右サイドバック→ 近年はSBの重要性が高まっている。守備で貢献するのはもちろんのこと、攻撃にも効果的に絡んでくることが期待される。当然のことながら運動量がまず必要でビルドアップ能力も必要で1対1の強さも必要でクロスの精度も求められる。様々な能力が必要とされる。ただ、言うまでもなく、求められる能力の全てを高次元で備えている選手はほとんどおらず、攻撃的なポジションからコンバートされる選手も多い。
「現時点では東京世代の右SBの中で突出した選手はいない。」と言えるがU-19日本代表のDF小島雅(仙台)とDF柳(FC東京)の2人は高い評価を得ている。仙台ユース出身のDF小島雅は170センチ/64キロなので体格には恵まれていないが身体的な能力が高くてスピードがあって突破力がある。攻撃力の高いSBである。自分でドリブルで仕掛けてゴール前のチャンスシーンを演出できる選手はかなり貴重である。
対照的にDF柳(FC東京)は守備型のSBである。183センチの長身でフィジカルが強い。FC東京の先輩である元日本代表のDF徳永のような「鉄壁の守備」をウリとする職人型の右SBになれる可能性を秘めている。これだけサイズがあるのでCBとして大成する可能性もあるが本人は「プロでは右SBで勝負したい。」と考えているようだ。器用なタイプではないが縦への推進力は魅力。サイズを生かした突破は迫力がある。
高校3年生だった2015年にJ1デビューを飾ったDF藤谷(神戸)も将来性が高く評価されている。縦への推進力があって178センチと日本人のSBにしてはサイズもあるスケールの大きな右SBである。ネルシーニョ監督の評価が高くて2015年はJ1で5試合に出場している。「ジュニア・U-15・U-18というヴィッセル神戸のアカデミーの全世代を経てトップチーム昇格を果たした初めての選手」になるので周囲の期待は高い。
すでにJ1のG大阪でスタメンを経験しているDF初瀬(G大阪)は左右両サイドを遜色なくこなす。その点はDF長友(インテル)やDF酒井高(ハンブルガーSV)やDF亀川(福岡)やDF室屋(FC東京)などと同じであるが、DF初瀬のように攻撃に特徴のあるSBで両サイドを問題なくこなせる選手は珍しい。正確な左足のキックが武器の1つとなるが左利きというわけではない。DF初瀬は大阪府出身。東京五輪代表候補は関西人が多い。
多くの名選手を輩出している大分の下部組織で育ったDF岩田(大分)も候補に挙げることができる。今シーズンはJ3リーグでプレーしているが15節が終了した時点で13試合でスタメン起用されている。欠場したのは2試合だけ。基本的には中盤の選手だと思うが基本技術がしっかりしていて戦術理解度が高いのでどのポジションでもプレーすることができる。今シーズンは右SBでプレーする機会が多くなっているようだ。