■ 2020年の東京五輪代表チームを指揮するのは誰か?近年の男子サッカーの五輪代表チームの監督は「Jリーグである程度以上の結果を残している若手世代の日本人監督」が任されている。2008年の北京五輪のときは新潟で結果を残していた反町監督が抜擢されて、2012年のロンドン五輪のときは川崎FをJ1屈指の強豪チームに引き上げた関塚監督に託された。そして2016年のリオ五輪は仙台で好成績を残していた手倉森監督に白羽の矢が立ったことは記憶に新しい。
言うまでもなく、欧州や南米で評価が高い指導者がわざわざ極東のアジアの日本に行こうとは普通は考えない。契約年数が1年あるいは2年ほどが基本となるクラブレベルであればやや可能性は高まるが2年半あるいは4年ほどの長期契約が基本になる代表監督になると「トップレベルからのブランク期間の長さ」を嫌う監督は多い。フル代表でも監督選びは苦労しているが五輪代表の監督となると難易度はさらに高まる。
なので「4年後の東京五輪も日本人監督になるだろう。」ということは容易に予想できる。「日本人指導者を育てたい。」というサッカー協会の心情も絡んできて「五輪代表の監督は日本人指導者の登竜門」になっている。正式に手倉森監督がリオ五輪の監督に決まったのは2013年10月だったので東京五輪の男子サッカーの日本代表監督が決まるまで前回と同じようなスケジュールであるならばあと1年ちょっとになる。
■ 全ての条件を満たすのは広島の森保監督そろそろ「誰が東京五輪の代表監督にふさわしいのか?」が話題になり始める時期に突入している。「日本人であること。」、「Jリーグで結果を出していること。」、「確固たるスタイルを持っていること。」、「指導者として若手から中堅の年代であること。」あたりがとりあえずの条件となるが現時点でもっとも可能性が高いのは森保一監督(広島)になるだろう。2012年からの4年間で実に3度の日本一に輝いている。
しかも、いずれのシーズンも広島が「優勝候補の筆頭」というわけではなかった。特に1度目の2012年、3度目の2015年は開幕前の評価が低かったことを考えるとその価値は極めて高い。もちろん、「ずっと広島の監督をしてほしい。」と願っているサポーターは多いと思うが今年で就任5年目。長期政権になっているのでそろそろ指導者としてステップアップするために次の道に進んでもおかしくない時期に入っている。
森保監督は若年層の日本代表のコーチを務めた時期もあるのでサッカー協会とのつながりもある。現段階では最有力候補と言えるだろう。その他では指導者としての実績を考えると長谷川監督(G大阪)も候補に挙がってくる。2014年には日本人監督としては史上初となる「三冠」を達成するなど日本人屈指の指導者と評価されている。長谷川監督はG大阪の監督に就任して4年目。新しい刺激が欲しくなる時期とも言える。
城福監督(FC東京)も候補と言える。こちらはFW柿谷(C大阪)などが中心となった2007年のU-17W杯を目指した年代別代表チームで若い世代の指導を経験しているのも魅力と言える。2006年の秋に行われたU-16アジア選手権を制覇した実績もある。基本的には攻撃的なサッカーを志向するが戦力的にはやや劣ると思われた甲府では守備を重視したサッカーで結果を残した。攻撃一辺倒の指導者ではなくなった。
■ その他の監督で候補になりそうなのは・・・。その他では風間監督(川崎F)とチョウ・キジェ監督(湘南)も面白い。風間監督は考え方が独特なので抵抗感を持つ人もいるが川崎Fでの仕事ぶりは高く評価されるべきである。ほぼ間違いなく攻撃的なチームを作ると思うが東京世代にはMF堂安(G大阪)、FW小川航(磐田)、MF三好(川崎F)、MF杉森(名古屋)など攻撃的なポジションにタレントが揃っているので魅力的なチームを作ってくれるのでは?という期待感はある。
一方のチョウ・キジェ監督は京都市出身であるが在日韓国人となる。「日本人監督」という枠組みから外れてしまうところもあるが日本で生まれ育った指導者なので障害にはならないだろう。現代サッカーの主流になっている「攻守の切り替えの早いサッカー」を取り入れて湘南スタイルを確立させたが近年の日本サッカー界が目指すスタイルと似た部分が多い。ユース世代の指導経験が豊富である点も魅力と言える。
「次回も手倉森監督に任せる。」というアイディアも全くないとは言えない。23歳以下の世代の継続的な強化という意味ではかつてのアルゼンチン代表のぺケルマン監督のような指導者が出てくるのはサッカー界にとってはいい話である。当然、手倉森監督も経験を積んでいるので「この年代はどう指導していけばいいのか?」のノウハウを蓄積している。「続投」も選択肢の1つに入れておくのがベターである。
他にはDF植田直やDF岩波がいた2011年のU-17W杯でベスト8、MF杉本太やDF宮原らがいた2013年のU-17W杯でベスト16に導くなど年代別代表の監督として歴代屈指の実績を誇る吉武監督も候補に挙げられる。サッカースタイルは独特でショートパスをつなぐサッカーで世界を驚かせた。17歳以下の世界大会で日本が決勝トーナメントに進出したのは3回だけ。そのうちの2回が吉武監督の時というのは見事である。
東京世代の中で1997年生まれと1998年生まれと1999年生まれの選手はU-15やU-16やU-17の代表チームで吉武監督の指導を受けているので教え子も多い。外国籍監督ではJリーグで実績を残したオリベイラ監督やクルピ監督などはフル代表を含めた監督候補を探すときに必ず待望論が出てくる。このあたりの指導者を招聘できるとかなり面白いことになると思うが実現できる可能性はあまり高くないと言える。
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