山下ゆの新書ランキング Blogスタイル第2期

ここブログでは新書を10点満点で採点しています。

2010年03月

大竹文雄『競争と公平感』(中公新書) 8点

 著者の大竹文雄は過去に中公新書から『経済学的思考のセンス』という本を出していて、この本はその続編的な存在です。
 ただ、前作が面白いながらもアメリカの行動経済学の面白いピックの紹介にとどまっていたのに対して、今作はより日本の現在の問題に焦点をあてたアクチュアルな本になっていると思います。

 この本の最初に紹介されている調査によると、日本人は「格差が生まれたとしても多くの人は自由な市場で人々はよりよくなる」と考える人、「自立できない非常に貧しい人たちの面倒を見るのは国の責任である」と考える人の割合が先進諸国の中で際立って低い。
 ここから、日本人は「競争嫌い」であり、「平等嫌い」だという、一見すると矛盾した結論が導きだされます。
 そんな日本の現状を見ながら「競争」と「公平感」についてさまざまな分析が紹介してあるのがこの本です。

 日本人の競争嫌いに関しては、例えば不況の影響も指摘されています。
 不景気の時期を体験した人ほど、「成功において勤勉さよりも運やコネが重要だ」と考える人が多く、日本人の競争嫌いの理由の一つが、日本経済の長期停滞にあることが示唆されているのです。

 これ以外にも、男女における「競争」への態度、宗教や文化が経済に与える影響、格差を気にする国民と気にしない国民、など経済に関するさまざまなトピックがとり上げられていますし、同時に「小さく産んで大きく育てる」という日本の産婦人科での教えが間違ってて胎児の停滞中がその後の人生に大きなマイナスをもたらすという話、せっかちなのは遺伝なのか?家庭教育の影響なのか?といった一見すると経済とは関係のないようなトピックもとり上げられています。

 この手の経済学の本を読んだことがない人にとっては、そのトピックの豊富さにびっくりするかもしれませんし、拾い読みをするだけでも雑学的な知識を得ることができて楽しいと思います(例えば、アカデミー賞受賞者は、候補にあがったけれど受賞しなかった人に比べて四年も長生きしている(138p))

 ただ、第3部の「働きやすさを考える」に関しては、やや日本の現実にフィットしていないところもあると思います。
 例えば「長時間労働の何が問題か?」で、ワーカホリックの同僚がいると職場の生産性が上がって周囲の人間も助かるが、上司にいると問題が発生するとしていますが、日本の村社会的な職場を考えれば、上司でなくても職場でワーカホリックの人が増えればそれ以外の人も巻き添えを食うと思うんですよね。
 
 また、最低賃金の引上げにもやや否定的な見解を示していますが、社会保障制度との整合性を考えると、今の日本の最低賃金は低すぎると言えるのではないでしょうか?

 ただ、行動経済学的な読み物としても楽しめる上に、さらに現在の日本の問題を考える上でのヒントが詰まったいい本だと思います。

競争と公平感―市場経済の本当のメリット (中公新書)
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網野善彦『日本社会の歴史〈下〉』(岩波新書) 8点

 下巻は南北朝の動乱から江戸幕府体制の確立まで。そしてさらに最終章「展望」としてその後の日本の歴史のラフスケッチが描かれています。

 「貴族や官人を天皇の駆使しうる官僚にしようとする、専制体制の樹立を目指していた」(6p)後醍醐天皇の改革は、自ら貨幣を鋳造し宋銭を排除しようとするなど、政治・経済・社会のあるゆる分野において、いままでの秩序を再編成しようとするものでしたが、「広い社会の慣行を無視するとともに、歴史そのものを無視しようとする後醍醐」(8p)は当然のように失敗し、日本は動乱の時代に入っていきます。

 この混乱は足利義満によって一時は解消されるものの、その後は西の室町公方と東の鎌倉公方の対立がつづき、駿河・信濃・越後などの国は「国境」と呼ばれたりもしています(55p)。
 そして応仁の乱によって日本は完全に分裂状態となり、戦国大名が覇を競うようになりますが、網野善彦はここでも、海の交通や鉱山などに注目し、そこから個々の大名の躍進を見ています。
 また、倭冦の王直をはじめとする日本を取り巻く海外とのネットワークにも目を配っていて、興味深いです。

 この後、日本は織田信長、豊臣秀吉、徳川家康によって統一されるわけですが、その過程(特に秀吉と江戸幕府の政策)の中で、農民を基本とする農本主義的な支配体制が築かれ、農民以外の商人・職人・芸能民などの姿は見えにくくなっていくことになります。

