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カテゴリ:ロイヤルブラックラ

ロイヤルブラックラ 16年 1980年代流通 57% ゼニスインポート

カテゴリ:
ROYAL BRACKLA
Years 16 Old
Pure highland malt whisky
1970-1980's Zenith Import
750ml 57%

グラス:国際規格テイスティンググラス
場所:BAR飲み@サンドリエ
時期:不明
評価:★★★★★★★(7)

香り:おしろい系の麦芽香から、カステラや古酒感のあるオーク、林檎のコンポートの品のいい甘みを感じる。厚みがしっかりあり、ボリュームのあるアロマだが、ドライでアルコールのアタックも伴う。

味:アタックはパワフルでコシのある麦芽風味、蜂蜜、ほのかのアプリコットや白ぶどうを思わせる果実味も感じる。
徐々にスパイシーでピリッとしたホワイトペッパー、ドライでハイトーンなウッディさと、それを包み込むような麦芽風味が長く続く。

プレーンな構成だが、酒質由来の香味が強く飲みごたえのある1杯。ストレートでも充分特徴は拾えるが、加水すると柔らかい麦芽風味がさらに広がり、コクも感じやすい。純粋に麦の味わいを満喫出来る美味いウイスキー。


ロイヤルの名を持つ3蒸留所のうちの一つにして、デュワーズの構成原酒である蒸留所。現在はラストグレートモルトとしてオフィシャルボトルが複数リリースされていますが、そのオールドボトルの代表格と言える一本が、ゼニス向けのロイヤルブラックラ16年ハイプルーフです。

このボトルの素晴らしさは、なんといっても飾らないハイランドらしいモルティーさを堪能出来ること。
使われた原酒の時代的には、ロイヤルブラックラが大規模な改修工事を行う1965年よりも前あたり。この工事によって蒸留方式が直火から間接加熱方式に変更されているなど、蒸留所として大きな変更があったわけですが、仕込みに使われる麦芽品種も当時はゼファー種真っ只中の時代です。

70年代後半から1985年の閉鎖前、あるいは再稼働後の近年の酒質の方向性は、ハイランド的なそれで大きく違わないように感じるものの、当然コクと麦芽風味の強さは時代ごとに異なり、やはりこの時代の原酒のそれは得難い香味が備わっています。
また、度数的にリリース当時はもっとパワフルで力強かったと思いますが、30年を越える瓶内変化で落ち着いてきて飲み頃になってきているのではないかと。
過去何度か飲んでいるボトルで、久しぶりのテイスティングでしたが、いい状態のものを頂けて大満足です。


余談ですが、ロイヤルブラックラ、ロイヤルロッホナガー、そしてグレンユーリーロイヤルの認可3蒸留所は、今にしてその酒質を考えると、多少差はあれどプレーンで癖が少なく、スモーキーさもあまり強くない、良く言えば上品なモルティーさという特徴が共通して感じられます。
これらの蒸留所がロイヤルの名を冠した背景は、酒質が評価されたというより、それぞれ別な理由があって偶然ではあるのですが、当時のブレンデッドウイスキーが求めていた原酒の傾向も少なからず影響しているのではないかとも思うのです。

ロイヤルブラックラ 1979年蒸留 キングスバリー 岡本行夫 プライベートボトル

カテゴリ:


ROYAL BRACKLA
Kingsbury
Aged 18 years
Distilled 1979
Bottled 1998
Private bottled by Yukio Okamoto
700ml 62.3%
評価:★★★★★★(6)

香り:トーンの高い甘さ、和三盆、麦芽風味、レモングラス、微かにオレンジピール。
基本的にはエッジの鋭い麦芽風味主体で、鼻腔を強く刺激する。

味:粘性のある麦芽風味、ハイプルーフらしくパワフルでスパイシー。甘みの少ない洋梨、金平糖、ほのかなヒネ感。ニュートラルな酒質で非常に純粋な味わいだが未熟感など嫌味な部分はない。
フィニッシュはトーンの高い甘さ、鋭いエッジ、微かにレモンの香味が混じる爽やかな余韻。 


元外交官(現在は外交評論家)の岡本行夫氏が詰めたプライベートボトル。
中身はキングスバリーからリリースされたロイヤルブラックラ18年と推定。リリースの一部を先行して買い付けてオリジナルボトルとしたのでしょう。
ラベルに使われている海中写真は、同氏が毎年ダイビングと撮影を行っているというエジプトの紅海ではないかと思われます。
岡本氏の経歴や活動についてはググっていただければと思いますが、1990年代に個人でこうしたボトリングを行っている、それもロイヤルブラックラなどと国内ではマイナーな部類に入る蒸留所を出しているというのは、驚きの一言です。

味については、一言でレアモルト味。
樽感が非常にプレーンで、適度なボディと高度数からくるエッジの鋭い麦芽風味が主体。ニューポット系の要素があるわけではなく、度数高いまま麦感だけ残し、若さにリンクするフレーバーはそぎ落としてある、そんな印象です。
こういう味のボトルでスティック使ったり、チビ樽で熟成させたら美味しくなるだろうなと思います。ブレンドの際にも使い易そうな、
まさに白紙のキャンバスです。

ロイヤルブラックラは過去にもリリースがありましたが、全般個性は強くなく、微かに柑橘風味を伴う麦芽風味主体のハイランドモルトというのが個人的な印象。
シェリー樽が使われたリリースでは、 もはや原酒の個性はどこへやら。
その点でこのボトルはロイヤルブラックラらしさのあるボトルとも 言えます。
最近新しいオフィシャルリリースが復活したようですが、こうした特に個性のない蒸留所をどのように仕上げてきたのか気になります。

実はこのボトル、開けたては味も香りも特徴のない、とにかくプレーンな味わいで、エッジの鋭さだけが際立っているようなボトルでした。
これはアカンわーと早々に見切りをつけて、そして知人に押し付けていたんです。飲みたい人が居たら飲ませたってくれと。それがこういう原酒こそウチで熟成させてる樽に入れたら面白いんじゃないかと思いつき、回収してきたわけです。
開封して3年、バリカタだった味わいは適度にこなれて、久しぶりに飲むとこれはこれで良いじゃないかと思えるレベル。
今回はじっくりと付き合ってみようと思います。

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