祝1stアルバム・リリース決定! 連載スタート : 『D.A.N.の新譜放談』第1回
と、いうことで先ほど4月20日に1stアルバムのリリースが発表されたD.A.N.の連載が唐突にはじまりました。前回インタヴュー時の雑談にて、「あれ聴いた?」「ああいうの好きだと思うな」という会話に端を発し、だったらOTOTOYで配信中のおもしろ音源を。ディープ・リスナーで好奇心ありありなD.A.N.の3人にぶつけてみようということでスタートしました。毎月、さまざまな音楽を彼らにぶつけて紹介しつつ、D.A.N.の作品の裏に潜む感性をじわりじわりとあぶり出していきましょう。という連載です。そう、ただいろいろ聴いて話すだけ、題して『D.A.N.の新譜放談』。今回は昨年後半にリリースされた作品のなかから、なんとなく「ジャズ」をテーマに選んでぶつけてみました(例外もアリ)。
1stアルバム独占ハイレゾ版&歌詞ブックレット付き
D.A.N. / D.A.N.
【Track List】
01. Zidane
02. Ghana
03. Native Dancer
04. Dive
05. Time Machine
06. Navy
07. Curtain
08. Pool
【配信形態 / 価格】
[左]24bit/88.2kHz WAV / ALAC / FLAC / AAC
単曲 251円(税込) / アルバム 1,800円(税込)
[右]16bit/44.1kHz WAV / ALAC / FLAC / AAC
単曲 200円(税込) / アルバム 1,500円(税込)
アルバムまとめ購入で歌詞ブックレットPDFが付属
いろいろ聴いてみる、だけの連載
──ということでD.A.N.の連載スタートです、なんとなくインタヴューのときに音楽の話でもりあがって、連載やろうと。いま洋楽を聴く人と国内のインディ・ロックを聴く人の間で距離感ができちゃってるのがあったりなんて言われてますが、それをちょっとでも近づけれればなと。D.A.N.の人気にあやかって(笑)。で、とりあえず聴いてみましょう。
TORTOISE「Gesceap」再生
Tortoise / The Catastrophist(24bit/44.1kHz)
トータスの最新アルバム
【Track List】01. The Catastrophist / 02. Ox Duke / 03. Rock On / 04, Gopher Island / 05. Shake Hands With Danger / 06. The Clearing Fills / 07. Gesceap / 08. Hot Coffee / 09. Yonder Blue / 10. Tesseract / 11. At Odds With Logic / 12. The Mystery Won't Reveal Itself (To You) / 13. Yonder Blue (Instrumental)
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川上 : トータス、ちゃんと聞いたことないかも。
桜木 : なんか懐かしい感じも逆にしますね……なんていうんだろうな、エモかな?
川上 : ドラムの感じとかね。聴いたことがある感じ。
──他のも聴きつつ。
TORTOISE「Ox Duke」(『The Catastrophist』収録)再生
──わりと今回のアルバムは、彼らのこれまでのキャリアが入ってるというか。
川上 : デスキャブ(デス・キャブ・フォー・キューティー)とかアルバム・リーフとかのドラムの質感というか、ドラムのいる位置がそんな感じする。
──むしろ、彼らの方がオリジネイターではあったりするんだけど。
桜木 : 結構……寒い、基本気温低めなんだけど、室内のあったかさっていうか。
川上 : なんていうかな、感傷的な感じがする。
桜木 : 室内楽というか。
──昔の曲もかけてみましょう。これは彼らの1996年のはじめての出世作というか。20年前のアルバムか、ってこれ生まれた頃か、D.A.N.のみんな
桜木 : 私たち1993年ですからね。
──生まれた頃とかか(笑)
TORTOISE「Gamera」を再生
Tortoise / Millions Now Living Will Never Die
1996年リリースのポストロックの誕生を促した2ndアルバム
【Track List】01. Djed / 02. Glass Museum / 03. A Survey / 04. The Taut and Tame / 05. Dear Grandma and Grandpa / 06. Along the Banks of Rivers / 07. Gamera / 08. Goriri / 09. Restless Waters / 10. A Grape Dope
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桜木 : ぶれないっていうか。スピリチュアルな感じは自分たちが好きな感じがあるな。
