キーパー→ 1964年大会以来で2度目の開催となる東京五輪は2020年7月24日に開幕して8月9日に閉会式が行われる予定になっている。したがって東京五輪の開幕まであと4年とちょっと。東京開催が決まったのは2013年9月7日にブエノスアイレスで開かれたIOC総会のときだった。当時は「約7年後の未来の話」だったので先の話すぎて現実味はなかったが「4年後の話」となると『もうすぐだな・・・。』という感じになる。
サッカー男子の五輪代表チームはいつの時代も大きな注目を集めるが特に自国開催となる2020年の東京五輪のときは大きな注目を集めることになるだろう。1997年1月1日以降に生まれた選手が東京五輪の対象となるが強化費用などは潤沢に用意されるはず。2012年のロンドン五輪のときは44年ぶりにベスト4に入ってメダルまであと一歩だったことを考えると「メダル獲得」が東京五輪でのちょうどいい目標になる。
4年という期間は長いようで短いし、短いようで長い。4年後のことを正確に予想するのはかなり難しいが、キーパーに関しては「(基本的には)高さがあること」が有望なキーパーと言われるための絶対条件に近い。経験値も必要とされるポジションなので、今後、(現段階で)一般的には無名に近いキーパーが飛躍的に評価を高めて東京五輪代表チームのメンバーに選ばれる可能性はあまり高くないと考えられる。
過去を振り返ってみてもフル代表で活躍したGK川口(SC相模原)やGK川島(ダンディーU)やGK西川(浦和)などは年代別代表のときから将来を嘱望されるキーパーだった。他にも定期的にハリルJAPANに招集されている195センチのGK林彰洋(鳥栖)はU-20日本代表など年代別代表で活躍した経験がある。さらに言うとリオ五輪代表のGK櫛引(鹿島)やGK中村航(柏)も早くから逸材として注目されてきたキーパーである。
もちろん、クラブレベルだとGK加藤(大宮)のように長い下積み生活を経て30歳近くになってから突如として脚光を浴びるようになる「遅咲きのキーパー」も出てくるがフル代表や五輪代表に絡んでくるキーパーはやはりエリートが多い。(Jリーグの下部組織ではなくて)環境面が整備されていない高体連のチームでプレーしているキーパーはきちんとした指導を受けることができないケースが多いのでかなり不利である。
4年前の今の時点で東京五輪の正キーパーにもっとも近い位置にいるのはU-19日本代表に定期的に招集されているGK小島亨(早稲田大)になるだろう。高校年代は名古屋U18でプレーしたがトップチームには昇格せずに大学が進路先となった。183センチ/73キロなのでキーパーとしては小柄な選手であるが左利きでフィード力があってキャッチングも安定している。日本代表のGK西川(浦和)のようなタイプと言える。
GK川口(SC相模原)やGK櫛引(鹿島)やGK中村航(柏)は(いくつかの幸運が重なって)かなり早い段階からJリーグで出場機会を得ることができたがよほどのことがない限り、20歳前後のキーパーが所属クラブでスタメンの座を確保して出場機会を得るのは難しい。結局、リオ五輪代表の3番手あるいは4番手のキーパーだったGK杉本(徳島)やGK牲川(鳥栖)などは現段階でもほとんどあるいはまったく出場機会を得られていない。
もちろんケース・バイ・ケースではあるが大学に進んだ方が実戦経験を積みやすい。キーパーに関しては(選手寿命が比較的長いポジションであることも考慮すると)飛び抜けた才能を持つキーパーでない限りは高卒でプロ入りをして最初の数年をベンチ外で過ごすよりも大学に進んで試合経験を積んだ方がいいのかもしれない。「高卒でプロ入りを選択せずに大学経由でプロを目指す」というのが主流になる可能性がある。
今年の1月に行われたU-23アジア選手権で活躍したGK櫛引(鹿島)を輩出した青森山田高は今年もGK廣末(青森山田高)という定期的に年代別代表に呼ばれているキーパーを擁している。青森県内にはまだJリーグのクラブがないので他の地域とはやや事情が異なるが青森山田高は年代別代表に呼ばれるような選手を毎年のように生み出している。リオ五輪代表のGK櫛引(鹿島)とDF室屋(FC東京)は同校の卒業生となる。
GK廣末は現在は高校3年生。進路先が注目される選手の1人であるが、同じ1998年生まれのキーパーではGK波多野(FC東京U-18)とGK山口(FCロリアン)の評価も高い。GK波多野は196センチの大型キーパーで潜在能力が高く評価されている。FC東京は23歳以下の選手を中心にJ3リーグに参加しているので「プロ入り後の数年間は出場機会が得られない。」という大半のJクラブが抱える問題点を気にする必要がない。
一方のGK山口もFC東京の下部組織でプレーしていたが「現状を打破したい。」という思いから父親の母国のフランスに渡ってFCロリアンで力を蓄えている。GK廣末も含めた3人はいずれも中学年代はFC東京の下部組織でプレーした。GK廣末とGK山口はFC東京U-15深川でプレーして、GK波多野はFC東京U-15むさしでプレーしているが、同学年で3人の年代別代表のキーパーを輩出するいうのは異常である。
1999年生まれのキーパーではGK大迫(広島ユース)が目立つ。185センチ/82キロと恵まれたサイズを誇る。1999年生まれでありながら2つ上の1997年生まれの選手が中心となるU-19日本代表に飛び級で招集されて出場機会を得ていることからもGK大迫の潜在能力の高さが伺える。キーパーにとってもっとも大事な要素の1つである「落ち着き」がある。チームメイトに安心感を与えることができるキーパーである。
2017年のU-17W杯出場を目指す「00ジャパン」に選出されているGK谷(G大阪ユース)も将来が嘱望されるキーパーである。まだ15歳であるにもかかわらず187センチ/81キロ。J1のキーパーの中に混じっても「すでに上位クラス」と言える立派な体格で雰囲気を持ったキーパーである。GK大迫とGK谷はともに東京世代の中では下の方の学年になるのでその点は不利に働くと思うが共に大きな可能性を感じさせる。
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