シングルモルト 笛吹峡 25年 1983年蒸留 カスクストレングス 64% ブラインド
SINGLE MALT USUIKYO
MONDE SHUZO
CASK STRENGTH
Aged 25 years
Distilled 1983
700ml 64%
【ブラインドテイスティング回答】
地域:ジャパニーズ(クラフト系)
蒸留所or銘柄:笛吹峡
熟成年数:20年程度
樽:リチャードシェリー
度数:60%程度
暫定評価:★★★(3)
香り:焦げたゴムや木材、焚火の煙、タールのような強いクセのあるアロマ。スワリングしているとほのかにエステリー、カラメルソースのような甘みも感じるが総じて癖が強い。
味:ピリピリとスパイシー、強く燻した樽材、タール、輪ゴムを口の中に入れているよう。樽のアクが強い。
余韻はビターでハイトーン。口内の水分が揮発し、焦げた木材とゴムっぽさ、鰹節のような味わいが強く残る。
非常に個性的。ゴム系の風味が強く、正直真っ当な作り方や貯蔵環境で熟成されていないのではないかと感じる。例えばモンデ酒造の笛吹郷。あるいはモンデから売り出されて店頭で量り売りされた出所不明ウイスキー。
ウイスキー仲間のYさんからのブラインド出題。
ネットを調べるだけで、賛否両論において否のほうが圧倒的に多く見られるボトルで、焦げたゴムのような味がするという個性で知られる謎のシングルモルト。
このボトルそのものを私は飲んだことがなかったのですが、モンデ酒造は笛吹峡ブランド以外に、量り売りのリカーショップに樽で原酒を卸していたため、名称不明のシングルモルトとして過去2回ほど飲んだことがありました。
それは日本的な強い樽要素に、荒さの残る酒質。まさに焦げたゴムという表現がしっくりくる極めて個性的な味わいなのです。
そんなわけで、今回のブラインドは感じられた全ての要素が、モンデ酒造がリリースしていたシングルモルトウイスキーのそれを指していました。
というか、量り売りされていたものより、問題の個性がさらにパワーアップしていて、30ml飲みきった後しばらく口の中に残り続ける持続力・・・。写真のタグに書いてある"コメント"を書いた方も好みはあろうと思うのですが、ちょっとこれは。
飲んでいて感じたのは、おそらくこの原酒は銅のスチルで蒸留されていないのではないかということと、樽の処理が悪いということ、そして気温の高い環境で熟成されているということ。
樽に関しては、例えばシェリーやワインの空き樽をリチャーし、灰汁抜きをしないまま原酒を詰めたのではないか。
モンデ酒造のシングルモルトは、輸入原酒バージョンもあって、それにも同様の樽感が出ていた記憶があります。
なんていうか、熟成させれば良いってわけじゃないんだぞと言う感想を強く持ちました。
とりあえず飲めてよかったです。
そしてこの味わいは、良くも悪くも一生忘れないことでしょう(笑)。