■ 4対2で磐田が勝利前節はG大阪戦で2対5と大敗を喫したジュビロ磐田が、ホームのヤマハスタジアムにサンフレッチェ広島を迎えたJリーグ第8節。
磐田は、中山とカレンの2トップ。FW出場の多かった、日本代表候補の太田を右の攻撃的MFに起用した。負傷者の多いCBは、大井と菊地。
対する広島は、中盤の要のMF青山を警告累積で欠く苦しい陣容。青山の代役には、MF高柳が先発。
試合は、前半は磐田のペース。前半4分、左サイドの上田の高精度のクロスを、ゴール前のカレンがフリーであわせて先制。さらに、前半38分には、上田のCKからDF大井が頭で合わせて追加点。大井は記念すべきJリーグ初ゴールとなった。前半は、磐田が2対0でリードして折り返した。
後半は、立ち上がりから、広島が攻め込む。開始早々、右サイドの駒野のアーリークロスをFW佐藤寿人が頭で合わせて、1点差に詰め寄る。その後は、広島の時間帯。運動量が落ち始めた磐田を攻守で上回るが、同点ゴールは奪えなかった。
押され気味の磐田だったが、後半23分、カウンターから右サイドバックの犬塚のクロスをカレンが合わせて3対1と突き放す。後半36分、広島は、佐藤寿人の突破からPKを獲得し、そのPKをFWウェズレイが決めて再び、1点差に詰め寄るが、後半41分、左サイドから太田のクロスを成岡が頭で合わせて4対2。結局、そのまま、磐田が勝利し、ホームでは4戦全勝となった。
■ 奮闘光る中山前半は、磐田が本来のパスサッカーを披露し、広島を圧倒した。ここまで、よくボールが回ったのは、今シーズン初めてだっただろう。ボールがうまく回った理由は、2トップ(カレン&中山)にしたことで、前線で受けてが増えたことか挙げられる。特に、FW中山が低い位置まで下がってきて、味方をうまく使うプレーが光った。
また、ボランチのファブリシオとパラナが上下左右に精力的に動いて、両サイドバックの犬塚と上田の攻撃参加を促したことも見逃せない。犬塚のポジションは、ウイングに近い位置を保って、太田とのコンビでチャンスシーンに多く絡んだ。
ただ、いい感じでボール回しが出来ているにもかかわらず、つまらないミスで攻撃の流れをストップさせてしまうことが多く、ポゼッション率の割りには、ゴールチャンスは少なかった。その点は、次節に向けての課題といえる。
■ ストライカーとして覚醒しつつあるカレン2ゴールを挙げたFWカレン。これで、今シーズンは4ゴールとなったが、いずれのゴールも素晴らしい。4得点とも、フォワードらしい絶妙のポジショニングから生まれたゴールであり、ゴールへの嗅覚が研ぎ澄まされてきている。
カレンというと、日本人離れした骨格の太さから生み出されるダイナミックなプレーが持ち味だが、今シーズンは、ゴール前の動きに、長足の進歩を感じる。
■ 圧倒的な存在感を見せる駒野試合には敗れはしたものの、広島の右ウイングバックの駒野のパフォーマンスは、この試合も圧倒的だった。対面の五輪代表の上田とのマッチアップでも優勢で、開幕から、際立つプレーを見せている。
一番のよさは、なんと言ってもクロスの精度の高さ。クロスの総数が、千葉のMF水野に次いで2位と本数も多いが、1つ1つのボールの質も文句のつけようがない。
広島の両ウイングバックは、右が駒野で、左が服部。この両サイドは、自らが主導になって、(メンバーを代えることなく、)攻撃モードと守備モードの切り替えができる点が、他のサイドプレーヤーにない魅力である。
ジュビロ磐田 採点GK 川口 5.5→ 佐藤寿人のゴールシーンは、飛び出しの判断ミス。それ以外は、問題なかった。
DF 犬塚 6.0→ 右サイドで、積極的なプレーを見せた。だが、軽率なミスが多いのは気になる。
DF 大井 7.0→ Jリーグ初ゴールで、MOM。
DF 菊地 6.0→ CBでプレー。後半に運動量が落ちたが、それまでのプレーは悪くなかった。
DF 上田 5.5→ 2アシストも、らしくないパスミスが多かった。
MF ファブリシオ 5.5→ 献身的にプレーしたが、イージーミスも多かった。本調子ではない印象。
MF パラナ 6.5→ カバーリングが光った。展開力はないが、気の利いたプレーを見せた。
MF 太田 6.0→ いつもより下がり目でのプレー。1アシストも、プレー機会は多くなかった。
MF 成岡 6.5→ 素晴らしいヘディングゴール。消えている時間も多かったが、危険度は高かった。
FW 中山 6.5→ 相手マークを引き連れる動きが秀逸。ただ、シュート精度は低かった。
FW カレン 7.0→ 文句なしの2ゴール。守備でも貢献したが、組み立てに参加するシーンが少なかったのはマイナス。
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