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COLLECTIVUM XXⅧ
Blended Malt Whisky
Special Release 2017-2018
700ml 57.3%

グラス:木村硝子テイスティンググラス
場所:BAR飲み@Y's Land IAN
時期:開封後数日以内
暫定評価:★★★★★★(6)

香り:やや青みがかったオーク香とほろ苦い焦げ感。バニラ、洋梨あるいは花梨、ファイバーパイナップル。スパイシーでドライ、ほのかにハーブ、ハイトーンな高いアロマ。

味:口当たりは乾いた麦芽風味、ナッツ、ドライアップル、バニラから蜂蜜を思わせる厚みのある甘み。微かにニッキ、徐々にヒリヒリとした刺激を強く感じる。
余韻はドライでハイトーン、スパイシー、干草と淡いオークフレーバーを伴い長く続く。

ハイトーンでアタックの強いモルトウイスキー。樽感は淡くクリアなタイプだが、 内陸の同系統の原酒の組み合わせが主体か。厚みがあり混ざりまくってるというよりも一本スジの通った構成で、あまりちぐはぐさのないブレンドに仕上がっている。


ディアジオ社所有、現在稼動中のモルトウイスキー全蒸留所によるブレンデッドモルト。ブランド名称にある"28"は熟成年数ではなく、ブレンドした蒸留所の数を表しています。
同社において、こうしたコンセプトでのブレンデッドモルトは初となる意欲作。今年のスペシャルリリースの中で最も注目されている1本ではないでしょうか。

ブレンドされている蒸留所は以下のとおり。。。といっても正直、リストを見ただけで香味のイメージはまず不可能。
スモーキーなのかモルティなのか、シェリー系なのかバーボン系なのか。さらにノンエイジ仕様ということも拍車をかけて、飲んでみなければまったくわからないミステリアスさが、愛好家の好奇心をくすぐります。

【コレクティヴァム28 ブレンドリスト】
オスロスク、ベンリネス、ブレアアソール、カリラ、カーデュー、クライヌリッシュ、クラガンモア、ダルユーイン、オスロスク、ダフタウン、グレンダラン、グレンエルギン、グレンキンチー、グレンロッシー、グレンオード、グレンスペイ、インチガワー、ノッカンドゥ、ラガヴーリン、リンクウッド、マノックモア、モートラック、オーバン、ローズアイル、ロイヤルロッホナガー、ストラスミル、タリスカー、ティーニニック。 

飲んでみた印象は、ほぼスペイサイドやハイランドの癖の少ない内陸系のモルトで構成されたブレンデッドという味わい。
カリラやラガヴーリン、タリスカーのピーティーで個性の強い島系モルトのニュアンスは皆無で、ティースプーン程度と言われても違和感が無いほどです。 
樽感は淡いリフィルタイプ。サードフィルあたりの樽で熟成されたような風味で、酒質由来の香味を感じやすい構成。各原酒の熟成年数は、平均して20年程度が中心といったところでしょうか。(ローズアイルは最長でも8年程度ですが、目立った若さはありません。)
下手にどバーボンやどシェリーでまとめてこないあたり、ディアジオのスペシャルボトリングらしい造りとも感じます。 

それぞれの原酒の比率などは神のみぞ知るところですが、この香味の傾向であれば、主たる原酒の候補は多少絞り込めるというもの。
ただこのフレーバーはこの原酒の。。。と分析していくより、ウイスキー業界最大手のディアジオだから作れる一つのウイスキーとして楽しみたい、そんなまとまった味わいでもあります。
また、所謂レアモルトタイプの構成であることや、価格的にも往年のウイスキーファンから最近の飲み手まで広く受け入れられる一本だとも思います。


余談ですが、ディアジオはポートエレンとブローラを再稼働させることを宣言しており、他にも多くの原酒確保に向けた動きを展開しています。
5年後、10年後にコレクティヴァムが再びリリースされるとしたら、その時は幾つのナンバーを掲げているのか楽しみです。