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カテゴリ:スペイバーン

スペイバーン21年 (1977-1999) 62.2% オフィシャルボトル

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9月1日からは、怒濤のジャパニーズ強化週間でした・・・。
我ながらやりたいことをやりきった感があり、 若干燃え尽きています。
(後で体裁は一部整えますが…。)
読者の皆様、お付き合い頂きましてありがとうございました。

しかしその間にも、 ウイスキー仲間からブラインドテイスティングとして大量のサンプ ルが届いたり、 いくつかの借りたボトルはUP待ちだったり。10月、12月にはテイスティング会を開催するべく動いてもいます。
ひたすらに琥珀色の生活ですね。

今日はウイスキー仲間のHP氏から挑まれている、ブラインドテイスティングからUP していきます。
オフィシャル、ボトラーズなんでもありなブラインド。 基本的にノーヒントです。


SPEYBURN
Aged 21 years
Dsitilled 1977
Bottled 1999
700ml 62.2%

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【ブラインドテイスティング回答】
蒸留:1970年代中頃~後期
熟成:20~25年
度数:55~60%
樽:リフィルシェリー
地域:スペイサイド
予想蒸留所:グレンダラン

評価:★★★★★★(6)

香り:ハイプルーフでトーンの高い香り立ち、麦芽、林檎、微かなハーブ、白木、奥には蜜のような甘さも感じられる。少量加水するとエステリーな華やかさが前に出てくるだけでなく、麦感も豊富で充実している。

味:口当たりはヒリヒリとした度数の高さから来るアタック、微かな植物質を伴う乾いた木材のフレーバー。ボディはそれほど厚くなくミディアム程度。
そこから蜂蜜、麦芽、ドライアプリコット、余韻は舌に刺激を伴うメンソールの爽やかさと、べたつかない高い甘さ。少量加水すると林檎やナッツ、微かに土っぽいピートも。

クリーンでトーンが高く、あまり樽感を感じない。度数も高いため、ともすれば10年クラスの若いモルトのようなアタックを感じるが、テクスチャーは丸みを帯びていて奥には蜜っぽい甘さもある。 プレーンなタイプの熟成感だ。
おそらくリフィルシェリーなど樽感の出にくい樽で20年程度の熟成、カスクストレングスでは無いかと推測。


第一問目、正解はオフィシャル21年のカスクストレングス、 スペイバーン21年でした。
飲んでいて思い浮かんだボトルは、 レアモルトシリーズのグレンダラン26年(1978-2004)
スペイバーンのこのボトルも候補にあり第二候補的に記載しましたが、 印象が強かったダランで回答しました。
それくらいレアモルト味というか、樽感がニュートラル、 プレーンで、 そこに麦芽風味とハーブや青林檎系の爽やかなフレーバーでもあっ たんですよね。
地域的にもビンテージ的にもほぼ正解に落とし込めたので、 自分的にこのブラインドは良しとしますw

先日スペイバーン1973の記事で丁度コメントも頂いてましたし、こうして飲めて良かったです。
60年代や70年代前半に比べると果実味には乏しい印象ですが、70年代後半らしい麦芽風味で、良い復習にもなりました。
発売当時は1万円くらいで販売されていて・・・じつはつい先日まで楽天に売れ残っていたのがこのボトルです。

このボトルはロットやビンテージ違いでシェリー感にかなり差があり、今回のように色が薄いものもあれば、どろり濃厚なタイプもある。またハイプルーフだけでなく、43%加水タイプもあったり。
全てに共通するのはゴミ箱のような外箱が邪魔ということくらい(笑)。
まぁ販売された1999年頃といえば、60年代のスコッチモルトがバンバンでていた時代。 
いくらオフィシャルとはいえこれじゃあ太刀打ち出来なかったでしょうけれど、 今の時代で考えてみれば充分買いなボトルだと思います。

スペイバーン27年 1973年蒸留 リミテッドエディション

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今飲んでおくべきウイスキーは何か。
先日いつもブログを見て頂いている方から、「これはというオススメがあれば教えてほしい」としてコメントを頂きました。
丁度良いので、オススメボトルまとめ「現行品Ver」「無差別級Ver」を作ろうと書き出していますが、少々時間がかっており、まずは前置きとして自分が「良いと考えるウイスキー」に共通する要素を味わえるようなボトルを紹介します。

SPEYBURN
Limited edition
Aged 27 years
Distilled in 1973
(Bottled 2000)
700ml 46%

暫定評価:★★★★★★(6-7)

