長濱ウイスキーラボ ブレンディングセミナーで楽しむブレンドウイスキーの魅力
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長濱浪漫ビール(長濱蒸溜所)から、ゴールデンウイーク5月3日~5日の企画として、AZAI FACTORYでのブレンディング体験教室が告知されています。
先日紹介した発刻、祥瑞、グレンマッスル各種、そして現在進行形のいくつかの企画…。長濱蒸溜所関係者を除けば、長濱蒸溜所でのブレンドに最も関わっているのが自分です(たぶん)。
その経験から断言すると、ウイスキー愛好家がシングルカスクでオリジナルボトルを選定するのは浪漫である一方、ブレンドで自分だけのウイスキーを造るのは、浪漫以上に楽しさがある、最高の贅沢の1つ。はっきり言って、めっちゃ楽しいですよ。
長濱蒸溜所 AZAI FACTORY ブレンディング体験教室
5月3日:https://shop.romanbeer.com/view/item/000000000127
5月4日:https://shop.romanbeer.com/view/item/000000000128
5月5日:https://shop.romanbeer.com/view/item/000000000129
◇スケジュール
13時 長浜浪漫ビール集合
14時 ブレンディングセミナー開始
15時半 終了・小学校セラー見学
16時 長濱浪漫ビール着・懇親会
今回のブレンドセミナーは、滋賀県・長浜にある旧七尾小学校(廃校)を活用したAZAI FACTORYで行われます。
この設備は、校舎をウイスキーの熟成スペースに活用しつつ、理科室でブレンドセミナーを行う等、長濱蒸溜所の分室的な位置づけで2021年から整備が進められているもの。蒸留所からはkm単位で離れた場所にあることもあって通常は見学コースに含まれていないため、同蒸留所の熟成環境を見学できる機会でもありますね。
また、蒸留所に戻ってからの懇親会も、長濱蒸溜所見学における魅力の一つと言えるイベントであり、激しくお薦めです(笑)。
スケジュールとしては13時蒸留所集合、懇親会を経て19時ごろ解散であるとしても、東京から日帰りで参加出来るのもポイントです。
※長濱蒸溜所 AZAI FACTORY 内部。どこか馴染みのある小学校の各種設備の中で熟成中のウイスキー。自分の小学校時代を思い出す懐かしさだけでない、ウイスキーに対する興味や高揚感、言葉で表せない不思議な感覚が湧き上がってくる。
※AZAI FACTORYでの見学、ブレンド後は、長濱蒸溜所の見学と併設レストランでの食事。小規模であるため見学自体は小一時間で終了するが、食事は出来立て地ビールや長濱ハイボールと近江牛等を使った地元メニューで、通常訪問時でもついつい長居してしまう。
■長濱ブレンディングセミナーについて
これまで長濱蒸溜所は、現地以外に東京やオンラインでもブレンドセミナーを開催してきました。
なぜ長濱がブレンドかというと、同社のブレンデッドモルトウイスキーのAMAHAGANは、元々ブレンドの技術やノウハウを得るためにと位置付けられて発売されたところ。
様々なブレンドにトライし、リリースを重ねるうちに世界的なコンペでも評価され、まさに看板商品にもなったわけですが、そうした経緯からブレンドの可能性や面白さをもっと知ってほしい、そのためには実際に経験してもらうのが一番と考えたからなんですよね。
今回の記事はむしろこちらがメイン。過去のブレンディングセミナーの様子をまとめ、セミナーがどんなイメージで行われるのか、そしてどのようなウイスキーが出来るのかを紹介していきます。
※ご参考:自分のウイスキー仲間2名も、長濱ブレンドセミナーの記事や動画をUPしています。
ブログ:長濱蒸溜所のブレンド体験セミナーへ参加してきました @K67
https://k67malts.wordpress.com/2022/01/24/nagahama_blend_semi/
動画:ウイスキーのブレンド体験してきた【長濱ウイスキーラボ】@ランプちゃん
https://youtu.be/KlUGlm9WfEY
長浜ウイスキーラボでのブレンディングセミナーは、同蒸留所の屋久ブレンダーが講師となって、蒸留所側で用意した6種類の原酒を使ったブレンドを実体験するだけでなく、作成したブレンドはお土産として持ち帰って楽しむことが出来ます。
セミナーでの基本的な原酒構成は、
