運がいいとか悪いとか
- 2021/04/21 21:45
- Category: bologna生活・習慣
少し体調を崩して数日経つ。でも、普通に生活することを心掛けているのは、一旦静止したら前進する勇気を失いそうで怖いからだ。だから躓きながらも前に歩む。今私に出来ることと言った其のくらいしかない。そんな私の支えは、窓の前で花を咲かせる栃ノ木。此の家に住んで6年経つが、此れほど花を咲かせたのは初めてのこと。夜もすっかり暗くなると薄い桃色の白い花が闇に浮かんで実に幻想的。うっとりするという言葉は、こういうことに使うのだろう、そんなことを思いながら、晩の時間を過ごすのは至極幸せ。
今日は夕方雨に降られ、終いには雷まで鳴り響いて散々な帰り道だったが、家の近くに来ると道は何処も濡れていず、私の手にぶら下がったずぶ濡れの傘に目を丸くして人々が通り過ぎてゆく。傘ばかりでない。靴も衣服も鞄も強かに濡れて、私は明らかに異星人だった。行きつけのクリーニング屋の亭主が店仕舞いの支度をしていたので声を掛けたら、なんだ、なんだ、君は一体どうしてそんなに濡れているんだい、と枯れた声で驚くものだから、すっかり気持ちが萎んでしまった。勿論彼に悪気はなく、単に私がずぶ濡れだっただけだ。
家に帰ると忙しい。日中家を留守にしているから、家事は帰ってからが勝負なのだ。あれも、これもと動き回る私に、猫は大きな伸びをして見せた。もう少しのんびりすればいいのに、と言うかのように。それもそうねとソファに腰を下ろし、音楽などを流してみたら、忙しく動き回っているのが馬鹿らしくなり、ちょっと目を瞑ったらすぐに寝落ちた。昼寝も嫌い、夕方に眠るなんて考えたこともない私が、あっけなく眠りに落ちた。それ程疲れていたのかと、目を覚ましてから気がついた。
そんな私に相棒が夕食を準備してくれた。そして気に入りの最後の一本の赤ワイン。簡単な夕食だったけど、私にはご馳走だった。もう少し緩く生活してみたらどうだろう。相棒にそう言われて、その通りだと思った。そうしたら、もっと色んなことが見えるだろう。何が大切か、何が価値あることか、気がつけなかった様々なことが見えてくるのかもしれない。
雨に濡れて散々だった帰り道。けれども、そんなことに気がつけたのは運が良かった。明日はどんな一日。ツイてないと思ったらば、その後にきっと良いことが待っている。
高兄
体調の方は、回復されましたか?
季節の変わり目、充分にお気をつけください
「もう少し緩く生活してみたらどうだろう」
パートナーの方、素敵な助言ですね^^