◆ 開幕前は「J1昇格候補の1つ」と言われていたが・・・。昨オフは2014年にFC岐阜で34試合に出場して17ゴールを挙げたFWナザリトと3度のW杯経験がある元日本代表のボランチのMF稲本を獲得。充実した戦力で「昇格候補の1つ」と言われた札幌だったが13勝13敗15分けで勝ち点「54」。41節で水戸に1対2で逆転負けを喫したことでプレーオフ出場の可能性が消滅した。ここまで11位。10位に終わった2014年と同様で期待を大きく裏切るシーズンになっている。
シーズン途中の7月24日(金)にバルバリッチ監督との契約を解除してユースチームを率いていた四方田監督をトップチームの監督に据えたが大きなプラス効果は生まれず。6月下旬から8月下旬にかけて12試合勝ちなし。四方田監督も初勝利を挙げるまでにかなりの時間がかかった。四方田監督はユース世代の監督としては抜群の実績を残している指導者であるが、トップチームを救うことはできなかった。
札幌はユースから(四方田監督が育てた)有望株が続々と出てくる環境であるが、2014年はJ3の福島ユナイテッドでプレーしたMF堀米悠が主力に成長。主に左WBのポジションでチャンスメーカーの1人として攻撃の中心を担った。さらにはC大阪から加入したGKク・ソンユンが守護神として活躍。195センチのGKク・ソンユンは8月の東アジアカップのときは韓国のフル代表に選出されるなど大飛躍のシーズンになった。
その他では同じ五輪世代のDF櫛引が守備の要として成長。1学年下で競争をしながら一緒にキャリアを積み重ねてきたDF奈良がJ1のFC東京に期限付き移籍した穴をしっかりと埋めた。ベテランのDF河合に助けられたところもあったが独り立ちして定期的に五輪代表に選出されるようになった。「DF奈良の抜けた穴をどう埋めるのか?」が開幕前の心配の種だったが、22歳のDF櫛引がワンランク上の選手になった。