サウジアラビアがシリアに地上軍派兵予定で、中東の混乱はこれまで以上に
Peter KORZUN |2016年2月8日| 00:00
Strategic Culture Foundation
ロシア空爆の有効性が、反政府派が占拠している激戦中の都市アレッポ北部をシリア正規軍が包囲するのを助け、反政府派が、シリアでの戦争に敗北しかねないという懸念が強まった。この予想は、アメリカ率いる連合に属し、バッシャール・アサド政権を打倒するという頑固な願望を持ったいくつかの国の背筋をゾッとさせた。戦争で荒廃した国に軍隊を派兵する準備ができていることを、今や主要国が発表したのだ。
アアメリカが率いる連合が、地上作戦を呼びかけたら、サウジアラビは、シリアに軍部隊を派兵する準備ができている。サウジアラビア政府が現地に派兵する意思を公式に表明したのはこれが初めてだ。“王国は連合がシリアで遂行すると合意したあらゆる地上作戦(対「イスラム国」)に参加する用意がある”と、軍広報官アフメド・アル-アシリ准将がアル・アラビヤ・ニューズ・チャネルのインタビューで述べた。
“…空爆作戦は理想的な解決策ではなく、空爆作戦と、地上作戦とを併用すべきだと我々は考えている”とアシリ准将は語った。
トルコと協力し、何千人もの特殊部隊が派兵される可能性が高いと、サウジアラビア情報筋がガーディアンに語った。
その前に、アンカラはシリアに軍隊を派兵する用意ができていることを明らかにした。サウジアラビアとトルコが、数週間前に、軍事調整機関を立ち上げたのは偶然ではない
アメリカが率いる連合が始めるシリアでのあらゆる地上作戦に参加するというサウジアラビアの申し出を、メリカ国防長官アシュトン・カーターは、すかさず歓迎した。
地上軍派兵の申し出を、サウジアラビア国防相と、来週ブリュッセルで話し合うのを楽しみにしていると、カーターは述べた。
サウジアラビアとトルコの地上作戦はもう長いこと議題にのっていた。この情報の妥当性は、ハフィントン・ポストによって確認された。
両国間の対話は、カタールが仲介した。計画は、シリア政府に反対する“穏健”シリア反政府派戦士を支援するサウジアラビアの空爆に守られてトルコが地上軍を派兵することを構想している。
これは、シリアに関する別の声明を思いおこさせる。昨年11月、アラブ首長国連邦は、シリア現地における多国籍対テロの取り組みに進んで参加したいと述べていたのだ。
軍事的貢献がどれほど限定的なものであれ、UAEの参加は、政治的に重要だ。少なくとも3つの国が、もし行動がアメリカ合州国が率いる65か国の連合に支持されれば、地上作戦に参戦するつもりだと述べているのだ。
計画されている軍事行動の結果、直面する率直な軍事的現実が存在することとなった。あらゆるサウジアラビア-トルコの軍事介入の規模に関して、深刻な疑問が残っている。これには相当な資金を必要としよう。サウジアラビアは、現在イエメンで厄介な戦争を行っている。サウジアラビアが、二つの戦争を戦い、継続するのは困難だろう。アメリカや、おそらく、UAEなど連合内の他のいくつかの国々が大規模地上軍を派遣する可能性はまずないので、サウジアラビアとトルコがこの取り組みの重荷を担うことになるはずだ。
侵入希望者(UAEを含め、もし11月の声明がいまでも有効であれば)全てスンナ派が支配的な国々なのだから、作戦は、スンナ派対 シーア派という宗派の境界に沿った地域分裂を悪化させるだろう。サウジアラビアが率いる、UAE、カタール、クウェート、スーダン、ソマリアを含むスンナ派諸国集団と、ある程度まではエジプトも。同様にサウジアラビアは、シリア、イエメンや他の国々で、多数のスンナ派非国家的集団のスポンサーをしている。一方イランは、シリア政権、ヒズボラ、アンサール・アラー(フーシ派)や、“人民動員軍”に含まれるイラク国内の様々な民兵集団を含むシーア派集団を率いている。
サウジアラビア-トルコ戦略は、イラン・シーア派に地域覇権への恐怖で突き動かされている。イランの地域的影響力は経済制裁下にあった時代ですら拡大し続けた。イラン核協定が成功裏にまとまった際のアラブ湾岸諸国(オマーンを除く)の反応がヒステリーに近かったことを思い出せば十分だ。こうした姿勢は、湾岸諸国(+トルコとイスラエル)の根底にある懸念が、実はイラン核兵器の危険ではなく、イラクからシリア、レバノンやイエメンに到る地域におけるイランの増大する政治的影響力の脅威であることを強く示唆している。
