グレングラント 25年 1990-2015 BARレモンハートラベル 50.2%
BAR LEMON HEART LABEL
Aged 25 years
Distilled 1990
Bottled 2015
Cask type Hogshead
700ml 50.2%
700ml 50.2%
グラス:テイスティング
場所:BAR 新宿ウイスキーサロン
時期:開封後1週間程度
評価:★★★★★★(6)
味:香り同様の構成で華やかでオーキー、ファイバーパイナップルなどの甘味の淡い黄色いフルーティーさにスパイシーな刺激、干し草を思わせるウッディネスとともに広がる。
余韻はドライでスパイシー。ナッツ、ハーブ、乾いたウッディさがオーキーな華やかさと合わさって長く続く。
近年系グレングラントのオフィシャル寄りといえる構成の1本。アメリカンオーク由来の華やかさと乾いたウッディネス。フルーティーさは蜜っぽいタイプではなくドライな系統であるが、華やかかつ爽やか、好ましい要素を備えた仕上がりである。少量加水すると輪郭がぼやけ、樽感が浮わつくような印象も。ストレートで。
漫画レモンハートと聞いて連想するウイスキーをひとつ挙げるなら、グレングラントを推す愛好家は少なくないのではないかと思います。
単行本2巻収録のエピソードにて、ダフタウンの酒屋にあったというウイスキーの写真を見たマスターが、その翌日から現地に行って売ってほしい(飲ませてほしい)と交渉する話。それがマスターも見たことがないというグレングラント38年で、念願かなって飲んだマスターは、感動と旨さのあまり涙を流します。
漫画とはいえそこまでする行動力がマスターらしさであるとともに、国内では見たことがない最長熟成品であるというボトルの紹介もあって、非常にインパクトのある回だったなと思っています。
(個人的には、後日同じボトルを飲む機会に恵まれ、古典的なシェリー感とピートフレーバーに、確かに感動級の旨さだと感じたことも、レモンハート=グレングラントを結ぶシナプスのひとつとなっています。)
今回のボトルは流石に38年熟成品とはいきませんが、近年リリースが少なくなりつつある20年オーバーのグレングラント。
最近増えてきた、漫画レモンハートラベルですが、今回はBARとのタイアップではなく、レモンハートのマスターのみ。その単独リリースに、グレングラントをもってきたのは上記のエピソードを踏まえてのチョイスなのかなと推察しています。
酒質はテイスティングのとおり近年のグレングラントらしいライト寄りで、ノンピートタイプと言える極ライトピーテッド仕様。軽やかかつ華やかなオーク香とマッチしたフレーバー構成で、個人的にはもうちょっとフルーティーさが強いとさらに好みなのですが、トレンドを押さえた1本と言って間違いはないと思います。
なお1点気になるのが、ボトリング時期の表記である2015年。
ラベル審査に1年、ボトリング待ちで半年、輸送で半年と、樽から払い出した時点から最長2年くらい、国内流通が経過することがない訳ではありませんが、このグレングラントは発売時期から約3年半程度も経過しており、どうにも計算が合いません。
現地流通品が遅れて入ってきたならわかるのですが、これは日本向けのもの。原酒が樽ではなくボトラーズの原酒保管用タンクで1~2年寝かされていたということなんでしょうか。。。