──じゃあ、一番ヒットした『TNT』というアルバムがあるんですけど、これが1998年のアルバム。オルタナ / ハードコア上がりのバンドに、もうちょっとジャズ系の人たちが入ってきたって感じがこの頃はあって。
TORTOISE「TNT」を再生
Tortoise / TNT
1998年リリース、ポストロックを定義つけた3rdアルバム
【Track List】01. TNT / 02. Swung From the Gutters / 03. Ten-Day Interval / 04. I Set My Face to the Hillside / 05. The Equator / 06. A Simple Way to Go Faster Than Light That Does Not Work / 07. The Suspension Bridge at Iguazu Falls / 08. Four-Day Interval / 09. In Sarah, Mencken, Christ, and Beethoven There Were Women and Men / 10. Almost Always is Nearly Enough / 11. Jetty / 12. Everglade / 13. TNT (Nobukazu Takemura Remix)
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川上 : うん、かっこいいっすね。ジャズ・ドラムってかっこいいっすよね。俺も叩きたいわ。
──こっちのほうがやっぱり引っかかるものがあるっていう感じですか。
川上 : ビートが全然かっこいいと思う。
桜木 : こっちは、よりギターが。ギターロックにも通ずるような。アメリカのこう、ハードコアとかエモとか、あんまりそういうの聴かないですけど、そういうフィーリングに似ている。アメフトとか……。
──そうですね、もともとそっちの人という感じで。
市川 : なるほど、このときのほうがおもしろいですね。
桜木 : ビートとメロディとかがいい感じに、合ってない感じがおもしろい。
──これ、プロツールスで──いわゆるPC上で切り貼りして、いろいろレコーディングするのがはじまった時期で。それをはじめて導入して、さまざまな音楽のレコーディング素材をパズルみたいに組み合わせて作った楽曲。さっき言っていた「妙にあっていない感」はわざとなんだとは思うんだけど。
桜木 : なるほど。各パートすごい。なんかこうずれているんだけど、妙にそれが面白い。不思議だなぁ。
──じゃあ、ジャズっぽいほうがひっかかりそうだから、そっち行こう。ちょっと変なジャズっぽい感じで。
川上 : (冒頭を聴いて)いいですね。おもしろい。
市川 : 音がいいですね。
桜木 : いいっすね。
川上 : これは欲しいな。
桜木 : むっちゃコンテンポラリーな感じ。
川上 : モーリッツっぽいな。
──ほぼ、あたり、これはモーリッツの……。
市川 : あれだ。これタワーで試聴してすげー気になってたんですよ。知らなかったんですけど、たまたまた聴いて、なんだっけ。
──モーリッツの右腕のマックス・ローダーバウワーのジャズ・プロジェクト。他の曲もきいてみましょう。
AMBIQ「the spur」~「the mother」を再生
AMBIQ / ambiq2
マックス・ローダーバウワーによる前衛エレクトロニック・ジャズ・プロジェクト
【Track List】01. the spur / 02. introspective kitchen / 03. the mother / 04. meta / 05. parton's double vision / 06. dots / 07. mytoprill / 08. naked george / 09. ephemera / 10. the sedge / 11. consolation
市川 : ああ、なんでしたっけ、即興演奏とかなんですよね。
──そうですね、たぶんジャズ・プレイヤーがやったものをマックスがまとめる的な。
川上 : こういう気分なんですよ、僕たちが完全に。
桜木 : まさに「わかるわかる」って感じで。
川上 : バスドラのレイヤーの感じとか。それと生のニュアンスのバランスがすごく良い。そっからビートが浮き立ってきて、その中でシンセの音とかビートが浮きだってくる。
桜木 : なんていうか、生ドラムというのが最近は特別にフィーチャーされている気がするんです。それまでビートメイキングはエレクトロの音というのがわりと中心でそれが当たり前みたいになっていて。もちろん生ドラムって従来はものすごい当たり前なんだけど、でも、いまは逆に生ドラムというものが新鮮みたいになっている気がして。
ジャズ・ドラムの気分
──ジャズって言っても、こういうちょっと電子音楽的いじってあるみたいなものがおもしろいかなって感じ?
