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カテゴリ:グレンキンチー

グレンキンチー 24年 1991-2016 スペシャルリリース 57.2%

カテゴリ:
GLENKINCHIE
Special Release
Aged 24 years
Distilled 1991
Bottled 2016
Cask type Refill European Oak Butts
700ml 57.2%

グラス:サントリーテイスティンググラス
場所:BAR飲み@Y’s Land IAN
時期:開封後1年程度
暫定評価:★★★★★★(6)

香り:青みがかったウッディさ、ドライな麦芽香、ハイプルーフらしくアタックは強く鼻腔を刺激する。奥から蜂蜜を思わせる甘み、ほのかに林檎のようなニュアンスも。

味:ややぬめりのある口当たり。麦芽風味、洋梨、中間はクリアで雑味が少なく徐々にドライ。シロップのかかったホットケーキ、微かにレモンジャム。
ツンとした刺激が感じられ、ジンジャーエールのようなヒリヒリとした余韻へと繋がる。

ディアジオのリフィルオーク熟成らしい、ニュートラルでトーンの高い味わいのモルト。軽くスパイシーさを伴う酒質由来の香味を感じつつ、樽材そのものが溶けたような要素も伴う。アメリカンオークのようなフルーティーさは控えめなあたり、材質の違いを感じる。


昨年のリリース時に飲み損ねていたグレンキンチーのスペシャルリリース。
グレンキンチーの通常リリースは12年のみで、限定品のダブルマチュアードも同等程度の熟成と、近年はボトラーズリリースもほとんどない中、久々にリリースされることとなった20年オーバーは、いちウイスキードリンカーとして純粋に興味をそそられていました。

1990年前後において、蒸留所に特段大きな変革は無かったようなので、ロケーションや蒸留環境云々の話は省略。
熟成のバランスは充分。元々そこまで強い酒質ではないので、近年蒸留では25年前後がちょうど良いかもしれません。
軽い麦芽風味やスパイシーさをそのまま伸ばしたような香味に、ディアジオのスペシャルリリースらしいリフィルオーク由来の樽感がそれを邪魔しない。ファーストフィルシェリー樽のように、圧殺するような構成ではないため、丁寧な作りとも感じる「面白みはないが、個性は楽しめる」といったボトルだと思います。

グレンキンチーは現存する数少ないローランドモルトとして、もう少し日が当たってほしい蒸留所。
企業側の方針もあるので難しいでしょうが、ディアジオ傘下にはそうした蒸留所がいくつかあり、今年はグレンエルギン、来年はオーバン。。。普段はブレンデッド向けに位置付けられている蒸留所のハイエンドリリースの中で構成される酒質の個性が、こうしたボトルを飲む楽しみです。

グレンキンチー ディスティラーズエディション2017 43%

カテゴリ:
GLENKINCHIE
Distillers Edition 2017
Distilled 2005
Bottled 2017
Amontillado Sherry Finish
700ml 43%

グラス:木村硝子テイスティンググラス
場所:BAR飲み@Y’s Land IAN
時期:開封後数日以内
暫定評価:★★★★★★(6)

香り:ドライでスムーズ、あまり強くは香らないが、スパイシーで干し草っぽさを伴うウッディネス、淡いシェリー感も感じられる。

味:口当たりは軽やかで、乾いた麦芽からコクのある甘み。香り同様の淡いシェリー感。ピリピルとした刺激を舌に感じつつ、ライトな麦芽風味主体。
余韻はドライでスパイシー。微かにプルーンやチェリーの甘さを伴い、長く続く。

フィニッシュであるが、シェリー感はあくまで淡く、味の中ではコクに繋がる程度という構成。むしろドライでスパイシーな麦芽風味が主体的で、同蒸留所のキャラクターがよく出ているとも感じられる。オフィシャル12年のワンランク上の味わい。


毎年毎年異なるキャラクターで我々愛好家を楽しませてくれる、普及価格帯のDE(ディスティラーズエディション)と高級レンジのSR(スペシャルリリース)。
このラインナップを飲むにあたっては、自分のルーティンがローランドのグレンキンチーから飲み始めるのがお約束。ライトでスパイシーなグレンキンチーは、ここから始まるコースの食前酒的な位置付けなのです。

グレンキンチーはオフィシャルリリースのみならずボトラーズもリリースが少なく、話題になるような話もないのでディアジオ傘下の中でもあまり目立った蒸留所ではないと思います。
しかし酒質は決して悪くない。昨年のグレンキンチーDEはシェリー樽由来の出汁っぽさ、椎茸系のフレーバーが主張して、ややアンバランス気味でしたが、今年はオフィシャルスタンダードで感じられる未熟な部分がカバーされ、ハウススタイルのいいところを感じやすいリリースだと思います。

また、それは今年のDE全体の傾向でもあって、フィニッシュで後付けした樽感が、比較的バランス寄りという印象があります。
毎年樽感の強いラガヴーリンPXは今年も濃いめでしたが、それ以外は良くも悪くも香味を支える程度。一部「ん?」という感じのものもありましたが、樽感だけで言えば2〜3年くらい前までのDEのほうが、全般的に強かった気がします。
DE用のシーズニングカスクは、シーズニング期間1ヶ月と超短期な情報が今年の資料には書かれていましたが、そのカスクマネージメントのよるものなのかもしれません。


