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カテゴリ:飛騨高山

ウイスキースペース放送 飛騨高山蒸溜所 有巣代表を迎えて 5月22日(日)21時30分~

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以下の日程でウイスキー・スペース放送を実施します。
今回は、岐阜県高山市で廃校を利用した蒸留計画を打ち出し、クラウドファンディングで約3500万円と大きな支援を集めている、飛騨高山蒸溜所(舩坂酒造)について特集していきます。

同蒸留所については、4月4日に記者会見が行われ、プロジェクトチームや蒸留所のロゴ、そして導入される設備については明らかになったところですが、創業者の想いや、どんなウイスキーを作っていきたいのかという点についてはあまり触れられていませんでした。
クラウドファンディングも佳境、いよいよ建設計画も本格的に動き出す今。これまでの流れを振り返ると共に、飛騨高山蒸溜所についてその中心人物2名をゲストに迎え、対談していきます!


OKIBA -ON AIR- 7th 
日時:5月22日(日)21時30分~


ホスト:https://twitter.com/WarehouseWhisky
ゲスト:
・飛騨高山蒸溜所(舩坂酒造)代表 有巣 弘城  
・T&T TOYAMA 代表 & 三郎丸蒸留所(若鶴酒造)マネージャー 稲垣 貴彦

放送URL:https://twitter.com/i/spaces/1PlJQayMMyvJE?s=20
※時間になるとルームに入場できます。
※Twitterアプリをインストールし、そちらで開くと確実です。
※今回の放送は、アーカイブ放送として30日間録音データが保存されます。
上記URLを開くことで、繰り返し再生することが可能です。聞き逃した方は是非ご活用ください。

■放送内容:
・飛騨高山蒸溜所建設計画の現在地、クラウドファンディングの状況、これまでの振り返り。
・そもそも蒸留所代表である「有巣弘城さん」って何者なんだろう。
・舩坂酒造が作ってる日本酒は?
・岐阜県高山市(飛騨高山)ってどんなとこ、何が有名。
・有巣代表が作りたいウイスキーとは、今後の計画は。
・リスナーからの質問受付、回答。

※放送中に質問を受け付けています。ホストアカウントまでDMでご連絡ください。


■関連記事
・クラウドファンディング受付ページ:https://www.makuake.com/project/whisky-hida/
・当ブログ特集記事:https://whiskywarehouse.blog.jp/archives/1080181454.html


■参考資料
スペース放送と合わせてご確認ください。

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※クラウドファンディングと蒸溜所建設計画告知記事。現時点で3450万、いよいよセカンドゴールが見えて来た。

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4月4日に行われた記者会見、プロジェクトメンバー:関連記事はこちら

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※飛騨高山蒸溜所を操業する、船坂酒造。大吟醸四つ星など、今や品評会受賞常連となった銘柄は、有巣さんが着任された後でリリースされたもの。

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※飛騨高山の街並みとオススメ?グルメ。

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※蒸溜所建設が予定されている旧高根小学校後者と、建設イメージ。

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※クラウドファンディングのネクストゴール(3500万円)達成で復活を掲げる、高根小学校の桜並木。


ー以下、次回予告ー
スペース配信日:5月25日(水)21:30〜

この配信から3日後ですが、嘉之助蒸溜所 小正代表を招いてスペース放送を行います!
最近発表されたいくつかのリリース、あるいはディアジオとの提携、稼働から5年目を迎えて酒質や熟成環境として最初のピークを迎えつつある同蒸留所について、詳しい話を伺います!

