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【ジュビロ磐田】フベロ監督の解任は「時期尚早」と言えるが・・・。 | | |　

■　5位に位置するジュビロ磐田

J2は15節が終了した。いよいよ中盤戦に突入しているが開幕前に「優勝候補の一角」に挙げられたクラブが軒並み低調。サプライズの多い序盤戦になった。「3強(長崎・北九州・徳島)」の勢いは止まらずに4位以下を大きく引き離しているが「1年でのJ1復帰」を目指す磐田は6勝4敗5分けで勝ち点「23」。5位に位置する。2位の北九州との差は「11」。残りはまだ27試合も残っているが限界ギリギリの勝ち点差と言える。

14節の金沢戦(H)で大量6ゴールを奪うなど点は取れるようになってきた。再開後は不振が続いたFW小川航はここ6試合で5ゴールと量産しており、通算でも14試合で7ゴールとなった。J2の得点ランキングでも3位タイまで浮上してきた。相棒のFWルキアンも好調。15試合で6ゴール2アシストを記録している。さらにはMF大森も好調。14試合で3ゴール5アシストを記録している。前線の3人は十分な数字を残している。

守備陣も15試合で17失点なので決して悪い数字ではないがちょっとしたスキを突かれて失点するケースが少なくない。15節の群馬戦(A)は圧倒的に試合を支配してFW小川航のPKで先制。群馬にほとんどチャンスを作らせていなかったがCBのDF大井の軽率なボールロストから同点に追いつかれて最終的には2対2のドローに終わった。アウェイとは言っても21位に低迷する群馬との試合なので勝ち点「3」を獲得したかった。

DF大井やDF藤田義などベテランが中心として起用されており、FWルキアンやMF山本康やMF大森なども経験の豊富な選手である。DF宮崎智やDF小川大なども実績のある選手なので「老獪なプレーが出来る選手」はたくさんいるがチームとしてうまく試合を進めることは出来ずにいる。「試合運びのマズさ」が今シーズンの磐田の1つの弱点になっており、勿体ない形で勝ち点を取り逃がすケースが多くなっている。

■　攻撃に関するスタッツは軒並み上位

フベロ監督の解任論を唱える人も出始めているが「時期尚早」と言える。最近の3強はほとんど勝ち点を取り逃がさないのでその差はどんどん広がっているが「シュート数」、「クロス数」、「ボール支配率」、「パス数」、「枠内シュート数」、「30mライン進入回数」、「ペナルティエリア進入回数」など攻撃に関するあらゆるスタッツがJ2屈指である。真ん中以下なのはJ2で11位の「ドリブル数」くらいである。

平均のボール支配率は59.0％。ほとんどの試合でボールを保持できており、たくさんのチャンスを作っている。FW小川航が決定機でシュートを外す場面が少なくないのは気になるがチャンスシーンに顔を出せているのは間違いないところである。「ドリブルで仕掛けられる選手が少ない。」というのが今シーズンの磐田の1つの弱点と言えるが特にホーム戦では相手チームを圧倒する展開になることが多い。

FW小川航とFWルキアンとMF大森の3人を中心とした攻撃は破壊力がある。(怪我をしている可能性はあるが)MF今野やMF藤川虎やDF舩木翔やDFフアン・フォルリンやDF大武やDF中川創などはほとんど or 全く出場機会が無いので「J2屈指の選手層の厚さを十分には生かし切れていない。」という観点の批判は少なくないと思うが基本的なスタメン選びや選手交代で監督に大きなエラーがあるとは言えない。

■　2位の北九州との差は「11」

今、監督を代える必要性は全く感じないが、2位の北九州との差が「11」というのはすでに触れたとおりで限界ギリギリの勝ち点差である。J2が22クラブ制になった2012年以降で「2位チームに10差以上を付けられながら逆転して自動昇格を果たしたチーム」は2017年の長崎と2019年の横浜FCの2チームのみである。過去最大が2019年の横浜FCの「12差」なので磐田は早くもデッドラインに近づいている。

しかも、今シーズンは新型コロナの影響で全42試合をこなせない可能性がある。秋以降に「第3波」や「第4波」がやって来るようだと11月や12月に予定されている試合は中止にせざる得ない。一刻でも早く差を縮めないといけないが「直接対決で勝利すること」と「大型連勝」は必須である。昨シーズンの柏は11連勝を達成しており、横浜FCも夏場に7連勝を達成した。このくらいの大型連勝は不可欠である。

2016年の清水も終盤に9連勝を達成しているが「磐田には大型連勝できるポテンシャルはある。」と言える。「3強(長崎・北九州・徳島)」の勢いもさすがに最後まで続くとは考えにくいのでどこかでブレーキがかかるだろう。少なくとも2チームを追い抜かないとJ1昇格は達成できないので難易度は高いがノーチャンスではない。そのためには余計な失点は無くさないといけない。CBの人選は1つのポイントになるだろう。

9月のJ2はまたしても過密日程になっており、各チームは全部で8試合をこなすことになる。今現在も「5連戦の真っただ中」になるが17節が新潟戦(A)、19節が長崎戦(A)になる。どちらもアウェイ戦になるが今シーズンの磐田はホームでは5勝2敗1分けと勝ち越しているがアウェイでは1勝2敗4分けと負け越している。7試合でわずか1勝のみなのでアウェイを苦手にしているがどちらも勝つしかない試合である。

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