桜木 : おもしろいっす。ただやっぱり、なんだろう。この感じだとモーリッツの新作とちがうのはやっぱり、ヴィラロボスがいるかいないかっていう感じがする。
──でも、このマックスはヴィラロボスと結構いろいろなリミックスとか手がけてて。例えばこのアルバムのアプローチに近い感じだとECMという現代音楽~フリー・ジャズの牙城があって、そのレーベル音源をまるまる素材にしてリミックスしているアルバムがある。ちらっと聴いてみよう。
川上 : うわ~、いいですね~。
──わりとアンビックは、多分この延長線上だとは思うんですけど。
桜木 : これ超かっこいい、ものすごいシックですよね。質感が。それがすごいかっこいいわ。でもすごい艶があるというか。
川上 : 馴染ませるのが超うまい。このエフェクト感。
──フリー・ジャズみたいなのは聴いたりするんですか。
桜木 : フリー・ジャズといっても、そこにフォーカスして聴くっていうことはないですね。たまたまこういう要素が入っていた時に「お、いいな」って思ったりとか。そういうところにヒントがあるのかなと。
──でもここまで実験的じゃなくてもある程度ポップなものでこういうことをやりたいっていうことですよね。
川上 : 普遍性というかね。
──で、次はもうちょっとフライング・ロータスとかに近い方のジャズ。
桜木 : いや~かっこいいね~、すごいすきなんですよね。スネアのパラパラ感。
Kneebody & Daedelus「LOOP」を再生
Kneebody & Daedelus / Kneedelus(24bit/44.1kHz)
ジャズ・バンド、ニーボディとデイダラスのコラボ・ユニット
【Track List】01. Loops / 02. The Hole / 03. Drum Battle / 04. They are We / 05. Platforming / 06. Home / 07. Move / 08. Thought Not / 09. Rounds / 10. Not Love
川上 : こういうビート感なんですよね。
市川 : ドラマーが突き詰めていくと結局はジャズに行き着く。あそこを一回通らないと、全くできなくなってきちゃうんですよ。
──じゃあ結構聴くのはそっちの音源が多い?
川上 : こういうのがいちばん反応しやすい。「お前何やってんの? 」「ドラマーです」っていって、こういうビート叩いてたら、やばすぎる。
──これはジャズのトリオ、ニーボディというのがいて。西海岸のジャズ・バンドという感じだと思うんだけど、それと、フライローより先輩格のビートメイカーが組んだユニット。
桜木 : なんていうんだろう、このドラムのパラパラ感。このドラムのパラパラ感で、あと好きなのはムーンドックなんですよ。
Kneebody & Daedelus「Drum Battle」を再生(『Kneedelus』収録)
川上 : かっこいいわ。
桜木 : この無骨な感じも好き。
市川 : ちゃんとキャッチーな感じもあるしね。
桜木 : アーチー・ベラーゴとかにも感じが近いね。ダンス・ミュージックとかが好きという感じがいっぱい出てるよね。
市川 : バスドラとベースとかの低音の出し方がデジタルの出し方をしていて、それでいて生のドラムの感じってすごい好きな音ですね。
桜木 : いわゆるジャズのライヴ・ハウスやコンサート・ホールだけで踊ってる人じゃないというか。クラブとかも遊びに行ってる連中がやってるジャズというか。奥行きであるとか、音響的なアプローチまでいろいろしっかりやっていて、そういうところがおもしろい。
川上 : エレクトロ的なビートに対して「俺はこういうニュアンス出すよ」みたいな挑戦をしているのが好きですね。
市川 : あ、〈ブレインフィーダー〉なんですね。
──そうそう、だからみんなが好きなテイラー・マクファーリンとかともわりと近いところのシーンというか。次にいってみましょうか。次は逆にもろにジャズいってみましょうか。プロデュースは日本の女性のDJの人がやっているんですけど、演奏は70年代から活動している人もいれば最近の30代のプレイヤーまでやっているというようなプロジェクト。
RM jazz legacy「Night Flight」を再生
RM jazz legacy / RM jazz legacy(24bit/88.2kHz)
DJ大塚広子による敏腕演奏家を集めたジャズ・プロジェクト
【Track List】01. The Spirit / 02. African Water / 03. Reborn / 04. Footprints / 05. Turkish Bath / 06. Come With Me / 07. Night Flight / 08. Let's Stay Together
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川上 : かっけ~!