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飛騨高山蒸溜所 ロゴとプロジェクト体制を発表 クラファンはネクストゴールへ

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2022年3月25日、クラウドファンディングの立ち上げと共に、廃校を活用したウイスキー蒸留計画を本格的に始動させた岐阜県、舩坂酒造・飛騨高山蒸溜所。
クラウドファンディングは1日経たずに目標金額を達成し、約1週間で2000万円以上を集めなお支援が集まり続けている状況。そんな中、蒸留所予定地である旧高根小学校で、蒸留所のロゴの発表とプロジェクトチームメンバーによる記者会見が行われ、更に話題となっています。

※記者会見の様子はこちら(Youtube Live配信のアーカイブ)
https://www.youtube.com/watch?v=_Geu9vUb4SM

記者会見にはプロジェクトメンバーに加え、高山市長、旧高根小学校の校長先生ら学校関係者も参加されており、特に校長先生の気持ちがこもったお話は、LIVEで聞いていて思わず込み上げてくるものがありました。
会見の様子は上記URL先でアーカイブを視聴することが出来ますので、本記事で興味を持たれた方は是非ご参照ください。




■蒸留所のロゴについて
蒸留所のロゴは、東京オリンピック・パラリンピック2020のロゴを作成した野老朝雄氏が手掛け、注目を集めました。
ロゴデザインは、飛騨の”飛”をベースに、地元や世界との繋がりをイメージされたとのこと。また、将棋の駒である飛車としての意味もあり、縦横に動く駒による”繋がり”、勢いのある様や、将来的には竜と成って世界に羽ばたいてほしい、そんな意味も込められているそうです。

蒸留所のロゴはまさに蒸留所の顔です。
しっかりとコンセプトを込めて作る必要があるのはわかりますが、それにしてもすごい人に依頼したなと思ったのは私だけではないと思います。
有巣社長曰く、「たまたま知り合いだった」とのことですが、後述するプロジェクトメンバーにしても、はいよろしくと組める人達ではありません。それだけ、このプロジェクトが時間をかけて組成され、綿密な計画の元で動いていることがわかります。

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hida_distillery_logo2


■飛騨高山蒸溜所プロジェクトメンバー


・プロジェクト実行者:有巣弘城(舩坂酒造)

・ロゴデザイン担当:野老朝雄

・製造顧問:鬼頭英明(元富士御殿場蒸留所チーフブレンダー、現五島つばき蒸溜所)

・総合アドバイザー:稲垣貴彦(若鶴酒造、三郎丸蒸留所)

・海外及びデジタル戦略(EC):中山雄介(元Amazon、楽天、現合同会社オープンゲートCEO)

・蒸溜所設計兼クリエイティブディレクター:平本知樹(株式会社woo 代表、空間デザイン専門家)

・販売兼マーケティングアドバイザー:下野孔明(T&T TOYAMA、モルトヤマ)

・蒸溜器製造:老子祥平(老子製作所)

※製造スタッフは、有巣さんを中心とした舩坂酒造のメンバーが担当します。

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いやぁ、どうですかこれ。
経験者や人材の限られたウイスキー業界において、ここまでスペシャリストを集めた立ち上げは前例がないと思います。
また、ここに記載されていない協力者も複数あります。地元の繋がりで言えば、例えばクラウドファンディングで木桶発酵槽のネーミングライツを購入した某地元企業など、更に広がります。その期待は、クラファンのリターンで実績のある三郎丸原酒のカスクオーナーより、まだ設備もない飛騨高山蒸溜所のほうに応募が集まったことからも明らかです。

ウイスキーは製造にかかるノウハウがある程度公開されており、外注した設備の導入が行われれば原酒を造ることは出来る状況にあります(勿論その出来の良し悪しはありますが)。しかし問題はそこから先で、それを管理し、ブレンドし、製品として国内外に販売していかなければなりません。

おそらく今後、多くのクラフト蒸留所で製造→販売→消費に至るまでの間にある”死の谷”を越えられるかが課題になってくるわけですが、それは現時点で事業化計画としてどれだけ明確なプランを打ち出せているか。具体的な体制が作れているかが重要になります。
その点、飛騨高山蒸溜所の体制は他のクラフトに比べて強力過ぎて、記者会見を見なければ現実味が無いとも思えてしまうほどです。改めて、有巣社長の人脈というか、繋がりの強さを感じた記者会見となりました。

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記者会見中は関連する質問が無く、どのようなウイスキーを目指すのかという点が深堀りされませんでした。個人的に伺ったところ、ZEMONの特徴を活かした、ふくよかでフルーティーなウイスキーを造っていきたいとのこと。
また、自分自身の力だけでなく、地元やプロジェクトメンバーの力を合わせて、飛騨高山から世界へ発信していけるようなウイスキーを造れればと、語られていたのが印象的でした。

