■ J1第21節降格争いから抜け出したいジェフ千葉が、ホームのフクアリでジュビロ磐田と対戦したJ1第21節。
ホームの千葉は、MF羽生を怪我で欠く苦しい状況で、前節の鹿島戦に続いて、巻とレイナウドの2トップを採用。トップ下に入る工藤とのトリオで、ゴールを狙う。池田・斉藤・水本の3バックで、佐藤と下村のダブルボランチ。右に水野、左に山岸という布陣。
対するジュビロ磐田は、<4-5-1>。犬塚・田中・茶野・上田の4バックで、エンリケ・パラナ・西・太田・成岡の中盤で、1トップに前田遼一。
■ 点の取り合いの末試合は、前半24分に、押され気味だった磐田がMF西のゴールで先制。しかしながら、後半37分に、MF水野の左足のクロスをFW巻がヘディングで決めて同点に追いつく。
後半9分、磐田はMF太田のCKから、DF茶野がヘディングで決めて勝ち越すが、後半38分にMF水野のシュート性のボールを、ゴール前のMF佐藤勇人がコースを変えると、そのままゴールに突き吸い込まれて同点に追いつく。さらに、後半41分に、FWレイナウドのスルーパスを受けたFW新居が、一度はGK川口にシュートをはじかれながら、リフレクションを頭でねじ込んで逆転に成功。結局、3対2で千葉が逆転勝利した。
■ 決勝ゴールの新居決勝ゴールを決めたのは、途中出場のFW新居。後半21分に、FW巻に代わってピッチにたった新居は、その直後に放ったボレーシュートがポストをたたくなど、相手DFに脅威を与え続けていた。それが、ようやく報われた形の決勝ゴールとなった。
大きな期待を背負って千葉に加入しながら、これまで、なかなか期待にこたえられずにいた新居だが、ストライカーとしてのポテンシャルには疑う余地は無く、巻やレイナウド以上に、得点感覚に優れている。今後は、スーパーサブとして、貴重な戦力になりそうだ。
■ レイナウドがチームを変えるのか?新居の決勝ゴールを生んだのは、新外国人のFWレイナウドのスルーパスだった。187cmという高さと強さが目立つが、実は、相当なパスセンスを備えており、羽生や山岸といった味方に生かされてこそ生きるタイプのアタッカーの多い千葉としては、うってつけの存在といえるだろう。
あとは、レイナウド自身のゴールが待たれる。彼が、ゴールを決めることで、「危険な選手である」と相手DFに認識させることができると、他の選手が、いっそう生きるようになるだろう。1人の選手の存在が、チーム全体を変えてしまうことは、よくある話である。コンディションを見ると、体が重そうなので、万全ではないのかもしれないが、千葉はいい選手を獲得できたのではないだろうか。
■ 安定感の欲しい守備陣攻撃陣は、明るい兆しも少なくないが、やはり、守備陣は、不安いっぱいである。ストヤノフが退団し、ジョルジェビッチもなかなかフィットせず、ベンチ暮らしが続く状態で、DFラインのポテンシャルは、J1でも最低レベルに落ちてしまっている。
ダブルボランチの一角である、佐藤勇人も積極的に攻撃に参加するタイプなので、千葉は、カウンターを食らったときに、DFが相手のアタッカーと1対1の勝負になりやすい。今後も、ある程度の失点は覚悟すべきだろうか。
■ 悔やまれる敗戦磐田は、後半の38分までリードしながら、痛い逆転負けを喫した。ある程度、プランどおりに試合を進めていただけに、悔やまれる敗戦となった。経験の浅い選手が多いので、仕方のない部分もあるが、もったいない試合だった。
■ 縦横無尽のマルキーニョス・パラナ敗れたものの、マルキーニョス・パラナのプレーは、素晴らしかった。豊富な運動量と鋭い予測を生かしてルーズボールを拾いまくって、二次攻撃・三次攻撃につなげることに成功した。
アルビレックス新潟戦で左ひざ内側側幅じん帯を損傷し、全治三ヶ月の怪我を負ったが、幸いにも、治療期間の多くを中断期間に充てられたのは、幸運だった。今では、ファブリシオ以上に、必要不可欠な存在になっている。
ダブルボランチの相棒がMFエンリケも、ほとんど、ぶっつけ本番の状態だったが、悪くないプレー振りだった。派手さは無いが、堅実なプレで、チームを手助けすることになるだろう。
■ 上田の左サイドバック磐田では、もう1人、左サイドバックの上田が充実したプレーを見せた。今回は、五輪代表からも漏れてしまったが、課題だった守備能力が向上し、攻守ともに、グレードアップしている。
前半戦と比べると、明らかに、スターティングポジションが上がっており、左サイドバックの位置から、ゲームをコントロールする役目を担っている。マルキーニョス・パラナとのコンビネーションも良く、今後、磐田の左サイドには、要注目である。
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