■ 宝の持ち腐れだったFW柿谷のサイド起用したがって、ポポヴィッチ監督に同情すべき点はいくつもあるが、印象を悪くしたのは、ACLの第6節の山東魯能戦(A)から導入した「5-4-1」だったことは間違いない。近年のC大阪は攻撃的なサッカーを目指しているが、「5-4-1」を採用するようになってからはほとんどの時間帯で相手にボールを保持されるようになって、守る時間が長くなった。ACLの山東魯能戦(A)は「5-4-1」が成功して逆転で決勝トーナメント進出を決めることができたが、魅力のあるサッカーではなかった。
大一番だった山東魯能戦(A)で結果が出たこともあって、4月下旬から「5-4-1」が基本のシステムとなったが、FW柿谷については右サイドのタッチライン際でプレーする時間が長くなって、攻撃に力を注ぐよりも相手チームの左SBの攻撃参加をケアするシーンが多くなった。「なかなかゴールできない。」ということでメディアから「不調」と言われる機会が多くなったが、このポジションとこの役回りでたくさんゴールに絡むのはよほどのスーパーな選手でない限り無理な話である。
もっと言うと、このポジションとこの役回りであるならば、FW柿谷である必要性は全くない。むしろ、もっと運動量があって、守備でも貢献できる選手(=MFミッチ・ニコルスなど)を起用した方がはるかに有益で、「5-4-1」になってからはFW柿谷のストロングポイントはほとんど出なくなった。普通に使ったら、相手にとって一番の脅威になる選手を有効に使うことができなければ勝利を手にすることは難しいし、相手チームにとってこれほど楽なことはない。
格上と思われるCリーグの山東魯能や広州恒大を相手にする場合など、一時的に「5-4-1」を用いることに対しては間違った判断ではなかったと思うが、内容的には「4-2-2-2」や「4-2-3-1」の時と比べてもはるかに駄目だった「5-4-1」にこだわったポポヴィッチ監督の意図を理解するのは難しい。13位となかなか結果が出なかったこと以上に、超・守備的と言える「5-4-1」を採用して、内容的にさっぱりだったことがフロントが解任という決断を下した一番の理由だと思う。
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◆ まとめ #805 C大阪のポポヴィッチ監督の解任について (下) (2014/6/14)
・宝の持ち腐れだったFW柿谷のサイド起用
・後任の有力候補は関塚監督
・FW柿谷とMF山口蛍は海外移籍も噂されるが・・・
→ 前半戦は13位と期待を裏切ったC大阪はポポヴィッチ監督を解任して新しいスタートを切ることになりました。当然、ポポヴィッチ監督の至らない点は多くて、監督の責任を問う声が出てくるのは仕方がないところですが、同情すべき点もいくつかあります。#804が(上)で、#805が(下)になります。
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