飛騨高山蒸溜所は、その強力な体制に反して将来的に目指すウイスキーのビジョンが、他のクラフト蒸留所に比べると控えめなのかもしれません。例えば、三郎丸蒸留所のようにアードベッグ1974を目指すとか、厚岸蒸溜所のアイラモルト、あるいは嘉之助蒸留所の焼酎樽を用いた独自の個性とかですね。

ですが蒸留所予定地となっている旧高根小学校周辺の緑豊かな土地と、豊富で綺麗な水、秘境という言葉がしっくりくる場所は、熟成環境としても適しているように感じます。
何より、舩坂酒造の醸造に関する技術に加え、製造、ブレンド、販売において実績のある方々が加わったこの蒸留所が造るウイスキーは、間違いないだろうと確信すら覚えます。
じっくり焦らず、ウイスキーが熟成するのを待つように、この蒸留所が稼働し、原酒が生み出され、それと共にブランドが育っていくのも一つの形なのかなと思えてきます。

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※飛騨高山蒸溜所のクラウドファンディングが発表された3月25日は、15年前に旧高根小学校が閉校した翌日だった。止まっていた時間が動き出す、その一助となれたことがとても誇らしい。


■クラウドファンディングのネクストゴール
以上のように、蒸留所としての体制を発表した飛騨高山蒸溜所ですが、合わせてクラウドファンディングにおけるネクストゴール(3500万円で達成)を発表されています。
それが、同校庭(蒸溜所敷地内)に、桜並木を復活させるというものです。

※飛騨高山蒸溜所 クラウドファンディングページ
https://www.makuake.com/project/whisky-hida/

蒸留所となる旧高根小学校敷地内にはかつては多くの桜が植えられており、春になると満開の桜が子供たちを迎えていたそうです。現在その桜は学校前にかかる橋の建て替え工事に伴って無くなってしまっており、資料として写真が残されているのみ。これをもう一度復活させたいという、なんともクラファンらしい取り組みが計画されています。

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そんなのウイスキーと関係ないやん、と思われるかもしれませんが、飛騨高山蒸溜所ではウイスキーの蒸留だけでなく、校庭を活用したキャンプやアウトドア等、蒸留所そのものを体験型として、ウイスキーだけでなく飛騨高山の環境を楽しむことをコンセプトに設定しています。
流石にキャンプをする夏に桜の花はありませんが、同地域で桜が咲く5月頃に、花と新緑を愛でながら蒸溜所で熟成したウイスキーを1杯なんて最高ですよね。

なにより、同蒸留所のウイスキー事業は地域に活力を与えること、地域のプライドとなるブランドを創出することを目標としています。であるならば、その第一歩として、失われた桜の木が再びこの地に復活するというのは、心情的にも後押しとなる取り組みだと感じます。

現在の支援額は約3100万円(当記事公開時)。その主たるリターンの1つとして当初予定していた一口カスクオーナー制度は、応募が殺到したことで追加に追加を重ね、第3弾にまでなりました。
有巣社長に伺ったところ、もうこれ以上の追加はないそうです。
地元の期待を背にして、愛好家の期待にも後押しされ、動き出す飛騨高山蒸溜所のウイスキー事業。一応援者として、そしてクラウドファンディングの支援者として、その想いが形になる日が待ち遠しいです。


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※蒸留所となる旧高根小学校に残されている、当時の生徒たちによるお別れの落書き。これらは改修工事においては保護し、蒸留所となった後も残していくとのこと。

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※蒸留所の裏手、山から流れ出ている伏流水。高山市内を流れる清流も美しく、この豊かな水を使ってウイスキー造りは行われる。

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※高山の街並みと飛騨高山蒸溜所を創業する舩坂酒造。こちらは高山市内にあり、アクセスも良い。歴史を感じさせる外観、有巣社長の手により様々な商品開発や見学設備が整えられており、蒸留所見学と合わせて訪れたい。