──これはまさに音響的なところはそこまでやっていないけど、まぁクラブ・ミュージックを通ったDJがプロデュースをしているんですが。
桜木 : めっちゃいいスピーカーで音楽聴いている人みたいというか。
川上 : やっぱりこういうのはね、普遍的な良さがありますよね。
桜木 : もうもはやマッサージみたいですよね
川上 : 音の密度すごい凝ってて、気持ちいい。
桜木 : お互いの呼吸をとりあってる感じで。でもやっぱり音がめちゃくちゃいいっすね。いまジャズをやって、さらにアップデートされている感じ。
FLOATING POINTS「Nespole」を再生
FLOATING POINTS / Elaenia
UKベース・ミュージック〜クラブ・ジャズの新鋭による1st
【Track List】01. Nespole / 02. Silhouettes (I, II & III) / 03. Elaenia / 04. Argenté / 05. Thin Air / 06. For Marmish / 07. Peroration Six / 08. Precursor
──最近のエレクトロニック系の……。
川上 : あ~きた~!
桜木 : これはみんな大好き。
市川 : この音の質感がこういう系統の人のなかでも、全然レベルが違う感じがする。もういろんなところを飛んでいく感じは生き物みたい。
桜木 : エンジニアの葛西さんが教えてくれて。
──葛西さんにもこの場で参加してもらったらおもしろいかも。
川上 : 葛西さんがくると、たぶん、ずっと一人で喋ってるか自分でいっぱい持ってくると思う(笑)。
D.A.N.ルーマニアン・ミニマルにやられる
──これはルーマニアのミニマルでポスト・ヴィラロボスって言われている人たち。
Petre Inspirescu「delir 2」を再生
Petre Inspirescu / Vin Ploile(24bit/44.1kHz)
ポスト・ヴィラロボスとの呼び声の高いルーマニアン・ミニマル
【Track List】01. delir 1 / 02. delir 2 / 03. delir 3 / 04. delir 4 / 05. delir 5 / 06. delir 6 / 07. delir 7 / 08. lumiere / 09. pan'la glezne
川上 : いや、これはむっちゃいい。
市川 : うわ、これはいい。ドローン系の感じとかも含めて。
桜木 : なんかルーマニアン・ミニマルっていま流行ってますよね。今度来るラドゥーとかと同じ人たち?
──そうそう。まさに同じクルー。
川上 : こうやって出てくるレイヤーとかも最高だね。
桜木 : ルーマニアもいろいろ掘ってみたいんですよね。ドイツとは別のカルチャーがある感じがして。なんかイカれ方がドイツとはまた違うって感じがして。
市川 : 風景とかも違う感じがする。
川上 : スピリチュアルな感じもする。
──南米ものとかとも近いシャーマニックな感じがするかな。
桜木 : たしかに、そう、シャーマニック。あといろいろな曲調がありますね。フローティング・ポイントもそうだけど、結構いろいろな曲調がアルバム1枚のなかにあるのって重要だと思うんですよね。そういう風なのもいいっすよね。
Petre Inspirescu「delir 3」(『Vin Ploile(24bit/44.1kHz)』に収録)
市川 : 本当、これは超いいなぁ。すごい繊細っすね。
川上 : センスやばいっす。超いいっすね。インスピレーション受けちゃうかも。
桜木 : 僕らって精神世界に入っていくようなダンス・ミュージックが好きなんですよ。そういうところでトリップホップとか好きなんだと思う。
──それがわりと作品のサイケデリックな感じに通じてるのかなと。
桜木 : でもこの作品はやばいですね。
川上 : 森とか、水のなかで聴こえてくる感じ、なんかそういうのをエレクトロニクスで表現しているっていうか。
桜木 : バスドラとかコンガのミスマッチとかもすごいおもしろい。同じ世界で鳴ってないものが両方聴こえて、つじつまがあっている感じ。
──今日、いちばん反応が良かったなぁ。掘り出しものということで。
Andrew Weatherall「Frankfurt Advice」を再生
