フォワード→ 桐光学園高時代に冬の高校選手権で活躍して全国区の選手になったFW小川航(磐田)にかかる期待は大きい。183センチ/70キロの恵まれた体格で現時点では「東京五輪代表のエースストライカー候補の筆頭」と言える。いろいろな形からゴールを奪うことができる天性のストライカーで強いメンタリティもプロ向きと言える。長年、FW前田遼(FC東京)が背負ってきた18番を受け継いだことからも期待の高さが伺える。
近年の日本サッカー界はCBのポジションにタレントが出てくるようになってきた。リオ世代ではDF植田直(鹿島)とDF岩波(神戸)に続いてDF中谷(柏)なども台頭。高さだけでなくフィード力を兼ね備えたCBが出てきている。東京世代も187センチのDF町田(鹿島)などがいるので「人材がいない。」と言われることが多かったCBはタレントが定期的に出てくるようになっているがその裏で枯渇しているのはCFである。
FW久保裕(ヤングボーイズ)のようなテクニック系のストライカーやFW浅野拓(広島)のようなスピード系のストライカーは出てきているが中央でどしっと構えることができるサイズのあるCFはほとんど出てこない。1996年生まれのFW北川(清水)も万能型のストライカーとして評価が高いが「誰がどう考えても才能に恵まれているCFである。」と言えたのは1992年生まれのFW杉本健(C大阪)まで遡る。人材難は深刻である。
磐田というとFW中山、FW高原、FW前田遼を日本を代表するストライカーを育ててきたクラブである。FW中山に関してはヤマハ時代なのでちょっと事情は異なるが少なくともFW高原とFW前田遼に関しては高卒で獲得して日本最高のストライカーまで育ててきた実績がある。「ストライカーを育てる」という成功体験を持つ数少ないJリーグのクラブなので「もっとも安心できるクラブの1つ」と言えるのは確かである。
その他の大型フォワードというとFW垣田(鹿島)が年代別代表の常連になりつつある。187センチ/78キロ。現状では線が細いのでタフな国際試合でポストプレーをこなすのはなかなか難しいが大型フォワードの割には動ける選手である。鹿島でのプレーを見る限りでは「ポストプレーヤー」というよりは「サイドに流れてそこで起点になるプレーを好むタイプ」に思えるがこれだけサイズがあると泥臭い仕事が求められる。
むしろ、サイズを生かして中央で起点となるプレーができるようにならないと年代別代表に生き残っていくのは難しいだろう。父親も創生期に鹿島でプレーしていたのでクラブ史上初の親子選手となる。近年、鹿島も高卒あるいはユース卒の有望な選手が着実に力を付けてチームの主軸になっている。「育成力の高いクラブ」なので上手に育ててエース候補のFW小川航(磐田)のいい競争相手になることが期待される。
定期的に年代別代表に召集されており、代表に召集されたときはコンスタントに国際試合でゴールを決めているFW岸本(C大阪)はゴリゴリ系のストライカーである。派手なプレーをするタイプではなくてやれることを確実にこなしてチームに貢献するタイプの選手である。力強いドリブルが1つのウリで前線からの守備やフリーランも武器と言える。計算できる選手としてU-19日本代表の内山監督の信頼を勝ち取っている。
1998年1月生まれのFW吉平翼(大分)は高校3年生だった2015年シーズンにJ2でプロデビューを飾っている。GK西川(浦和)やMF清武(セビージャ)やMF東慶悟(FC東京)など幾多の名選手を輩出してきた大分の下部組織出身。双子の兄であるMF吉平駿も大分の下部組織でプレーしていた。天性のストライカーでゴール前ではダイナミックなプレーが出来る。体を投げ出して急所に飛び込んで点を奪うことが出来る。