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※ 舩坂酒造の代表的な銘柄である大吟醸 四ツ星
綺麗で洗練された品の良い香り。白色系果実の華やかさ、穏やかな酸。軽く程よい粘性が舌にからみ、雑味の無い旨みを感じるすっきりとした余韻。造り手自信の一本という評価も納得。

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※舩坂酒造、飛騨高山蒸溜所を操業するアリスグループは、高山市内に2軒の旅館を経営している。本陣平野屋花兆庵、本陣平野屋別館。どちらも気持ちのこもったおもてなしが素晴らしいと評判。蒸溜所見学の際は合わせて利用してみては。

飛騨高山蒸溜所の挑戦 ~クラフトウイスキーで狙う地域産業と観光業活性化~

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岐阜県高山市、いわゆる飛騨高山と呼ばれ、知られる地域に、岐阜県初の蒸留所建設計画が始動しました。
同計画の開始にあたり、クラウドファンディングが3月25日から開始。リターンには酵母別のニューメイクや、1口カスクオーナー等、魅力的なプランがあり、目標額は開始から数分で達成。ロケットスタートを決めて、今なお伸び続けている状態にあります。(ブログ公開時点で約1600万円)

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クラウドファンディングページ:
https://www.makuake.com/project/whisky-hida/


飛騨高山蒸溜所については、そのオーナーとなる舩坂酒造の有巣社長と以前から繋がりがあり、今回の計画についても事前に伺っていたところ。クラファンの実施に当たっては、応援コメントを含めてちょっとだけ協力させてもらっていました。

概要だけ列記しますと
・蒸溜所名は飛騨高山蒸溜所。現地にある廃校を改修して蒸溜所とする。
・ウイスキーのタイプはノンピートモルトがメイン。いずれ地元産の麦芽も使用したい。
・蒸留設備は、三郎丸蒸留所に導入されている国産の鋳造ポットスチルZEMON…もとい、製造者である老子製作所が、これまでの稼働データをもとに改修したZEMON(改)を軸とした設備。
・操業にあたってはT&T TOYAMAの稲垣氏と下野氏がコンサルを、そして元キリンのチーフブレンダーだった鬼頭氏が製造をサポートする。
・リニューアルした廃校は、ウイスキー製造のみならず、各種ウイスキー関連の「学び」を得る場として活用する、
・舩坂酒造を傘下とするアリスグループは市内に旅館を2軒営業するなど、旅館業としても現地と繋がりが深く、ウイスキーツアーの充実を狙う。
・高山市とも協力し、クラフトウイスキーによる地域産業の再興も推進する。(クラファンには、高山市長からのコメント有り)


という感じでですね…。
これまでウイスキー関連でのクラウドファンディングは色々ありましたが、ここまで調整されていて、実績と具体性のあるプランは見たことがありません。もし興味のある方は上記リンク先で、詳細を確認頂ければと思います。

有巣さんは自分と同世代、同い年。蒸留所のコンサルティングを手掛けるT&T TOYAMAの2人も同世代なんですが・・・本当に同じ時間を生きてきた人なんだろうかと、複雑な想いも感じてしまいました。
え、これ手を入れるところなんかあるの?と、プラン概要を見て突っ込んでしまったほどです。

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一方で、蒸留所の創業者となる企業については、ウイスキー愛好家の方々にはなじみがないと思うので補足をさせて頂きます。蒸溜所のオーナーとなり、創業者となるのは、同地で200年以上の歴史を持つ酒造「舩坂酒造」と旅館業を営むアリスグループです。

同社は元々高山市で飲食・旅館業を中心としていた企業ですが、代表である有巣氏は、紆余曲折あって2009年から事業承継した舩坂酒造を立て直し、地域の魅力を形成する一つの要素として飛騨高山の日本酒を盛り上げていこうと様々な取り組みを進められてきました。
※当時の詳細については、こちらの特集記事にまとめられています。