Andrew Weatherall / Convenanza(24bit/44.1kHz)
UKのDJカルチャーを象徴する男のひさびさのソロ・アルバム
【Track List】01. Introduction / 02. Frankfurt Advice / 03. Confidence Man / 04. The Last Walk / 05. Kicking The River / 06. Disappear / 07. We Count The Stars / 08. Thirteenth Night / 09. Ghosts Again / 10. All That's Left / 11. Youth Ozone Machine
桜木 : むっちゃニューウェイヴの感じですね。
──そうだね、世代的にはポスト・パンクに思春期みたいな人だからね。次はアンドリュー・ウェザオールの新作。もともとはプライマル・スクリームをスターダムに押し上げたり、あとは1990年代にトリップホップ的なことを初期にやったりとか、いろいろUKのDJカルチャーの代表選手みたいな人。で、ずっとインスト作ってたんだけどこの10年、たぶん、40歳を超えて歌を歌いはじめたみたいな。
桜木 : かっこいい。
──ちょっと他の曲調も。さっきみたいなわりと荒々しい感じもあればこんな感じのも。
Andrew Weatherall「Ghosts Again」(『Convenanza(24bit/44.1kHz)』に収録)
桜木 : へぇ、もっと聴いてみたいな。
川上 : この曲はいいっすね。
桜木 : 相当、ひねくれてる感じはしますよね。
──一時期は完全にロカビリーみたいな感じだったりとかおもしろかった。
川上 : なんでもやりたいみたいな。
──この雰囲気でハウスもやってたり。と、いうことで今回はこの辺で、わりと前にインタヴューのときにモーリッツの話をしたので、あまりそこから外れないようにアンビックとか、そういう感覚から選んだので。次回はわりともっといろんなのぶつけようかと。どれがおもしろかったですか?
桜木 : 全部おもしろかったですけどね。
市川 : でもやっぱりアンビックとルーマニアのやつかな。
川上 : 俺はニーボディとデーデラス、あとは俺もアンビック、ルーマニア。
桜木 : そう、そのあたりのジャズ・ドラムっていう視点はひとつ、自分たちのなかで、新しい見方として共通してあるかも。
──なるほど。
桜木 : あとはスピリチュアルというか内省的な感じというか、そういう感覚。
──が、わりと3人とも共通している感覚という。
桜木 : そこを突き詰めていったらサイケデリックな音楽ってD.A.N.も言われて。それが意外で。精神的な感覚から出てきた音がサイケデリックって捉えられることもあるんだっていう。
市川 : 自分たちのパーソナルな感じで曲を作ってたら、他の人からみたら異世界というか。全然自分の考えているものと違ったものを聞かされたというか。それがサイケデリックと言われるのかと。
桜木 : サイケデリックって抽象的な概念ですけど、やっぱりサイケデリックというと“サイケデリック・ロック”が浮かんでしまうんですよね。ジミヘンとか「ピース」な感じとか、「タイダイ染め」の感じとか。ああいうイメージが強かったので。サイケデリックと言われたときに、「ああ、そうなんだ」みたいな。
市川 : もっとサウンドの抽象的な部分でサイケっていうのを言われるようになった。
──ピースでもなんでもないっていう。さっきのルーマニアものとかまさに似ている感覚ってあると思うけど。
桜木 : まさに。そうそう。
────なんとなく、D.A.N.を一番はじめに聴いたときにカンの後期の「Flow Motion」って曲を思い出したんだよね。サイケな雰囲気と、いわゆるロックの感覚じゃないものが入っているというか。
桜木 : あ、それ聴きたい。
桜木 : そうきますか、でもこれクソかっこいいですね。初期よりこっちの方がすきかも、このくらいのテンションのが。もちろん、初期もかっこいいと思うんですけど。いまのテンションはこっちの方かも。
──レゲエとかブラック・ミュージック的な要素をやってるんだけど、コピーじゃなくてもうちょっと違う要素がオリジナリティとして入ってるというか。で、そろそろ、いま制作中のアルバムはどうですか?