なお、今回のイベントは当ブログを見て参加された方が、数多くいらっしゃったと伺っております。参考にしていただいた皆様、ありがとうございました。
自分は日中パパをやって日曜日の18時過ぎに来店したので(急いで駆けつけた結果、カメラを忘れてしまう始末)、ブログ経由での参加者の皆様とはほとんどお会いすることはできなかったのですが、また何かの機会でお会いできましたら幸いです。

グレンキンチー 2004-2016 ディスティラーズエディション 43%

カテゴリ:
IMG_3854
GLENKINCHIE
Distillers Edition 
Double Matured in Amontillado Cask Wood 
Distilled 2004
Bottled 2016
700ml 43%

グラス:サントリーテイスティング
量:ハーフショット
場所:BAR飲み(Y's Land Ian)
時期:開封後1ヶ月程度
暫定評価:★★★★★(5-6)

香り:甘くリッチな香り立ち。シーズニングシェリーのウッディーさ、アーモンド、プルーン、少し草っぽさと粘土を思わせる癖のあるアロマ。

味:軽くスパイシーな口当たり。乾いた麦芽、牧草、キンチーらしい軽快な刺激と麦芽風味の上に、椎茸等の出汁ツユっぽいとろりとしたニュアンスがある。
余韻は若干のべたつきを伴い、長く残る。

シェリー樽の甘みとウッディさより、シェリーそのもののニュアンスが混じった主張が感じられた。そう言う意味でらしさはわかりやすいが、グレンキンチーの酒質にこれが合うかというと。。。加水は少量まで、ベースが崩れて水っぽくなる。


1年に1バッチ、少量しか作られないグレンキンチーのダブルマチュアード。
個人的にディアジオのダブルマチュアードシリーズの中で、まず最初にテイスティングするのがグレンキンチーで、そこからスペイサイド、ハイランド、島系に流れていきます。
ローランドから入って、スコットランドを巡るウイスキーの旅といったところでしょうか。

使用されている樽は、アモンティリャードシェリーを熟成(シーズニング)させた樽です。
同シェリーは一般的にオロロソほど濃くはない繊細な風味、柔らかい酸味を持った辛口タイプのシェリーとされています。
ここのところ、グレンキンチーのダブルマチュアードは、アモンティリャードシェリーの特性からか、不思議な酸味というか、樽から滲み出た要素がうまくマッチしていた印象があったものの。今年はテイスティングの通り、2度目の熟成で付与されたシェリー感が強く感じられ、テイスティング時点では少々アンバランスに感じられました。

グレンキンチー蒸留所のキャラクターは、軽快な麦芽風味にあると言っても過言ではなく。シェリーとしてもフィノ系の樽(それもシーズニングでない)を使ったダブルマチュアードとか飲んでみたいなーと思うのですが、フィノ樽は貴重なので難しいか。。。

グレンキンチー ダブルマチュアード 2014年ボトリング

カテゴリ:
タイマー設定していた記事公開、 日時を間違えていたため昨日の分から更新されていませんでした・ ・・orz。
しまったなぁ、ちゃんと確認しておけば良かった。
まぁ更新が途切れているワケでも無いんで、気を取り治して公開していきます。

ディアジオのニューリリース、ディスティラリーエディションの一つ、地味系の一角(笑)。
グレンキンチーです。


GLENKINCHIE
Distillers Edition
"AMONTILLADO CASK WOOD"
Distilled in 2000
Bottled in 2014
700ml 43%

暫定評価:★★★★★★(6)

"湿った木や酸味を感じるシェリー香、徐々に湿った香りは和らぎ、レーズンや麦芽香を伴う甘酸っぱい香り。
口当たりはスパイシーで甘い。ボディはライトからミディアムの間で、炒った麦芽の香ばしさ、ブラウンシュガー、微かな樽香。フィニッシュはドライで心地よいビターさが残る。"


先日のテイスティング会、1杯目で飲んでなかなか良い印象だったボトルです。
グレンキンチーは甘くドライな麦芽香に微かなスパイシーさがあるローランドというよりはややスペイサイドよりの特徴を感じる蒸留所。
このボトルもグレンキンチーの特徴を持ちながら、アモンティリチャード(辛口よりなシェリー)樽とのダブルマチュアードにより、適度なコクと甘酸っぱいレーズンのような香味がプラスされた、まさにオフィシャルの進化形として評価出来る内容に仕上がっています。

口開けは少々クセというか、湿った木のようなモワっとした香りがありましたが、時間経過ですぐにこなれます。
嫌み少なく、個性もあってその他のフレーバーも感じられる、こういう出来のボトルは好感が持てますね。
キンチーだけでなく、今回リリースされたダブルマチュアードシリーズは、総じて蒸留所の個性+αという点で完成度は高く、オフィシャル回帰の印象をさらに持ちました。

ただ、嫌みな味は無いけれど高まる味でもないため、コアな飲み手が飲む場合は、次への繋ぎ的な1杯になりそうです。

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