 ただ、「展望」でも網野善彦が再三触れているように、江戸時代になっても農民以外のダイナミックな活動というのは継続されています。
 この本で触れられている財政改革請負人松波勘十朗の存在などは、初めて知りましたが非常に興味深いです。

 上巻の評ところでも書きましたが、近現代がほぼないものの一人の歴史家による通史というのはやはり貴重。何人かの人によって書かれた通史とは違う、読みやすさと視点の一貫性があります。
 大人になってから山川の日本史の教科書を読みなおすくらいなら、圧倒的にこっちのほうを薦めたいですね。

日本社会の歴史〈下〉 (岩波新書)
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網野善彦『日本社会の歴史〈中〉』(岩波新書) 8点

 網野善彦による通史の中巻は摂関政治から鎌倉幕府の滅亡まで。
 網野善彦の専門である時代に突入したこともあって、上巻以上に日本における東国と西国の違い、海の交通、東北やアイヌの状況など、網野史観的な要素が入ってきています。

 摂関政治の隆盛とは裏腹に徐々に地方に対するコントロールを失っていく朝廷。地方の治安や徴税について、もはや中央政府はそれに対処できる力がなく、それらの厄介な事柄は国司に丸投げしていくことになります。そして、それが武士の登場をもたらし、その武士による覇権につながっていく様子がよく分かります。

 また、そうした武士の台頭を象徴する人物としての平清盛に関しては、たんなる平氏の棟梁といった扱いだけではなく、海上交通を抑え海外との貿易によって新たな権力基盤を築こうとして人物としての側面が描かれます。
 一方で、その清盛が行った宋との貿易によって京の都に大量に銭が流入し物価騰貴がおこり、それが平氏への不満となっていくといったことにも触れられており、歴史の社会経済的な側面もうかがえるようになっています。

 さらには鎌倉幕府成立以後の、東国と西国での政治や文化のあり方の違いなどもよくわかるようになっています。
 鎌倉時代においては、西国よりもむしろ東国で銭が普及していたという事実などは、一般的な思い込みを覆すもので、一般的な教科書よりもダイナミックで複雑な社会の動きがわかるのが、この中巻の特徴と言えるでしょう。

日本社会の歴史〈中〉 (岩波新書)
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網野善彦『日本社会の歴史〈上〉』(岩波新書) 8点

 少し前の本ですが仕事で読んでおきたかったので。
 日本中世史の世界において、通説を覆す数々の主張を行ってきた著者による全3巻の日本史の通史。
 全体の叙述は17世紀前半までで、完全な通史にはなっていないのですが、それでも網野善彦という一人の人間の史観によって書かれているため、教科書なんかに比べればはるかに読みやすく、そして面白いです。

 この上巻がとりあげるのは、日本列島の形成から摂関政治が始まり国風文化が興ってくる9世紀まで。
 網野善彦らしく、東北や蝦夷地、琉球といったいわゆる「大和朝廷」の範囲以外への目配りもありますし、また、朝鮮半島や大陸との交流も公式な外交開けにとどまらず幅広く紹介されています。

 ただ、意外と言っては何ですが、この上巻で個人的に一番ためになったのは政治史の部分。
 特に奈良時代の藤原不比等→長屋王→藤原四兄弟→橘諸兄→藤原仲麻呂という権力闘争に関しては、教科書ではたんなる権力闘争としてしか理解できませんでしたが、政治路線の対立でもあることがわかりました。
 かなり強引に唐風の律令制度を実施しようとする藤原家の面々と、日本の現実にしたがって修正をはかる長屋王や橘諸兄、この時代の政治の焦点がわかります。

 また、この律令制度の理想と現実の齟齬の問題は、例えば交通路などにも現われていて、律令国家は当時主流だった海上交通をさしおいて道路の整備をはかるわけですが、そういった現実を見ていない制度が徐々に崩れていく姿も浮かび上がってきます。
 
 隋・唐という帝国の出現を受けて、自らも小帝国たらんとした日本が、理想を掲げて律令をとり入れ、東北地方などを服属させようとしながら、政治的なリソースが乏しい故に失敗したというのが大化の改新から平安初期に至る歴史なのでしょうね。

 とりあえず、面白く読める通史です。

日本社会の歴史〈上〉 (岩波新書)
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明石康『「独裁者」との交渉術』(集英社新書) 8点

