フェイマスグラウス セントアンドリュース オープン 2000 記念ボトル 40%
THE FAMOUS GROUSE
ST ANDREWS OPEN CHAMPIONSHIP 2000
RESERVE SCOTCH WHISKY
500ml 40%
グラス:国際規格テイスティング
場所:自宅@BAR 1two 3さんから頂き物
時期:不明
評価:★★★★★(5)
香り:華やかでオーキーな熟成香が前面にあり、合わせてはちみつや穀物系の甘味、これがあまり持続せず、干し草やおが屑、ドライで軽い香味要素があとに残る。
味:飲み口はスウィートで蜂蜜や白粉っぽい麦芽の要素、加熱したリンゴ、微かにオークの華やかさ。合わせてドライでピリピリとした刺激を伴う。余韻はほろ苦く、後半に感じられた刺激がそのまま残るが、同時に熟成したグレーン由来か穀物系の甘味のあるフレーバーが張り付くように感じられる。
トップノートに若干キャップ系のニュアンスがあるが、それを除くと熟成したハイランドモルトを感じさせるモルティーさと熟成感。飲み口もマイルドでバランスがとれていて、良いグレーンを使っていることが伺える。単なるNASのフェイマスグラウスではないようだ。一方でモルト由来の要素が長く続かないのは、やはりブレンデッドだからなのだろう。
5年に1度開催されている、全英オープンゴルフ、その2000年大会の記念リリース。
先日はホワイトホースのアメリカズカップ(ヨット)の公式ウイスキーをレビューしましたが、今回はゴルフです。ただ、元々ゴルフはイギリス発祥、あるいはスコットランドに起源説もあるくらいで、当然ウイスキーとの関連エピソードは少なからずあり。。。フェイマスグラウスに限らず、ゴルフに関連するボトルはこれまでも数多くリリースされてきました。
中でもセントアンドリュースの存在は特別なもので、ゴルファーにとっては憧れのひとつ。
そのブランド価値たるや1970年代にセントアンドリュースという銘柄が輸出をターゲットにリリースされたところ、中身はどうってことない普通のブレンドなのに日本市場で大人気となって、ウイスキー冬の時代を乗り越えて現在も販売され続けていることからも伺えます。
さて、今回の記念ボトルですが中身は普通のフェイマスグラウスかと思いきや、どうもそうではない印象。当時のスタンダード品より熟成感があり、内陸系モルト由来のフルーティーさが備わっています。
フェイマスグラウスというと、ハイランドパークやマッカランがキーモルトとして有名ではありますが、該当するフルーティーなフレーバーはどちらとも異なるタイプ。2000年の同銘柄は業界大手グループのひとつエドリントン傘下に移っていて、同社の所有するグレンロセス等の内陸原酒がキーになったブレンドではないかと考えます。
以上のように味はそれなりですが、全英オープンゴルフの記念ボトルであることと、ミレニアムリリースでもあることも合わせてレアリティが高く、海外のオールドボトル市場ではそこそこの値段がついているようです。
他方でこのボトルに使われているキャップの裏地は例の白い悪魔(樹脂)であるだけでなく、下の写真のように外箱が横置き前提のようなデザインであることから、現存するボトルはかなりの確率でキャップ臭がついているのではと。。。
今回のボトルもほんのりとそれらしいニュアンスはありましたが、許容範囲内だったのは外箱がどこかの段階でなくなって、縦置きに切り替わっていたからだと考えられます。
以前トロピカルなバラン17年というレアなロットを経験させていただいた、愛知県安城市のBAR 1 two 3さんから
「面白いボトル手に入ったんですが、飲んでみますか?」
とまたも声がけいただき、頂いたままになってしまっていたフェイマスグラウス。
レビューの通り、普通のフェイマスグラウスかと思ってましたがそんなことはなく、ワンランク上の雷鳥だったのは素直に驚きでした。
また外箱とキャップの難点がクリアされた偶然の1本であったことも、さながらアタリのオールドパーのよう。今回も貴重な経験をありがとうございました。