国際経済制裁が解除されたので、地域団体へのイランの政治的影響力は増大する恐怖があるようだ。確かに、イラン人(ペルシャ人)やシーア派イスラム教徒に対する反感は 厳格なワッハーブ派教義が支配的なサウジアラビアや他の国々ではあまねく広まっている。この事実にもかかわらず、時折の、サウジアラビアとイラン間の政治的やりとりや、何世紀にもわたる私的な社会交流や、スンナ派とシーア派イスラム教徒間の結婚を妨げはしなかった。宗派的政策を進めることによって、サウジアラビア指導部は、再建が極めて困難な橋を燃やしているかのように見える。
たとえサウジアラビアとトルコが地上戦争の取り組みの重荷を負担するとはいえ、作戦が始まれば、アメリカはスンナ派-シーア派の対決に関与し味方につかざるを得なくなる。
カタールやトルコと共に、サウジアラビアはシリア(ヌスラ戦線や、他のアルカイダ系列)の過激スンナ派イスラム主義者を支援し資金提供している。これがその活動が「イスラム国」 (IS)と本質的に区別不能な過激派の制御不能な連合を強化してしまいかねない。
アサド排除は解決ではなく、役者を入れ代えるに過ぎず、多くの現政権支持者を、武装反抗勢力に変え、アルカイダ戦士とISとの間での支配権争いに油をそそぐことになる。しかも過激なイスラム主義勢力がシリア領に定着してしまえば、シリアの国境(潜在的にトルコ、ヨルダンとイスラエルとの)における紛争が治まることはあるまい。アメリカとサウジアラビアによるアフガニスタンのムジャヒディン支援が、タリバンとアルカイダという形で、アメリカを悩ませる結果になっているのと同様、シリアのアルカイダ系列を激励している連中も、必然的しっぺ返しを受けずにはすまない。
これら過激派集団を、スポンサーが封じ込めて、支配できると考えるのは幻想だ。シリア国内の過激派を支援するのは、自分の顔に腹を立てて鼻を切り落とすようなものだ。地域に第101空挺師団の一部を派兵するというアメリカ高官の声明や、オバマ大統領の決定は、アメリカ合州国が、サウジアラビアとトルコの政策に関与し、支援をしたがっていることを示している。一見したところ、これは、短期的な政治目標のためには容認できる代償のように見える。現実には魅力的な幻想だ。現在、中東で解き放たれた宗派間憎悪が簡単に消え去ることはない。こうしたゲームの結果、何年も、おそらくは何世代も、影響が残るだろう。
* * *
ロシア外務省広報担当官マリア・ザハロワは、サウジアラビアの発表に関する発言で核心をついた。
“申し訳ないが、あなた方はイエメン人全員を既に撃退できたのかどうか伺いたい”ザハロワは皮肉なコメントをフェースブック・ページに投稿した。
アメリカがシリアに軍隊を派兵するという最近のニュースで、トルコはシリアでの地上作戦を開始する意図を発表しており、シリア領内での“あらゆる”軍事作戦に参戦する用意があるというサウジアラビアの声明は、迫り来る大規模戦争の指標として機能している。サウジアラビアとトルコが支援している反政府派が、ジュネーブ-3和平交渉を妨害すべく最善を尽くしているのは偶然ではない。シリアへの地上軍派兵は、あからさまな国際法違反であるだけではない。そうした行為は、ロシア-シリア-イラン連合と、アメリカが率いる連合を、衝突の瀬戸際に導きかねない。サウジアラビア、トルコや他の国々は、アメリカの支援に頼って、この危険なゲームを始めたがっている。アメリカ合州国は鍵となる国だ。アメリカは最悪のことが起きるのを避けるために影響力を使うことが可能であり、使うべきなのだ。アメリカは過程を指揮して、状況が予測不可能な影響をもたらす制御不能な紛争に陥るのを防ぐことが可能だ。
たとえば、アメリカ国務長官ジョン・ケリーは、ロシア外務大臣セルゲイ・ラブロフとの緊密な関係を享受している。両外務省首脳は、状況について緊急会談をすることができる。二人に、一切包み隠さずに、お互いの意図と、それに伴う影響を話し合ってもらおうではないか。ロシアとアメリカは、1962年キューバ危機の時期に世界が奈落の底に落ちるのを防ぐことに成功し、対話と政治的交流が素晴らしい成果を上げられることを証明した。アメリカには今おきていることに対して大きな責任がある。外交的行動をするべきは今だ。アメリカ合州国は、ロシアがその取り組みに沿って協力するだろうことは十分理解している。
