僕はドゥルーズの本を読んでいないため、何とも言えない面もありますが、
1、ドゥルーズの思想自体が実はほぼ無意味。
2、著者がまったくドゥルーズの思想のアクチュアルな面を掴んでいない。
のどちらかであるような気がします。それくらいに読んでも意味のない本だと思います。
この本のダメな点をいくつかあげます。
1、入門書でありながら対象としているのは前期のドゥルーズのみ(『差異と反復』、『意味の論理学』)で後期に関してはほぼ紹介がない。
2、ドゥルーズのテクストを印象しながら解説しているが、テクストの全体像についての言及が少ないため、一度はドゥルーズの本を読んでいないと意味がよくわからない。
3、ドゥルーズ独特の用語「器官なき身体」「機械」などについてもきちんとした説明がないため、あらかじめこれらの言葉を知っている読者でないとイメージが掴めない。
4、「ラッセルのパラドックス」「意義」「分析的」「総合的」などの分析哲学の用語も出てくるが、著者の書き方が悪く、それらの概念がきちんと位置づけられていない。(集合の話をしたいのか、固有名詞の話をしたいのかよくわからない。クワインの議論を踏まえているのかも不明。ひょっとしたらドゥルーズの理解が明確でなかったという可能性もありますが)
ドゥルーズのテクスト『差異と反復』、『意味の論理学』を読んだけど、いまいちきちんとわからなかったという人には、それなりに役に立つ面がないとは言えないのかもしれませんが、ドゥルーズの入門書としてはほぼ役に立たない本と言えるでしょう。
ドゥルーズ入門 (ちくま新書)
檜垣 立哉

1、ドゥルーズの思想自体が実はほぼ無意味。
2、著者がまったくドゥルーズの思想のアクチュアルな面を掴んでいない。
のどちらかであるような気がします。それくらいに読んでも意味のない本だと思います。
この本のダメな点をいくつかあげます。
1、入門書でありながら対象としているのは前期のドゥルーズのみ(『差異と反復』、『意味の論理学』)で後期に関してはほぼ紹介がない。
2、ドゥルーズのテクストを印象しながら解説しているが、テクストの全体像についての言及が少ないため、一度はドゥルーズの本を読んでいないと意味がよくわからない。
3、ドゥルーズ独特の用語「器官なき身体」「機械」などについてもきちんとした説明がないため、あらかじめこれらの言葉を知っている読者でないとイメージが掴めない。
4、「ラッセルのパラドックス」「意義」「分析的」「総合的」などの分析哲学の用語も出てくるが、著者の書き方が悪く、それらの概念がきちんと位置づけられていない。(集合の話をしたいのか、固有名詞の話をしたいのかよくわからない。クワインの議論を踏まえているのかも不明。ひょっとしたらドゥルーズの理解が明確でなかったという可能性もありますが)
ドゥルーズのテクスト『差異と反復』、『意味の論理学』を読んだけど、いまいちきちんとわからなかったという人には、それなりに役に立つ面がないとは言えないのかもしれませんが、ドゥルーズの入門書としてはほぼ役に立たない本と言えるでしょう。
ドゥルーズ入門 (ちくま新書)
檜垣 立哉
