◆ 初のプレーオフ出場が見えてきた愛媛FC→ J2に昇格してから区切りの10年目となる愛媛FCはここまで17勝14敗8分け。J1昇格はもちろんのこと、J1の昇格争いに参加した経験すらほぼ無かったチームなので「クラブ史上最高のシーズン」となるのは確実である。昨オフに粉飾決算の問題が発覚して不安を抱えたままで新シーズンがスタートしたが、心配されていた「J1ランセンス」も無事に取得。初のJ1昇格はもはや夢ではなくなってきている。
当然のことながら、J1に昇格できるのか否かでオフの補強は変わってくる。仮にJ1に昇格することが出来たならば様々な面でプラスの効果が生まれるので積極的な補強がやりやすくなる。なので、状況は全然違ってくるが、どちらにしても期限付き移籍中の選手が多いので「彼らをどれだけ引き留めることが出来るか?」が大きなテーマとなる。J1に昇格できれば引き留めに成功する確率が高くなるのは言うまでもない。
昨オフにチームに加入した選手ではFW瀬沼とMF岡崎建とMF藤田息とMFカン・ユングの4人、シーズン途中に加入した選手ではMF内田健とMF安田晃とMF白井の3人が期限付き移籍中となる。合計すると期限付き移籍中の選手が7人もいるので不透明な部分は多いが、資金力のあるクラブではないので優先順位を付けて引き留め工作を行う必要がある。(※ 愛媛FCの選手の中ではDF代がJ3の山口に期限付き移籍中。)
7人の中で優先順位が高いのはボランチのMF藤田息と左WBのMF内田健。ともに清水からの期限付き移籍となるが、絶対に欠かせない選手となっているので引き留めに失敗すると大きな穴が生じる。MF藤田息はシーズンの前半戦は怪我に苦しんだが、戻ってきてからのパフォーマンスは見事というしかない。後半戦に限定するとJ2のボランチの中ではMF末吉とMF鈴木惇とMF山口蛍に次ぐ活躍ぶりである。
攻守両面で気の利いたプレーが出来るMF藤田息の存在が愛媛FCの快進撃の1つの理由と言えるが、清水での2年間はわずか2試合の出場のみ。愛媛FCへの移籍は「片道切符」の意味合いが強いのでは?とも考えられるので、引き留めに成功する可能性はそれなりに高いのではないか。清水のボランチ陣はMF本田拓を筆頭にJ2を戦う上ではまずまず駒が揃っている点も愛媛FCにとってはポジティブな要素である。