桜木 : いまは歌を録ったり、そこに対して音をレイヤーしたり、ちょこちょこミックスしながら。
川上 : プリプロを結構しっかりやったんで、結構後半のほうですね。
桜木 : 今回は作り方に結構こだわってて。iPhoneでとったような音から、葛西さんと実際に録って、また僕らで重ねて。またそこから葛西さんとやってという感じで、ミルフィーユ状に音を作っていて。その作業のたびに毎回毎回よくなっていくので、音造りの上で細かいところも葛西さんと共有できていて。
川上 : 次会うときにはたぶんかなりできあがってると思いますよ。
連載『D.A.N.の新譜放談』第2回はこちら
連載『D.A.N.の新譜放談』第3回はこちら
今月のD.A.N.情報
D.A.N.過去シングルも独占ハイレゾ好評配信中
D.A.N. / EP
【Track List】
01. Ghana
02. Now It's Dark
03. Morrison
04. Beach (Shinozaki Sohei Remix)
【配信形態 / 価格】
[左]24bit/48kHz WAV / ALAC / FLAC / AAC
単曲 250円(税込) / アルバム 1,000円(税込)
[右]16bit/44.1kHz WAV / ALAC / FLAC、AAC / mp3
単曲 200円(税込) / アルバム 800円(税込)
アルバム購入で歌詞ブックレットが付属します
D.A.N. / POOL
【Track List】
01. POOL
【配信形態 / 価格】
[左]24bit/88.2kHz(WAV / ALAC / FLAC) / AAC
250円(税込)
[右]16bit/44.1kHz(WAV / ALAC / FLAC) / AAC / MP3
250円(税込)
アルバム購入で手書きの歌詞カード画像が付属します
リリース・ツアー情報
D.A.N. presents 《Curtain》
1st Album『D.A.N.』Release One Man Live!!
2016年5月20日(金)@SHIBUYA WWW
SOLD OUT!
D.A.N. Release Tour “Curtain” 札幌
「FONS 3UP」
2016年6月25日(土)@札幌 KRAPS HALL
出演 : D.A.N. / The fin. / and more…
never young beach & D.A.N. W Release Tour
D.A.N. Release Tour “Curtain” 仙台
2016年7月03日 (日)@仙台 enn 2nd
出演 : D.A.N. / never young beach / Suchmos
D.A.N. Release Tour “Curtain” 大阪
2016年7月06日 (水)@大阪 Shangri La
出演 : D.A.N. / and more… ※ゲストアクト 5/15解禁
D.A.N. Release Tour “Curtain” 名古屋
2016年7月07日 (木)名古屋 APOLLO BASE
出演 : D.A.N. / and more… ※ゲストアクト 5/15解禁
チケット情報などは下記のアーティスト・ページで
>>D.A.N. アーティスト・ページ
PROFILE
D.A.N.
2014年8月に、桜木大悟(Gt,Vo,Syn)、市川仁也(Ba)、川上輝(Dr)の3人で活動開始。様々なアーティストの音楽に対する姿勢や洗練されたサウンドを吸収しようと邁進し、いつの時代でも聴ける、ジャパニーズ・ミニマル・メロウをクラブサウンドで追求したニュージェネレーション。2014年9月に自主制作の音源である、CDと手製のZINEを組み合わせた『D.A.N. ZINE』を100枚限定で発売し既に完売。6月11日に開催の渋谷WWW企画『NEWWW』でVJ映像も取り入れたアート性の高いパフォーマンスで称賛を浴びる。そして、トクマルシューゴ、蓮沼執太、森は生きているなどのエンジニアを務める葛西敏彦を迎え制作された、デビューe.p『EP』を7月8日にリリース。7月にはFUJI ROCK FESTIVAL '15《Rookie A Go Go》に出演。