記事原文のurl:http://www.strategic-culture.org/news/2016/02/08/saudi-arabia-deploy-ground-forces-syria-middle-east-turmoil-greater-than-ever.html
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中国の春節、台湾では地震でえらいことになっている。
世界最大一流植民地では、虚報が満ち満ちていて全てこともなし。
北朝鮮のミサイルが恐ろしというのがわからない。ゆるせない、と本気で思えばあらゆる屁理屈で一方的に攻撃してきた宗主国アメリカが、北朝鮮の火遊びを許しているのは、中国の庇護下にあるという理由以上に、そうした不埒な行為を奨励しているからだとしか思われない。
韓国、日本に、宗主国の武器を大量に買い込ませる最大の口実になるではないか。
そういう危機を、大本営広報部、喜んで広めている。経済的、軍事的に、はっきりいって「ゴミ」のような規模の国だろう。
個人的には、大本営広報部の紙媒体や電気洗脳箱が報じる北朝鮮ミサイルとされるものより、いま着々進行中の宗主国による収奪、典型的にはTPPの方が遥かに恐ろしい。そして、辺野古、普天間や嘉手納基地。
野球選手覚醒剤、悪いことだが、国家首脳が売国TPPを推進することの方が遥かに深刻。
大本営広報部、「TPPの中身を丁寧に説明せよ」という恥ずかしい駄説。
「TPPの中身を正直に告白せよ」だろう。確信を持って言う。大本営広報部は売国政治家・官僚の一味だ。
極めて素朴な疑問、北朝鮮が発射したもの、宇宙軌道を飛行しているのだという。それなら、ミサイルではなく、衛星だろう。
大量の原発を維持し、再三、衛星ロケットを発射している、アメリカ傀儡の日本が正しくて、同様のアメリカ傀儡(違いは貧乏かいなかだけだろう)が衛星ロケットを発射すると非難する。
両国とも、宗主国アメリカの手のひらで踊っているだけだろうに。
日本は宗主国のゴミのような傀儡属国だ。北朝鮮は、中国とアメリカを両方を手玉にとって、ミサイルと核開発をしているなら、立派なものだ。
しかし、アメリカに従順に動いていたイラクが破壊されたのを見ていても、宗主国アメリカの意図に反する国は潰されてきた。
北朝鮮がミサイルなるものを発射すれば、日本なり、韓国なりがミサイル防衛体制を強化する。
北朝鮮のミサイル発射で一番儲けるのがアメリカの兵器産業であるということだろう。
人気タレントが再登場した番組、もはや見るに値しない大本営広報番組と化したことが明らかになったと思う。
何度も言う。
北朝鮮では叔母様が、日本では若い美女が政府広報するという大きな違いがある。
政府広報に過ぎないという点では、100%同じ。気分の問題。あるいは北朝鮮は、チャンネルが色々ないが、日本には色々ある。ただし、色々あるチャンネルの登場人物の顔が違うだけで、報道の中身は全く同じ。経済規模の違いが、チャンネルの数の違いに反映しているが、中身は全く同じだ。
重要な違いは、はたから見ると、北朝鮮、異常な独立国にみえるが、この国は、異常な属国に見えることだろう。属国という点では、本質的な違いはない。お互いがワンワンかみ合うのが重要なのだろう。
自民党を慶賀して酒を楽しむ連中(悲しいことに小学校も大学も)の心境がわからない。
そこで、大本営広報部ではない話題を。
IWJの番組、想像以上に素晴らしかった。大本営広報部・大政翼賛会・電気洗脳箱や紙媒体、つまり、ポール・クレーグ・ロバーツ氏が再三言われる「売女マスコミ」とは質が違う。加入のために、お金を払う価値は十分にある。というより、IWJの番組を見ていない方とお話をする気になれない。たとえ意見が違っても、こうした常識を踏まえない人と話をしたいと思わない。
2016/02/08 岩上安身による『金融権力―グローバル経済とリスク・ビジネス』著者 本山美彦・京都大学名誉教授インタビュー(動画)
