■ U-20W杯の出場権がかかった準々決勝U-19アジア選手権の準々決勝の3戦目。GLを2勝1分けで首位通過したU-19日本代表はタジキスタンと対戦した。日本はここまでの3試合で6得点/0失点。DF冨安とDF中山雄を中心とした守備陣の頑張りが目立っている。一方のタジキスタンは1勝1敗1分けの2位通過を果たした。初戦はウズベキスタンに1対2で敗れたが、2戦目は中国に2対0で勝利して、3戦目はオーストラリアとスコアレスドロー。2位に滑り込んだ。
日本は「4-2-2-2」。GK小島亨(早稲田大)。DF藤谷(神戸)、DF冨安(福岡)、DF中山雄(柏)、DF舩木翔(C大阪U-18)。MF市丸(G大阪)、MF坂井大(大分)、MF堂安(G大阪)、MF三好(川崎F)。FW岩崎(京都橘高)、FW小川航(磐田)。スタメン11人はGLの3試合目のカタール戦と全く同じ11人が起用された。1戦目と2戦目はボランチのスタメンだったMF神谷(湘南)は怪我のためチームを離脱することが決まっている。
ベンチスタートになったのはGK廣末(青森山田高)、GK若原(京都U-18)、DF岩田(大分)、DF初瀬(G大阪)、DF板倉(川崎F)、DF町田(鹿島)、MF原輝綺(市立船橋高)、MF長沼(広島)、MF遠藤渓(横浜FM)、FW岸本(C大阪)、FW中村駿(柏U-18)の11名。ボランチのMF神谷がプレーすることが出来なくなったのでボランチが手薄になった。GK廣末とGK若原とDF板倉とDF町田の4人はまだ出番が回ってこない。
■ 4対0で大勝して5大会ぶりのW杯行きが決定!!!U-20W杯の出場権がかかった大事な1戦は日本ペースで進んでいく。立ち上がりから圧倒的に押し込むと前半8分に右サイドのMF堂安のクロスからエースのFW小川航が豪快なヘディングシュートを決めて先制に成功する。その直前にもMF市丸のロングパスからヘディングでポスト直撃のシュートを放っているFW小川航が2つ目のチャンスをゴールに結びつけた。FW小川航はGLの初戦のイエメン戦以来のゴールとなった。
さらに前半19分にはMF三好がドリブルでサイドを突破。逆サイドで待っていたMF堂安が得意の左足でコース隅にシュートを決めて2点目を奪った。MF堂安は待望の今大会初ゴールとなった。全員が下がって守るタジキスタンはほとんどチャンスを作れず。2点リードした後は日本もペースダウンしてなかなかチャンスを作れなくなったがとにもかくにもほぼ危なげない展開で前半は2対0とリードして折り返す。
2対0で迎えた後半は停滞する時間が長かったが後半28分にFW小川航が自ら仕掛けて獲得したFKを直接決めて3点目を奪うと、後半43分にはMF坂井大のパスからFW岩崎が決めてダメ押しの4点目のゴールを奪った。FW小川航とFW岩崎はともに今大会3ゴール目となった。結局、攻守に圧倒した日本が4対0で勝利。実に10年ぶりとなるU-20W杯の出場権を獲得した。次の準決勝はベトナムと対戦する。
■ 史上初となるアジア制覇に期待したい。過去4大会はいずれもベスト8で涙を呑んでいたU-19日本代表が10年ぶりに世界の扉をこじ開けた。MF香川やFW柿谷やMF水沼らの世代のときに久しぶりに世界大会の切符を取り逃したが、前回、U-20W杯に出場したのがMF柏木やDF槙野やDF内田篤らの世代になるので相当なブランクがある。「5大会ぶりのW杯出場」が期待されたので大きなプレッシャーがかかっていたと思うがまずはノルマを達成した。
正直なところ、準々決勝の相手がタジキスタンになったのはラッキーだった。力の差は歴然としていたので4対0というスコアは力関係を考えるとかなり妥当と言える。D組はウズベキスタン・オーストラリア・中国・タジキスタンで構成されており、大会前の時点では「準々決勝の相手はウズベキスタンか、オーストラリアのどちらか。」だと思っていたので番狂わせが起こってタジキスタンになったのは有り難かった。
次の準決勝の相手もベトナムなので組み合わせ的には恵まれている。普段通りの力を出すことが出来れば問題なく90分で勝利することができる相手だと思うが、言うまでもなく油断は禁物である。2年前の同大会はベトナムとGLの2戦目で対戦したが苦戦を強いられた。終了間際に決勝ゴールを奪うという冷や冷やの展開だったので侮ることは出来ないが日本にとってかなり戦いやすい相手であることは確かである。