女は「一緒に商売しない?」と冗談半分に誘惑しながらも、
おそらく本心で言ってると察したと思う池谷監督はそっち側へ向かうのも悪くはないかもと考えるものの、
平和な日本で生まれた者がモスクワでの商売は甘くはないと自制する、しかし、、、

やがて盛者必衰とばかりに取材の拠点だった旅館が閉鎖。
ここをに宿泊して商売に励んでた彼女も出ていくことに、
しかしその前に過当競争が激しく担ぎ屋の商売はうまくいかなくなり、
さらにロシアや北京のヤクザも金の匂いを嗅ぎつけて暗躍、
ロシア当局も取り締まりを強化と担ぎ屋の時代も終焉へ。
雪の中へと去っていった彼女を見送る池谷監督の心情はまさにこれはひとつの恋が終わったかのようで締め付けられました。

さらに取材を終えてその1年後、彼女の思わぬ悲劇を耳にした池谷監督はあの時、彼女の誘いに乗っていたらと想像、、、

取材の成果は44分にまとめてNHKスペシャルで『西方に黄金夢あり 中国脱出・モスクワ新華僑』のタイトルで放映されたものの、
短い章ながらもこれだけ豊富なエピソードはとても44分にまとめられず本編から多く削除されたと思い、
特に担ぎ屋の女性アルジェへの恋心などは収められなかったハズなので、
ノンフィクションでなく脚色もして膨らせて映画化したら見応えのある冒険映画の趣も感じたりしました。

画像はモスクワのレーニンスタジアムのレーニンの巨大な銅像。
ロシア革命を成し遂げたレーニンが社会主義崩壊後、経済危機に見舞われた足元の民衆を眺めるという皮肉な。カット。
この図を撮りたいとコーディネーターに撮影に使うクレーンを要望したら用意してきたのは消防署の特大のハシゴ車だったそう。


3/29 “戦後80年を問う” 池谷薫監督特集 『蟻の兵隊』『先祖になる』
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人間を撮る: ドキュメンタリーがうまれる瞬間



3月29日の“戦後80年を問う” 池谷薫監督特集 『蟻の兵隊』『先祖になる』上映会を前に
池谷監督の著作「人間を撮る: ドキュメンタリーがうまれる瞬間」を再読。

ドキュメンタリー映画『蟻の兵隊』『延安の娘』に加え、
NHKスペシャルで放映されて大きな評判となったという『独生子女(ひとりっこ)』『黄土の民はいま』『西方に黄金夢あり』と
中国を舞台にした自作で出会い被写体となった濃い人々と撮影を通して剥き出しの生の人間の、
余りにも魅力的な姿を書き留めながらも
撮影という行為が時に被写体の心を抉る事態となることの自身の葛藤について正直に記した1冊。

やはり『蟻の兵隊』上映を前に改めて主人公・奥村和一さんの「残留の真相」と「自身の戦争」と向き合うために、
悲壮な決意で決行した中国の旅の章は襟を正す思いで読んでいました。

戦時中の日本軍の蛮行を知る中国人に囲まれた際に
「殴られても仕方ないと思ってました、けれどそれは中国人を貶めることになってもいいのか、とは言おうと思ってました」

そして映画でも白眉となる「肝試し」と称して訓練で初めて中国人を刺殺した地にて、
殺した相手が貧しい農民だと思ったら真相は日本軍が管理した炭鉱の警備員、
しかも任務を放棄したらしいと当の息子から知らされると、
鬼の形相で詰問をし、まさに日本兵の亡霊が乗り移ったような奥村さんの姿に戦慄する場面が、
さらにこの本では撮影後に「興覚めでしたね」と憮然と監督に話し、
「それを聞いて鳥肌が立った」という池谷監督の興奮ぶりが伝わってきました。

映画でも悲壮な覚悟が十分伝わりながらも、
時にお茶目な姿も披露する奥村さんの姿をよく知る池谷監督でさえ想像できなかったことを目の当たりにし、
ここがドキュメンタリー映画の醍醐味と読んでるこちらは思いながらも、
その撮影を終えて心境をその日のうちにインタビューした際に、
興奮冷めやらず奥村さんを追い詰めてしまう監督に激怒した長年コンビを組んでた通訳と大喧嘩した顛末から、
自分の中に日本軍が存在してたことに気づかされた能面のような顔の奥村さんの言葉を聞き、

「私は戦争というものが従軍中だけでなく、死ぬまで一人の人間をとらえて離さないことを痛切に思い知らされた」
と結びます。

他に映画に収めてない中で印象に残るのは共に裁判を闘う同士の残留兵の中国での鬼のような蛮行をした自白書を見つけた奥村さんが帰国後、その同士にコピーを渡して読ませる場面。
読みながらも記憶にないと語りながらも殺すことが茶飯事だったと話し監督に向かって

「きっとあんたはいま、途轍もなくひどい人間と思ってるだろうねぇ、、、」

物凄い葛藤を抱えながら“戦争”をテーマにした映画を撮る池谷監督の覚悟も十分に読んでて伝わりました。

今は腰が曲がりながらも奥さんの介護に辛抱強く向き合う優しい気持ちの持ち主が、戦場では鬼になる。

ただしもう一つの映画のクライマックス、戦後60年の8月15日、靖国神社で監督と奥村さんが共犯関係を結んで、
もう一人の残留兵と衝突する場面のエピソードに触れてないのは、
やはりここだけでも1冊分の量になると想像するので割愛したのかと思ったものの、
この1冊を読み終えて思うのは、この本に登場する人物は生の人間臭さを持った人ばかり、
それは池谷監督からすれば欠点がありながらも存分に魅力があるから書き留めたのであって、
「もう一人の残留兵」に対して池谷監督はシンパシーを感じられなかったので省いたのでは?

最後に映画の終盤、「私は戦争を知らない」と語る奥村さんが、
かつての大隊長の家に押しかけて真相を探る場面、
あれは終戦後に起きたおぞましすぎる、
まさに地獄としかいえない事件の真相を奥村さんは探っていたようですが、
この事件というのがにわかに信じられないもの、
ただこんな話は戦時中や終戦後に数多あって、ことごとく隠蔽されてると想像します。

いずれにしてもこの本、日本エッセイスト・クラブ賞を受賞したこともあり読みやすいので、
ドキュメンタリーを学ぶ場でテキストとしても活用できるかと思います。
と、同時に改めて『蟻の兵隊』の上映を前に襟を正しました。

3/29 “戦後80年を問う” 池谷薫監督特集 『蟻の兵隊』『先祖になる』
http://nagaokatsukurukai.blog.fc2.com/blog-entry-4406.html

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「ながおかワーク&ライフセミナー」2024 第7講座 平林弓奈ピアノリサイタル



2024年度 「ながおかワーク&ライフセミナー」では第4講座として映画「土を喰らう十二ヵ月」上映会で参加しました。
おかげで盛況のうちに開催されて小学校の頃からジュリーのファンだった担当者にとって念願の運びとなりました。
改めて主催者の長岡地区労働者福祉協議会の皆様にお礼を申し上げます。

その2024年度「ながおかワーク&ライフセミナー」の締めのピアノリサイタルが開催されるのでご案内します。
先着100名を無料でのご招待です。

第7講座 平林弓奈ピアノリサイタル
と き:3月22日(土):  14時~
ところ:ホテルニューオータニ長岡NCホール 
開催団体:長岡フランス音楽の会
問合わせ 申し込み 電話 0258860111

http://www.nagaoka-lsc.jp/%E3%81%8A%E7%9F%A5%E3%82%89%E3%81%9B/news/590.html

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