そんな中、飛騨高山にもっと魅力と活気のある産業を呼び込みたい。
観光資源の充実はもとより、地元産のモノが世界にから求められるような、飛騨高山のプライドとなる商品を造りたい。
新しいプランを模索していた際、若鶴酒造で三郎丸蒸留所が造るウイスキーに出会い、その可能性に感銘を受けたのだそうです。

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こうして始まったのが、今回の飛騨高山におけるウイスキー蒸留計画となります。
私自身、クラウドファンディングに寄稿させて頂いた応援コメントの通り、今回計画されている内容は実現性が高いと考えています。ZEMONにしても、廃校を用いたウイスキー造りにしても、協力体制が見込める先駆者の存在があり、サポートする人材と自社が持つ観光業等の基盤があり、決して無謀な計画とは思えません。

「ウイスキーは情熱があれば造ることはできる。しかし魅力的な商品を開発し、販路を開拓できるかは別次元の問題である。」というのは某蒸留所社長の言葉ですが、今回はコンサルティングを引き受けているT&T TOYAMAによる市場との繋ぎも期待できるだけでなく、製造面でのサポート体制も充実していると言えます。

また、先に触れたように同社は旅館業も営み、観光業という点で地域と深く関わっています。
モデルケースは秩父でしょうか。魅力的なウイスキーがあり、酒があり、環境があり、観光資源があり、日本中、世界中から人が集まり、地域経済の循環と外部からの流入が起こり、新しい産業が生まれ好循環サイクルにつながる。。。
その期待値は、クラウドファンディングの支援が集まるスピードを見れば明らかです。

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一部の愛好家の間では、既に創業が待ち焦がれる飛騨高山蒸溜所。それは三郎丸での実績から、ZEMONによって造られるまろやかで厚みのある酒質が、ノンピートスタイルでどのようなウイスキーに仕上がるかという期待に加え、同じポットスチル等設備を用いて、異なる環境で造られるウイスキーが、将来両者にもたらす相乗効果も期待されているということでもあります。

作り手の技量としては、舩坂酒造は日本酒業界では高い評価を受ける酒造の1つです。大吟醸四つ星等、同酒造の代表的な銘柄を飲みましたが、流行りの吟醸マシマシあるいはフルーティー系というよりは、雑味も少なく丁寧なつくりが伺える堅実な酒という感じで、高い技量も伺えました。
そしてウイスキー蒸留については、記載の通り心強いサポートが見込めるというのもあります。

こうした諸条件から、体制的にも製法的にも期待できると言える飛騨高山蒸溜所。
現時点でクラウドファンディングのリターンプランは、カスクオーナー制度と、ネタ枠だと思っていた木製発酵槽の名づけプランが24時間経たずに売り切れてしまいましたが、幸いなことに、愛好家向けプランとも言える1口カスクオーナー制度は一定数の枠がある状態です。

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飛騨高山の地は山間にあって、蒸留所が操業する廃校は更に山の奥のダムの傍という、隠れ家的な場所にあります。スコットランドで例えると、スペイサイド地域を思わせるような環境とも言えるわけですが、そこでZEMONで蒸留される厚みのある原酒が、熟成を経ていくことで仕上がる味わいが楽しみであるのは勿論。
今回のプランで面白いと思うのが、舩坂酒造のメンバーが三郎丸蒸留所でウイスキー研修を受けた際に蒸留した原酒を、飛騨高山蒸溜所に移して熟成するというもの。ノンピートとピーテッド、2つのプランがあるということで、三郎丸ファンにとっても激しく興味を惹かれるのではないかと思います。

本企画に小指の先くらい突っ込ませてもらった当方としても、飛騨高山蒸溜所の状況はもとより、これらの原酒の成長については可能な範囲でフォローできればと思いますが、例えば一口オーナーで高山に集って、ウイスキー祭り(あるいはオフ会)的な催しなんてやったら最高に楽しそうですよね。

夢のある話は、さらに夢が広がっていくもの。
ただそれを夢で終わらせないためにも、有巣さんをはじめ舩坂酒造の皆様には形になるエールを送りたい。
日本のクラフトウイスキー、世界が注目する領域に新しい挑戦が形になることを願って、本記事の結びとします。

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