・ハイランドモルト5年(ノンピート)
・ハイランドモルト8年(ノンピート)
・ハイランドモルト8年(ピーテッド)
・スコッチグレーン
ここに、長濱蒸溜所のモルト原酒(ワイン樽やシェリー樽など)と、その日のスペシャルウイスキーが1つ加わって、6種類の原酒が準備されています。
スペシャルウイスキーは何が出てくるのかわかりませんが、自分の時は約30年熟成のスコッチウイスキー。他には1982年蒸留のグレーンウイスキー等もあったようです。
ブレンドするためには、そしてどんなレシピを作るかを考えるには、まず各原酒の個性を知らなければなりません。
セミナーの初めは、屋久ブレンダーからの説明を聞きつつ、用意されている各原酒をテイスティングするところから始まります。少量といっても6種類ありますので、この時点で飲みすぎないように注意です。なぜなら、この後ブレンドが始まると、試作品の確認としてさらに飲むことになるからです(笑)。
一通り試飲が終わったら、配られているスポイトを使ってグラスから原酒を吸い取って、自分のイメージするブレンドを作っていきます。(足りなくなった原酒は、その都度足してもらえます)
ウイスキー原酒には、混ざりやすい原酒、混ざりにくい原酒、その個性によって様々なタイプがあります。長濱蒸溜所が用意している原酒は比較的混ざりやすいモノが多く、難易度としては入門向けに抑えられていると言えますが、それでも基本は抑えないと取っ散らかったブレンドが出来てしまいます。
その基本はセミナーで屋久ブレンダーから説明があると思いますので、ここでは省略しますが、他にも味に深みや奥行きを出すためには、同じ方向の香味の原酒だけではなく、あえて真逆の香味のモノを少量使ってみるとか、グレーンウイスキーについてもその熟成感と香味に応じて使う量を調整したりとか。。。
例えば、ピートが苦手だからと、フルーティー系の原酒だけで仕上げようとするより、ほんの少しだけピート原酒を加えたほうが、フルーティーさが引き立ったり。モルティーなウイスキーを作ろうとする場合でも、100%モルトにするより、5~10%はグレーンを使ったほうが、口当たりの滑らかさと香味の膨らみがギャップとなって、逆に味わい深いウイスキーに仕上がるのです。
6種類の原酒でのブレンドでも、組み合わせはとてつもない数となります。きっと夢中になって作って飲んでを繰り返した結果、ウイスキーが出来上がるのが先か、自分が出来上がるのが先か、そんな状況になるんじゃないかと思います。
冒頭書いたように、ブレンディングセミナーの最後は、作成した自分のレシピでお土産用のブレンドを作ってもらうことが出来ます。
ブレンドしたばかりのウイスキーは完全には馴染んでおらず、日を置いて飲んでみると、また違った表情を見せてくれるのがブレンドの奥深さであり、難しさでもあります。そこまで経験して、セミナーが完了するとも言えますね。
そして過去には、セミナーで参加者が作ったレシピをベースにしたウェビナーエディションがAMAHAGANからリリースさたりもしましたが、作成したウイスキーを参加者同士で交換してみると更に面白さが広がります。
私も上述の知人2名と、自分の作品を交換してテイスティングしてみました。
K67さんはモルティーでバランス寄りのブレンドだけど、ピートの扱いに苦労したんだろうなーとか。ランプさんはマイルドでメロー、随分グレーン寄りのブレンドにしたんだなとか。単に味わいだけでなく、原酒や工程を知っているからこそイメージできる景色があります。
イベント参加にあたっては小瓶を用意しておいて、懇親会で知り合った方々とブレンド交換をしてみるのも良いかもしれません。
今回の記事は、別に長濱蒸溜所から依頼を受けて書ているわけではなく、純粋にこの企画が楽しいと感じての紹介になります。
最近は各種シングルモルトのリリースに加え、キリンの陸など、ブレンドに必要なハイプルーフの原酒が手に入りやすくなりました。ウイスキーの楽しみ方はもっと自由であっていいと、度々ブログやツイッターで発信してきた自分としては追い風を感じる状況ですが、その楽しみ方の1つ、ブレンドについて学べるセミナーは貴重な機会です。
今回のイベントでは、日々進化を続ける長濱蒸溜所について知ることが出来るのは勿論、ウイスキーそのものについても、ブレンドの奥深さを経験して新しい楽しみ方を見つけることが出来ると期待しています。
視野が広がるというと大げさかもしれませんが、きっとウイスキーライフの充実に一役買ってくれると思いますよ!