■ 内山体制での3戦目内山監督になって3試合目のジュビロ磐田。前節のガンバ大阪戦ではロスタイムに追いつかれてドローに終わったが、内容自体は悪くなかった。
内山監督になって、4バックから伝統の3バックに変更した磐田。この試合も、<3-5-2>で、GK川口。DF加賀・田中・茶野。MFファブリシオ・エンリケ・太田・上田・西。FW前田とカレンというスタメン。MFマルキーニョス・パラナが出場停止で、MFエンリケを起用。MF上田を左ウイングバックに回して、西をトップ下で起用してきた。
対する横浜FCは、<4-4-2>。GK菅野。DF山田・早川・室井・太田。MFオボムソク・パウロ・滝沢・三浦淳。FWカズとチョ・ヨンチョル。
■ 前田の2ゴール試合は、前半31分と前半43分に磐田のFW前田がミドルシュートを決め2点をリードする。後半も、磐田が、立て続けにシュートを放って攻め込むがなかなか追加点を奪えない状態が続く。しかしながら、後半41分にDF茶野がボレーで決めて3点目を挙げる。
横浜FCは、MF三浦淳をスタメンで起用するものの不発。最後まで得点は奪えずに、磐田が3対0で完勝した。対する横浜FCは、次節にもJ2降格が決定する。
■ 守備が安定した磐田磐田は、アジウソン監督から内山監督に変更して3試合目。アジウソン監督時代と比べると、いくつかの変更点が感じられるが、もっとも変わった点は、中盤の選手が、過剰にバランスを崩して攻め込むことが少なくなったことである。
アジウソン監督時代には、失点数や非決定機の数でリーグ最低レベルで、流動的な中盤が多くのチャンスを作った反面、守備に回ったときに、バランスを崩していることが多く、なかなか中盤でフィルターがかからなかった。よって、DFラインにもろに圧力がかかって、ずるずる下がってシュートを打たれることが多かった。しかしながら、内山監督になってからは、ダブルボランチの攻撃参加の頻度も常識程度になって、無駄にピンチを作られることが少なくなった。
当然のことながら、今後、<3-5-2>でも熟成されていけば、もっと攻撃的で人数をかけた分厚い攻めを見せるようになるはずであるが、とりあえず、守備の安定を考えてリスクを抑えながら戦おうとするのは、正解だっただろう。
■ 進化のためにはもう一段上に行くためにどうすればいいかを考えると、まずは、両サイドから、もっとスムーズに攻撃が出来るようにしたい。
大宮戦やG大阪戦では、右に太田、左に村井を起用したが、うまく機能せず、この試合は、左に上田を起用。上田のボールキープとクロスが攻撃にアクセントを加えたが、右の太田は十分に持ち味を発揮できなかった。アジウソン時代には、太田が縦横無尽に動いていたが、今の右ウイングバックというポジションでは、やや窮屈そうなプレーをしている。
4バックから3バックに変更したことで、太田の突破力をどう生かすのか、サイドプレーヤーの人数が2人から1人に少なくなったがサイド攻撃にどの程度の人数をかけられるようになるのかが、今後の課題であるといえる。
■ 十分には機能しなかったトップ下また、<3-5-2>のトップ下のポジションには、MF西を起用したが、これも、十分には機能しなかった。西は積極的にシュートを放って90分間プレーしたが、周りとの連携はいまひとつであった。
トップ下のポジションには、アジウソン体制でレギュラーポジションをつかんだMF成岡がいて、さらには、この試合では左サイドでプレーしたMF上田もプレー可能である。MF船谷も控えており、層の厚いポジションであるので、日本代表経験のあるMF西といえども安泰ではなく、今後は、よりいっそう、激しい争いになるだろう。
■ ビューティフルゴール磐田は25本ものシュートを放ちながら、相手GK菅野の好セーブもあってなかなかゴール奪えなかったが、エースのFW前田が鮮やかなボールコントロールから2本のミドルシュートを決めて勝利した。2本ともに簡単なシュートではなく、DFもマークについていたがサイドネットに突き刺す見事な弾道のゴールだった。
