■ 17位と降格圏に転落昨シーズンはJ1で16位に終わって東京Vとの参入決定戦に回ったジュビロ磐田だったがホームでロティーナ監督率いる東京Vに2対0で勝利。辛うじてJ1残留を達成した。2018年の開幕前は上位候補と言われながら16位に終わったことでサポーターの大きく裏切ったので「監督交代の可能性は高い。」と思われていたが名波監督は驚きの続投。今シーズンも名波監督がチームを率いているが開幕から低迷した。
16節を終えた時点で3勝8敗5分けで勝ち点「14」。17位と降格圏に位置する。今シーズンのJ1の残留争いは稀に見る大混戦になっているのでまだ残留圏のチームとの差はわずかではあるが「2013年以来でクラブ史上2度目のJ2降格」の危機を迎えている。J1はあと1節で折り返し地点を迎えるが前半戦(1節-17節)の最後の試合は2連覇中の川崎F。降格圏のままで折り返し地点を迎える可能性が高まっている。
直近の16節のC大阪戦(A)は昨シーズンの参入決定戦のときに東京Vを率いていたロティーナ監督のC大阪だったが0対2で敗れた。前半にC大阪のゴールが2つほどオフサイドで取り消しになるなど危ないシーンはたくさんあった。最終的にはC大阪の10本を大きく上回る17本のシュートを放ったが確率の低いミドルシュートが多くてGKキム・ジンヒョンを脅かすシュートは限られた。敗れたことで降格圏に転落となった。
■ ジュビロ磐田を応援してくださるすべての皆様へ今シーズンは序盤戦から低迷してずっと下位に位置するが降格圏に転落するのは9節以来。かなり久しぶりの話になる。2度目のJ2降格が現実味を帯びてきたこともあってクラブは6月25日(火)に「
ジュビロ磐田を応援してくださるすべての皆様へ」というタイトルで公式サイトに小野代表取締役社長の名前で声明を出したが
・熱い声援をいただき、誠に有難うございます。
・応援いただいている皆様方に悔しく不安な想いをさせてしまい、心よりお詫び申し上げます。
・現状からの脱却を図るために一丸となって戦力強化を行なってまいります。
・夏の選手移籍ウインドーに向けて更なる戦力の補強を準備しています。
・これまで積み上げてきた闘い方、仲間を信じ助け合うチームワークを重視して乗り越えていくつもり。
という内容だった。「○○を応援してくださる皆様へ」というタイトルでクラブが声明を出すケースはJリーグでは珍しくないがたいていは今回の磐田のようにクラブが残留争いに巻き込まれているケースである。とんでもない不祥事が起こったときにサポーターにメッセージを送ることもあるが意味のある行為には思えない。今回の「ジュビロ磐田を応援してくださるすべての皆様へ」も意味のあるものには思えない。
■ あまり意味のないリリース「残留争いに巻き込まれている。」 or 「選手や監督や関係者などが不祥事を起こした。」となるとサポーターは不安に思ったり、怒り心頭になると思うが、そういうネガティブな感情を持ったサポーターに「○○を応援してくださる皆様へ」と題したタイトルで呼びかけたとしても何かしらのプラスのことが生じるとは思えない。こういったリリースを呼んで「分かった。」、「信じて応援する。」となる人は少ないだろう。
クラブが危機的な状況に陥っているときに「○○を応援してくださる皆様へ」をリリースするのはJリーグではパターンになっているがあまり意味のあることには思えないので『こういう状況なので「○○を応援してくださる皆様へ」をリリースしないといけない。』という強迫観念の元でリリースしているのであれば辞めるべきだと思う。過去のいくつかのケースを振り返ってみても「火に油を注ぐだけ」というケースは多い。
磐田のサポーターが、今、最も関心のある話は「名波監督の去就」だと思うが「ジュビロ磐田を応援してくださるすべての皆様へ」の中には監督人事に関する話は全く出てこなかった。「あらゆる手段を講じチームを支え、戦力強化を行なってまいります。」という箇所に監督人事も含まれているのかもしれないが、一番の関心事に触れていないことを踏まえるとなおさら無意味なリリースのように思える。
■ 致命傷になる前に決断するべき以下のリンク先にあるとおり、「よほどのことがない限り、名波監督の退任も解任はない。」と思っているが、この時期と比べても状況はさらに悪化している。これほどネガティブな状況になっているにも関わらず、監督交代を決断しないというのは異常な話である。「クラブOBであり、元日本代表のスター選手を監督に据えている弊害が出ている。」と言わざる得ない。
プロ野球の世界では、よほどのことがない限り、シーズン途中では監督は交代させられない。「シーズン途中でクビになること」は指導者としての経歴に大きな傷を作ることになるが、監督交代が日常茶飯事であるサッカー界においてはそこまでのダメージではない。広島の城福監督、札幌のペトロヴィッチ監督などは過去に途中解任 or 途中退任を経験しているが見事にカムバック。2年連続で上位争いに絡んでいる。
磐田のフロントは「クラブのレジェンドだから途中での解任はできない。」と考えているようだが、「レジェンドだからこそ、致命的な状況になる前に手を打つこと」が必要だった。「2015年にJ1昇格に導いたこと」、「2017年にJ1で上位争いをしたこと」は間違いなく名波監督の功績である。傷が深くなる前に決断を下していたら「再登板」も考えられたが、このままだと指導者として再起不能になる可能性もある。
→ 2019/03/16 【Jリーグ】 名波浩監督(ジュビロ磐田)の早期の退任や解任はあり得ない理由
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