■ 日産スタジアムへさて、等々力競技場から、日産スタジアムへ。
日産スタジアムは、新横浜駅から歩いて、15分ほど。W杯の決勝戦を行ったスタジアムで、さすがにアクセスは抜群である。ただ、実際は、新横浜駅の隣のJR小机駅からの方が、近いし、分かりやすい。ということで、至るところに、「日産スタジアムへは小机駅から」という看板が見える。
小机駅からは、5分ほど。駅を降りると、すぐに、巨大な日産スタジアムが見えてくる。その光景は、圧巻である。橋を渡ると、日産スタジアムに到着する。
■ ベストポジション日産スタジアムに到着したのは、17:00過ぎ。等々力競技場と日産スタジアムは、うまくいけば、1時間以内での移動も可能である。
さて、日産スタジアムでの横浜FC戦だが、同じ横浜市をホームタウンとする横浜FM戦とは、若干の区別がある。メインスタンドとバックスタンドの中央部分の座席について、横浜FC戦では、指定席と自由席の区切りがない。したがって、好きな場所での観戦が可能である。日産スタジアムで試合を見るときは、横浜FC戦がオススメである。見る側とすれば、こういうスタジアムが、一番ありがたい。こんなにいい席で見るのは、珍しい。
■ カズダンスTシャツさて、噂の「カズダンスTシャツ」。先着3000着。続々、売り切れている。カズ人気は、不滅である。
カズダンスTシャツ■ いつもとは違う空気ただ、やはりというべきか、スタジアム内は、いつもとは違って重苦しい空気が漂っていた。試合開始の1時間半前と30分前の2度、ジュビロ磐田の選手とスタッフがサポーター席に向かって、挨拶をする。そして、その光景に対して、大勢のカメラマンが連なって、シャッターを押す。
この日は、アウェーにも関わらず、ジュビロ磐田のサックスブルーのユニフォームを着たサポーターが目立つ。ただの1試合とは、意味合いが異なることが、想像できた。
■ カズが欠場さて、横浜FCでは、FWカズが、腰痛のため欠場。前日の情報では、スタメン出場が予想されていたが、急な故障で、カズの代わりにMF奥がスタメンに入った。
だが、やはりカズ。スタンドで観戦するカズの姿を発見されると、メインスタンドの観客は、試合そっちのけで、関心は、カズの方に注がれる。その騒動がおさまるまでには、前半30分間で待たなければならなかった。異様な光景である。
磐田は、<4-5-1>に近い形で、1トップの前田を、船谷・成岡・太田の3人がサポートする。DFラインは、右から、加賀・田中・大井・村井。ファブリシオと上田がダブルボランチを形成する。
■ 平本のファインゴール試合は、前半5分、ホームの横浜FCがいきなり先制する。
磐田のDF田中誠のクリアボールが、平本の背中に当たって、平本がボールを保持すると、次の瞬間、平本の左足から放たれた、鮮やかなループシュートがゴールネットに吸い込まれて、横浜FCが先制する。
ただ、その後は、中盤のタレント力で優る磐田が、攻勢に出る。左サイドバックの村井を起点に、サイドアタックが機能し始める。
磐田の同点ゴールは、前半24分。田中のロングフィードをFW前田が競って、そのこぼれ球を拾ったMF成岡が、ドリブルからミドルシュート。この強烈なシュートが、GK菅野のニアーサイドを突き破って、同点に追いつく。鮮やかなワンタッチコントロールからドリブルのコースを作って、ペナルティエリアに侵入した成岡の技術の高さが光った。
菊地と成岡は、ともに、2001年のU17世界大会に出場し、将来を嘱望されてきたタレントであり、同じ静岡県の高校からジュビロ磐田に入団した、ライバルであった。最も、複雑な気持ちをもっているだろう成岡が同点ゴールを決めたことに、ドラマ性を感じる。前半は、1対1で終了。
白熱する試合■ 逆転のゴール後半に入ると、磐田が、さらに、圧力を強めていく。すると、後半4分、磐田は逆カウンターの形から、右サイドを太田が抜け出してアーリークロス。そのボールを中央のFW前田が右足のダイレクトであわせて、逆転に成功する。
一度は、ファーサイドへのロングボールを要求するふりをしてDFをかく乱し、その直後、素早くニアーサイドに駆け込んでゴールに蹴り込んだ前田の頭脳的な動きが逆転のゴールを呼び込んだ。
■ 逃げ切り体制逆転に成功した磐田は、DFラインを下げて、1点リードを守りに入った。後半の半ばには、MF成岡を下げて、DF犬塚を投入し、右サイドバックの加賀を横浜FCのキーマンMF奥に密着マークをさせる用意周到ぶりを見せる。
