今年は新書を71冊読みました。
というわけで今年の5冊+1。
復刊なので番外という感じではあるんですが、今年読んだ新書で一番内容が濃かったのはこの本。
援助論でもあり、経済学の本でもあり、中央銀行の役割を解説した本でもあり、そして一人の人間の生き方を示した本でもあります。
「政権交代」がキーワードとなった2009年を総括するにふさわしい本。
「小泉改革の負の遺産」、「安倍晋三、麻生太郎の国民的な人気」、「若者の右傾化」といった俗説がことごとく退けられ、社会科学の鮮やかな分析の力が示されます。
ここ最近、クローズアップされ続けている労働問題に明快な見取り図を与えた本。
「自由化」と「規制強化」が同時に叫ばれる中、問題を歴史的に分析し、過去からのボタンの掛け違いをきちんと説明してくれてます。
タイトルからするとハウツー本のようですが、経済学の射程、経済学の本質を追究している中身の濃い本です。
最近よく出ている「反経済学」みたいのをうたった本より、圧倒的に中身がありますし、そうした俗流本への素晴らしい反論になっています。
日中戦争から太平洋戦争にかけての時代を中心に徴兵された兵士の生活、食事、戦死、そして銃後の生活などを兵士の残した日記や回想録、家・への手紙などから分析し、日本の軍隊の実情に迫った本。
いまだに保守派の知識人を中心にプラスのイメージを持って語られ、赤木智弘の「丸山真男をひっぱたきたい」では、その「平等制」がとりあげられた徴兵制というものの「理想と現実」がよくわかります。
日本の治安状況、犯罪対策から司法システム、そして刑罰に至る幅広い分野についてデータをもとに、世間で流通している「神話」を否定してみせた本。
「日本の治安は悪化している」、「日本の刑罰は甘いのではないか?」と考えている人にはぜひ読んでほしい。意外な事実を次々と突きつけられます。
これ以外だと、宮本太郎『生活保障』(岩波新書)、岩波明『精神障害者をどう裁くか』(光文社新書)、末廣昭『タイ 中進国の模索』(岩波新書)、猪木武徳『戦後世界経済史』(中公新書)なんかが面白かったですね。
今年よかったのは岩波新書と光文社新書。光文社は経営危機の噂もありますが、社会科学の若手を一番発掘できている新書だと思うのでがんばってほしいですね。
中公は夏の2000点刊行のフェアで少し息切れしてしまった感じか?
でも、『ルワンダ中央銀行総裁日記』のような名著の復刊はこれからのしていってほしいですね。
というわけで今年の5冊+1。
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復刊なので番外という感じではあるんですが、今年読んだ新書で一番内容が濃かったのはこの本。
援助論でもあり、経済学の本でもあり、中央銀行の役割を解説した本でもあり、そして一人の人間の生き方を示した本でもあります。
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「政権交代」がキーワードとなった2009年を総括するにふさわしい本。
「小泉改革の負の遺産」、「安倍晋三、麻生太郎の国民的な人気」、「若者の右傾化」といった俗説がことごとく退けられ、社会科学の鮮やかな分析の力が示されます。
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ここ最近、クローズアップされ続けている労働問題に明快な見取り図を与えた本。
「自由化」と「規制強化」が同時に叫ばれる中、問題を歴史的に分析し、過去からのボタンの掛け違いをきちんと説明してくれてます。
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タイトルからするとハウツー本のようですが、経済学の射程、経済学の本質を追究している中身の濃い本です。
最近よく出ている「反経済学」みたいのをうたった本より、圧倒的に中身がありますし、そうした俗流本への素晴らしい反論になっています。
![]() | 皇軍兵士の日常生活 (講談社現代新書) 講談社 2009-02-19 売り上げランキング : 70019 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
日中戦争から太平洋戦争にかけての時代を中心に徴兵された兵士の生活、食事、戦死、そして銃後の生活などを兵士の残した日記や回想録、家・への手紙などから分析し、日本の軍隊の実情に迫った本。
いまだに保守派の知識人を中心にプラスのイメージを持って語られ、赤木智弘の「丸山真男をひっぱたきたい」では、その「平等制」がとりあげられた徴兵制というものの「理想と現実」がよくわかります。
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日本の治安状況、犯罪対策から司法システム、そして刑罰に至る幅広い分野についてデータをもとに、世間で流通している「神話」を否定してみせた本。
「日本の治安は悪化している」、「日本の刑罰は甘いのではないか?」と考えている人にはぜひ読んでほしい。意外な事実を次々と突きつけられます。
これ以外だと、宮本太郎『生活保障』(岩波新書)、岩波明『精神障害者をどう裁くか』(光文社新書)、末廣昭『タイ 中進国の模索』(岩波新書)、猪木武徳『戦後世界経済史』(中公新書)なんかが面白かったですね。
今年よかったのは岩波新書と光文社新書。光文社は経営危機の噂もありますが、社会科学の若手を一番発掘できている新書だと思うのでがんばってほしいですね。
中公は夏の2000点刊行のフェアで少し息切れしてしまった感じか?
でも、『ルワンダ中央銀行総裁日記』のような名著の復刊はこれからのしていってほしいですね。