 カンボジアPKOやボスニア紛争の調停などで国連の特別代表として和平構築の任務を担い、近年もスリランカの和平において日本の政府代表として活躍している明石康に、ノンフィクション作家の木村元彦がインタビューした本。
 ボスニア紛争では欧米諸国の批判を受けましたが、さすが国連で大きな仕事を成し遂げてきた人物だけあって、得るところの多い本です。

 この本のテーマはタイトルにもある「交渉」。
 国連という自前の武力を持たない組織の代表が、いかに政府勢力と反政府勢力の間に立って交渉を進めていくということはどういうことか?そこで明石康は何に注意を払っていたか?といったことが、インタビューを通じて浮き彫りになっています。

 まず、彼が一番大切に考えているのは対話のチャンネルを閉ざさないことです。
 カンボジアのポル・ポト派、ボスニア紛争におけるセルビア民族主義者のカラジッチやムラジッチなど、彼の交渉相手には殲滅すべき「悪」と断定されそうな人物も含まれています。
 それでも明石康はそういった勢力との関係を切らないように最大限の注意を払っています。彼はその姿勢を「あらかじめ敵を想定しない」(50p)と述べています。
 一方でそれが、カラジッチやムラジッチなどのセルビアの民族主義者に融和的であるとして欧米からバッシングを受けるわけですが、タリバンを「敵」として切ってしまったアフガニスタンでの和平の停滞を見ると、明石康の姿勢は見直されていいものかもしれません。

 また、敗者への配慮というのも彼の交渉術の特徴。
 カンボジアの総選挙では予想を覆し、フン・セン人民党ではなく、ラナリットのフンシンペック党が第一党となります。
 そのとき、明石康は国連本部にあった反対も押し切ってフンシンペック党と人民党の連立を押します。このときの彼の考えは次のようなものです。
民主選挙というと聞こえはいいですが、選挙というのは、一票差でも勝者と敗者に分かれるのですね。勝者が全部取って敗者には何も残らないところに、民主選挙の問題点があります。(98p)

 このあたりも、ある意味で日本人ならではの交渉術と感覚なのかもしれません。

 また、彼の人物評も面白いものがあります。例えば次のカラジッチが三島由紀夫を愛読していると知った時の印象。
私は、カラジッチが三島由紀夫を愛読しているという話を聞いていたので、直接確かめたらその通りだと言っていました。そのとき正直、厄介だなと感じました。三島のように何かに殉じることに対する美学と滅びるものへの陶酔を彼が持っているとしたら、合理的な交渉をするうえで障害になるにちがいない、と考えたのです。(57ー58p)

 このようになかなか読みどころの多い本。
 構成に少しわかりにくい点があるのと、カンボジアやボスニアの当時の政治情勢についてまったく知らないと理解が難しい部分があるのは欠点ですが、インタビュー形式ながら深い部分まで掘り下げてありますし、国際社会で大きな仕事を成し遂げてきた人物の経験と知恵を知ることができる本です。

「独裁者」との交渉術 (集英社新書 525A)
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小林正啓『こんな日弁連に誰がした?』(平凡社新書) 7点

 この本に日弁連という組織についての詳しい解説や、あるいは司法改革の全体的な展望についての記述を期待するとそれは期待はずれに終るかもしれません。
 ただ、日弁連という組織が司法改革に対してとった「政治」の記録としてかなり面白い本。
 「政治闘争」における勝敗はどこでつくのか?「政治力」のある人物とは一体どんな人間であるのかということが、日弁連が「敗れた」とされる司法改革の議論を通じて浮かび上がってきます。

 つい先日行われ激戦の末宇都宮健児氏が勝利を収めた日弁連の会長選挙。そこで争点となったのが司法試験の合格者枠でした。
 1980年代に500人であった司法試験の合格者枠は「2010年から3000人程度をめざす」とまでになります。この増員に反対姿勢をとってきた筈の日弁連、日弁連は当初「人権擁護や社会的正義の実現のためには弁護士の経済的な自立が必要で増員は問題だ」という理屈をもとに数百人の増員にも難色を示し、対決姿勢をとります。

 しかし、その既得権保護的な姿勢は世論の反発を呼び、日弁連は孤立。そして司法改革の一環として登場した、裁判官を弁護士の中から指名するという「法曹一元論」という甘い餌につられてなし崩し的に司法試験合格者の大幅増員、そのためのロースクール構想を飲んでいくことになります。

 そうした政治劇が活写されているのがこの本の面白さ。
 宮本康昭判事補再任拒否事件で、再任拒否を貫き司法の保守反動のシンボルとして忌み嫌われる一方で、最高裁の判事として公害事件の被害者救済に尽力した「ミスター最高裁」矢口洪一。
 この本で描かれている彼の政治力というのには舌を巻きます。彼の裁判所の地位向上という目的のために手段を使い分ける姿勢というのは、硬直化した日弁連の姿とは対照的で、「政治」における個人の力というものを感じさせます。

