ローズバンク 11年 1980-1992 ケイデンヘッド 150周年記念 60.1%
ROSEBANK
CADENHEAD'S
AUTHENTIC COLLECTION
150th Anniversary Bottling
Aged 11 years
Distilled 1980
Bottled 1992
700ml 60.1%
グラス:木村硝子テイスティンググラス
時期:開封後1ヶ月程度
場所:KuMC@NYさん
暫定評価:★★★★★★★(7)
味:スパイシーで強いアタック。ドライベリー、チョコレートや黒砂糖、微かに青みがかったウッディネス。舌へのアタックは強く、ヒリヒリとした刺激が樽由来の甘みの後に続く。
余韻は程よくドライでビターだが、それ以上にハイトーンで強いキレ上がり。
良質なシェリー樽で圧殺した原酒。とはいえ、比較的若いうちにボトリングしたためか、シェリー感はリッチだが蒸留所の個性と言えるアタックの強さも残っている。少量加水すると多少樽と酒質の距離が縮まって一体感が増すものの余韻のキレは残る。
ボトラーズメーカーのケイデンヘッドが創業150周年を記念してリリースしていたオーセンティックコレクションシリーズの一つ。
同社からは昨年、175周年として様々なリリースが行われていましたが、この150周年のラインナップは長熟至上主義ではないというか、スコッチモルトでは70年代から80年蒸留で10〜20年熟成というマニアが唆るようなスペックが主体。
50年熟成近い不思議な味のタラモアとかも一部ありましたが。それこそこの時期なら60年代の原酒はまだまだ手に入る中で、原酒が潤沢だったというか、手探りだったというか、ウイスキー業界をにおける"時代"を感じる部分でもあります。
このローズバンクもその例に漏れず、11年熟成という短熟ハイプルーフでのリリース。
テイスティングの通り、3回蒸留原酒の鋭くハイトーンな香味が短熟ゆえに去勢されておらず、ファーストフィルシェリー樽と思しき濃厚な樽感が付与されていながら、それを酒質が突き破ってくるような感覚があり。このリリースの評価は、その若さというか、酒質とのバランスをどう捉えるかが大きいと思います。
自分はローズバンクというと、ちょっとやんちゃでキレの良いクリアな麦芽風味という印象から、このボトルはシェリー感に加えてそのらしさも一部感じられる点が面白いと思いますし、ボトラーズメーカー・ケイデンヘッドの1990年代ごろといえば、グリーンケイデンを筆頭にこういう酒質ピチピチのカスクストレングスが多かったですから、そういうらしさも備わったリリースだと感じています。
今回のボトルは、ウイスキー仲間の定例会、国立モルトクラブでテイスティングさせて頂きました。NYさん、いつも貴重なボトルをありがとうございます!