■ 開幕から3試合勝ちなし東京Vとの参入決定戦を制して何とかJ1に生き残ったジュビロ磐田だったが開幕から3試合勝ちなし。0勝1敗2分けとまだ勝利を手にしていない。J1のリーグ戦は3試合が終わっただけなので「まだ始まったばかり」ではあるが開幕戦はホームで松本山雅と対戦してドロー。2015年以来のJ1昇格を果たした松本山雅を相手にホームで勝ち点「2」を失った。途中出場したFW川又のゴールで追いつくのが精いっぱいだった。
2節はACLの日程の関係で金曜開催となった。先秋から公式戦では未勝利が続く広島とのアウェイ戦だったがスコアレスドロー。どちらにとっても満足できない結果となった。迎えた3節はホームの大分戦。またしても昇格組とのホーム戦だったが1対2で敗れた。試合終了のホイッスルが鳴った瞬間、サポーターからはブーイングの声も飛んだが、開幕の松本山雅戦に続いて昇格組を相手に勝ち点を取り逃がした。
「開幕から3試合勝ちなし」というのは珍しい話ではないが、やはり、どちらかというと戦いやすい相手との試合が続いたことを考えると0勝1敗2分けというのはかなり不本意である。普通に考えると「昇格組の松本山雅とのホーム戦」と「同じく昇格組の大分とのホーム戦」は年間の34試合の中で最も勝ち点「3」を計算しやすい試合である。日程には恵まれていたので3試合未勝利からのスタートは想定外と言える。
■ 昇格組を相手にホームで失態3節の大分戦(H)は早く忘れたい試合になった。序盤はどちらかというと磐田が優勢だったが前半13分にカウンターから失点を喫すると前半30分にはCBのDF大南が一発レッドで退場。10人になった。数的不利になった後、MFアダイウトンがバイシクルを決めて1対1の同点に追いついたので「10人になった後の戦い方」はかなり良かったと言えたが後半10分にMF後藤優にファインゴールを決められてしまった。
数的優位の大分が無理をして攻めなくなったこともあって後半は大分がボールを保持して磐田が守る時間が長かった。結局、後半はほとんどチャンスを作れず。大分に2勝目を献上する形になった。大分も開幕前は低評価を受けており、「降格候補の1つ」に挙げられていたが、開幕3試合で2勝1敗。申し分ないスタートを切った。前回、J1だった2013年は年間で2勝のみ。早くも勝利数は2013年シーズンに並んだ。
名波監督は就任して6年目となるが逆風にさらされている。本人は「参入決定戦に回った時点で、東京V戦の結果はどうあれ、監督の座を退くつもりだった。」とTV番組などでコメントしているが、服部年宏強化部長や社長が半ば強引に引き止めたので今シーズンも引き続いて磐田の監督を引き受けたが支持率は急降下したままで上がらない。ホームで大分に敗れたことでさらに厳しい状況になったと言える。
■ 早期の監督交代はないだろう。手詰まり感は否めないので「監督を代えた方がいいのでは?」という声は小さくないが「一度は監督の座を退く決意を固めながら慰留されて続投となった経緯」を聞く限り、よほどのことにならない限りはフロント側から監督交代を決断することはないだろうと推測される。服部強化部長を中心としたフロントは名波監督にこだわっている。フロントの名波監督への思い入れは尋常ではないレベルである。
名波監督の方が服部強化部長よりも1学年年上になるが名波監督が自ら辞任を申し出ることも同様に考えにくい。なので、このまま未勝利の時期が続いたとしても、解任も、退任も、契約解除も、辞任もなさそうだ。3月17日(日)に行われる鳥栖戦(A)は「今シーズンのJ1の残留争いの行方を大きく左右するだろう注目の一戦」になるがこの試合で敗れて開幕4試合勝ちなしとなっても名波監督のままで変わらないだろう。
もちろん、2015年にはJ1昇格を達成しており、2017年にはJ1で6位と躍進するなど、名波監督が磐田でいくつかの結果を残してきたのは間違いない。抜群の求心力を持った監督であり、指導者としての手腕は確かだと思うが、「ボロボロになりつつある名波監督にこのまま監督を続けさせるのは誰のためにもならない。」という事態に投入しつつある。ある意味では磐田のフロントはかなり無責任である。
■ 理解しかねるフロントの判断監督として一定の実績を積み上げており、かつ、人気や知名度も抜群である。昨シーズン限りで退いたとしても、数年後、磐田の監督に再チャレンジする機会は訪れただろうし、その他のクラブが手を伸ばす可能性もあったがいい時期に積み上げた貯金が無くなりつつある。磐田ほどのクラブであれば次の監督を見つける作業はそこまで難しくなかったはず。今オフ、あれほど名波監督にこだわった理由は理解しかねる。
当然、東京Vとの参入決定戦で敗れてJ2降格となっていた場合は監督としての評価は地に落ちたと思うが、何とかJ1に生き残ることが出来た。そのタイミングで監督を退いたとしてもとんでもなく悪いイメージが残ることはなかったと思うが賛否両論ある中で続投となって開幕から失態が続くと評価は厳しいものになる。昨シーズンの終盤から名波浩監督の精神状態はかなり不安定で危うい状況のように思える。
仮に思うように結果が出なくても若手を積極的に起用するなど「未来への希望」が見える試合がいくつかあると周囲に与える印象は大きく変わってくるが今シーズンも若手の起用には消極的である。数少ない新戦力であるMFロドリゲスを重用しているがまだ結果は出せていない。FW小川航を筆頭にたくさんいる期待の若手の多くが出場機会に恵まれずに停滞している点も名波監督の立場や印象を厳しくしている。
5節の鹿島戦(H)を除くとシーズンの序盤は前評判があまり高くなかったチームとの対戦が続くので序盤の日程には恵まれているが、当然、その後は上位候補に挙げられたチームとの対戦が多くなる。リーグ戦で1つ勝利出来ると雰囲気はガラッと変わると思うが「1つ目の勝利」を手にするまでが大変である。本人は「名波党の支持率が下がった中、回復に向かって全力を注ぎたい。」とコメントしているが・・・。
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