 また、毀誉褒貶のある中坊公平についても、この本を読んで改めて彼の実像がわかった気がしました。
 彼も「政治力」を持った人間ですが、自らの「豪腕」への過信が、さまざまなトラブルや日弁連の「敗北」を生んだのでしょう。

 全体的に「弁護士の増員をどうとらえるのか?」ということについての深い分析などはないですし、「これからの日本における司法のあり方」という視点にも欠けますが、一つの「失敗」を語った読み物としては面白かったですね。

こんな日弁連に誰がした? (平凡社新書)
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依田高典『行動経済学』(中公新書) 7点

 今までの経済学の想定する「完全に合理的な人間」を否定して、人間の行動に潜むさまざまなバイアスに正面から取り組んだ行動経済学。その行動経済学は2002年のカーネマンのノーベル経済学賞受賞以来ちょっとしたブームになっていて、本屋には多くの入門書が並んでいます。
 そんな中で登場した本書は、新書でありながらなかなか固い本。
 行動経済学の面白い知見を紹介するだけでなく、行動経済学を今までの確率論や経済学の歴史の中で位置づけようとした意欲作です。

 ただ正直なところ、新書にしてはけっこう難しい本で、特に数式の部分に関しては、文系の人にはつらいかもしれません。また、著者がわかりやすい例を出すことを怠っている部分もあるので、「行動経済学」の入門書としては、同じ新書なら友野典男の『行動経済学』(光文社新書)のほうがいいかもしれません。
 特に行動経済学について初めて読むなら友野典男の本のほうが明らかにわかりやすく、興味深いトピックを知ることができるでしょう。

 けれども、最初に書いたようにこの本は行動経済学を経済学の歴史の中で論じている所に特徴があります。
 ケインズの経済学、アローの不可能性定理、ゲームの理論といったものと行動経済学の関係がよくわかりますし、また行動経済学を今までの経済理論と関連づけることで、行動経済学の中でもそれなりに説得力のある部分というものが浮き上がってくるようになっています。
 
 また第4章の、著者の行っている喫煙行動を中心とするアディクションの研究も興味深いです。
 細かい部分は本書を読んでいただくとして、これを読めばタバコ、酒、競馬、パチンコといったものを掛け持ちしてやる人が多い理由がわかるでしょう。

 難しい本ではありますが、歯ごたえのある本を読みたい人はどうぞ。

行動経済学―感情に揺れる経済心理 (中公新書)
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吉見俊哉+テッサ・モーリス・スズキ『天皇とアメリカ』(集英社新書) 6点

 社会学者の吉見俊哉と歴史家テッサ・モーリス・スズキによる対談の書。「天皇」と「アメリカ」というキーワードをもとに日本とアジアの近代史、そして現在の状況を論じています。
 
 帯には「天皇は近代でありアメリカは宗教である」という刺激的なキャッチコピーが掲げられていますが、この点については、「天皇は近代を受容するための装置としてはたらいた」、「アメリカは非常に宗教的な国家でもある」という常識的な事しか言ってないです。

 本は大きく「近代」、「現代」、「現在」と3章仕立てになっているわけですが、それほどラディカルな歴史の読み替えがあるわけでもないので「近代」の部分はそんなに面白くない。
 ただ、「現代」のパートはお互いの専門と言ってもいい分野なので面白い話がポンポンと出てきます。

 真珠湾の直前に『ニューヨーク・タイムズ』に掲載されたヒロヒトの記事、皇居前の広場で行われた占領軍のイベント、力道山などアメリカ文化を取り入れて日本で成功した在日の人々など興味深いエピソードがいろいろ語られていますし、また、アメリカの基地をめぐる周辺住民の感覚、東京の街と基地の関係、立川と砂川での米軍基地への温度差とその歴史的な由来など、個人的にも興味深いものがたくさんありました。

 けれども、そのあとにつづく「現在」は少し不満。
 「共和制を考えない想像力の不足」といった大きいながらもあまり実効性を持たない考えよりも、従来のナショナリズムとは結びつかず、むしろコスモポリタニズム的である今上天皇という分析をもとに、「天皇制」の矛盾を突き詰めていったほうが、もっとインパクトのある対談になったのではないでしょうか?

天皇とアメリカ (集英社新書 532C)
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名前:山下ゆ
通勤途中に新書を読んでいる社会科の教員です。
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