グレンモーレンジ 15年 43% 2000年代流通
GLENMORANGIEAged 15 years
2000's
750ml 43%
グラス:木村硝子テイスティンググラス
量:30ml
場所:個人宅(@TWD氏)
開封時期:不明
暫定評価:★★★★★★(6)
香り:ドライでスパイシーな香り立ち。ドライパイナップル、バニラ、やや青みがかった干し草、ナッツ、オーク香が充実しており、少々あざといが華やかなアロマ。
味:香り同様、ドライな飲み口から広がるスパイシーで華やかなオークフレーバー。奥にはおしろいを思わせる麦芽風味、適度なコクも感じられる。
余韻はオーキーで華やかだが、合わせてえぐみを伴うバニラの甘み、粘性、ウッディネスが現れて長く続く。
何ともわかりやすい、あるいはやや過剰とも言える樽香が魅力でもある。酒質は程よい厚みがあり、バランスは悪くない。ストレートで。
2007年に現在のボトルへのラインナップチェンジと合わせて終売となった、グレンモーレンジの15年もの。
昨日投稿したようにグレンモーレンジのスタンダードラインナップは、現行オフィシャルの中でも評価が高い事に異論を挟む余地はあまりないように感じますが、旧ボトルには旧ボトルの良さがあり、この15年もまた根強いファンのいるボトルとなっています。
グレンモーレンジ15年は、バーボン樽で熟成した原酒を、1年間アメリカンホワイトオークの新樽でフィニッシュ。アメリカンからアメリカンという、少し特殊な熟成リレーで作られています。
その狙いは・・・香味に感じられる、強いオークフレーバーでしょうか。合わせてえぐみやスパイシーな刺激もあり、よく言えばわかりやすく、率直に言えば荒削りというか野暮ったさすら感じる。それが、このボトルの魅力であるとも言えます。現行品18年あたりと飲み比べると、その違いがわかりやすいですね。
(副産物として得られた、リフィルバージンオークフレーバー樽の行方についても気になるところです。)
旧ボトル時代、2000年ごろのモーレンジは、現在のそれのように洗練された味わいではなく、その他のラインナップにも共通する田舎っぽさがありました。
この15年もまた、そうしたニュアンスに、お化粧したような樽の香味。これと決めた個性以外は削ぎ落として洗練していくスタイルもいいですが、この時代のボトルには、逆にそれが味わい深さとなり、愛される要素となっているのだと思うのです。