香り:華やかでドライなオーク香、燻した麦芽の柔らい風味とスモーキーさ。エステリーで蜜入りリンゴ、アロエ、品の良いフルーツ感。

味:香り同様の構成だが、それ以上にリッチな麦芽風味と甘酸っぱいフルーティーなフレーバーが感じられる。ナッツ、アプリコット、リンゴ、蜂蜜、中間から後半にかけて徐々にピートが盛り上がってくる。
長期熟成らしく上質なテクスチャーで口当たりはなめらか、フレーバーはしっかり感じられるがボディーの線は細い。
フィニッシュはほどよくドライでオーキー、柔らかいスモーキーフレーバーを伴い長く続く。

先日のトーモアじゃないですが、なんとも王道的かつ古典的なスペイサイドの長熟モルトという味わい。
少々線は細いですが、華やかで強めの樽感に対して酒質のバランスが取れており、フルーティーな中に柔らかいピートフレーバーもある。綺麗にまとまっている感じです。
個人的にはかなりストライクな味わいで、これで50%加水でリリースされていたら・・・もっと高い評価を受けたんじゃないかと。もちろんこの仕様でも、多くの飲み手が素直に旨いと言えるところにまとまっています。
これが今日のお題である「オススメウイスキー」にどう絡んでくるかというと、このボトルを探して飲んで頂くのも勿論アリですが、それ以上に原料由来の味わいとビンテージとの関係です。


ここ半世紀の中でスコッチモルトウイスキーの黄金期は1960年代蒸留です。この時代は末期を除けば世界的に経済が安定しており、製造現場も樽、製造方法、麦の品種として3要素が全て噛み合っていました。伝説的なボトルも数多くリリースされています。
しかし1970年代に入ると、生み出されるモルトウイスキーの酒質、コクが弱くなっていき、長期的にには樽由来のフレーバーに押しつぶされてしまう"樽負け"するボトルが目立ちはじめ。1980年代、1990年代では大半の蒸留所がキャラクターが変わった、酒質として弱くなったと言わざるを得ない状況になっています。
こうしたボトルの特徴は、口に入れた瞬間はパッと樽系のフレーバーが広がるものの、後半にかけて広がりが無く木材をしゃぶっているような味。特にスペイサイドは75年前後くらいからその変化が顕著であり、ビンテージを追う毎に味が変わっていきます。

この原因の一つに考えられるのが、麦芽品種の切り替えです。
最近各蒸留所が古代種麦芽に拘ったリリースを出しているように、効率化を求めて麦芽の品種改良を続けた結果、原酒そのものから複雑さ、コクが無くなっていったというもの。
1960年代~70年代は、ちょうどゼファー種からゴールデンプロミス種への切り替え時期にあります。スコットランド全土の農家が一度に栽培する品種を変えるとは思えませんので、ある農家は1968年から切り替え、ある農家は1970年、またある農家は1973年から切り替え、なんて形なんじゃないかと思います。
元々アバウトな気質に加えてさらにおおらかな時代です。この時期は多くの蒸留所でゼファー種とゴールデンプロミス種の混合で原酒が仕込まれることになり、徐々にゴールデンプロミス種の比率が増えていった結果が、上述の味の変化に繋がる一因となったと推測しています。

しかし逆に言えば、1970年代前半は、ギリギリ黄金期の名残を残しているとも言えます。実際旨いボトルも多いですし。
こうしたビンテージを飲んでみようにも、近年リリースで1960年代、1970年代初期が手頃な価格でリリースされることはまず無く、あっても過熟に近い状態です。とすると5~20年くらい前にリリースされたボトルをBARで飲むか、あるいは酒屋やオークションを巡るかという選択肢が現実的です。
狙い目は、1970年代前半蒸留のマイナー蒸留所や、蒸留所不定のバッテッドモルト。
今回のスペイバーンも、去年12月頃にネット店舗(河内屋)に残っていた在庫を購入したものです。
何本残っていたのかはわかりませんが、 10本以上はあったんじゃないかと思います。
写真に写るバルメナック1972も同時期に某酒屋で購入したもので、他にも最近当時価格で購入しているモルトもあります。都内でこれですから、黄金期の片鱗を味わえるボトルはまだ見つかるはずです。


こうしたボトルをチェックしているのは何も自分だけではなく、一時期のオールドボトル発掘ブームのごとく最後の一滴状態。
脚を使うか偶然の出会いか、見つけたら是非買うべき、飲んでおくべきというのは、こういうスペックのボトルが筆頭かなと感じ、日々酒屋をウォッチしています。

※最近中華系の詐欺サイトが増えています。ネットで探す際はくれぐれもご注意ください。
判別方法は、以下です。
・アドレスの意味が酒と無縁。
・送料無料、10%OFFなど過剰な安売り。
・写真が他のショップからの流用。
・代引きやカードが使えない。

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