こういう授業こそ聴講したいものだと、つくづく思う。雰囲気的に、これでは完了しておらず、次の講義も期待できると思っている。
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蜜とチ-ズのしたたる国の物価2つ,3つ -春節-
宵闇が迫ると,こちらの海辺の町の人々は,老いも若きも,複合商業施設へ乳幼児まで連れ出して,遅くまで夜を楽しむ。もちろん,夕方6時頃になると,さっさと戸を閉め店終いする海辺の町もある。
多くの町では,朝方の通勤による交通渋滞もひどいが,夕方の渋滞もひどい。帰路を急ぐ車に加えて商業施設に向かう家庭の車もにわかに増える。そういう町を移動するにはパスが便利である。バスは優遇され,割り込みや,車線を自由に入れ替えることができるから目的地に他車より早く着く。また金がない小生には手頃な移動手段である。今月からガソリン代が値下げされた。1㍑56円から51円になった。
一方バス料金は値上がりした。市街バス料金は,45円から60円になった。「3割」以上の値上げである。他方,4月,この国で導入された物品税は6%だから,バス料金60円は便乗値上げの結果である。
春節を迎え食料品が品薄になるのを見越して小生もバスに乗って町へ繰り出した。お目当ての格安食料品店では,所狭しとチ-ズ・バタ-が並ぶ。デンマ-ク,オランダ,イタリア,フランス,オ-ストラリア,そしてニュ-・ジ-ランドからの輸入製品である。
どれを買うか。デンマ-ク産はNATOの前事務総長のラスムセン現首相の国だから不買。オランダ産は,MH 17民間機撃墜事故報告でデタラメ報告書を出したから敬遠。イタリア産は値引きされていないので購買中止。NZ産は,TPPの署名場所を提供したから買わないことにしたのではなく,あれほどアトランタでTPP大筋合意に抵抗したのに,あっさり署名したのでこれ亦不買。オ-ストラリア産は政府補助金漬けで安価だが,TATURA製のソフトチ-ズが美味しくもないが手頃な値段なのでいつも買っている(但し,半年間も売れ残っていたから合成保存料がタップリ入っているに違いない。しかしフクシマ由来の放射性物質は太平洋を越えてまだ彼の地には及んではいないだろうから,まだ安心して食べられる)。
今回はフランス産140グラム310円のチ-ズが普段の三分の一の値段,100円弱になっていたのでこれを420gほど買った。賞味期限の3月が近づけばさらに値段は下がり50円ぐらいになるだろう。バス代60円✕2を考えれば,今日買っても損ではないだろう。
オ-ストリアやNZはサクランボを中国に輸出しているが,春節を迎える頃,輸送貨物機を確保するのが難しいほど需要があるという。またロブスタ-やアワビなども需要旺盛だという。TPPに参加しなくても,需要がある所,品質が良ければ売れるという見本であろう。しかし日本の金型などの職人芸といわれる製品は,安かろう,(品質)良かろうであるが,TPPによって消える運命にある。
もちろんTPP最大の問題は国家主権を冒すISDS条項であるが,この条項はこの海辺の町でも日本でも国民全体の話題になっていない。日本の法務大臣よ,ISDSが日本国憲法より上位の法律乃至条約なのかどうか,はっきり答えるべきであろう。
蜂蜜とチ-ズを食べながら,以上のような感想を抱く。
追記:酪農製品会社TATURA社とは何の利害関係もないことをお断りしておく。たまたま食べていたのがTTR社であったに過ぎない。ただこの社製のチ-ズ(140g100円弱)を現地の蜂蜜(500㎖900円)と一緒にパンに付けて食べると,この世の食べ物とは思われないほど美味しい。(放射能汚染の心配はないので,蜜とチ-ズのしたたる土地に居る気持ちになります)。
追記2: 7日,新聞Daily Express は一面と16分の1面で大々的にTPPについて解説を載せた。そして第1面で10個の利点を強調した。しかしISDSに関する文章,記事は載っていなかった。
追記3: 子どもの権利の条約は国内法の未整備を理由に長年,批准されなかった。その他にも未批准の条約もあるが,外務省のそれらの理由をどう考えているのか。また,遺伝子組み換え食品,放射能汚染食品などは,化学兵器,生物兵器に当たると考えるが,外務省の考えを質したい。
投稿: 箒川 兵庫助(1ーみ) | 2016年2月11日 (木) 15時27分