試合終了間際のFW難波がクロスに飛び込んだシーンなど、危ない場面もあったが、何とか、1点を守りきって、2対1で磐田が勝利した。
試合後の整列■ 結束したジュビロイレブンネガティブな要素が起こったとき、チームが結束して好結果を生み出すときと、逆に、バラバラになって沈んでいくときの両方が考えられる。そして、多くの場合、後者に陥ってしまいがちであるが、この日の磐田は、全員で戦って、大きな勝利を手に入れた。
それにしても、この試合の磐田の選手のプレーは、称えられるべきである。難しい心理状態で、好奇の目にさらされる状況で、90分間、誰一人として、サボることはなかった。
特に、MF船谷圭祐は、これまでとは、見違える動きを見せた。技術はあるものの、ムラがあって、ファイト出来ない選手というレッテルを貼られている感のある船谷だが、この試合は、驚くべき集中力で、攻守に素晴らしく実効的なプレーを見せた。
磐田ユース出身で、菊地とは2歳違い。ともに、将来の磐田を担う存在と期待されていた選手である。複雑な思いが、船谷のプレーレベルを引き上げた。
試合後のサポーターへの挨拶■ 高い貢献度を見せる前田遼一磐田のFW前田遼一は、この試合でも、存在感は抜群だった。ポストプレーでタメを作る仕事と、ゴール前に顔を出して得点を挙げる仕事を、ここまで両立できているフォワードは、J1では他には見当たらない。
特に、ニアーサイドに走りこんでワンタッチシュートでゴールを挙げるプレーは、洗練されてきており、芸術品の域に入りつつある。前田が中央にいることで、太田の右サイドからの突破がより生きるようになってきていることは、言うまでもないだろう。
ヒーローインタビュー■ 横浜FCのチーム力一方の横浜FCも、非常に集中した、いい試合を見せた。技術力では、磐田にはかなわないが、攻守の切り替えの早さは、磐田を上回るものがあり、本数自体は少なかったが、決定的なチャンスも作った。
技術力の差は簡単には埋めようはないが、高木監督は、しっかりとしたチームを作っており、好感は持てる。
■ 1トップの平本横浜FCでは、1トップを務めた、FW平本が存在感を発揮した。ゴールシーン以外でも、中央突破であわやPKというシーンを作ったり、惜しいへディングシュートを放ったりと、最も危険な選手として、ピッチに君臨した。
どうしても、周りのサポートが薄く、独力で何とかしなければならないという場面の多い、横浜FCのフォワードとしては、うってつけの選手であり、非常に、効果的な補強となった。
ただ、平本のスタミナが切れた、後半10分過ぎあたりからは、攻撃に迫力を欠いた印象も残った。FW久保が復調すれば久保が控えるが、現状、平本の代わりは、存在しない。平本の使いどころも、今後の鍵となるだろう。
■ 重要な高木監督の起用方法開幕前は、駒不足の感もあった横浜FCだが、FW平本、MF山田卓也と2人のビッグネームを獲得し、さらには、韓国人のFW永哲(チョ・ヨンチョル)とDF乗振(ペ・スンジン)を補強しており、もう、言い訳は出来ないほど、戦力補強を行っている。
FW久保やMFアドリアーノ、FWシルバら誤算も多いが、挽回のチャンスは、まだ、十分に残っている。高木監督の選手起用が重要になるだろう。
試合にも出てよ!■ 「菊地問題」について菊地の問題に関しては、全く、弁解の余地はない。以前、アビスパ福岡のH選手が、 児童買春禁止法違反容疑で逮捕されている。この選手は1年ほどのブランクを経て、ピッチに復帰することが出来たが、菊地の場合は、このケースよりも、悪質だと思われるので、復帰への道は、容易ではないだろう。
「永久追放」という声も出ているが、ただ、今の時点では、復帰の道を閉ざして欲しくはないと思う。もちろん、今後の本人次第ではあるが・・・。
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対岸の出来事と思っていましたが、自分の贔屓のチームに起こると、その衝撃はかなり大きいものがありました。
サポータの中でも、色々な意見が飛び交い、その意見に怒りをぶつけ合って、悲しさ倍増です。
事件の内容が内容だけに、大人の方がショックが大きいように感じます。
先日の勝利はとても大きい1勝と思います。成岡のゴールには、心から助けられました。
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