いずれのシュートも体勢を崩した状態でのシュートになったが、その影響を感じさせなかった。横浜FCのDFは、前田をフリーにしないように懸命にマークについていたが、そのマークの中で決められてしまっては、全くなす術がなかった。
このところ、ややゴール数が伸び悩んでいた前田だったが、久々に2ゴールをマークし、存在感を示した。キャプテンマークに恥じないパフォーマンスだった。
■ 苦しい横浜FC横浜FCは、序盤こそ磐田のパス回しに翻弄されたが、次第に盛り返し五分の展開に持ち込めそうな展開になっていたが、前半31分に前田の個人技で先制ゴールを許すと、その後は、軽率なミスも多くなって、防戦一方の展開となった。GK菅野のがんばりと磐田のシュート精度の低さに助けられたが、もっと点差がついていてもおかしくないくらいの差があった。
得点力の低いチームにあって、どうしても「勝ち点3」が必要という試合が続くのは非常に苦しい。
■ 失敗に終わった三浦淳のトップ下横浜FCは、神戸から獲得したMF三浦が移籍後、初スタメン。MFマルコス・パウロを1ボランチ気味で起用し、三浦淳をトップ下に置いたが、なかなか有効な仕事が出来なかった。ボールを受けて捌くシーンでは、高いキープ力と技術を見せたが、それだけで終わることが多く、相手にセットプレー以外で恐さを感じさせることは出来なかった。
本職の左サイドハーフのポジションは、チーム内でのアシスト王であるMF滝沢がいて、滝澤のクロスはチームの大きな武器になっているので外すことは考えにくい。救世主として期待される三浦淳だが、なかなか起用方法を考えるのも難しい。
ジュビロ磐田:採点GK:川口 6.0
→ ほとんど危ないシーンはなかった。
DF:加賀 6.0
→ 安定した守備を見せた。
DF:田中 6.0
→ 無難な守り。
DF:茶野 6.5
→ 貴重な時間帯で追加点のゴール。
MF:ファブリシオ 5.5
→ バランスを重視してプレー。シュート精度は低かった。
MF:エンリケ 6.0
→ やや判断の遅いプレーがあった。
MF:太田 5.5
→ 後半にカウンターで力を発揮するも、やや窮屈な印象。
MF:上田 6.5
→ 落ち着いてプレーして、攻撃のリズムを作った。
MF:西 5.5
→ アグレッシブにプレーしたが、精度を欠いた。
FW:前田 7.0
→ 鮮やかな2ゴール。ポストも完璧。
FW:カレン 5.0
→ 動きは悪くなかったが・・・。
サブ:林 4.5
→ 判断が悪く、ミスが目立つ。
サブ:成岡 5.5
→ 西よりもトップ下で機能しそう。
サブ:中山 6.5
→ 短い時間でも効果的な全力プレー。
横浜FC:採点GK:菅野 7.0
→ ファインセーブ連発で失点を防ぐ。
DF:山田 5.0
→ 軽いプレーが多かった。
DF:早川 5.0
→ 集中が切れるシーンがあった。
DF:室井 5.0
→ 高さは見せた。
DF:太田 5.5
→ 効果的な攻撃参加もあった。
MF:マルコス・パウロ 4.5
→ らしくない軽率なミスが多かった。
MF:オ・ボムソク 5.0
→ 能力が生かされていない。
MF:三浦淳 5.0
→ 時折、いいプレーもあったが、消えることが多かった。
MF:滝澤 5.5
→ 鋭いクロスもあったが、回数が少なかった。
FW:チョ・ヨンチョル 5.0
→ 荷が重いといわざるえない。
FW:三浦知 6.0
→ 切れもあった。ゴール前に入っていくタイミングも良かった。
サブ:内田 5.5
→ スタメンで見たいが・・・。
サブ:奥 5.5
→ 惜しいFKがあった。
サブ:西山 6.0
→ ドリブルは効果的だった。
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