山下ゆの新書ランキング Blogスタイル第2期

ここブログでは新書を10点満点で採点しています。

2点

檜垣立哉『ドゥルーズ入門』(ちくま新書) 2点

 僕はドゥルーズの本を読んでいないため、何とも言えない面もありますが、
 
1、ドゥルーズの思想自体が実はほぼ無意味。
2、著者がまったくドゥルーズの思想のアクチュアルな面を掴んでいない。

のどちらかであるような気がします。それくらいに読んでも意味のない本だと思います。

 この本のダメな点をいくつかあげます。

1、入門書でありながら対象としているのは前期のドゥルーズのみ(『差異と反復』、『意味の論理学』)で後期に関してはほぼ紹介がない。

2、ドゥルーズのテクストを印象しながら解説しているが、テクストの全体像についての言及が少ないため、一度はドゥルーズの本を読んでいないと意味がよくわからない。

3、ドゥルーズ独特の用語「器官なき身体」「機械」などについてもきちんとした説明がないため、あらかじめこれらの言葉を知っている読者でないとイメージが掴めない。

4、「ラッセルのパラドックス」「意義」「分析的」「総合的」などの分析哲学の用語も出てくるが、著者の書き方が悪く、それらの概念がきちんと位置づけられていない。(集合の話をしたいのか、固有名詞の話をしたいのかよくわからない。クワインの議論を踏まえているのかも不明。ひょっとしたらドゥルーズの理解が明確でなかったという可能性もありますが)

 ドゥルーズのテクスト『差異と反復』、『意味の論理学』を読んだけど、いまいちきちんとわからなかったという人には、それなりに役に立つ面がないとは言えないのかもしれませんが、ドゥルーズの入門書としてはほぼ役に立たない本と言えるでしょう。

ドゥルーズ入門 (ちくま新書)
檜垣 立哉
4480064818


郡司ペギオ-幸夫『生きていることの科学』(講談社現代新書) 2点

 意識や生命を解読する鍵となる概念は「マテリアル(物質)」であるという基本コンセプトを、さまざまな比喩や思考実験などを通して明らかにしようとしているけど、哲学的な概念のいい加減な使い方が酷すぎる。
 「内包と外延」とか「実在論」とか著者は意味が分かってないんじゃないか?
 帯で養老孟司が「彼の話はむずかしい。でもその本気の思考が、じつに魅力的なのだ。」って言ってるけど、単に著者の思考が思いつきの域を出ていないとしか思えない。

郡司ペギオ-幸夫『生きていることの科学』
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通勤途中に新書を読んでいる社会科の教員です。
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