新しい楽しみ
- 2022/04/26 21:28
- Category: bologna生活・習慣
3連休明けは辛い。リズムを上手くつかめなくて苦労した。もっと上手くやれる筈だったのに。嬉しいのは空が明るかったこと。嬉しいのは体調が良くなったこと。こんな小さな嬉しいを数えながら、一日過ごした。雨が降ったせいで気が新緑で生い茂っている。つい最近まで葉が無かったアカシアの樹は美しい新緑を纏い、とてもエレガント。菩提樹の樹は葉ばかりか花まで咲かせようとしている。みんな元気だなあ、と思いながら、春とはこういうものだと思いだす。そうしてもう少ししたら春の背後に早い初夏が見え隠れするのだろう。
何時の頃からか人混みを好まない私は、どの街へ行ってもひと気のない小路を好んで歩く。其れがコロナで拍車が掛かって、人が多い場所が更に苦手になった。折角ミラノへ行っても、ガッレリッアやドゥオーモ広場こそ足を運んだが、それ以外は人の少ない道ばかり選んで歩いた。昨夏行ったフィレンツェにしても然り。ああ、あの日は本当に暑かったから、人の少ない道と日陰ばかりを探して歩いたっけ。ボローニャにも人混みはあるのだが、所詮ミラノやフィレンツェの人混みとは度合いが違う。だからマッジョーレ広場へ行ったって、七つの教会群の前の広場に立つ月に一度の骨董品市だって、あのふたつの街に比べれば暇を持て余しているかのように見えるのだ。それを私は嬉しく思う。昔ばどうしてボローニャなどと言う街に来てしまったのかと思ったものだけど、もっと大きな街、もっと便利な街に暮らしたいと思ったけれど、私は来るべくしてボローニャに来たのではないかと思う。私に丁度良い街。丁度良い規模の、丁度良い密度の街。先日朝早く家を出て週末の旧市街散策をしたところ、まだ歩く人の少ない街にはテラス席を準備する人や、水撒きをして石畳を清める人の姿があって、あ、こういうの好きだな、と思った。客が居るテラス席もよいが、客の為に準備をする店員たちの姿を見るのが面白いと思った。そのうち客が全てのテーブル席を埋め尽くして忙しくなるだろう。だからこの時間帯はゆとりの時間とも言えるのかもしれない。
最近週末の早起きが苦手になった。いや、寧ろ朝寝坊が多くなった。週末の朝寝坊は醍醐味なのだが、これからはもう少し早く起きて、朝の旧市街を歩きたいと思う。昼間は混み合う道も、早い時間ならひと気が少ないに違いない。新しい週末の楽しみ、見つけた。
帰り道に八百屋の前を通り過ぎたら、いい匂いが鼻に辿り着いた。振り返ってみたら、赤い苺。国産の赤い苺だった。形も大きさも不揃いだけど、こんないい匂いがするのだから、きっと甘くて美味しいに違いない。ようやく出始めた国産の苺。此れからの季節のご馳走だ。